R100/7T、ブレーキマスターシリンダーのO/Hとタコメーターの点検と。

今年の初めにR100RSの車検&点検整備をご依頼くださったお客様、そのときに「もう1台あるんですが、そのうち作業をお願いしても?」などと意味不明なコトをおっしゃっておりまして、「いやいや、大丈夫そうっスよ?見たことないっスけど、たぶん。」とテキトーにごまかしたつもりでおりましたが・・・、ほんとにもう1台あったー!えー!どーしよー!でも、有り難いことですッ!ですッ!

 

ほほう、コイツはアレですね・・・え?ええ、もちろん知ってますよ。アレですよね?(なんだっけ?)

オッ!29,600kmですか~。まぁ、2台体制だとなかなか距離は延びませ・・・え?じゃなくて?129,600km?こっちのほうが長く所有されている?

えぇ?あっちも65,000kmくらいイッてましたよ・・・?

ギャー!この人もアレだー!アレな人だー!(良い意味で)

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と、久しぶりにモギーの大好きな犬の画像をブッ込みつつ軽~くディスりも入りましたところで、さっそく作業に取り掛かりたいんですが、先に試乗したときになーんかハンドル周りが曲がってる?ような、捻じれてる?ような気がしたんですよねー。

ヘッドライトも少し左を向いてますし、あとで修正してみます。

で、今回のご依頼ですが、何やらブレーキがキュッ、キュッと鳴くとか・・・って、ほんとに鳴いてるー!

(動画でご覧いただけます。)

ので、ソッコーでマスターシリンダーを取り外したんですが、思ったほど状態は悪くなさそうでした。アレレ。

バラバラに分解して確認してみても

ピストンの状態も悪くなさそうです。ココが鳴いていたのは間違いないんですが、ピストンカップがわずかに引っ掛かっていたんですかね・・・?

てことで、ジャブジャブ&ゴシゴシ洗浄します。

以前に交換したことがあるとお客様がおっしゃっていましたが、確かに全体的にキレイな状態でした。シリンダーの内壁にも目立った磨耗や荒れた感じもありませんし、これならピストン交換でイケそうです。内壁に酷い磨耗や腐食があると、マスターシリンダーごと交換しないとダメなこともありますからねー。

ハイ、ビシッと組めました。この状態でキュッ、キュッと鳴かなくなりましたので、もう大丈夫でしょう!バンザイ!

そうしましたら、ハンドル周りの捻じれ?が解消するようトップブリッヂをいったんフリーにして締め直します。これで、少しはハンドルが真っ直ぐになるかと。どうかなー?あ、しれっと当店オリヂナルのETCアンテナ用ステイを取り付けてさせていただいたのは内緒です。ヌフフ。

で、ズババッとマスターシリンダーを元に戻したら、スロットル周りもビシッとグリスアップします。お客様がおっしゃっていた通り、ちょっと重い感じでしたので。

それと、針がプルプル震えるというタコメーターも確認します。といっても、本格的なメーターの修理はモギーにはできませんので、タコメーターの接続を見直すだけですけど。オホホ。

あ、お伝えしたメーターハウジングの件ですが、こんな感じでネジ穴があちこちダメになっていました。メーターを取り外した瞬間からカラカラと音がしてましたので、けっこう前から割れた破片が中で転がっていたみたいです。とりあえず生きているネジ穴だけで組み立てていますが、意外としっかり固定できていますので、もうしばらくお使いいただけるんじゃないかと思います。コレを修理するのは・・・その・・・あの・・・ですし。

ちなみに、純正のメーターハウジングは廃番になって久しいですが、SIEBENROCKでリプロダクト品の取り扱いがあります。しっかりした作りでクォリティも高そうですので、状態の分からない中古品をネットオークションで探すよりも良いかもしれません。価格がちょっとお高いのがアレですが・・・。ご希望でしたら取り寄せることもできますので、選択肢の一つとしてご検討ください。

どうですかッ!イイんじゃあないでしょうかッ!たぶんッ!

