アポーなR100RS、始動不良ナリ。

チョップと言えばジャイアント馬場氏ですが、いよいよ当店でもチョッパーの取り扱いを始めました。アポー!

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じゃなくて、チョッパー?なカスタムをされたR100RSのお客様から「なんか急にエンヂンが止まっちゃって、アレがコレで、ナニがアレで、あ、俺のナニはアレですけど、その・・・ちょっと見てください!」みたいなご連絡がありまして、「ユーのナニは別に見たくないですよ?」とやんわりとお伝えしたところ、ソッコーでJAFにて入庫と相成りました。ナニがナンだか分かりませんが、とりあえず有り難いことですッ!

つか、どんな車種かも聞かされていなかったので、まさか・・・こんな・・・アポーなマシンとは・・・

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パッと見、憧れのハーレーやんけ!イカスー!

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と、軽~くお客様をディスったところで作業に取り掛かります。エアクリーナーケースに収められたバッテリーを見て、すぐに始動が困難になる原因の一つが分かりました。

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BOSCH製セルモーターを連続して回すには、ちょっと容量が足りないですよね。

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ちょうどセルモーターのO/H祭りを開催していましたので、お客様と相談して交換させていただくことにしました。

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それにしても、ネットオークションで実動車外しという中古品をなるべく安く手配しているんですが、4個中の3個でマグネット剥離、しかも1個はマグネットが粉々・・・!ほんと、Valeo製セルモーターのマグネットはよく剥がれますね~。

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で、急にエンヂンが止まる&アイドリングが安定しない症状ですが、単純にキャブレターの調整が上手くできていなかったのが原因だったようです。スロットル周りが変更されているため、ケーブルの長さが少し足りずアジャスターがこんな感じになっていますが、アイドリングを丁寧に調整し、ビシッと同調も取っておきました。イイんじゃあないでしょうかッ!

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点火時期も点検してみましたが狂いはありませんでしたので、ブラインドプラグだけ純正部品に交換させていただきました。(チャリン♪)

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追加でご希望のヴァルヴクリアランスも点検&調整しています。音が気になるとのことでしたので、念のためロッカーアームも点検しましたが、スリッパー面にもベアリングにも異常なしッ!でしたよー。

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さて、ちょっくら試乗に行ってみよう。

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~試乗後~

エンヂンの調子は良くなったと思いますが、リアタイアとフェンダーのクリアランスを稼ぐためだけに取り付けられたKYB(カヤバ)製サスペンションがガチガチで、まるでリヂッドフレームみたいな乗り心地ッ!これでは、ハード・ゲイ・・・じゃなくて、タフ・ガイと呼ばれるモギーのお尻でも壊れてしまいます。ヒー!

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お客様もなんとかしたいと考えていたそうなので、そこそこの程度の純正中古品に交換しておきました。ただ、今度は大きな段差でタイアがフェンダーに擦ってしまいそうですので、もう少しクリアランスを確保していただければと思います。当店に加工設備&技術があれば・・・。

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あ、スウィングアームピヴォットのキャップが片側ありませんでしたので、ピヴォット部のグリスアップ&締め付けトルクの点検と同時に、取り付けておきました。

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また、お客様がキー!キー!と恥ずかしいくらい鳴くとおしゃっていたフロントブレーキですが、確かに恥ずかしかったです。パッドの残りは十分でしたので、とりあえず鳴き止めの対策をしてだいぶ治まったと思いますが、またすぐにハズカシー!と感じるようでしたら、次回はパッドを交換させてください。表面の状態がイマイチのようですので。

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それと、ハンドルを切ったときにミラーがタンクに当たっていましたので

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ストッパーを調整しておきました。もう、コツンとなることはないッ!と思います。

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ハイ、できました。

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ということで、この度はアポーなカスタム車輌の整備のご依頼、有り難うございましたッ!こういうスタイルのBMWは初めてでしたが、軽くなった車体に絞り込んだアップハンドル、反則スレスレ?のショートサイレンサーの組み合わせは、それだけでなんかちょっとワルっぽい雰囲気があって、普段、地味に生きてるモギーもその気になっちゃいました。短い試乗でしたが、とっても面白かったです!こりゃ、チョッパーとかトラッカーとかのスタイルが愛されるのも分かる気がします♪
まだ幾つか整備したほうが良い所もありますが、まずは仕上がったばかりというこちらの車輌をバリバリお楽しみいただいて、また何かありましたらお気軽にご相談ください。お若いBMW乗りが増えるのは嬉しい限りですので、こちらもできるだけサポートさせていただきますよー。てか、お客様ったら目ぇキラッキラさせちゃって・・・ほんともう・・・おじさん頑張っちゃう!

 

カスタムされた車輌の点検&整備も承っております。ご相談くださいッ!

 

オマケ

モギーが知っているアポーとは、コレのことです。チョップ!チョーップ!

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R100RS、ウィンカーのLED化とセルモーターのO/Hと。

つい先日「スロットル開け始めの吹け上がりが悪いんです。」とのことで作業させていただいたR100RSにお乗りのお客様のご友人で、以前にスターターノブを取り付けさせていただいたお客様、今回は「ウィンカーをLED化したいんです、ハザード付きで。」とのご相談があり、部品が揃ったタイミングに合わせてご来店くださいました。またまた有り難いことですッ!ウレスィー!

 

テイルランプは先にLED化されたそうで、「LEDにすると電力の消費がかなり違いますよね。」と、すでにLED化の効果はご存知でした。確かに、電圧計のあるR100RSだと目に見えて違いが分かりますからね。

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ちなみに、コレがウィンカーを動作させたときの電圧計の針の動きです。個体差はありますが、通常、こんな感じでけっこう針が振れていると思います。ウィンカーのバルブは21Wですから、前後で2個あると電圧降下もバカになりませんね。

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(動画でご覧いただけます。)

使用するのは、少し前にワガママなR80をLED化したときも利用させていただいた輸入屋ビーマーさん取り扱いのLEDウィンカーキットですが、コレはハザード機能付きのモノになります。

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まずは、LEDバルブに交換しまして

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スッキリさせるために配線を加工しつつ、リレイも交換します。

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余談ですが、ネットショッピングで手に入るICウィンカーリレイ(右)も試しに購入してみました。モノサスであれば、端子の配置が同じCF14型のリレイならそのまま交換可能です。コレは、上部のツマミでウィンカーの点滅動作(間隔)を調整できるので、ウィンカーのバルブだけをLED化してもいわゆるハイフラ状態にはなりませんが、残念ながらインヂケーターの点滅具合が非常に暗くなりました。インヂケーターもLED化すれば大丈夫かも?しれませんが。また、ウィンカーをOFFにしたあともリレイのカチカチ音が残ることがあり(動画ではたまたま残らず、聞こえませんが)、ちょっと気になります。

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(動画でご覧いただけます。)

LED化だけでなく、21W→10Wのようにバルブのワット数を変更した際にも利用できるので十分使えそうな気もしたのですが、ちょっと惜しいですね。¥1,500/個くらいですから、興味のある方は試してみても良いかもしれません。ご参考まで。

作業に戻りまして、お客様がご用意されたハザードスウィッチを取り付けるため、カウル内のご指定の位置に四角い穴を開けます。同時に、「メーターの上に貼り付けているアンテナが、どうもアレで・・・」とのことで、当店オリヂナルのETCアンテナ用ステイの取り付けもご所望です。ウホッ!これまた有り難いことですッ!

