R65、オイル噴出の修理。

R65(2本サス)にお乗りの、モギーが足を向けて寝れない&当店のステマ担当のお客様、今度はトラブルでのご来店です。嫌な予感がします・・・。

先日のご相談でお話はお聞きしていましたが、何やら最近、エンヂン始動時に後付けのオイルフィルターからオイルが噴き出してしまうことがあるそうです。噴き出すのは決まって始動時で、そんなときはO-リングもプリッとハミ出てしまい、辺り一面にオイルの海が広がるとのこと。なるほど。つまり、バイクを降りて、「帆を上げろー!船を出せー!」ってことですね?

はてさて、どうなりますか。

こちらのお客様がお使いになっているのは、Motoren-ISRAEL製のオイルパン用スペーサーです。オイル量を1リットル多くすることができ、油温も10~15°低く抑えることができるそう。フィルター交換も容易で、ブン回して走る方にはもってこいの製品なのですが・・・

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すでに3回もオイルを噴いてしまったことで、「ちょっと心が折れかけてます。トホホ。」とのご様子。直らなければ元に戻すことも考えたそうですが、このオイルパン用スペーサーを取り付けるときに「オイルフィルターを挿入するキャニスターを破壊して抜いているッ!後戻りはできないッ!」んだそうです。アチャー。

とりあえず、O-リングがハミ出してしまうとのことなので、「フィルターに付いているモノが弱いのカモ?」と考え、現物から寸法を採り

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耐油、耐熱、耐圧性に優れたO-リング(左)を手配して取り付けてみます。さあ、どうなのよ!

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アレアレ?ココはマレーシア?アレはマーライオンかしら?

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って、思いっ切り噴いているッ!

wait

 

~二日後~

作業場のお掃除も終わり、少し気持ちも落ち着いたので、あらためてオイルが噴いた原因を考えてみます。

お客様が使用しているフィルターのサイズは68mmで、コレはMotoren-ISRAELの指定サイズ通りです。ただ、同時に推奨している適合フィルターの品番は「WL7169」または「MANN W712/52」で、このフィルターを調べるとサイズは74mm相当となっています。

モギー刑事  「ひょっとして、サイズが小さいのか・・・?」

フィルター取り付け部を確認すると、確かに74mmのフィルターでないとO-リングがしっかり接触しないようです。

モギー刑事  「まさか、そんなコトだったのか!」

ということで、ワンサイズ大きなフィルター(左)を手配して取り付けてみます。さあ、どうなのよ!

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アレアレ、ココはイタリア?アレはナヴォーナ広場の噴水かしら?

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って、また思いっ切り噴いているッ!

kanben

 

~二日後~

作業場のお掃除も終わり、少し気持ちも落ち着いたので、あらためてオイルが噴いた原因を考えてみます。(2回目)

オイルが噴出したフィルターをよく見ると、ハウジング自体が歪んでいるッ!のが分かります。この歪みのせいでできた隙間からO-リングがプリッとハミ出てしまい、オイルが噴出するようです。いつもお世話になっているモノタロウ・ブランドを悪く言うつもりはありませんが、完全に油圧に負けて変形してますので

モギー刑事  「ペロッ。このブツは・・・粗悪品だ!」

というモギー刑事の怒りもごもっともです。

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(動画でご覧いただけます。)

確かに、エンヂンが冷え切った状態からの始動時は油圧が高くなります。これは、まだオイルが固い(熱が入っていない)からで、数分の暖気運転で徐々に油圧は下がります。冬場はさらに冷えてオイルは固くなっていますが、それでも、調べてみるとオイルフィルターの耐圧性は工業規格で「1,500kPaに耐えること」となっていますし、2V-OHVエンヂンのオイルポンプの作動圧力はおよそ600kPaですから、どう考えてもフィルターから漏れたり、ましてやフィルター自体を変形させることはないハズなんですが・・・。
(現在の車で使用されている0W-30のような粘度の低いオイルなら、モノタロウ・ブランドのフィルターでも問題はないみたいです。事実、このお客様も夏場は大丈夫でしたし、モノタロウのユーザーの満足度もけっこう高いですし。)

てことで、またオイルフィルターを注文し、オイルも20W-50から10W-40へ変更することにしました。

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耐圧を謳うBOSCH製、しかもメイド・イン・ジャパン!当然、新品なので歪みもなくクルクル回ります。

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(動画でご覧いただけます。)

指定通り、O-リングが接触してから3/4回転締め込んだ状態で、ほぼクリアランスなしのこの状態ッ!コイツは期待できるッ!

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2回のオイル噴出ですっかりビビってますが、あえてキンキンに冷えた深夜に始動テストを行います。さあ、どうなのよ!(もうどうにでもなれ)

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バッチリです!暖気もソコソコに回転をブォンブォン!上げても、まったく噴き出す気配も、漏れる気配もありません。バンザイ!

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後日分かったことですが、お客様からの情報によるとMotoren-ISRAELでもこのトラブルは認識していたようで、現在販売されている新型のオイルパン用スペーサーにはリリーフヴァルヴが追加されているとのこと。そりゃないぜー。

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ちなみに、コレがお客様がお使いの旧型のモノです。

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単品でリリーフヴァルヴの提供もあるそうですが、価格は€75.00だそうです。現在(2015/12/11)のレートで約¥10,000ですから、ちょっとお高いですね。しかも、そもそもMotoren-ISRAELの設計ミスだと思うんですが、シレっと「元々エンヂンに内蔵されているリリーフヴァルヴが適切な油圧で作動しないからO-リングがハミ出る」みたいな説明をしていますので、旧型のユーザーには優しくない対応になってます。
もし同型のオイルパン用スペーサーをお使いの方がいましたら、オイルフィルターの選択には十分ご注意ください。それと、冬場は始動後の暖機運転を少しのんびり行っていただき、心配ならオイルの粘度も下げておくことをオススメします。

と、ただのフィルター交換のつもりが時間ばかりが掛かる結果になってしまい、また、フィルターが赤くなってちょっとハズカシイ感じになってしまいましたが、これで安心していつものようにブン回せると思います。この度も当店をご利用いただき、有り難うございましたッ!

 

後付けのオイルフィルターからピューとオイルが噴き出しちゃう方、ご相談くださいッ!