あとは、リクエストのあったステップのゴムを交換すれば

ハイ、できました。

 

ということで、この度はブレーキマスターシリンダーの修理とタコメーターの点検のご依頼、有り難うございましたッ!すでにその後のご報告もいただいておりますので、特に申し上げることはございませんが、また何かありましたらお気軽にご相談ください。この時期はR100RSが大活躍しちゃいそうですので、しばらくR100/7Tの出番はなさそうですが。ククク。

 

キュッ、キュッと鳴くブレーキマスターシリンダーの修理や、針がプルプル震えるタコメーターの点検等、諸々承っております。ご相談くださいッ!

R100/7T、オイル漏れの修理とホウィールベアリングの交換。

少し前にトランスミッションをO/HさせていただいたR100/7Tにお乗りのお客様が、今度はオイル漏れの修理にご来店くださいました。なんともッ!有り難いことですッ!ウレスィー!

アララ!前回は黒い外装だったんですが、今回はもう1セットお持ちだったという青い外装になってます。イイですね~。

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「母さん、横浜はすっかり春になりました。」

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って、春=ヤバイ人が出てくる季節という意味じゃないですよ。ククク。

 

などと、お客様をディスるのはこのくらいにして、さっそくオイル漏れの修理です。前回の作業で気になったエアクリーナーハウジング取り付け部からの滲みですが

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キレイにしたばかりなのに、やっぱりオイルが溜まってました。でも、当店のオイルは赤くないのですが・・・?

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聞けば、お客様ったら、交換されているK&Nのフィルターに「ちょっと前に洗浄したあと、たっぷりオイルを染み込ませちゃった。」とのこと。ズコー。フィルターオイルって、塗りすぎるといつまでも垂れてくるんですよね。(経験者談)

K&Nのフィルターオイルにはボトルタイプとスプレータイプがありますので、上手く塗れないようでしたら次回はスプレータイプを使ってみるのも良いかもしれません。ボトルよりも使いやすいと思います。噴きすぎれば同じように垂れちゃいますが・・・。

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で、モギーが疑っていたクランクケースのブリーザーのヴァルヴも点検してみましたが、こちらは問題ありませんでした。ホッ。

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それでも、ちょっとブローバイガスに含まれるオイルミストが多いような気もしますので、もうしばらく様子を見てみてください。走行距離を考えれば、多くてもしかたない気もしますが。

と、ちょっと寄り道しましたが、ココからが本番です。実は、前回の作業時にもエンヂンのフロントカヴァーの下から垂れてくるオイルのご相談を受けていたんですが、点火系をEME製のオルタネーターマウントのモノに変更されていたので、その場では躊躇していたんです。取り付け方や点火時期の調整方法を知らないまま作業するのもアレなので。(言い訳)

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お客様が「停まってると、煙がモクモク出るんだよね!」とおっしゃる通り、確かに、イグゾウストパイプにポタポタ垂れたオイルが焦げ付いてますね。EME製のカヴァーが取り付けられたトコロ(本来、ポイント式の点火ユニットがある)からもよくオイルが漏れてきますが、こちらはO-リングを交換されたばかりとのことですので

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そうなるとオルタネーターの奥のオイルシールからの漏れということになります。ビンゴ!

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しっかりキレイにして

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オイルシールを交換します。

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ローターコイルのシールと接触する部分にも異常はありませんでしたので、これで漏れは止まるんじゃないでしょうかッ!