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スウィッチの奥行きがギリギリでしたが

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ビシッと取り付けできました。良いんじゃないでしょうかッ!

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ウィンカーリレイへの配線だけでなく、ETCアンテナの配線もキレイにまとめておきました。うーん、スッキリできると気持ち良いー。

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さらに、インヂケーターのバルブもLEDとなるため、メーターへ繋がる配線も加工します。作業スペースが狭くてちょっと苦労しましたが、こちらも上手くできました。フフフ。

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で、メーター内のバルブもLEDに交換です。ウェッヂタイプのLEDバルブには極性がありますので、仮組みして動作を確認しておきます。そうしないと、メーターを元に戻してから「アレレ?点滅しないよ?なぜに???」てなコトになりかねませんので。

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できました。インヂケーターもクッキリ点滅していますし、ハザードスウィッチの動作もバッチリです。電圧計の針の振れもハザードの状態でコレですから、さすがLEDですね。

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(動画でご覧いただけます。)

もちろん、ウィンカーもパッパッと点滅しているッ!ことを確認できました。バンザイ!

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(動画でご覧いただけます。)

昼間の暑さで思ったように作業が捗りませんでしたが(5/22現在、工場の中は30℃超えています・・・)、なんとかウィンカーのLED化まで終わりました。この作業場の暑さをどうにかしないと、この夏、モギーは・・・痩せてしまうかもしれません。ウヒヒ♪

 

~翌日~

引き続き、ご依頼の作業を進めます。まずはセルモーターのO/Hです。同時に、マグネットハウジングも剥離対策が施されたEME製のモノへ交換になります。

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取り外したセルモーターをよく見ると

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17年1月17日?にO/Hされているみたいでした。

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バラバラに分解したところ

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接着剤でマグネットが貼り付け直された跡がありましたので、やっぱりO/Hされているみたいですね。

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それでも10年くらい前になりますので、点検を兼ねたO/H時期としてはちょうど良かったのかもしれません。グリスの状態はまあまあでしたが、ちょっと量が少ない感じでしたから。

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ただ、ブラシはほとんど減っていないッ!ので、再使用しています。上手に使われてきたみたいですね。ちょっとビックリです。

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EME製マグネットハウジングにキレイに清掃したアーマチュアを取り付け

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ブラシをビシッを組み付けて

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遊星ギアのトコロをたっぷりグリスアップすれば

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できました。

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車体に戻したら、セルモーターの動作も確認します。バッチリです!

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あ、片方のタンクマウントのゴムが千切れていましたので、勝手に交換しておきました。(チャリン♪)

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残すは、お客様が持ち込まれたオーリンズ製リアサスペンションの取り付けです。

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ただ交換するだけのハズなのに、アレやコレや外さないと取り付けられないので、これがけっこう大変・・・。

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オーリンズのサスペンションボディは純正のモノに比べて太いため、そのままだとサブフレームにガツッと干渉しちゃいます。ココのクリアランスを確保するには

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こういうスペーサーをサブフレームの取り付け部に入れてやる必要があるんですが、今回はお客様がご用意されていた数種類のスペーサーのおかげでビシッと調整できました。あざーす!

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また、エンドアイもファイナルドライヴのケースにガツッと当たってしまうため、干渉する部分を少し削る必要があります。

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という感じで、サスペンション本体の取り付けができれば、あとはパニアステイを元に戻してリザーヴァータンクを固定するだけです。上手くできたんじゃあないかッ!と思います。

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暑さに負けることなく、無事に作業終~了~。

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ということで、この度はウィンカーのLED化やセルモーターのO/H、リアサスペンションの交換等、幾つもの作業のご依頼、有り難うございましたッ!お客様の経験があれば、お伝えした手順で走りやすいセッティングを探ることができると思います。是非、楽しみながら色々と試してみてください。サスペンションのセッティングについて気の利いたアドヴァイスができず申し訳ありませんが、良いご報告をお待ちしておりますッ!

 

ウィンカーのLED化や、セルモーターのO/H、オーリンズ製リアサスペンションの取り付け等、諸々承っております。ご相談くださいッ!

西方(愛知)から、ホウィールの修正&塗装と。(その2)

当店ブログに触発されて「自分もあんな風にホウィールをッ!塗り直したいッ!」とご連絡くださったお客様のR100RS、そろそろ塗装に出していたホウィールが戻ってきちゃいそうなので、他のご依頼の作業も進めておきます。つか、ブログの時系列がめちゃくちゃですが、ご理解くださいッ!

 

まずは、セルモーターのO/Hから。

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以前に試乗した際、エンヂン始動後のセルモーターの回り終わりにギャー!という異音が聞こえることがありましたので、お客様に相談して作業させていただくことになりました。

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バラバラに分解して、中身を確認。

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マグネットはしっかり付いていましたが

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当店取り扱いのEME製マグネットハウジングに交換します。これで、もうマグネット剥離の心配はなくなるかと。

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あ、ブラシがけっこう減っていましたので、同時に交換しておきました。長時間セルモーターを回せばそれだけ負担が掛かりますので、短時間でエンヂンを始動するコツを早めに見つけていただければと思います。そうすれば、より長く安心してセルモーターを使い続けることができますので。といっても、乗り始めてまだ半年ほどとのことですから、前の所有者の時点ですでに減っていたような気がしますが・・・。

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ちなみに、こちらの車輌の走行距離は36,000kmくらいでした。通勤で乗られるような始動回数が多い方とロングツーリングで主に乗られる方では当然違いがありますし、セルモーターの使い方によっても変わってきますが、50,000kmくらいをO/Hの目安としても良さそうです。ブラシの残りが気になる方がおられましたら、ご相談ください。参考までに、交換用の新品のブラシの長さは18mmです。

作業に戻りまして、マグネットハウジングにアーマチュアやブラシを取り付け、ビシッと組み立てます。

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あ、このダストキャップがありませんでしたので、取り付けておきました。分解された形跡もなく、最初から付いていなかったみたいです。ときどきこういうコトがありますね。

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それと、セルモーターの回り終わりにギャー!という異音が出た原因は、遊星ギアのグリス切れでした。カチカチになってポロポロ落ちてきたグリスをキレイに取り除いて

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たっぷりグリスアップしておきましたので、もう大丈夫かと思います。

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できました。

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続いて、ダイオードボードを取り外し、マウントを交換します。

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オルタネーターとイグニッショントリガーのトコロからのオイル漏れはないですね。グッド!

