R80、エンヂンのオイル漏れの修理と。

2週間ほど前になりますが、夏に車検のついでにアレコレ作業させていただいたR80にお乗りのお客様、「エンヂンからァァァ!オイルが漏れているゥゥゥ!緊急事態ィィィ!」などと昭和のコントみたいなメールをくださいまし・・・へ?オイルが?漏れているとな?

hatena

 

モギー 「ダメー!もう走っちゃダメー!」
お客様 「え?ダメですか?やっぱり?」

chigau

 

という茶番はさておき、ソッコーで受け入れ&修理することになりました。いやー、ロードサーヴィスに入ってて良かったですね~。もちろん、お客様のトラブルは決して嬉しいものではありませんが・・・からの、有り難いことですッ!

つか、こんな写真が届いちゃったら、受け入れざるを得ないー!ヒィィエェェェー!

てことで、さっさと作業に取り掛かります。

気付いてすぐにご連絡くださったおかげで、抜いたオイルの量はそんなに減っていませんでした。ホッ。ご自身で交換されたばかりだったそうで、ちょっともったいないですが・・・ま、しょうがないですよね。

で、オイル漏れの原因ですが、フィルターカヴァーのガスケットにありました。どうやら、油圧に耐え切れずに割れちゃったみたいです。こんなコトがあるんですねー。勉強になりますッ!じゃなくて、そもそもモノサスにはこの黒い紙製ガスケットは不要なので、正しく取り付けてあればこんなことにはならなかったという・・・。前回の作業のときにオイルフィルターも交換しておけば良かったですね。トホホ。

幸い、大事には至りませんでしたし、ビシッと交換させていただきましたので、今後はもう心配ないんじゃないかと思います。ちなみに、白いO-リングの下に入るワッシャー(シム)ですが、1枚ではちょっと不安でしたので2枚入れています。ご自身で交換される際はご注意ください。

余談ですが、冬は気温が下がりますので冷間時のオイルの温度も低くなります。冷えたオイルが硬く、温まったオイルが柔らかいのはご存知の通りです。当然、柔らかいオイルをオイルポンプで圧送する場合に比べ、硬いオイルを圧送するほうがより大きな力が必要になることも容易に想像できると思いますが、より大きな力が掛かればそれだけ油圧も高くなります。コレが重要で、つまり、冷え切ったエンヂンの始動直後の油圧は非常に高くなっているッ!しかも、冬場が一番高くなるッ!ということです。

下のグラフは、エンヂンの回転数と油圧の関係をオイルの温度について表したもので、温度が高いときと低いときで油圧に大きな差があることが分かります。なかなかネット上でもこういう基礎研究?のデータは見付からず、エンヂンの仕様も不明で数値もありませんが、オイルの温度の違いによる油圧の変化の傾向は見て取れるんじゃないかと思います。ちなみに、このグラフの高油温は110~130℃、低油温は50℃くらいの動作温度のようなので・・・、冷間始動直後はもっとエグい折れ線の油圧になっているッ!に違いないッ!キィィヤァァァー!

あ、上のグラフでカクッと折れ曲がっているトコロがありますが、これはリリーフヴァルヴが作動したことを意味しています。一般的に、オイルポンプ(トロコイドポンプ)はクランクシャフトまたはカムシャフトで駆動されており、エンヂンの回転数に比例してオイルの吐出量が変化します。なので、そのままでは回転数が上がるにつれて吐出量も増加→圧力上昇となってしまい、ある回転数以上は油圧が高くなりすぎてイロイロと大変!です。それで、適切な油圧に抑えるためにリリーフヴァルヴが設けられてるんですねー。

と、長々と書きましたが、なんでこんなコトを書いたかと申しますと、ときどき始動直後からブォンブォン!とエンヂンを空吹かしされる方がいらっしゃいまして、けっこうヒヤヒヤすることがあるからなんです。最近お聞きした話で「冬にR100GSでソレをやって、オイルクーラーのホースからオイルがピュー!てなった人もいますよ。」というのもあり、時期的にも注意を促すのにちょうど良い気がしました。つか、R100GSやR100Rのオイルクーラーにはサーモスタットがないため常にオイルが循環していますので、そんなコトをすればそうなってもしょうがないですけど・・・。

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今回のお客様や以前にオイルがピューしちゃったR65にお乗りのお客様の事例は、紙製ガスケットと社外品のオイルパン増量キットが原因なのでアレですが、油圧の高さがトラブルを引き起こしたのは間違いありません。つまり、モギーが言いたいのはですね、

・冷間始動直後は、むやみに回転数を上げないッ!
・オイルが十分に温まるまでは、ブォンブォン!とブン回さないッ!
・つか、そもそも意味がないから、ブォンブォン!と空吹かしをしないッ!

