少し前の作業になりますが、メールにて当店オリヂナルのスターターノブのお問い合わせをいただいていたR100RSにお乗りのお客様が「それでは、キャブレターの点検をお願いします!」とご来店にッ!ウヒョヒョ!有り難いことですッ!
が、当店に着くなり泣き顔のお客様?ブホッ!ホワット・ハプン!(何があったんですか?の意)
聞けば、前日にテイルランプ周りの作業をした際にナンバープレートを固定するボルトをしっかり締め付けていなかったそうで、「ナンバープレートをドコかに落としちゃいました・・・」とのこと。プ、プー!
じゃなくて、ナンバープレートなしでお帰りいただくのはちょっとアレですので、たまたまあったナンバープレート用のベースを利用して、テキトーに作成してプリントアウトした紙をペタッと貼り付けて対処させていただきました。持ってて良かった、カラーレーザープリンター!イエス、エプソン!
ナンバープレートはコレでも問題ないと思いますが、検査標章(車検スティッカー)は貼らずにいると罰則の対象になりますので、お巡りさんに停められたら車検証と自賠責保険証を提示して事情を説明してみてください。本気出せば見分けが付かないモノも作れそうですが、さすがに検査標章を偽造したらエライことになりますので・・・。(ナンバープレートが見つからなければ、ナンバープレートとともに検査標章も再交付してもらうしかありません。)
で、ようやく本日ご依頼分の作業に取り掛かります。スターターノブを取り付けて、長さが少し足りない右側のスロットルケーブルも交換しまして
シートロックのリリースボタンのキャップも取り付けさせていただきました。
このキャップ、取り付けた方のほとんどが「なんというッ!コレはッ!押しやすいッ!」とお喜びになっておりますので、キャップがなくなっている方は是非どうぞ。価格も¥180/個(税抜)とお求めやすくなっております。
そして、ビシッと同調も調整でき、ご来店時より確実に調子良さげな雰囲気でお帰りになったのですが・・・
後日、「走行中、エンヂンが突然止まるんですけどー!」とのご連絡がッ!エッ?エッ?なぜに?ホワット・ハプン!
~数日後~
電話やメールに出張修理と、色々とサポートさせていただきましたが、結局、お客様のトコロでは十分な点検作業ができないため車輌を引き上げてまいりました・・・。ガックシ。
あ、気になっていたナンバープレート、ちょっと傷付いているものの無事に見つかったようで安心しました。細かい傷は無理ですが、取り付け部の歪みだけでも修正してみます。
さあ、原因不明のエンヂンストールをなんとかしましょう!オー!(カラ元気)
まずは燃料系から点検です。
アイドリングは非常に安定していますし、吹け上がりもまったく問題ないので、エンヂンが突然ストールする原因がまったく思い当たらないんですが、当店での作業後に不調になったとすれば触ったのはガソリンタンクとキャブレターくらいですから、まずはソコから疑うしかありません・・・。
タンクの中はとてもキレイに見えましたが、確認のため洗浄します。
やはり状態の良いタンクでした。少しゴミが出ましたが、コレが悪さするようには思えません。タンクはOKですね。
取り外したフューエルコックも確認します。
バラバラに分解してみましたが、特に問題になりそうな部分はありませんでした。
コックのレヴァーのクリック感を生む突起が磨り減ってなくなってましたので、たまたまあった中古良品と交換しておきます。
キレイに洗浄して
ビシッと組み立てました。ストレーナーは新品に交換しています。
レヴァーの動作もカチッ、カチッと決まるようになり、滲みも漏れもなく取り付けできました。これで、フューエルコックもOKですね。
この状態ならココにストレーナーは不要ですので、ホースを交換するついでに外しておきます。
続いて、キャブレターの点検です。左側を取り外し
右側も取り外してみたところ、ピストンヴァルヴがズレていることを発見ッ!