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純正のゴムのマウントからアルミ製のマウントに交換しまして

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元に戻します。

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で、セルモーターも元に戻せば、電装系のご依頼分はOKです。フゥ、ホウィールが戻ってくる前に、なんとか間に合った~。

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そういえば、エアクリーナーのフィルターがちょっと傷付いてました。カヴァーを脱着する際に擦ったんだと思いますが、まだ十分使えそうなのでそのままにしています。このフィルター、意外とお高いんですよね・・・。純正品で¥6,440(税抜)、EME取り扱いの相当品でも¥4,700(税抜)くらいになってしまいますので。

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~翌日~

ドンピシャなタイミングでホウィールが届きましたので、引き続き作業を進めます。予定より数日早く納品してくださった塗装屋さんに感謝でありますッ!

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塗装の仕上がりも、ご覧の通りッ!ツヤツヤしているッ!

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それでは、さっそくベアリングの取り付けとまいります。

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取り外した際に錆が気になったディスタンスカラーですが、キレイにしてたらリングもポロリと取れちゃいましたので、たまたまあった中古品と交換させていただきました。

タイアを履かせ、ブレーキディスクも取り付けて

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お客様お持ち込みのクロムモリブデン鋼、通称クロモリのアクスルシャフトで組み付ければ

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できました。さあ、どうなのよ!

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(動画でご覧いただけます。)

ウホッ!キレイにクルクル回っているッ!

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ちなみに、修正前はこんな感じでした。

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(動画でご覧いただけます。)

こちらのホウィールは歪みが何箇所もありましたので、その分、修正に手間が掛かったそうですが、それでもこのくらいキレイに回るようになります。中古良品のホウィールが手に入らない場合、修正するという選択もアリなのではないかッ!と思います。価格は修正箇所次第になりますので、気になる方はお問い合わせください。

おっし、お次はリアホウィールです。

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ドラム側もキレイに仕上がっています。

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ついでにブレーキシューも点検しておきました。厚みは十分残っていますので、まだまだ大丈夫だと思います。

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これで、残す作業もあと少し!ファイトー!オー!

 

(続く)

 

セルモーターのO/Hや、ダイオードボードマウントの交換、塗装したホウィールの組み付け等、諸々承っております。ご相談くださいッ!

北方(埼玉)から、セルモーター修理。

何度か作業をご依頼くださっている「当初は外装を再塗装してエンヂンをキレイに磨き、フレームも錆びたトコロを塗り直して乗り出すつもりが、手を付け始めたら車輌がバラバラになっていたッ!」というお客様、今回はセルモーターの修理のご依頼です。お客様のトラブルは嬉しいものではありませんが、お仕事をいただけるのは有り難いことですッ!(複雑)

それにしても、新年早々セルモーターが回りっぱなしになってしまうとは、ナントモカントモです。お客様も「いやー、焦りました!」とおっしゃっていましたが、そりゃ焦りますよね~。こういうときはすぐにバッテリーの-(マイナス)端子を外して対処するしかありませんので、このブログをご覧の方も、同じ状況になりましたら慌てずに対処していただければと思います。

 

で、さっそく外して送ってくださったセルモーターですが、コチラで何度動作確認してみても、ドライヴギアの飛び込み具合に「ん?」と感じる瞬間はあったものの、お客様のおっしゃっていた回りっぱなしになるような不具合は起こりませんでした。アレレ?

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(動画でご覧いただけます。)

こういう再現性のないトラブルは対応が難しいんですが、考えられるのはソレノイドスウィッチの不良ぐらいですので、交換することにします。

てことで、バラバラに分解。

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こちらのセルモーターはEME製のモノに交換されているようで(Valeoの文字がありませんでした)、ハウジングもマグネット剥離対策が施されたモノになっていました。ラッキーですね。

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ブラシもほとんど減っていませんでしたので

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ソレノイドスウィッチだけ交換しました。

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あとは、いつものように各部を清掃&グリスアップして組み立てるだけです。

遊星ギアのトコロにもたっぷりグリスを注入しておきましたが

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いつもよりキャップが外れにくくて変形してしまいましたので、交換させていただきました。

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で、元通りに組み立てて動作確認。

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(動画でご覧いただけます。)

バッチリ!ですね。といっても、作業前とほとんど変化はありませんが。アハハ。

他にも原因があるかとちょっと心配でしたが、修理したセルモーターをお送りしたあと、お客様から無事にセルモーターが動作したとのご連絡をいただきましたので、これでもう大丈夫かと思います。ただ、お伝えした通りセルモーターには大きな電流が流れますので、長時間回すとコイルや接点を焼損する恐れがあります。エンヂン始動時はなるべく短時間で掛けるコツを掴んでいただければと思います。今回も修理をご依頼いただき、有り難うございましたッ!また何かありましたら、遠慮なくご連絡くださいッ!

 

遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、O/Hを承っております。ご相談くださいッ!

R100RS(2本サス)、セルモーターの交換。

以前に整備させていただいた「何を言っているのか。」のR100RSにお乗りのお客様、いつもはR65にお乗りのお客様と一緒に遊びに来てくださるんですが(冷やかし)、今回はセルモーターの交換にご来店ッ!有り難いことですッ!

納車時にもお伝えしていましたが、やはりバッテリーが少し弱っているようで、ここのところの寒さでセルモーターが回りにくくなってきてしまい、充電しておかないとエンヂンを始動できなくなったようです。

ということで、ご来店に合わせ当店オススメのValeo製セルモーターをO/Hしておきます。この日のためにネットオークションで中古品を調達しておきました。

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分解してみると、当店でも取り扱っているマグネット剥離対策が施されたEME製ハウジングに交換されていました。キャップにも叩いた跡があるので、一度外されているのが分かりますね。

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お客様、ラッキーでしたね!

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しかも、あまり使用した感じがありません。ウホッ!

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気になるのは、ブラシホルダーがポロリと外れたことです。

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ココにスプリングを引っ掛けて組み立てられていたのかも?