ということなんです。あんまりエラソーなコトを書くのはアレなんですが、少しだけ気に留めておいていただけると、いらぬトラブルは避けられるんじゃないかと思います。ちなみに、そんなモギーの暖機の仕方は、エンヂンを掛けたらスロットルをコントロールしてエンヂン回転数を抑え目にキープしつつ、すぐに走り出します。急加速、急減速を避けるようにして5分くらい、スロットルから手を離してもアイドリングが安定するまでは、ゆーっくり&のーんびり走ります。これは、エンヂンオイルだけじゃなく、トランスミッションやドライブシャフト、ファイナルドライヴのオイルも温めたいからです。その場で暖機運転してもエンヂンオイルしか温まりませんが、暖機走行すれば駆動系のオイルも温められますので。で、なんとなく温まってきたかな?と感じたら、そこからは徐々に速度を上げてフツーに走ります。暖機の仕方は人それぞれあると思いますが、各部のオイルを十分に温めてからブォンブォン!とブン回しましょう。以上、ご参考まで。

 

と、長くなってしまいましたが、もういっちょ。以前からお聞きしていたリアブレーキスウィッチも交換します。前回の作業の車検時は大丈夫だったんですが、それから間もなくしてリアブレーキを踏んでもランプが点かなくなっちゃったそうです。オ~ゥ、ノ~ゥ・・・。リアブレーキスウィッチって、タンデムステップの向こう側にあるから工具が届きににくくて非常に作業しにくいんですよねー。ま、今はササッと交換できる手持ちの工具の組み合わせが分かったんでアレですけど。オホホ。

新品のスウィッチと見比べると突起が戻り切っていないのが分かりますね。突起を引っ張って点検してみても導通が不安定になってましたので、内部の接点もダメになってたみたいです。

ハイ、できました。

 

ということで、この度はエンヂンのオイル漏れの修理とリアブレーキスウィッチの交換のご依頼、有り難うございましたッ!これでもう同じトラブルは起こらないと思いますので、また安心してR80をお楽しみください。先に取り付けておいたポッカポカ♪のグリップヒーターがあれば、この冬もじゃんじゃん走れちゃいますよー!たぶん!

 

エンヂンからのオイル漏れの修理や、リアブレーキスウィッチの交換も承っております。ご相談くださいッ!

冷やかしのR100RS、車検と点検整備。

少し前に強引に作業させていただいた冷やかしのR100RSにお乗りのお客様、今回は車検&点検整備にお越しくださいました。思い起こせば、初めて整備させていただいたのは約2年前のことなんスね~。アレからちょいちょい電装系のトラブルに見舞われたものの、よくもまあ22,000kmもお乗りあそばしたものでございます。ちなみに、地球の円周はおよそ40,000kmですから、地球一周に例えるならば半周ちょっとしたあたりでしょうか・・・って、なんかすんごいグレート・ジャーニー感なんスけど!プププ。からの、有り難いことですッ!ヘイ、ヘイ、ヘーイ!

 

てことで、さっそく作業に取り掛かります。

オイル消費がやや多いのでこまめに点検&注ぎ足しさせてもらっているエンヂンオイル、今回はビシッと交換しちゃいます。汚れ以外、特に問題はありませんでした。

ヴァルヴクリアランスも、右側シリンダーのIN以外が少し狭くなっていたくらいで、20,000km無調整の割りには大きくズレてはいませんでしたが、ちゃーんとビシッと調整しておきましたよ。

ただ、ヘッドカヴァーガスケットが縮んで歪んでいましたので、こちらは交換させていただきました。ま、しょうがないですね。

スパークプラグも、以前に点火系のトラブルのときに交換してから9,000km使用していましたので交換しちゃいます。汚れ具合と電極の状態を見ても、ちょうど良いタイミングかなと。

ちなみに、その点火系トラブルで交換させていただいたイグニッショントリガーのセンサーもあれから9ヶ月で同様に9,000kmの走行を経ましたが、点火時期は狂いもなくビシッと安定していました。今のところ耐久性も問題なさそうですねー。このまま50,000km、100,000kmと持ってくれると良いのですが・・・?引き続き、走行テストを!オナシャス!