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あらかじめマニュアルで確認しておいたので、ピックアップローターとセンサーの取り付けも

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点火時期の調整もバッチリです。さすがデジタル制御、安定していますね~。

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ついでに、フロントホウィールのベアリングも点検します。というのも、交換されているレスター製ホウィール、どうもシム調整されていない(調整できない)ようなんです。試しに規定トルクでアクスルシャフトのナットを締め付けてみると、やはりベアリングがゴロゴロしてしまい渋くてクルクル回りませんでした。

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お客様に確認したところ、「そういえば、そんなにしっかりと規定トルクで締めたりはしてなかったかな?」とのこと。上手く締め付け具合を加減していらしたようです。

実際、取り外したディスタンスカラー(左)はワンピース構造になっていて、純正品(右)のようにカラーとシムのツーピース構造じゃありませんでした。おそらく、ホウィール出荷時に最適な長さのディスタンスカラーを選んで組んでいるんだと思いますが、これだとベアリング交換後の調整はできません。

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なので、純正のシムを使って調整できるように、金属加工屋さんに製作してもらっていたディスタンスカラーに交換します。用意周到、モギーモータースです。フフフ。

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締め付け具合を加減して使用されてはいた割りにそれほどゴロついた感じのなかったベアリングでしたが、外してみるとアウターレースに深い傷が付いているッ!ので交換することにしました。

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しかも、以前の交換作業でアウターレースを無理やり抜こうとしたのか、ホウィール側にも嫌な傷がッ!イヤン。

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反対側はそうでもありませんでしたが、どちらも丁寧に凹凸を均しておきました。

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ホウィールを温めてアウターレースをしっかり打ち込み

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たっぷりグリスアップしたベアリングでビシッとシム調整すれば

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できました。規定トルク(45N・m)でしっかり締め付けてもクルクル軽~く回ります。イエス!

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その他にもチョコチョコと細かい作業もあり、ご希望の納期に間に合わなかったため今回はリアホウィールの点検はできませんでしたが、またご都合の良いときにご来店いただければと思います。この度はオイル漏れの修理とホウィールベアリングの交換のご依頼、有り難うございましたッ!次回はもう少しお時間をくださいッ!

 

エンヂンのフロントカヴァーからのオイル漏れや、ホウィールのシム調整も承っております。ご相談くださいッ!

R100/7T、クラッチの点検とトランスミッションのO/H。(その2)

「昨日まで何ともなかったのに、急に半クラが上手くできないッ!なぜッ!」と、当店ブログを見てお問い合わせくださったお客様のR100/7T、引き続き作業を進めています。

 

昨日、トランスミッションのO/Hは終えましたので、今日はクラッチ周りの作業とオイル漏れの激しいフライホウィールの奥の点検&修理です。

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さっそくクラッチ周りを取り外します。

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プレッシャープレートに溜まったフリクションプレート(クラッチ板)が磨り減って出たダストの量がスゴイですね。走行距離が90,000kmを超えていることを考えればこれくらいはしょうがないと思いますが、このタイプのクラッチはダストの排出がイマイチなのかもしれません。2本サス後期やモノサスで使用されているクラッチはもっと排出しやすい形状のプレートとカヴァーに見えますので、改善されているんでしょうね。

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オイル漏れを確認するため、フライホウィールも取り外します。取り外す際にリングギアに付いた汚れが、このあとの清掃の大変さを物語っているッ!

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やっぱり、オイルポンプカヴァーのトコロからオイルが漏れてました。それにしても、この汚れは・・・。

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泣き言を言ってもキレイになりませんので、ジャブジャブ洗浄します。ウォー!

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元のオイルポンプカヴァーのO-リング(黒)、すっかりツブれて硬くなってました。これじゃ、漏れて当然ですね。

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エンヂン側もキレイにしたら、オイルポンプカヴァーとフライホウィールを戻します。写真では表現できませんが、すんごく苦労しているッ!

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フリクションプレートは厚さが5mmくらいまで減っていて(使用限度4.5mm)、また表面もイマイチな感じでしたので新品に交換します。ちなみに、新品の厚さは6mmです。

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しっかりセンターを出してクラッチを取り付けます。うーん、良いんじゃないでしょうかッ!

