またしても遠方のお客様から、フロントフォークO/Hのご依頼がッ!有り難いことですッ!
たまたま当店ブログを見てくださり、ご連絡をいただいたんですが、このお客様、あの「何を言っているのか。」のR100RSの前所有者だったんです。アララ!
( ° o °)ハッ!
ポンコツとか書いてしまい、大変失礼致しました・・・。(でも事実)
なんでも、R100Tもお持ちだそうで、R100RSを手放したのはそちらの整備に専念したかったからだそうです。確かに、大掛かりな整備を要す車輌を2台も抱えるのは大変だと思います。
で、過去にBMWのGS系の車輌でフロントフォークは整備されたことがあるものの、古いタイプのフォークは初めてで、どうしても上手く動作させることができないとのこと。資料も不十分で、何が原因なのか分からないそうなので
送っていただきました。Ate製キャリパーが付くタイプのフロントフォークです。
さっそく点検してみると、お客様の説明通りです。動作が異常に渋く、インナーチューブがまったくボヨンボヨンと動きません。通常、スプリングを抜いたこの状態ならダンパーロッドがスッと中に入って行くんですが、びくともしませんでした。
分解してみると、すぐに原因が判明。このブッシュの位置を誤って組み立てていたみたいです。
ちなみに、このブッシュはフロントフォークが伸び切ったときの緩衝材になりますので、ヘタってくると、センタースタンドを掛けてフォークが伸びたときにガコンと音がすると思います。/5や/6、Ate製キャリパーが付くタイプのフロントフォークの車輌にお乗りの方、思い当たる節がありましたら、ご相談ください。(苦い記憶が蘇ります・・・。)
そもそもお客様が入手されたときにこの状態だったそうなので、初めて分解、組み立てを行うときの「元の状態に戻せるように作業する」という意識が、今回はアダになってしまったようです。初めから正しく組まれていれば、このようなことはなかったと思います。
ということで、各部を点検しながら分解します。
片側インナーチューブのオイルシールの直近に、錆びて大きな傷ができています。
反対側まで・・・。
再めっき済みの在庫がちょうど用意できたトコロでしたので、こちらのインナーチューブは交換させていただきます。
もう一方のインナーチューブには大きな傷はありませんでしたが、小さな点錆が幾つかありました。お客様のほうでも軽く均されたようですが、当店でももう少し均しておきましたので、ちょっと心配ですがそのまま再使用します。どうか漏れませんように・・・。(祈り)
ダンパーロッドにも傷がありましたので、こちらも軽く均して修正しておきます。
ヴァルヴワッシャーも大きく変形していましたので、交換しました。
てことで、バラバラにして
洗浄します。
ダンパーロッドは錆びやすいので、さっさと組み立てます。
ヴァルヴ周りはこんな感じになります。誤って組まれていたブッシュの取り付け位置は、ココにくるのが正解です。
ピストンリングの挿入にちょっとてこずりましたが、ダンパーロッドを挿入し、ビシッと組み立てました。動作もスムース、バッチリです!
ココまで組めば、あと少し。アウターチューブを取り付けて、ボトムキャップナットをしっかり締め付けます。ちなみに、ココの締め付けトルクは80~100N・mです。
オイルシールをガッツンガッツン打ち込めば
作業終~了~。
このタイプのフロントフォークはオイルを入れてお送りできませんので、この状態で発送致します。また、組み立て時に薄くオイルを塗っていますが、早めに車体に取り付けてフォークオイルを入れていただければと思います。動作確認はフォークオイルを入れてから、しかっり行ってください。
残りの整備が終わり、車輌を走らせられるようになりましたら、またご連絡ください。楽しいご報告、お待ちしております。この度はご依頼いただき、有り難うございましたッ!
つか、こんなトコロまで絡んでくるR65にお乗りのお客様、今回の作業でも「モギーモータースさんの仕事っすか?いや、悪くないんじゃないですかねぇ。」と、さりげなく広報まで担当していただいたそうで、これじゃ本当に足を向けて寝れません。やっぱり今度、方角を教えてください。オナシャス!
遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、O/Hを承っております。フロントフォークの渋い動き、ガタつきをなんとかしたい方、ご相談くださいッ!
オマケ
こちらのお客様、最近、CB93(CR93仕様)も仕上げられたそうです。ウォ~!大好物!これくらいの年代のバイクって、機械っぽさがムンムンしてて、本当に良いですよね~。お乗りのお客様も、アラやだ、カコイイ・・・。(嫉妬)