一ヶ月以上前になりますが、当店ブログに触発されて「自分もあんな風にホウィールをッ!塗り直したいッ!」とご連絡くださったお客様、何度かのメールのやり取りのあと、仕事の都合で横浜方面にいらっしゃる機会があり、自走にてご来店になりました。それも、けっこうな遠方からッ!なんともッ!有り難いことですッ!
こちらのR100RSにお乗りのお客様、モギーと同い年だそうで、色々とお話をお聞きしたところ、相当なバイク好きであることが判明ッ!とにかく走るのが大好きッ!みたいでして、こちらの車輌以外にも何台かのバイクを所有されているとのこと。
その乗り物好きのルーツは「007」にあるらしく、任務に応じて様々な乗り物を操るジェームス・ボンドの活躍に「ボクも大きくなったら、Qにクルマやバイクをいっぱい用意してもらうんだい!」と強い憧れを抱いたのがキッカケだそう。うんうん。
分かります。モギーも「ゴールド・フィンガーになりたいッ!」と、学生時代に指先の練習をいっぱいしましたから。(意味深)
検索していて見つけたこのポスター、昔、部屋の窓に(カーテン代わりに)貼っていたのを思い出しました。やっぱり、ボンドはショーン・コネリーが一番好きですね~。
エヴリスィング・ヒー・タッチズ・ターンズ・トゥ・エクサイトメンット!
(彼が触れるものは皆、興奮に変わるッ!)
チャラッチャラー♪チャララー♪チャーラララー♪チャララー♪
と、ボンドの話はこれくらいにしまして、さっさと作業に取り掛かります。今回、塗装するついでに「ホウィールに歪みがあるので、その修正もッ!したいですッ!」とのことですので、実際どんなものなのか確認してみましょう。
ウッ!パッと見ではそれほど気になりませんでしたが、左側にピョコピョコと大きく2箇所の歪みがッ!
さらに、右側にはピョコピョコピョコっと小刻みに3~4箇所の歪みがッ!ノォ~!
試乗してみても、ハンドルが振れることはありませんでしたが、今まで味わったことのないような小刻みな振動が常にハンドルから伝わってきました。こりゃ、アカーン!と思います。
さっそく、ホウィールを修正に出すため、タイアとブレーキディスクを外します。「小刻みな振動の原因はベアリングにもあるのかも?」と疑っていましたが、この状態で点検してみてもクルクル軽~く回りましたので、やはりあの振動はホウィールの歪みによるものみたいです。このような症状はほとんど経験がないため、非常に勉強になります。あざーす!
さて、修正でどうなりますか。
~一週間後~
修正をお願いしていたホウィールが戻りましたので、簡単に確認してみます。オオッ!かなりキレイに回るようになっているッ!
修正に伴う表面の微かな歪みは残っていますが、修正屋さん曰く「基準となる面の振れは0.5mm以内に抑えましたので、コレならハンドリングに影響が現れることは、まずないでしょう。(断言)」とのことでした。ズキューン!信じます!信じますともー!
となれば、お次は塗装の手配です。すぐに塗装屋さんへ連絡します。ピポパ。
こちらの塗装屋さんにお願いする粉体塗装では、ホウィールはかなりの高温に晒されるため、ベアリングを取り外しておかなければなりません。
取り外したベアリングとディスタンスカラー、ちょっと錆がありました。ベアリングは交換しますので問題になりませんが、ディスタンスカラーは・・・どうしようかしら。
ホウィール側にもちょっと錆が回ってましたので、軽く磨いてキレイにしておきます。
リアホウィールも取り外し、準備しようとしたところ
ドラムがかなり減っていて、ちょっと気になる段付きができていました。
爪がガツッと引っ掛かります・・・。
なので、お客様と相談の上、たまたま当店にあった中古ホウィールに交換させていただくことになりました。ドラムに薄っすら錆(右側)はありましたが、磨けばキレイ(左側)になりましたので。せっかく塗装するのに、ドラムの磨耗限度が近いのではもったいないですからね。
さあ、塗装から戻ってくるまで約一ヶ月、他のご依頼の作業も進めておきましょう!オー!
やはりドラムが限界まで減ったらホイール交換しかないのでしょうか?
ドラムはホイール製造時に内側に鋳込まれていますので、限界まで減ってしまったら交換するしかないと思います。
ちなみに、ドラムの内径は新品時で200mm、使用限度は201.5mmです。(R65LSは除く)
当店で扱った車輌の数もまだまだ少ないですし、リアブレーキの使用頻度にもよるので目安にしかなりませんが、簡易的に計測している印象では、走行距離が50,000~100,000kmまでの車輌で200.5~201mmくらいでしょうか。また、使用限度に達している車輌はまだ見たことがないのでハッキリしたことは言えませんが、150,000~200,000kmくらいで限度に近づくような気がしています。ご参考まで。
ドラムの減りを気にしてブレーキを控えても、しっかり止まれなくては本末転倒ですので、ガンガン使って、限度に達したら交換しましょう。1年に10,000km走っても使用限度まで5年、10年と掛かりますから、その間にコツコツ予算を確保していただければ、負担もそんなに大きくないと思いますので。