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ブラシの残りは十分でしたので、そのまま再使用します。

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バラバラに分解、キレイにしてからグリスアップして

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なんとかご来店の前にO/Hが終わりました。

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で、10分後にお客様が到着。フゥ、焦るー。

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アツアツのエンヂンに文字通り手を焼きましたが、お客様にもお手伝いしていただき、無事に交換もできました。動作もバッチリ、セルモーターもギュンギュン回っているッ!

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これで、もうしばらくはバッテリーの心配をすることなく、朝一の始動もできると思います。どうです?交換してよかったでしょ?

「モギー ウソ ツカナイ」

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いつも冷やかしばかりで「コンニャロウめ・・・」と思っておりましたが、大変失礼致しました。また何かありましたら、冷やかしついででも構いませんので、遠慮なくご相談ください。この度はセルモーター交換のご依頼、有り難うございましたッ!

 

寒くなり、BOSCH製セルモーターの回り方が「ん?なんか重たくね?」とお感じの方、ご相談くださいッ!

 

オマケ

少し前の作業になりますが、こちらの2本サスのR100RS、元のシフトロッドは手前のコの字のタイプでしたが、走行中に外れてしまったそうで、ボールジョイントタイプのモノに変更しました。外れたことのない車輌は問題ないと思いますが、一度でも外れると上手くロッドを修正しないと何度も繰り返しますので、思い当たる方は交換されたほうがいいかもしれません。価格は高いですが純正部品がまだ出ますし、簡単な加工で取り付けでき、何より取り付けが確実ですので。

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西方(岐阜)から、始動不能ナリ。

ちょっと前にフロントフォークをO/HさせていただいたR100Tにお乗りのお客様から、今回は始動不能の修理のご依頼をいただきました。それも、岐阜から横浜まで車輌を持ちこんでッ!どうかしているッ!でも、有り難いことですッ!

というのも、O/Hしたフロントフォークをお送りしたあとも整備のご相談やちょっとしたやり取りをメールでさせていただいていたんですが、ようやくすべての作業が終わり、いざエンヂンを始動しようとしたところ「電源が入らないッ!何も点かないッ!」という謎の事態に。もちろん、さらにメールで厚いサポートをさせていただいたんですが、

「パトラッシュ、僕はもう疲れたよ」

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と、すっかり作業を続ける気力を喪失されてしまい、遠路はるばる軽トラに積み込んで、アサイチでご来店くださいました。ホントにキター!

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で、モギーの厚いサポートメールで最後にお伝えした箇所から点検したところ、あっさりメーターのインヂケーターが点灯ッ!セルモーターも回ったッ!

原因は、R100RS、始動困難ナリ。(その4)でも点検したスターターリレイへの接続部の接触不良でした。なんか、こうなりそうな予感があって「もう一度!最後にッ!」とお伝えしたんですが

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「黙れパトラッシュ、僕はもう疲れたんだ」

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の一点張り。ズコー。(しかし、この判断が結果オーライに!)

とはいえ、お客様のほうでかなりの時間を掛けて他の箇所を確認してくださっていたので、こちらはそれ以外のトコロだけを疑えば良かっただけでして、だからこそこの結果に繋がったんですが。アハハ。(メールでのやり取りで、お客様の苦闘ぶりは十分理解しております。)

てことで、接触不良を修理します。錆びた端子をキレイにし、ちょっとカシメてやろうとペンチでキュッとしたところ

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ガーン。割れました。

250タイプの平型端子は山ほど在庫していますが、このツメ付きは在庫していないため、慌ててバイク用品店へ走って調達してきました。フゥ、焦るー。

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おかげでより確実に接続できるようになりましたが、ちゃんと在庫しとかないとダメですね。近々、注文します。

もちろん、イグニッションキーをONにすれば、この通り。ヤッタネ!

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ついでに、遊んでいたメインハーネスをしっかりフレームに固定し

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キレイにまとめておきました。

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追加でご依頼の劣化して固くなったフューエルホースも交換し、

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さて、エンヂンを掛けようかなと思ったら

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ガーン。なぜか掛からない・・・。

お客様はバイクを預けたあと、しばらく所用で席を外されていたので、急いで点検します。

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ポイントの接点がデコボコで、コンデンサーもアヤシイ感じだったので交換しました。

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こっちがデコで

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こっちがボコです。

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が、あらためて火花を確認すると、今度は片側のスパークプラグにしか火花が飛んでいないッ!

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お客様がお戻りになられたので一緒に点検すると、これはただイグニッションコイルの配線が間違っていただけでした。メインハーネスを固定したときにコイルを脱着したんですが、そのときに気付かずにスミマセンでした。(↓このとき)

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さらに、お客様から「プラグコードとスパークプラグも換えましょう!」とのお言葉がありましたので交換します。外したコードはカチカチに固くなっていて、プラグのターミナルとの接続もユルユルでしたので、交換して正解でしたね。

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これでようやくエンヂン始動となるかと思いきや、BOSCH製セルモーターのソレノイドスウィッチが壊れていたり(使用予定のない在庫のBOSCH製セルモーターに交換しました)

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灯火類を点検したらヘッドライトが点灯せず、調べたところヘッドライトリレイが壊れていたりしましたが(たまたま、数日前に入荷したばかりの新品がありました)

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エンヂンが掛かってみれば、ちょっと驚くぐらい状態が良いッ!良いッ!

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ポイントとコンデンサー、プラグコードにスパークプラグも交換したせいもあるかもしれませんが、キャブレターはO/Hをオススメしたい感じなのに、点火時期はビタッと安定していて、なんだかとっても穏やかなアイドリングです。エンヂンからは気になる異音もまったくなく、ほんと、良いエンヂンだと思います!バンザイ!

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あとは実際に試乗して、車体周りの確認をしていただければと思います。これなら文句なく車検に通るんじゃないでしょうかッ!

朝から作業を始め、気付けば夕方まで掛かってしまいましたが、結果的には遠くからお越しいただいただけの対応ができたかなと思います。もしメールでのやり取りを続けていたとしても、あのときのお客様のお疲れの様子を思うと、ココまでの追加作業をお一人で行うことはオススメできなかったかもしれません。喜んで作業させていただきましたが、本音を言えば「遠くから来てもらってちゃんと直せなかったら、コレ、かなりマズくね?」と内心すんごくドキドキしていましたので、その日の内に納車でき、こちらもお客様と同じくらい嬉しく、またホッとしました。前日までのプレッシャー、ハンパなかったです。

 

「しつこいぞパトラッシュ、僕はもう疲れたと言っているッ」

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というお客様自らのご希望とはいえ、かなり距離のあった当店をご利用いただき、本当に有り難うございましたッ!作業の合間にも色々とお話しでき、とても楽しく点検&修理を進めることができました。今度はツーリングがてら、是非、遊びにいらしてください。さらに仕上がったR100Tでのご来店、お待ちしておりますッ!

