今となってはずいぶん前のお話しになりますが、ゴゴゴ・・・という聞き慣れない音がしていたR100R Mysticにお乗りのお客様、あれからしばらくして作業させていただいておりましたので、そのご報告をッ!アーンド、有り難いことですッ!でも、記憶が曖昧ー!
おっし、ドンドコまいりますか。
まずは、トランスミッションをさっさと取り外します。アレだけ音がしていれば疑う余地もありませんからね。
お客様が注ぎ足されたハズのオイルもかなり減っていて、ドレインボルトにも鉄粉がこんもりでした。
インプットシャフト側にはオイルが漏れた跡はありませんので
やっぱりココからオイルが漏れていたということになります。
となれば、当然、漏れたオイルはスウィングアームのほうへ・・・
ブホッ!まんま溜まっとる―!
こりゃ、けっこう大変そう・・・
てことで、ソッコーでバラバラに分解しまして
ケースとカヴァーをジャブジャブ&ゴシゴシ洗浄します。
あ、オイルドレインのネジ穴周辺に工具で咥えた?ような傷がありましたので
キレイに均しておきました。ネジ穴もスルスル~となるように修正していますし、ガスケットが当たる部分にもダメーヂはないんで、ま、大丈夫そうですね。
シャフトやギアもしっかり確認します。
アレだけ漏れていた割りに、アウトプットフランヂの状態はまずまずでした。
アレコレやって、ベアリングもビシッと交換しています。
で、コレがいつも一番ダメーヂを受けているアウトプットフランヂのところのベアリングです。パッと見ただけでもヤバイのが分かりますが
ちょっと触っただけで、この通り!そりゃ、ゴゴゴ・・・てなるわけですねー。
ここまでの鉄粉の付着は滅多にないと思いますが、オイル交換したときに抜いたオイルの状態やドレインボルトを確認すれば分かりますので、ご自分で作業される方は気に掛けてみてください。O/H時期の判断材料になるかと。
あとは、ズババッと組み上げて、ビシッとシム調整すれば
バッチグーです。
インプットシャフトもクルクル~です。
余談ですが、パラレヴァー仕様のR100RやR100GSの場合、スウィングアームの中にあるドライヴシャフトをオイルで潤滑しないため、アウトプットフランヂのオイルシールを従来のゴム製からテフロン製のモノに変更してシール性の向上を図っているようです。シールの当たり方が「線」から「面」になるといった感じでしょうか。
ただ、このテフロン製のシール、ゴム製のモノに比べると柔軟性がないようで、今回のようにベアリングに大きなガタがあると途端にオイル漏れが激しくなるような気がします。モギー的には従来のゴム製シールで十分だと思うんですが、どれほどの違いがあるんですかねー。
と、余談はこれくらいにしまして、続いてフライホウィール奥のオイル漏れの修理です。
ズババッとアレコレ取り外し&キレイにしつつ
例によってダイアフラムスプリングのプレートを修正したり
クラッチ板を点検したりします。クラッチ板の厚みは十分残っていましたので、そのまま再使用しました。
そして、この汚れ・・・!をキレイにして
ズババッと元に戻せばOKです。写真はありませんが、オイルシールとO-リングも交換しています。
こんなタイミングですが、なかなか外れなかったコレクターボックスも取り外しました。過去にあまり脱着されたことがなかったのか、本当に大変でしたが・・・。ま、今回やっておけば次が楽になりますからね。
こういうトコロも確認してキレイにできますし。大変ですけど。
おっし、トランスミッションのO/H完了!
あ、マウントボルトが錆びてましたので、キレイに錆を落としておきましたよ。フフフ。
それと、キャブレターの汚れが気になりましたが動作には問題ありませんでしたので、そのままにしておきました。乗り続けていればいつかはO/Hする機会がやってきますので、それまでじゃんじゃん走っちゃってください。
おっし、あともうちょっとー!
