先日ご紹介した「何を言っているのか。」のR100RS、さっそく整備と修理を進めています。
これまでの作業で、トランスミッションから前側の整備&修理が終わったので、リア周りの車検整備の作業を進めていきます。
と、またまたその前に、車検整備の項目としてオイル漏れの点検と清掃を入れていますので、エンヂンとトランスミッションの清掃を行います。
オイルフィラーのガスケットをO-リングに交換しましたので、もうそんなに汚れることはないと思います。
プッシュロッドチューブとオイルパンはまだ軽いオイル滲みのようなので、清掃して様子見です。
が、オイルプレッシャースウィッチからと思われるオイル汚れや
ニュートラルスウィッチからのオイル漏れの跡がちょっと気になります。工場に置いている間、床にちょっとオイルが垂れるくらいだったのであまりヒドくはなさそうですが、このままだと漏れ具合がよく分からないので
キレイにして、また試乗して確認することにします。
予算の都合もありますし、また、すでにオイル交換も済ませていますので、そんなに漏れがヒドくなければ次のオイル交換に合わせてスウィッチの交換を検討ということでも良いと思いますが、気になるようであれば早めにオイル交換、スウィッチ交換しちゃいましょう。
幸い、トランスミッションの奥のほうからの漏れはなさそうでした。ホッ。
ということで、ようやくリア周りの作業に取り掛かったんですが・・・、ドライヴシャフトのオイルが少ないッ!しかも、汚れているッ!
ファイナルドライヴのオイルは色もキレイで、規定量に近い300mlくらい抜けましたので、ドライヴシャフト側だけオイル交換をサボっていたんでしょうか。うーん、ドライヴシャフトだけでも、ちょっと早めに次のオイル交換をしたいですね。
ホウィールを外しているので、ファイナルドライヴのスプライン周りも点検します。スプラインの状態も悪くないですし、オイルシールからの漏れもないですね。
オイルを抜いている間に、リアブレーキの作業を進めます。
2本サスのリアディスクブレーキって、ホント、整備しにくいですよね。今回は、必要ならO/Hもというご依頼なのでココまで外しますが、車体に残したままだと本当にやりにくいです。オレっちの手が大きいせいもありますが。
BMW特有?の、このクリップで固定するタイプのピン、嫌いじゃないなんですが(むしろ好き)、コレが錆びて固着しているとなかなか外せないんです。片側は折れて針金で固定されてるくらいですから。
錆と古く固くなったグリスで苦労しましたが、無事に分解できました。
マスターシリンダーのピストンを押すレヴァーとピヴォットピンも、この有様・・・。
ただ、マスターシリンダーはシールからの漏れもなく、状態も良さそうでした。ココのシールはちょっと変わっているので、ダメなら交換するつもりでいましたが、コレならそのままでOKだと思います。ピストンのキットって、かなり高いんですよね。ウレシイッ!
キャリパーも分解し、
状態を確認します。錆びやカスがヒドかったフロントのキャリパーに比べ、なぜかとってもキレイでした。リア側だけ過去にO/Hされているのかもしれません。
てことで、ジャブジャブ、ゴシゴシ洗浄します。
ブレーキフルードが少ない期間が長かったのか、ダイアフラムのベローズが伸びてますが(重石を乗せてしばらく放置してみます)
リザーヴタンク内はキレイです。
古くなるとよく破れるこのダストカヴァーは、程度はイマイチですが中古があったので交換しておきます。
ブレーキパッドは残量も十分で、変な細工もされていませんので、再使用します。
しっかりグリスアップして組み立てて、車体に戻します。よく利くブレーキに戻りそうな予感。ムフフ。
スウィングアームのピヴォット部も、グリスアップして締め付けトルクを点検します。
そのままホウィールベアリングの点検といきたいところですが、あまりにもホウィールが汚れていたので
手が入る範囲で頑張ってキレイにしました。ご依頼いただいたお客様のご友人が新しいオーナーになるのですが、初めてのBMW、しかも久しぶりのバイク(現在はスクーター)とのことなので、オマケの作業です。まだ汚れは残ってますが、オマケなのでお許しを!
ホウィールベアリングもフロント同様、点検してグリスアップします。
オイルを交換してからホウィールを取り付けて、ブレーキのエア抜きをすれば
できました。イエス!
しかし、この2本サスのリアブレーキは、ほんとエア抜きしにくいですね。作業中の姿勢はちょっとアクロバチックなので、このときばかりは「来客?ノー・サンキュー!」って言っちゃいそうです。
あとは、シートロックのリリースボタンに
樹脂製のキャップを取り付けて、
ちょっと干渉するシートロックピンの位置を調整し
リアフェンダーを元に戻せば
本日の作業、終~了~。
まだ少しやることは残ってますが、車検整備で行っているリア周りの作業はこのような感じになります。通常、キャリパーの分解まではしませんが、キャリパーとピストンの清掃をしていて問題があれば、分解して点検も行うことになります。
さあ、あとは試乗して、外しているカウルを元に戻せば、いよいよ納車になります。もうちょっと!ゴー!俺、ゴー!ゴー!