 

などと、「お客様のために、イッツ・モギーモータース」みたいに書いてますが、車輌の積み込みのお手伝いはしない、冷徹なモギー。(撮影に夢中)

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遠方からの車輌の持ち込みにも対応致します。ご相談くださいッ!

R100RS、始動困難ナリ。(その4)

たまたま当店ブログをご覧になり、整備の相談のご連絡をいただいていたお客様の始動困難なR100RS、整備と修理を進めています。

前回の捜査で主犯格の男を逮捕したモギー刑事ですが、事件の背後に潜む犯行グループの全容解明にはまだ至っていません。残る共犯者、協力者を挙げるため、今日も地道な捜査は続きます。

すでにエンヂンの始動不良については根本的な整備&修理が終わりましたが、もう少しご依頼の作業が残っていますので、引き続き作業を行います。

まずは、注文していたスロットルケーブルが入荷したので交換します。この頃の2本サスのR100RSのスロットルケーブル(2本引き)はムダに長く、こんな感じで変なクセがついてしまいます。グリスアップして動きは良くなりましたが、決して状態は良くありませんでした。

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せっかく交換するので、モノサスのR100RSと同じような長さ、取り回しになるケーブルに変更します。

こんな感じです。どうですかッ!

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モギー刑事  「なるほど、そんなコトがあったのか。」

さらに、ご予算の範囲内だったので、始動性向上のためのもう一手、セルモーターも交換させていただくことにしました。
これが、ちょっとくたびれたBosch製セルモーターでの始動の様子です。

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(動画でご覧いただけます。)

モギー刑事  「オイ、ちょっと署まで来てもらおうか。」
セルモーター 「エッ、エッ、チョットマッテクダサーイ!」

これがValeo製セルモーターになると、こうなります。

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(動画でご覧いただけます。)

ハッキリ違いが分かると思います。まだそれほど寒くない時期の作業場内での比較ですが、これから冬本番になって屋外でのエンヂン始動ともなれば、違いはより顕著になります。もちろんBosch製セルモーターもメインテナンスすれば動作は改善すると思いますが、当店がValeo製セルモーターをオススメする理由、感じていただけたでしょうか。(良質な宣伝)

で、交換するについでに

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エンヂン上部をキレイにし、ブローバイホースもしっかり締め付け直しました。

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ちょっとハーネスの長さが足りなかったので延長しています。

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ちなみに、元々付いていたナットはヒドイ状態でした。大きな電流が流れるので、わずかに緩みがあったのか、ワッシャーとくっ付いてしまってました。

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で、エンヂンのトップカヴァーを元に戻し、セルモーターの交換は終了です。

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モギー刑事  「これで、事件の本筋はあらかた片付いたな。」

しかし、捜査はまだまだ続きます。

お客様が過去に回そうとしたところ、「あ、コレはダメだ。」と諦めたフランヂナットを取り外さなければなりません。

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モギー刑事  「なんだか嫌な予感がするな・・・?」

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ひとまずオイルを抜きまして、ちょっと考えます。

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なんせ、この2本サスのR100RSの場合、イグゾウストパイプを外さないとオイルフィルターの交換ができません。(2本サス後期から外さずに交換できるようになってます。)

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モギー刑事  「この隙間じゃ、逃げようがないな。」

とりあえず回せる範囲でフランヂナットを緩め、イグゾウストパイプをコツコツ叩き、なんとか外すことができました。これでフィルターの交換もできます。ホッ。

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フィルターの交換と同時に、オイルクーラーの取り出し口周りをキレイにし、

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オイルプレッシャースウィッチの締め込みがちょっと甘いのか、取り付け部から滲んでましたので

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しっかり締め込んで、キレイにします。

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エンヂンの後側も確認します。ニュートラルスウィッチから漏れているようですが、量はそんなに多くなさそうです。むしろ、オイルパンのガスケットの濡れ具合を見ると、こちらのほうがアヤシイですね。

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オイルパンのボルトを増し締めし、キレイにして様子見です。
ココのボルトはあまり強く締め込みすぎると相手側のネジ穴をダメにしやすいので、増し締めはほどほどのトルクで行い、それでもオイル漏れが止まらない場合はガスケットを交換することをオススメします。

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と、オイル交換とエンヂンの清掃も終えたので、いよいよフランヂナットの取り外しです。

お客様が回すことを諦めた左側ですらこの状態なので、

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実際に回されて嫌な感触を味わった右側はご覧の通りです。ギャー!

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モギー刑事  「コ、コイツは・・・!」

ネジ山をシュッシュッと目立てしながら、フランヂナットを付けては外しを繰り返し、アンチシーズを塗り込んで、どうにかフランヂナットがクルクル回るようになりました。アンチシーズを塗ってないと少し引っ掛かりが残りますが、ココまで締め込めるようになれば次回の取り外しはきっと容易だと思います。

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てことで、イグゾウストパイプを取り付けて、しっかりフランヂナットを締め付けます。せっかくネジ山を修正したのに、ビビッてやんわり締め付けては意味がありません。ドキドキ。

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モギー刑事  「フゥ、てこずらせやがって。」

これで一段落かなと思いましたが、やっぱり甘くないッ!

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モギー刑事  「オイオイ、一体どうなっているんだ!」

さっそくオイルクーラーの取り出し部から、ちょっとオイルが垂れてきています。バンジョーボルトのガスケットからも垂れているので、まとめて増し締めしておきました。キレイにすると漏れや滲みのある場所を特定しやすくなりますので、やはり清掃は大事ですね。トホホ。

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さらに、インヂケーターの幾つかのランプが点いたり点かなかったりするので、その点検&修理も。症状からおおよその見当は付いてますので、配線図とにらめっこして疑わしいスターターリレイの接続を点検します。

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リレイを取り外すと、端子に汚れと錆びがありました。

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モギー刑事  「ウッ、こりゃヒドイ・・・!」

キレイに磨きます。

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が、端子をキレイにしたことで症状が悪化ッ!

こうなりゃ、コネクターから端子(メス)も外し、まとめて相手してやるッ!

