またまた遠方の方から、キャブレターのO/Hのご依頼です。有り難いことですッ!
こちらのお客様、R100のサイドカー仕様にお乗りだそうで、基本的にはそれほど調子は悪くないそうなんですが、エンヂンを始動してしばらく走行したあとに回転数が少し高めになることがあるようで、ご相談のメールをいただきました。で、ちょうどこれから冬になり数ヶ月乗れなくなるということで、メールでのやり取りからキャブレターのO/Hをされることに!ウホッ!
仕事だワッショイ!仕事だワッショイ!
と、テンションも上がってまいりましたので、さっそく届いた荷物を開梱します。
パッと見、そんなに汚れもありませんし
お客様の「走ってなんぼ」の言葉通り、よく乗られている車輌のキャブレターみたいです。
バタフライも、右側も
左側もしっかり閉じてますね。
てことで、分解して点検します。
フロートチャンバー内にちょっとゴミが溜まってました。大きく見えるゴミも、小さなゴミが固まってできた破片のようです。オーヴァーフローを気にされてはいませんでしたので、おそらく長年の使用で少しずつ溜まったモノが、乗られない時期に固まって大きくなっていったのではないでしょうか。そんなに心配はなさそうですが、ガソリンタンク内を軽~く洗浄してみても良いかもしれません。
キャブレター側も、中はかなりキレイでしたが
メインジェットホルダーの奥にけっこうな量の異物が溜まってました。
この穴の空いたアトマイザーと呼ばれる部品は、メインジェットを通ってニードルジェットとジェットニードルの隙間から吸い出されるガソリンに空気を混ぜて混合気を作り、その名の通り霧吹きのように働きますので、ココが異物で詰まり気味だったとすると、スロットルを大きく開けたときのメイン系の混合気がちょっと濃くなっていたと思います。
推測ですが、キャブレターに導入されるブローバイガスとエアフィルターを通過してしまう小さなゴミが少しずつ溜まり、こんなふうになってしまうのではないかと。程度の差はあっても、長くO/Hされていないキャブレターでしたらこんな感じになっていますので、気になる方は点検してみてはいかがでしょうか。
ピストンヴァルヴやスターターなんかも汚れてはいますが、不動車のようなガンコな汚れじゃありません。これなら簡単に落ちそうです。やっぱり、よく乗られてる車輌は状態が良いですね。
というわけで、バラバラに分解しましたので、ビシッと洗浄します。
できました。
真鍮部品もピカピカです。ジェット類の穴の通りも確認しています。
メインジェットホルダーの奥もキレイになりました!
これならOKですね。
O-リングとガスケットを交換し、正しく組み立てます。油面調整もバッチリです。
バタフライもビシッと閉じました。ヤッタネ!
ピストンヴァルヴもダイアフラムの位置に注意して取り付けます。スコスコ動くことを確認ッ!
ちなみに、こちらのキャブレター、トップカヴァーなんかを固定するネジがポジドライヴになってました。高年式の車輌によく見る気がしますが、ポジドライヴのネジにはポジドライヴ用のドライヴァーを使用したいですね。トルクの掛かり具合が全然違いますから。お持ちでない方、工具屋さんへゴー!ですよ。
イイんじゃないでしょうかッ!
そして、当店オリヂナルのスターターノブもご希望とのことッ!なんとも!ウレシイッ!
ということで、ご相談のあった「エンヂンを始動してしばらく走行したあとに回転数が少し高めになる」という原因になりそうなスロー系の詰まり等は見受けられませんでしたが、今回、内部をキレイに洗浄したことで改善するかもしれません。あとは実際に取り付けて試乗していただき、症状が再発するかどうか確認していただければと思います。
この度は当店をご利用いただき、また色々とお気遣いまでしていただき、有り難うございましたッ!取り付け後のご報告、楽しみにしておりますッ!
つか、またしてもR65にお乗りのお客様が一枚噛んでいたようで、もう言葉になりません・・・。もし、ネット上で「自分はよく知りませんけど」みたいに装いながら当店のブログへ誘導したり、さりげなく「モギーモータースさんスカ?悪くないんじゃないでスカね。」みたいに話題をネジ込んでくる人がいたら、それは当店のステマ担当のお客様かもしれません。ご注意ください。(良い意味で)