タイア交換とドライヴシャフトのブーツ交換でご来店になったお客様のR80、納車直前に点火時期の不具合に気が付きまして、とりあえず故障診断用に確保しておいたイグニッショントリガーに交換して納車させていただきましたが、果たして・・・
そもそも、イグニッショントリガーを疑ったのはこの点火時期を見たからなんですが、具体的にはアイドリング時に「S」マークが見えておらず、しかもエンヂンの回転数を3,000rpmまで上昇させるとわずかに進角して「Z」マークが現れるという謎の仕様?になっていました。(独りで動画撮影している都合、回転上昇に伴う「Z」マークは撮影できていません。)
てことで、その場で交換して取り外したイグニッショントリガーを分解します。おそらく、あの進角の様子を見るに原因はガヴァナーにあると思うんですが・・・?
分解するつもりで逆に壊しちゃったら大変なコトになりますので、慎重に作業を進めます。
注意!イグニッショントリガーは非分解指定の部品です。構造を理解できていない場合、安易に分解しないでください。
ビンゴ!ですね。予想通り、ガヴァナーの片側の動きが渋くなっていました。これじゃ、スムースに「S」から「Z」まで進角できないわけです。
不良箇所が確認できましたので、ガヴァナーの動きが良くなるようにチョコチョコしまして・・・
ハイ、できました。両方ともクイックイッと軽~く動くようになっているッ!のが分かると思います。ヤッタネ!
ちなみに、コレがセンサー側の部品になります。非分解指定のため純正部品の設定はありませんが、EMEで代替品を取り扱っているようですので、センサーが故障してもなんとかなりそうです。
コチラはガヴァナースプリング。取り外すのも、取り付けるのも、ちょっと大変な部品です。このスプリングも純正部品の設定はなく、moto-binsで代替品の取り扱いがありますが・・・なんかイマイチな気がするので、モギーは使用するのを躊躇しています。
さ、あとは元通りにするだけです。丁寧&慎重に組み立てまして
ガヴァナースプリングがしっかりと引っ掛かっていることを確認すれば
できました。外観もピカピカにしておきましたので、これで直ると良いのですが・・・。(祈り)
余談になりますが、以前にもブログで触れたように、廃番と思われていたイグニッショントリガーも供給されるようになるみたいです。ただ、価格が10万円越えとのことなので、修理できるのであればそのほうがお財布に優しいッ!と思います。もしお困りの方がおられましたらご相談ください。他に、コネクターによるトラブルも紹介していますので、ご参考に。
~一週間後~
お客様に修理できたことをお伝えしたところ、またもやソッコーでご来店くださいましたので、こちらもソッコーで取り付けさせていただきました。ちょっとキャブレターの調整でもたつきましたが、点火時期もビシッと決まるようになりましたので、バッチリなんじゃあないでしょうかッ!バンザイ!
ということで、この度はタイア交換とドライヴシャフトのブーツ交換、そしてイグニッショントリガーの修理と、アレやコレや作業させていただき、有り難うございましたッ!試乗した際になんとなく感じたエンヂンの盛り上がりに欠ける印象も、今考えれば点火時期の不具合が原因だったのかもしれません。これで、本来のエンヂンの吹け上がり方に戻ったと思いますので、また奥様とのタンデム・ツーリングにジャンジャンお出掛けください。また何か気になることがありましたら、お気軽にご連絡を!楽しいご報告をお待ちしておりますッ!