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ついでにオイルで汚れていたコネクターとハーネスもキレイにし、リレイをしっかり繋ぎ直しました。ちょっとブラついていたハーネスもまとめましたので、インヂケーターの点灯不良の原因がリレイ側にあったとすれば、これでOKになるハズです。

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メーターとメインハーネスのコネクターの接続も点検しておきましたので、これで症状が再発しなければ大丈夫かと思います。こちらでも試乗して確認してみますが、あまり長時間乗れるわけではありませんので、最終的にはお客様に確認していたくことになりそうです。再発した場合は、あらためてご相談ください。(納車した翌日、再発したとの連絡が入りました。ズコー。)

モギー刑事  「・・・。」

また、後付けのフューエルフィルターを取り外したことで、当店オリヂナルのスターターノブはあまり干渉しなくなりましたが、これでオーヴァーフローを誘発してしまっては台無しです。

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モギー刑事  「ストレートタイプのコックだと少し干渉する、と。」

左フューエルコックの取り付け向きも修正したかったので(このままでは修正できないほどナットが固着してました)

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コックを外してO/Hします。ガソリンタンク内部の状態も悪くないのでそんなに多くはないですが、防錆塗料が剥がれたカスがちょっと溜まってましたので、タンクも軽く洗浄しておきました。

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バラバラに分解し、ジャブジャブ、ゴシゴシ洗浄します。

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ガスケットとO-リングは状態が良くなかったので交換しました。

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ビシッと組み立てて、タンクにコックを取り付けます。おっし、滲みなし!

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このストレートタイプのコックの場合、上下に2箇所、ベイクライトのガスケットを使用しますが、上側は部品の供給がありますが下側はありませんので、再使用するとちょっとドキドキしますね。適当なサイズの代替品があれば良いんですが。

コックの向きも修正できました。やっぱり、このほうが落ち着くッ!

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モギー刑事  「よし、あとは捜査報告書をまとめるだけ、か。」

 

~翌日~

エンヂンの清掃と取り付けボルトの増し締めのおかげで、一晩置いてもオイルが垂れた跡はありませんでした。ヤッタネ!

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が、オイルパンガスケットの辺りからさっそく滲んできています。ポタッとする寸前・・・。

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定番のプッシュロッドチューブの根元からはもちろんですが、オイルパンのガスケットは交換しないとダメみたいですね。今後の整備でご相談ください。

それから、ファイナルドライヴのブリーザーを塞いでいたシリコンガスケットは取り除いておきました。このタイプのケースは確かにオイルを噴きやすいですが、この出口を塞いでしまうと、ケースの内圧が高くなったときに他のオイルシールからオイルを噴いてしまうことになります。

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オイルの量が規定量であれば(このケースは250mlのところ300mlほど入ってました)、当店で使用しているオイルでココからオイルを噴くことはないと思います。冬場ほどオイルを噴きやすくなりますので、これからの季節、また気になるようでしたらあらためてご相談ください。

それと、試乗した際にカウルのガタつきが大きかったので確認したところ

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前側の下2箇所のボルトが脱落していましたので、しっかり取り付けておきました。(この前もこんなことがあったような?)

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モギー刑事  「よし、請求書、じゃなくて報告書も書けたぞ、と。」

ということで、すべての作業終~了~。

 

車体周りの整備は手を付けていませんが、試乗した感じブレーキもよく利きますし、ハンドルのブレもなく、車体の安定感も悪くありませんでした。ただ、お伝えした通り、トランスミッション以降の駆動系に少し違和感がありますので、また時期を見て点検&修理にお越しいただければと思います。
ともあれ、ようやくエンヂンの状態が元に戻りましたので、この冬は存分にR100RSの無敵のフルカウルを楽しんじゃってください。この度はご依頼いただき、有り難うございましたッ!

 

こうして事件は無事?に解決。しかし、まだこの世の中には不届きなヤツ(不調車輌)がいるッ!すぐに次の事件(お仕事)が(を)待っている、モギー刑事なのであった・・・。

新米刑事   「先輩、もうヤめてください!」
モギー刑事  「うっさい!もうちょっとアゴ触らせろっ、このヤロー!」

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(未完)

 

セルモーターの交換や、オイル交換、オイルフィルターの交換だけでなく、カジったフランヂナットの交換も、承っておりますッ!

Valeo製セルモーターのO/Hと修理。

先日入庫したR100RSから取り外したValeo(ヴァレオ)製セルモーター、注文していた部品が入荷したので、在庫とするため修理&O/Hします。

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症状としては、スタータースウィッチを押すとセルモーターが回る音がしているのに、エンヂンが掛からないといったモノでした。タコメーターが動いていませんでしたので、クランキングできていない、つまりセルモーターがフライホウィールを回せていないと判断し、ソレノイドスウィッチの故障を疑いました。(クランキングしないと点火信号が発生しませんので、火花も飛ばず、タコメーターも動きません。)
ソレノイドスウィッチは、セルモーターのドライヴギアをフライホウィールに噛み合わせるという役割を(同時にドライヴギアを駆動すためのスウィッチという役割も)担っていますので、このような症状が出た場合、ソレノイドスウィッチに機械的、または電気的な故障が起こったと考えて間違いないと思います。

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(動画でご覧いただけます。)

実際に故障したセルモーターの症状を確認してみます。

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(動画でご覧いただけます。)

案の定、ソレノイドスウィッチが壊れてドライヴギアの飛び込み動作ができなくなっています。本来、ドライヴギアは飛び込んで(移動して)回転するのですが、飛び込まずに回転していますので、ソレノイドスウィッチ内部のコイルが断線しているようです。こうなると交換するしかありません。

てことで、セルモーターを分解します。

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純正のValeo製セルモーターはハウジングの内側にマグネットを接着しているだけなので、走行距離(始動回数)が多い車輌ではマグネットの剥離が起こりやすくなり、結果、エンヂンが始動できなくなるというトラブルにつながります。

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セルモーターにはかなり大きな電流が流れますので、それだけ熱を持つことになります。加えて、エンヂン上部に設置されているため、エンヂンが掛かっている間は常に高温に晒されていますから、接着剤が劣化してマグネットが剥がれるのも、ある意味、当然かもしれません。高年式の車輌では剥離対策が施されたValeo製セルモーターを使用しているモノもありますので、メーカー側でも認識、改善したのだと思います。

ちなみに、コレがマグネットが剥がれたモノになります。

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O/Hする際には剥離対策が施されたEME製マグネットハウジングに交換しますので、マグネット剥離の心配をすることなく長くValeo製セルモーターをお使いいただけます。

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マグネットが剥がれた状態でセルモーターを回すと、ギャギャギャー!という嫌な音がし、すぐに分かりますので、セルモーターから異音が発生したら早めに点検、修理することをオススメします。

余談ですが、エンヂンを掛けるときは、なるべく短時間で始動するコツを日々の始動の中で探るのが良いと思います。掛かるまで長くセルモーターを回すと、セルモーターにもバッテリーにも負担が掛かります。調子の良いエンヂンとキャブレターであれば、寒い時期以外はスターター(チョーク)要らずで始動できるハズです。
普段からスターターを使わないと始動できない場合は、まずはキャブレターの調整、同調を見直したり、O/Hするなどし、それでも改善しないようならシリンダーヘッドのO/Hも検討する時期に来ているのかもしれません。始動性の悪さが気になっている方、ご相談くださいッ!