スウィングアームを元に戻しまして
ファイナルドライヴの汚れをキレイにしつつ
リアブレーキをビシッと整備したら
ブレーキドラムもお掃除して
ホウィールを取り付けます。
そしたら、ドライヴシャフトブーツをしっかりハメて
クラッチリリース周りもビシッっとやって
お客様が追加したバッテリーのカットオフスウィッチの接続がちょっとユルんでましたのでキュッと締め上げて
最後にリアサスペンションを固定するナットをキュッと締め付けたらマウントボルトがポロリと取れました。
ポロリと?取れました?
・・・?
~数時間後~
あまりの出来事に記憶が飛んでおりますが、残された写真を見ると、コレクターボックスを磨いて必死に心を落ち着かせようとしていたみたいです。
できることだけでも進めておこうと思ったんでしょうね、あのときのモギーってば・・・。(悲哀)
ハイ、でき・・・てませんね。トホホ。
~翌々日~
ソッコーで手配したファイナルドライヴが届きましたので、ソッコーで交換しました。
今思い出しても、あのヌルッとネジが伸びた感触にはゾッとしますが、なんだかんだでファイナルドライヴが85,000km→45,000km走行のモノに若返りましたので、結果オーライということにさせてください。つか、そうでも考えないと救いがない・・・。
規定トルクで締め付けていたつもりなんですが、ネジ山にダメーヂがあったとも思えず、やっぱりモギーがミスったんでしょうね・・・ハァ・・・などとヘコんでばかりもいられませんので、ソッコーで折れたマウントボルトも注文してみました。同じ失敗をする気はないんでコイツの出番はないと思いますが、もしもってこともありますからね。ちなみに、入荷まで2週間チョイ掛かりましたので、ファイナルドライヴごと交換して正解だったかなと。モギーのミスでお客様を待たせる訳にはいきませんから・・・。トホホ。
という、まったく笑えないハプニングもありましたが、なんとかここまできました。
が、あともう少しやるコトがあります。お客様が一度は補修したというパニアケースのロックのツメがまた折れてしまったとのことでしたので
あらかじめ手配しておいたロックに交換します。
ついでに、なくなっていたストラップも取り付けさせていただきました。コレがあれば、ケースの蓋がパカァッ!と大きく開いて中身をぶち撒けることもありませんし、何よりヒンヂへの負担も減りますので、よろしいかと。
それと、過去にツーリング先で割れてしまったというパニアステイのアダプター?も交換します。
旅先でのトラブルには現地のホームセンターで対処するスタイルとのことですが、応急処置としては十分ですね~。グッド!
さて、今度はどれくらい持つかしら?
ちなみに、左側は入荷時期が不明だったため、また後日とさせていただきました。注文した部品がバックオーダー扱いの場合、2週間くらいで届くこともあれば数ヶ月掛かることもあって、納期をお約束できないんですよね・・・。ま、この年式の車輌の部品がまだ供給されるだけでも有り難い話なんですが。あ、左側の部品は1週間遅れで入荷しましたので、お客様にお送りして取り付けをお願いしちゃいました。オホホ。
ハイ、できました。
ということで、この度はトランスミッションのO/Hのご依頼、有り難うございましたッ!モギー的にはアレコレ大変で泣きそうでしたが、トランスミッションからのゴゴゴ・・・も消えましたし、なんとか予定通りに納車できましたので、作業中のゴタゴタについてはお許しください。ただ、ゴゴゴ・・・が消えた分、ほかのトコロからのちょっとした音が気になってしまいました。お伝えした通り、しばらく走りながら様子を見ていただき、今後のメインテナンスの中で確認させていただければと思います。また何かありましたら、お気軽にご相談を!
トルクレンチ使ってても頭飛ぶときは飛ぶような。。。
二度締めとかしたわけでもないのにニュルッと取れちゃったことあります。
自分の場合は泥・沼系を走りまくってた車輌なので表面の小さなクラックと水分で脆化してたんじゃないかと思います。
使用環境によってはそういうこともあるんですね。
今回の場合、途中で嫌な予感がしたんで、そこで手を止めてればポロリすることはなかったんじゃないかと反省してます。ま、伸ばしちゃった時点でアウトー!なんですけどね・・・。トホホ。