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トランスミッションを戻す前に、カヴァーやブレーキペダル、シフトペダルもキレイにしておきます。

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グリスは残っていますが、せっかくなのでしっかり整備したいですね。

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トランスミッションを戻しまして

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定番のスピードメーターの取り出し部のブーツも交換し、

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ピカピカになったブレーキペダルなんかも取り付ければ

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できました。イエス!

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と思ったら、お客様から「ブレーキもやっちゃってください。」とのご連絡がッ!作業が終わってホッと気を抜いてたのにー。でも、有り難いことですッ!

てことで、まずはリアブレーキのシューの交換から。

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ブレーキシューは当店取り扱いのEBC製です。ブレーキカムやアームはキレイにしてグリスアップします。

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ビシッと利くんじゃないでしょうかッ!

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続いてフロントブレーキです。Ate製キャリパーはちょっと変わってるんですよねー。

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こんな感じの部品構成になります。

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忘れちゃいけないのが堀北真希さんがしているO-リング。コレがピストン側のパッドに付きます。

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で、コレが外したブレーキパッド。ギリギリまで使い切ってます。イイですね~。ガンガン走られるだけじゃなく、こういうトコロもちゃんと気に掛けていると、トラブルは少なくなりますよね。

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パッドを交換し、お客様も気にしていたちょっと濁りのあるブレーキフルードも交換すれば

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作業終~了~。

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さっそく試乗してみると、クラッチの繋がり、切れ具合も良く、シフト操作もスコスコになりました!ついでに味わったミクニ製VMキャブレターも、スロー系がちょっと薄い感じでしたがセッティングもしっかり出ているようで、BINGとはまるで違う加速感で速かったです!作業しながら感じていましたが、しっかりと整備された良い車輌ですねー。

 

ということで、この度はトランスミッションやクラッチ周りに加え、ブレーキまで作業をご依頼いただき、有り難うございましたッ!これで、またしばらくはガンガン走れると思いますので、ちょっと寒いですがR100/7Tを存分にお楽しみくださいッ!今後とも、宜しくお願い致しますッ!

 

クラッチ周りの点検、修理だけでなく、ブレーキパッドとブレーキシューの交換も承っております。ご相談くださいッ!

R100/7T、クラッチの点検とトランスミッションのO/H。

「昨日まで何ともなかったのに、急に半クラが上手くできないッ!なぜッ!」と、当店ブログを見てお問い合わせくださったR100/7Tにお乗りのお客様、数回のメールのやり取りのあと、「じゃ、お願いします。」とさっそくご来店にッ!なんということッ!有り難いことですッ!

 

で、入庫したこちらのR100/7T、これまた刺激的な車輌です。ホウィールやサイレンサーが変更されていたり、

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ツインプラグ化されたエンヂンに、ミクニ製VMキャブレターが付いているッ!こりゃ、試乗するのが楽しみですなぁ。

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作業の前に各部を見ていると、色々と手を加えられ、ガンガン走られているのが伝わってきます。

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エアクリーナーケースの取り付け部のオイル滲みは

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やっぱり、こうなってますよね。ブローバイガスが多いんでしょうか。

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定番のシフトレヴァーのオイル漏れもありますね。

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走行距離は90,000kmほど。過去にO/Hはされていないそうで、「最近、シフト操作もちょっとイマイチで。」ということもあり

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これを機にトランスミッションのO/Hもすることになりました。積年の汚れが手強そうですが・・・、ビシッと頑張りマス!

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にしても、フライホウィールの奥からのオイル漏れが激しいッ!クラッチの点検と同時に、こちらもなんとかせねば・・・。

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てことで、バラバラに分解して

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ジャブジャブ洗浄し、ピカピカにします。今回、ケース内側の汚れがかなり手強かったです。

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シャフトは各ギアに大きな問題もなく、状態は良好でした。ベアリングも動きが少し渋かったですが、不思議とガタつきはなかったです。

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キレイにしてベアリングを交換します。

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シフトフォークとアウトプットフランヂの状態も良好でした。