あ、エアフィルターも点検しておきました。最初の整備のときに中古品を利用したので気になっていましたが、まだまだお使いいただける状態でした。ま、フツーはそんなに汚れるようなものじゃないんでアレですけど

交換前がこんなんだったんで。ひょっとして、当時モノって元からこんな感じ・・・ってことはないですよね?よね?

駆動系のオイル交換とリアブレーキは前回の作業でやっていますので、今回はクラッチリリース周りやスウィングアームピヴォット、シフトペダルに

ブレーキペダルなんかをグリスアップしておきました。

あ、リアブレーキスウィッチが壊れていましたので、中古良品に交換させていただきました。ブレーキランプが点かないと、車検に通りませんからね。

そうしましたら、ハンドル周りの各部もビシッとグリスアップしまして

フォークオイルも交換します。

アレだけ走ってればこんなもんだと思いますが、やっぱり汚れてますね~。

それでも、最初の整備で交換させていただいた再めっき済みのインナーチューブの表面には目立った磨耗もなく、オイルシールからの滲みもありませんでした。フロントフォークのO/H&再めっき代にけっこうな費用が掛かってしまいましたが、20,000km以上持ったとなれば、決して高い金額じゃなかったんじゃないかと思います。ええ、そう思います。ウシシ。

で、茶色く濁ったブレーキフルードも交換して

キャリパー側もビシッと整備したら

高速道でちょっとハンドルが揺れるような感じがするとのことでしたので、ステムベアリングの締め付け具合も調整します。ベアリングも最初の整備で交換してますし、まだまだ調整だけで大丈夫かなと。さて、どうかなー?

あとは、ヘッドライトレンズを・・・って、すでにピカピカー!一体、誰の仕業だー!なので、カヴァーだけキレイにしておきました。うーん、最初のときにモギーがやったんだっけか・・・?

あ、お伝えした通り、リアタイヤの溝の残りがけっこうギリギリでした。これでも一応、車検の基準はクリアしていますのでもう少しお使いいただけますが、ツルッツルになる前に交換をご検討ください。写真で見ると、もうアレですが。ククク。

ハイ、できました。

 

ということで、この度は車検&点検整備のご依頼、有り難うございましたッ!最初の作業から早や2年、こんなにじゃんじゃん走るお方とは思いませんでしたが、こんだけ乗ってもらえると作業したモギーもウレシイッ!です。電装系のトラブルもひとまず出尽くしたみたいですし、次の車検までの2年も、じゃんじゃんお楽しみください。オイルやタイアといった消耗品の交換くらいで乗り切れるよう、陰ながらお祈りしておりますッ!アーメンッ!

 

車検&点検整備のご依頼も承っております。ご相談くださいッ!

R100RS、車検&点検整備とリアブレーキスウィッチの交換と。

昨年5月頃に発電不良の修理でご来店くださったR100RSにお乗りのお客様、少し前のブログで車検は有効期限の一ヶ月前から受けられるッ!ので、余裕を持ってご準備をッ!」と書いたところ、ソッコーで「もうすぐ車検が切れそうなんですけど・・・その・・・お願いできますか?」などと意味不明な・・・じゃなくて、車検&点検整備をご依頼にッ!ん?なんだ、なんだ?この竿にくるクイクイって感触は・・・

 

って、完全にキター!フィッシュ・オーン!

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からの、有り難いことですッ!くっ~、またしてもモギーのブログったら、抜群のッ!営業効果ッ!ドゥフフ。

 

と、浮かれている場合ではありませんので、さっそく作業に取り掛かります。こちらのお客様、通勤で使用されているというだけあって、あれから8,000km!も走られておりました。ヒュ~♪

なので、取り外したリアホウィールには「最近、掃除してもすぐに汚れが・・・」というお悩みも納得のッ!ブレーキダストがッ!ギャー!