ということで、EME製マグネットハウジングにキレイに清掃したアーマチュアコイルを取り付けます。もちろん、軸部はグリスアップしています。

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ブラシが減っている場合は交換します。

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ブラシホルダーとブラシを取り付けて、ブラシを押さえるスプリングをしっかりハメ込みます。

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新品のブラシに交換した場合、ブラシを押さえるスプリングの先端の位置が高くなるので、そのままだとカヴァーに干渉することがあります。カヴァーを仮組みして干渉しているようであれば、適当なスペーサーを入れます。M5のワッシャーでも構いません。

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カヴァーをしっかり固定すれば、アーマチュアコイル側はOKです。

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ドライヴギアを駆動する遊星ギアが収まっているところもカヴァーを外して清掃し、

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たっぷりグリスを入れておきます。

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通常のO/Hではココまでの作業になりますが、今回はソレノイドスウィッチも交換になりますので、もう一手間掛かります。

故障したソレノイドスウィッチ(右)と比べると、各部の材質が変更されているようです。

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ピストン(可動鉄心)のリンク部の材質が樹脂になっているのが気になりますが、それほど大きな力は掛からないので大丈夫なのでしょう。古いピストンと組み合わせても動作しますので、ピストンだけ再利用するのも良いかもしれませんね。

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各部を清掃、グリスアップしてソレノイドスウィッチを取り付けます。
ピストンが移動するとドライヴギアが飛び込む仕組みが分かると思います。

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で、先に準備しておいたアーマチュアコイルを取り付け、動作テストをします。

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(動画でご覧いただけます。)

バッチリ!ですね。これで、O/H&修理は終了です。

ココまで直すとそれなりにコストは掛かりますが、それでも新品のセルモーターを購入するよりは安く修理できます。マグネット剥離の心配のない新品を購入しても、数万キロでグリスアップ、ブラシ交換くらいのメインテナンスは必要になりますので、むやみに交換せずに整備、修理して使うのもアリなのではないでしょうか。

BOSCH(ボッシュ)製セルモーターは故障知らずの優れものですが、モーターを駆動するのに必要な電流が大きいため、バッテリーが弱ってくると途端に始動が困難になるという欠点があります。それに比べると、VALEO製のセルモーターはBOSCH製のモノよりも消費電流が小さく、トルクも大きいので、ちょっとバッテリーが弱ったくらいでは始動困難になることもありませんので、マグネット剥離さえなければ、確実にBOSCH製のモノより良いモーターだと思います。こういう対策部品があるのは本当に有り難いことですね。

 

遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、O/H&修理を承っております。ご相談くださいッ!

R100RS、オイル漏れ修理と始動不良の点検。

以前に当店オリヂナルのETC用アンテナステイをお買い上げいただいたお客様、たまたまお近くにお住まいとのことで、今回はプッシュロッドチューブからのオイル漏れの修理をご依頼いただきました。有り難うございますッ!

で、ご来店をお待ちしていたところ、出発直前にセルモーターが回らなくなり、エンヂンが始動できなくなってしまったとのご連絡。結局、当店のトランスポーターで引き上げることになりました。近いことが幸い?しましたが、お客様にとっては嬉しくないトラブルですね。

おっ、アンテナステイもキレイに収まってます。ウレスィ~!

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さて、エンヂンが始動できなくなった原因を探りますか。

 

~数分後~

フューズの接触不良も疑わしかったんですが、原因はバッテリーの+ターミナルの接触不良でした。わずかなナットの緩みでも、セルモーターを回せなくなることがあるんです。端子の接触面をキレイに磨いてしっかり締め付けたら、ちゃんとセルモーターは回るようになりました。

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が、今度はセルモーターが空回りしてクランキングしてくれません・・・。どうも、ソレノイドスウィッチが上手く働いていないようで、アーマチュアコイルが虚しく回っているだけのよう。クランキングできないと火花も飛ばないので、タコメーターも動きません。

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(動画でご覧いただけます。)

てことで、お客様に了解を得て、セルモーターを修理することになりました。

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といっても、在庫しているマグネット剥離対策済みのハウジングに交換したO/H済みのValeo製セルモーターに取り替えるだけなんですが。

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ササッと交換したところ、無事にクランキングしてボボンッとエンヂンも掛かりましたッ!
これで、ようやくプッシュロッドチューブからのオイル漏れ修理に取り掛かれます。せっかくオイル漏れが直っても、エンヂンが掛からないようじゃ始動後の確認もできませんからね。

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ついでに、シートのヒンジ部が緩くなって外れやすかったので、紛失しているクリップの取り付けと同時に

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シートを開いたまま固定するためのブッシュも追加することになりました。

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シート表皮の一部に剥がれもあったので、エンヂンの修理の合間に接着しておきます。

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と、予定外の作業が続きましたが、いよいよプッシュロッドチューブのオイル漏れの修理です。

まずはオイル漏れの状況を確認、洗浄から。お客様が気にされるだけあって、けっこう潤いの強いオイル漏れですね。

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トランスミッション側からのオイル漏れはまだ気にするほどではなさそうですが、

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プッシュロッドチューブから漏れたオイルがオイルパン後方まで伝ってます。オイル消費も、一般に許される1リットル/1,000kmよりも激しいそうなので、けっこうな漏れだったのかもしれません。

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クランクケースとタイミングチェーンカヴァー、オイルフィルターカヴァーの合わせ面からも滲みがありそうなんで、洗浄後、オイルパンと併せてボルトを増し締めしておくことにします。

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オイル漏れの状況も確認したので、シリンダーとピストンを取り外します。

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プッシュロッドチューブのオイルシールが硬くなって変形してます。こりゃ、漏れるわけですね。それに、チューブ自体にも少しずつ漏れたオイルがこんもり堆積してますので、こういう場合はステインレス製のチューブに交換することをオススメしています。

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ステインレス製チューブに交換する際は、チューブを抜く前に元のチューブの挿入具合を良く確認しておきます。

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ステインレス製チューブは同じ深さまで挿入できないこともありますが、なるべく近い深さまで挿入するための目安になりますので。

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また、チューブにあるリング部の位置も確認しておきます。
ステインレス製チューブのリングは圧入されているだけで移動できるので、ズレている場合は元のチューブに合わせます。

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ピストンの状態は良好なものの、カチカチのカーボンがピストントップにたっぷりこびり付いていたので

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シリンダーとともに、頑張ってピカピカにしましたッ!チューブも打ち換えて、眩しいッスね~。

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27,000kmの走行距離なんで、シリンダーのクロスハッチもまだまだクッキリ残ってますし、ピストンとのクリアランスもOKでした。ピストンリングも問題なしで、一安心です。

エンヂン側もキレイに洗浄し、カム山とタペットの接触面も点検します。

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左右ともに異常なしッ!