こんな感じで跡が付いちゃってました。
念のため、簡易的に分解&点検&洗浄しておきます。
結局、ピストンヴァルヴがズレてはいましたが、このことが突然ストールする原因とは考えにくく、他に問題になりそうな箇所もありませんでした。キャブレターもOKだと思います。
分解した際、ダイアフラムを固定するボルトのワッシャーが割れていましたので、交換しておきました。
てことで、燃料系に問題がないことが確認できましたので、さっそく試乗してみます。どうなのよ!(ドキドキ)
ガーン。やっぱり突然ストールするー。
しかも、試乗中に何かが落ちた音がしたと思ったら、テイルランプを固定するナットが脱落してました。危うく、今度はモギーがナンバープレートを失くすところです・・・。
ボルトが斜めになっていたのが原因みたいですので、真っ直ぐ取り付けられるよう修正しておきました。ナットも緩みにくいロックナットに変更しておきましたので、もう脱落の心配はないと思います。フゥ~。
それと、ETCアンテナのステイも脱落しているッ!ので、なんとかしておきます。ドコに付いてたんだろう・・・?
と、小さなトラブルは置いといて、ココからが本題です。燃料系に異常がなかったので、こうなると点火系を疑うことになるんですが、こちらの車輌、見慣れないASウオタニの点火システムが取り付けられていまして、それがどうにも気になって検索してみたところ・・・
ビンゴ!です。「ノンレヂスター(抵抗なし)タイプのスパークプラグを使用すると、それがエンヂンの不調や失火の原因になることがある」との情報がッ!ありがとう、グーグル先生!
プラグがノンレヂスタータイプなのはキャブレターを点検したときに確認してましたので、抵抗入りのレヂスタータイプに交換します。これで直るッ!ような気がするッ!
お客様にも確認したところ、プラグは少し前に交換されたばかりとのことでした。また、お客様からの情報によると、ASウオタニのコイルを使用する場合のプラグギャップは1.1mm~1.3mmに指定されているそうなので、ビシッと調整しておきます。
モノサスのプラグは通常、熱価が6番のBP6ESなんですが、こちらの車両は7番でもキレイに焼けていましたので、今回は同じ熱価のBPR7ESを使用することにしました。ASウオタニのコイルが「それだけ強い火花で良い燃焼を実現している」ということなのかもしれません。
問題も解決しそうなので、ついでにご依頼いただいた作業を進めます。よーし、頑張るぞー!
ハンドルパッドを外すと気になるステムトップナットを穴のないモノに交換したり
ポロリしたETCアンテナ用ステイを当店オリジナルのステイに交換させていただいたり
クラッチケーブルをグリスアップするついでに、ケーブルをアジャスターに差し込む部分のフェルトシールがなかったので取り付けたりと、ササッと終えるつもりが意外と時間が掛かってしまいましたが、無事に作業終~了~。
おっと、もうこんな時間!妻が待つおウチに帰らなくっちゃ!
~翌日~
スパークプラグが原因だったとすればこれで直っているハズですので、再び試乗して確認してみましょう。さあ、今度こそ!どうなのよ!(ドキドキ)
長めに試乗してみてもエンヂンがストールしないッ!やってやったぞッ!ウゥリィィィ!
などと書いてはおりますが、当店での作業後に現れた不調とのことで、内心、気が気ではありませんでした・・・。いやー、ホッとしました~。
とうことで、この度は突然エンヂンがストールするという謎の症状の修理のご依頼、有り難うございましたッ!あやうく点火系そのものを疑ってエライことになる寸前でしたが、スパークプラグの交換で直って本当に良かったです。それでも、原因究明までちょっと遠回りしてしまった感もあり、お客様にはご負担になってしまったかもしれませんが、結果的により良い状態に整備できましたのでお許しください。実際、エンヂンはかなり調子良いと思います!しばらくは手間も掛からなそうですが、また何かありましたら遠慮なくご相談くださいッ!