北方(埼玉)から、ステムベアリングの交換と。

一週間ほど前になりますが、以前にトランスミッションのO/Hをご依頼いただいたお客様が、今回はステムベアリングの交換にご来店くださいました。またまた有り難いことですッ!

そもそも、走行距離57,000kmほどの車輌(R100RS、モノサス)を入手され、当初は外装を再塗装してエンヂンをキレイに磨き、フレームも錆びたトコロを塗り直して乗り出すつもりが、手を付け始めたら車輌がバラバラになっていたッ!とのことで、そのお手伝いの第二弾になります。

で、塗装済みのフレームをお持ち込みいただいたのですが、事前にベアリングのアウターレースを外されていなかったそうなので

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オリヂナルの専用工具を使ってグイグイ抜き、ステムベアリングを交換しました。再塗装されたばかりのフレームで緊張しますが、専用工具を使えばご覧の通り。アラ、簡単!

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ついでに、フロントフォークと幾つかの部品をお預かりして、後日、O/Hさせていただきました。

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まずは分解してキレイにし、各部の点検から。インナーチューブの状態は、やや擦れた跡と小さな傷が1箇所ありましたが、オイル漏れを引き起こすほどではなさそうでした。他の部品も状態は良好です。

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今回ご依頼いただいた理由はコレ、ダンパーロッドのガイドリング(ピストンリング)です。この紙製のガイドリング、個人でもフロントフォークのO/Hに挑戦される方はいるかと思いますが、新品への交換はかなり苦労すると思います。元々付いていたモノを再使用する場合でもインナーチューブへの挿入は難しいですが、張りのある新品の場合、挿入する際にガイドリングが広がってしまい、強引に組みつけようとすればリングを傷めてしまいます。どうするッ!

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大丈夫、当店ではオリヂナルの専用工具を用意していますので数分で挿入可能です。バンザイ!

ちなみにこのガイドリング、取り付けには向きがあります。写真のように凹部を下にするのが正解です。

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で、外した部品を順番通りに元に戻せばインナーチューブの組み立てはOKです。

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フロントフォークのアウターチューブも、オイルドレイン用の穴の周りや、アクスルシャフトの挿入部をキレイに均しておきます。

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このアウターチューブはフレーム同様に粉体塗装で塗り直されていますので、マスキングの隙間から入り込んだ塗料を落とすのにちょっと苦労しました。ココに塗料が残っていると、アクスルシャフトの挿入がキツくなったりしますので。

また、フォークトップのO-リングが潰れて変形していましたので、交換しておきました。
(このとき、片側のオイルフィラーボルトが固く締まっていることを確認したのですが、それが後にトラブルを起こすことに・・・。申し訳ありませんでした。)

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フロントフォークを組み立てて、フォークオイルを入れてエア抜きし、一晩置いて漏れがないことを確認します。オイルシール、ドレインボルト、アウターチューブの底からも漏れはありませんでした。

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さらに、お客様ご自身でキャブレターをO/Hされた際に、バタフライシャフトのネジ穴をダメにしてしまったそうなので、その交換と(写真では分かりにくいですが、片側のネジ穴がユルユルになっています)

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当店オリヂナルのスターターノブの取り付けもご依頼いただきました。有り難うございますッ!

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その他、幾つかのご注文部品も用意し、一通りの作業を終えて梱包、発送したのですが、翌日、お客様からフロントフォークのオイル漏れのご連絡をいただいてしまいました。

こちらの思い込みで、片側のオイルフィラーボルトだけ確認して締まっていると判断し、結果、お客様に大変なご迷惑をお掛けしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。二度とこのようなことがないように努めますので、これに懲りず、またお手伝いさせていただければと思います。せっかくのご依頼にしっかりと応えられなかったこと、強く反省しております。本当に、申し訳ありませんでした。

 

遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、フロントフォークのO/Hや、キャブレターの修理も承っております。