ウッ、なぜココにふわふわのココアパウダーが・・・?

とりあえず、オイルを交換することにしよう。うん、そうしよう。

前回の作業とほぼ同時期にトランスミッションのオイルは交換させていただいておりましたが、約8ヶ月でこのくらい汚れるんですね。他のオイルについても、エンヂンオイルの量がちょっと?少ないコトを除けば汚れ具合もそれなりですし、気になるような金属粉も見られませんでした。駆動系のオイルの交換サイクルは比較的長いですが、少なくとも車検ごとに交換していただければOKだと思います。

で、当店ブログでも何度ネタにしているドライヴシャフトのドレイン側のネジ穴ですが、こちらの車輌も過去に修理されていたようです。ネジ穴が大きくダメーヂを受けていたのか、本来はM12のところ、トランスミッションやファイナルドライヴで使用されるM14のドレインボルトになっていました。

ちゃんとネジ部の長さを揃えてあり、ギュッっと締め付けできていますので使用には問題ありませんが、ご報告まで。

おっし、それではリアブレーキへとまいりますか!

ウォリャー!

ドォリャー!

おっと、お客様が「リアブレーキのスウィッチが・・・」とおっしゃっていましたので

新品のスウィッチに交換しなくては。

またまたウォリャー!キャップもドゥリャー!

ちなみに、取り外したスウィッチですが、突起部が押されたまま戻らなくなってました。ブレーキランプが点かないと車検に通りませんし、走行中に後続車をハッとさせてしまうかもしれませんので、不具合があるようでしたら早めに点検&修理ウォー!

ちょっとテンションがおかしくなってしまいましたが、ブレーキペダルや

シフトペダル、スウィングアームピヴォットなんかもビシッとグリスアップしまして

ホウィールもキレイにして元に戻せば

ハイ、できました。

なんだかノッてきたッ!ので(カラ元気)、そのままエンヂン周りへとまいります。前回の作業でもヴァルヴクリアランスを調整させていただいてましたので、左シリンダーヘッドのEX側がちょっと広いかな?といったくらいで、それほどズレてはいませんでした。もちろん、4箇所ともビシッと調整しているゥゥゥ!ので、ご安心ください。

ただ、右側のスパークプラグにかなりカーボンが堆積していましたので、こちらは交換させていただいております。おそらく、キャブレターの同調がけっこうズレていたのが原因ではないかと思いますので、しばらく様子を見てみてください。ちなみに、モノサスのR100RSでしたらプラグの熱価は標準で6番、純正のプラグコードをお使いならノンレヂスタータイプでOKです。

前回の作業で点火時期の調整と発電系の修理も行っていますが、念のためこちらも点検しておきます。エンヂン前側からのオイル滲みもなく、点火時期&発電状態ともにバッチグー!でした。

あ、エンヂンマウントの締め付け具合を点検した際に、ナットが1箇所だけ異なっていることに気付きましたので交換しています。後側のマウントがちょっと締め付け不足でしたが、前後ともギューッと(規定トルクで)締め直しておきましたので、もう大丈夫かと。

それと、ココのフランヂナットの締め付け具合も点検したところ、ネジ山の状態は良好でしたが、イグゾウストパイプの差し込みがちょっと甘かったので修正しておきました。というのも・・・

サイレンサーがやけに車体に寄っていて、なんか気になったんですよね・・・って、サイレンサーを外してみたら、ファイナルドライヴのケースに接触した跡がッ!思いっ切り付いているじゃあないかッ!

ドッギャァーン!

ドッギャァーン

じゃなくて、本来はコレくらいのクリアランスがありますので、サイレンサーがケースに接触することはないんです。こちらの車輌はサイレンサーにもブレーキロッドが接触していた跡がありましたので、過去に相当寄せて取り付けされていたみたいですね。オ~ゥ、ノ~ゥ!

あ、左側のサイレンサーですが、余計なステイが1枚追加されていましたので取り外しておきました。このステイ(写真左)はリアフェンダー用のモノだと思うんですが、なぜ左側だけ・・・?

おっと、もうこんな時間!妻が待つおウチに帰らなくっちゃ!

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(続く)

 

車検&点検整備や、車検のついでのリアブレーキスウィッチの交換も承っております。ご相談くださいッ!