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シフトセレクターも汚れがスゴイので

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バラバラに分解し、

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キレイにしてから組み立てます。プレートやアーム、各軸部に異常はありませんでしたので、そのまま再使用しました。定番のリターンスプリングと軸部にガタのあったローラーだけ交換しています。

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ちょっと分かりにくいですが、外したスプリング(右)は磨耗はそれほどないものの、少し曲がっていました。

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あとは、トランスミッションを組み立てるだけです。シム調整もビシッとやってます。

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ココで、いよいよ学生時代の友人から貰ったトルクレンチが初登場ッ!ちょっと長くなっただけなのに、すんごいよ、コレ!サンキュー、ピロト!

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できました。

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インプットシャフトも

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(動画でご覧いただけます。)

アウトプットシャフトも、クルクル回っているッ!

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(動画でご覧いただけます。)

ちなみに、クラッチリリースピストンやベアリングに異常は見られませんでしたので、ピストンのオイルシールとプッシュロッドのフェルトシールだけ交換しました。ピストンとベアリングはあとでも交換できますし、ひとまずこれで様子を見させてください。交換せずに済むのなら、余計な出費も抑えられますから。さて、どうなるかしら?

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ということで、トランスミッションのO/Hも終わりましたので、続いてクラッチ周りの作業です。頑張るぞー!

 

(続く)

 

急に「半クラッチが上手くできないッ!」とお困りの方、クラッチ周りの点検と同時にトランスミッションのO/Hも承っております。ご相談くださいッ!

西方(岐阜)から、始動不能ナリ。

ちょっと前にフロントフォークをO/HさせていただいたR100Tにお乗りのお客様から、今回は始動不能の修理のご依頼をいただきました。それも、岐阜から横浜まで車輌を持ちこんでッ!どうかしているッ!でも、有り難いことですッ!

というのも、O/Hしたフロントフォークをお送りしたあとも整備のご相談やちょっとしたやり取りをメールでさせていただいていたんですが、ようやくすべての作業が終わり、いざエンヂンを始動しようとしたところ「電源が入らないッ!何も点かないッ!」という謎の事態に。もちろん、さらにメールで厚いサポートをさせていただいたんですが、

「パトラッシュ、僕はもう疲れたよ」

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と、すっかり作業を続ける気力を喪失されてしまい、遠路はるばる軽トラに積み込んで、アサイチでご来店くださいました。ホントにキター!

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で、モギーの厚いサポートメールで最後にお伝えした箇所から点検したところ、あっさりメーターのインヂケーターが点灯ッ!セルモーターも回ったッ!

原因は、R100RS、始動困難ナリ。(その4)でも点検したスターターリレイへの接続部の接触不良でした。なんか、こうなりそうな予感があって「もう一度!最後にッ!」とお伝えしたんですが

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「黙れパトラッシュ、僕はもう疲れたんだ」

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の一点張り。ズコー。(しかし、この判断が結果オーライに!)

とはいえ、お客様のほうでかなりの時間を掛けて他の箇所を確認してくださっていたので、こちらはそれ以外のトコロだけを疑えば良かっただけでして、だからこそこの結果に繋がったんですが。アハハ。(メールでのやり取りで、お客様の苦闘ぶりは十分理解しております。)

てことで、接触不良を修理します。錆びた端子をキレイにし、ちょっとカシメてやろうとペンチでキュッとしたところ

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ガーン。割れました。

250タイプの平型端子は山ほど在庫していますが、このツメ付きは在庫していないため、慌ててバイク用品店へ走って調達してきました。フゥ、焦るー。

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おかげでより確実に接続できるようになりましたが、ちゃんと在庫しとかないとダメですね。近々、注文します。

もちろん、イグニッションキーをONにすれば、この通り。ヤッタネ!