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オイルフィルターカヴァーの周りなんかもキレイにしておいたので、エンヂン始動後のオイル滲みも見つけやすいですね。どうか、滲ませんようにー。

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フロントカヴァーとトップカヴァーも外しているので、ついでに洗浄しておきました。

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んで、シリンダーとピストンを仮組みしておいて

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シリンダーヘッドも洗浄と点検を行います。

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燃焼室とヴァルヴにもカチカチのカーボンが溜まってますので、

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それなりにオイルを燃やしながら走ってたのかもしれません。オイル消費が激しい理由も理解できますね。

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ただ、まさか右シリンダーヘッドのインテイク側のヴァルヴとヴァルヴガイドに、こんなにガタつきがあるなんてッ!やめて~!

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こちらは、一番ガタつきのなかった左シリンダーヘッドのインテイク側です。
残り2箇所もそんなに酷くなかったので、本来ならそのまま組んでもまあ大丈夫かなという感じなんですが、右側インテイクのガタつきは許容範囲を大きく超えてます。このままだと、せっかくココまでバラして組み上げても、オイル下がりによるオイル消費は激しさを増すだけで、時期をあらためて作業するとなると、また同じ工賃をいただかなくてはなりません・・・。

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ということで、またまたお客様に了解を得て、ヴァルヴガイドを打ち換えさせていただくことになりました。なんだか予想外の作業が増えてしまい、申し訳ありません・・・。

幸い、ヴァルヴのステムに異常な磨耗がなかったので、ビシッとキレイに洗浄して内燃機加工屋さんに届けました。これでヴァルヴも交換なんてことになっていたら・・・、くわばらくわばら。

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2週間ほどでシリンダーヘッドが仕上がる予定ですので、それまでの間は外した部品と車体を保護して、作業待ちです。仕上がり次第、キッチリ組み上げますので、もうしばらくお待ちください。

 

(続く)

 

プッシュロッドチューブのオイル漏れや、シリンダーヘッドの点検とO/Hも、ご相談くださいッ!

長期不動のR80、セルモーター交換&O/H。

ちょっと前に仕入れた長期不動のR80、少しずつ再生に向けて進んでいます。

シリンダーヘッドを内燃機屋さんに預けている間に、できる作業を進めます。
今回は、セルモーターの交換とO/Hです。

このR80はモノサスですが、BOSCH製のセルモーターが使われています。
BOSCH製セルモーターは故障知らずの優れものですが、モーターを駆動するのに必要な電流が大きいため、バッテリーが弱ってくると途端に始動が困難になるという欠点があります。
なので、VALEO製のセルモーターに交換します。

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BOSCH製セルモーターは固定方法も前後3点留めになっているので、取り外すのもちょっと面倒ですね。

セルモーターを取り外したので、取り付け部もキレイにします。
この車輌はそんなに汚れていませんが、中には漏れたブローバイガスによるオイルが溜まっている車輌もありますので、ついでにブローバイガスの取り出し口のオイル滲み等も確認しておきます。

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で、これがVALEO製セルモーター。
BOSCH製のモノよりも消費電流が小さく、トルクも大きいので、ちょっとバッテリーが弱ったくらいでは始動困難になることもありません。

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ただ、マグネットが剥離しやすいという欠点があり、そのまま使うには不安のあるモーターです。

ちなみに、コレはマグネットが剥がれたモノです。
こうなってしまうと、セルモーターを回す度にギャギャー!という異音が出るようになり、修理が必要になります。

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そこで登場するのが、EMEで取り扱っているマグネット剥離対策が施されたハウジングです。

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クリップによって固定されているのが分かりますね。
マグネット剥離さえなければ、VALEO製のセルモーターはBOSCH製のモノより確実に良いモーターですから、こういう製品があるのは本当に有り難いことです。

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ということで、セルモーターのO/Hと併せてマグネットハウンジングも交換します。

まずは、ドライヴギアを確認。特に異常な磨耗もガタつきもなく、問題なさそうです。

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ブラシ側のカヴァーを取り外します。
磨り減ったブラシの粉がけっこう出ました。

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アーマチュアを取り出すと、こちらもブラシの粉がかなり付着しています。

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マグネットの剥離はありませんでしたが、マグネットハウジングの中もかなりブラシの粉で汚れています。

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結局、磨り減ったブラシの粉を集めると、こんなになりました!

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当然、ブラシは使用限界に近いところまで磨り減ってます。
こんなに磨耗しているモノは初めてみました。38,000km程度の走行距離の車輌でこんなに減るなんて、しかも片側が異常に磨耗してるっていうのは、ちょっと不思議です。ブラシ自体の不良でしょうか。

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分解できたので、各部品をキレイに清掃します。

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アーマチュアのブラシとの接触面もキレイに。

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EME製マグネットハウジングにアーマチュアを取り付け、キャップにグリスを少し詰めて被せます。

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アーマチュアが付いたら、新品のブラシを取り付けます。
このブラシを押さえるスプリングを取り付けるのは、ちょっとコツが要りますね。

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新品のブラシに交換した場合、ブラシを押さえるスプリングの先端の位置が高くなるので、そのままだとカヴァーに干渉することがあります。

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カヴァーを仮組みして干渉しているようであれば、適当なスペーサーを入れてください。M5のワッシャーでも構いません。

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また、遊星ギアの収まっているトコロには

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古くなったグリスや、そのカスが溜まっているのでキレイにしてやります。

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インターナルギアの溝がハッキリ見えるようになりました。

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新しいグリスをたっぷり充填してフタを閉じます。
ココのグリスが古くなったり、量が不十分だったりすると、マグネットが剥がれたときとはまた違った異音が出るようになります。

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で、しっかり組み立ててセルモーターのO/Hは終了です。

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これで、安心してVALEO製セルモーターを使い続けられますね。

 

(続く)

 

セルモーターの交換だけでなく、セルモーターのO/Hやマグネットハウジングの交換も、ご相談くださいッ!