またまた遠方のお客様から「シフトのリターンスプリングが折れたみたいで、変速できなくなりました・・・。」とご連絡をいただき、何度かのメールのやり取りを経て、トランスミッションの修理とO/Hのご依頼と相成りました。なんともッ!有り難いことですッ!つか、久しぶりに大物がキター!
こちらのお客様、ご友人が大切にされていたR100RS(モノサス)を引き継がれて乗られているそうなのですが、走行距離は20万km!に届くとのこと。ヒュ~♪過去にも同様のトラブルで修理されているようですが、20万km走行の車輌は初めてですので、果たしてどうなることやら・・・?
さっそく、届いたトランスミッションを確認します。
オォッ!緩衝材かと思いきや、「青森は津軽のソウルフード、ご賞味あれ。」とお客様が同梱してくださったいかせんべいがッ!こちらも、あとで丁寧に確認しましょう。ムフフ。
して、本題のトランスミッションですが
それほど汚れもなく、外観からは20万km使用されてきたとは思えないくらい、フツーの状態でした。
ただ、リターンスプリングが折れてシフト操作ができないため、左右に回すと噛み合ったギアのドッグが当たる音がカッ、カッと聞こえます。何速でスプリングが折れちゃったんでしょうか。シャフトの回り具合は問題なさそうなものの、トランスミッションをひっくり返した際にカランと音がしたのが気になります・・・。(嫌な予感)
カヴァーを開けまして
リターンスプリングを確認します。ウホッ!案の定、ポッキリ折れてますね。
ん?アレは何かしら?
うーん、なんだろう?(おとぼけ)
とりあえず、いかせんべいを食べることにしよう!ポリポリ。
ケースからシャフトをゴッソリ取り外しまして、確認してみますと
4速ギアのドッグが欠けているッ!あのカランという音は、コレだったのかッ!(白々しい)
取り出した4速ギア、こんな感じでドッグが2箇所欠けていました。剪断破壊みたいですね。この2箇所だけ当たりが強かったんでしょうか。
幸い、欠けたドッグはどのギアにも干渉せずにいたようで、割れたトコロにピタッと収まりました。洗浄しても小さな破片も見られませんでしたので、割れたギアだけ交換しておきます。使用するのは、走行距離3万kmほどのトランスミッションから取り出したギアになりますが、20万kmに比べればまだまだ大丈夫かと。もちろん、他のギアも点検して異常がないことを確認しています。
シフトプレートも外して分解します。折れたリターンスプリング以外、特に問題なさそうでした。以前の作業でしっかり修理されていたみたいです。気になるガタつきもなく、状態は良好だと思います。
折れたスプリングをよく見ると、破断しただけじゃなく、ささくれたように割れた箇所もありました。こういう割れ方をしているモノは何度か見たことがありますが、こうなってからも意外と持つ(シフト操作できている)みたいなんですよね。
あ、アウトプットフランヂの状態は良好でした。やっぱり、以前の作業でしっかり手を入れているみたいですね。
てことで、ケースをピカピカに洗浄しまして
ドッグの欠けたギアとベアリング、リターンスプリングを交換して
ビシッと組み立てます。
シム調整もバッチリ決めて、カヴァーを閉めれば
できました。アウトプットシャフトも
インプットシャフトもクルクル回っているッ!
やってやったぞッ!ウウゥリィィィ!
おっし、またいかせんべいを食べよっと。(残り僅か)
そして、ご注文いただいた部品と一緒に丁寧に梱包すれば、作業終~了~。
ということで、この度はトランスミッションのO/Hのご依頼、有り難うございましたッ!お話からとても大切にされていること、まだまだ走り続けるつもりでいらっしゃること、そして、いかせんべいがソウルフードであることをお聞きし、しっかり作業させていただきました。遠方のため十分なサポートはできませんが、今回作業したトランスミッションだけでなく、他にも何かお手伝いできることがありましたら遠慮なくご相談ください。どこまで走行距離を延ばされるのか、モギーも楽しみにしておりますッ!今後とも宜しくお願い致しますッ!