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ついでに、遊んでいたメインハーネスをしっかりフレームに固定し

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キレイにまとめておきました。

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追加でご依頼の劣化して固くなったフューエルホースも交換し、

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さて、エンヂンを掛けようかなと思ったら

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ガーン。なぜか掛からない・・・。

お客様はバイクを預けたあと、しばらく所用で席を外されていたので、急いで点検します。

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ポイントの接点がデコボコで、コンデンサーもアヤシイ感じだったので交換しました。

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こっちがデコで

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こっちがボコです。

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が、あらためて火花を確認すると、今度は片側のスパークプラグにしか火花が飛んでいないッ!

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お客様がお戻りになられたので一緒に点検すると、これはただイグニッションコイルの配線が間違っていただけでした。メインハーネスを固定したときにコイルを脱着したんですが、そのときに気付かずにスミマセンでした。(↓このとき)

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さらに、お客様から「プラグコードとスパークプラグも換えましょう!」とのお言葉がありましたので交換します。外したコードはカチカチに固くなっていて、プラグのターミナルとの接続もユルユルでしたので、交換して正解でしたね。

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これでようやくエンヂン始動となるかと思いきや、BOSCH製セルモーターのソレノイドスウィッチが壊れていたり(使用予定のない在庫のBOSCH製セルモーターに交換しました)

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灯火類を点検したらヘッドライトが点灯せず、調べたところヘッドライトリレイが壊れていたりしましたが(たまたま、数日前に入荷したばかりの新品がありました)

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エンヂンが掛かってみれば、ちょっと驚くぐらい状態が良いッ!良いッ!

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ポイントとコンデンサー、プラグコードにスパークプラグも交換したせいもあるかもしれませんが、キャブレターはO/Hをオススメしたい感じなのに、点火時期はビタッと安定していて、なんだかとっても穏やかなアイドリングです。エンヂンからは気になる異音もまったくなく、ほんと、良いエンヂンだと思います!バンザイ!

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あとは実際に試乗して、車体周りの確認をしていただければと思います。これなら文句なく車検に通るんじゃないでしょうかッ!

朝から作業を始め、気付けば夕方まで掛かってしまいましたが、結果的には遠くからお越しいただいただけの対応ができたかなと思います。もしメールでのやり取りを続けていたとしても、あのときのお客様のお疲れの様子を思うと、ココまでの追加作業をお一人で行うことはオススメできなかったかもしれません。喜んで作業させていただきましたが、本音を言えば「遠くから来てもらってちゃんと直せなかったら、コレ、かなりマズくね?」と内心すんごくドキドキしていましたので、その日の内に納車でき、こちらもお客様と同じくらい嬉しく、またホッとしました。前日までのプレッシャー、ハンパなかったです。

 

「しつこいぞパトラッシュ、僕はもう疲れたと言っているッ」

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というお客様自らのご希望とはいえ、かなり距離のあった当店をご利用いただき、本当に有り難うございましたッ!作業の合間にも色々とお話しでき、とても楽しく点検&修理を進めることができました。今度はツーリングがてら、是非、遊びにいらしてください。さらに仕上がったR100Tでのご来店、お待ちしておりますッ!

 

などと、「お客様のために、イッツ・モギーモータース」みたいに書いてますが、車輌の積み込みのお手伝いはしない、冷徹なモギー。(撮影に夢中)

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遠方からの車輌の持ち込みにも対応致します。ご相談くださいッ!

西方(岐阜)から、フロントフォークのO/H。

またしても遠方のお客様から、フロントフォークO/Hのご依頼がッ!有り難いことですッ!

たまたま当店ブログを見てくださり、ご連絡をいただいたんですが、このお客様、あの「何を言っているのか。」のR100RSの前所有者だったんです。アララ!

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( ° o °)ハッ!

ポンコツとか書いてしまい、大変失礼致しました・・・。(でも事実)

 

なんでも、R100Tもお持ちだそうで、R100RSを手放したのはそちらの整備に専念したかったからだそうです。確かに、大掛かりな整備を要す車輌を2台も抱えるのは大変だと思います。

で、過去にBMWのGS系の車輌でフロントフォークは整備されたことがあるものの、古いタイプのフォークは初めてで、どうしても上手く動作させることができないとのこと。資料も不十分で、何が原因なのか分からないそうなので

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送っていただきました。Ate製キャリパーが付くタイプのフロントフォークです。

さっそく点検してみると、お客様の説明通りです。動作が異常に渋く、インナーチューブがまったくボヨンボヨンと動きません。通常、スプリングを抜いたこの状態ならダンパーロッドがスッと中に入って行くんですが、びくともしませんでした。

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分解してみると、すぐに原因が判明。このブッシュの位置を誤って組み立てていたみたいです。

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ちなみに、このブッシュはフロントフォークが伸び切ったときの緩衝材になりますので、ヘタってくると、センタースタンドを掛けてフォークが伸びたときにガコンと音がすると思います。/5や/6、Ate製キャリパーが付くタイプのフロントフォークの車輌にお乗りの方、思い当たる節がありましたら、ご相談ください。(苦い記憶が蘇ります・・・。)

そもそもお客様が入手されたときにこの状態だったそうなので、初めて分解、組み立てを行うときの「元の状態に戻せるように作業する」という意識が、今回はアダになってしまったようです。初めから正しく組まれていれば、このようなことはなかったと思います。

ということで、各部を点検しながら分解します。
片側インナーチューブのオイルシールの直近に、錆びて大きな傷ができています。

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反対側まで・・・。

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再めっき済みの在庫がちょうど用意できたトコロでしたので、こちらのインナーチューブは交換させていただきます。

もう一方のインナーチューブには大きな傷はありませんでしたが、小さな点錆が幾つかありました。お客様のほうでも軽く均されたようですが、当店でももう少し均しておきましたので、ちょっと心配ですがそのまま再使用します。どうか漏れませんように・・・。(祈り)

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ダンパーロッドにも傷がありましたので、こちらも軽く均して修正しておきます。

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ヴァルヴワッシャーも大きく変形していましたので、交換しました。

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てことで、バラバラにして

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洗浄します。

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ダンパーロッドは錆びやすいので、さっさと組み立てます。

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ヴァルヴ周りはこんな感じになります。誤って組まれていたブッシュの取り付け位置は、ココにくるのが正解です。

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ピストンリングの挿入にちょっとてこずりましたが、ダンパーロッドを挿入し、ビシッと組み立てました。動作もスムース、バッチリです!

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ココまで組めば、あと少し。アウターチューブを取り付けて、ボトムキャップナットをしっかり締め付けます。ちなみに、ココの締め付けトルクは80~100N・mです。

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オイルシールをガッツンガッツン打ち込めば

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作業終~了~。

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このタイプのフロントフォークはオイルを入れてお送りできませんので、この状態で発送致します。また、組み立て時に薄くオイルを塗っていますが、早めに車体に取り付けてフォークオイルを入れていただければと思います。動作確認はフォークオイルを入れてから、しかっり行ってください。

残りの整備が終わり、車輌を走らせられるようになりましたら、またご連絡ください。楽しいご報告、お待ちしております。この度はご依頼いただき、有り難うございましたッ!

 

つか、こんなトコロまで絡んでくるR65にお乗りのお客様、今回の作業でも「モギーモータースさんの仕事っすか?いや、悪くないんじゃないですかねぇ。」と、さりげなく広報まで担当していただいたそうで、これじゃ本当に足を向けて寝れません。やっぱり今度、方角を教えてください。オナシャス!

 

遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、O/Hを承っております。フロントフォークの渋い動き、ガタつきをなんとかしたい方、ご相談くださいッ!

 

オマケ

こちらのお客様、最近、CB93(CR93仕様)も仕上げられたそうです。ウォ~!大好物!これくらいの年代のバイクって、機械っぽさがムンムンしてて、本当に良いですよね~。お乗りのお客様も、アラやだ、カコイイ・・・。(嫉妬)

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