北方(福島)から、キャブレターO/H。

またまた遠方の方から、キャブレターのO/Hのご依頼です。有り難いことですッ!

こちらのお客様、R100のサイドカー仕様にお乗りだそうで、基本的にはそれほど調子は悪くないそうなんですが、エンヂンを始動してしばらく走行したあとに回転数が少し高めになることがあるようで、ご相談のメールをいただきました。で、ちょうどこれから冬になり数ヶ月乗れなくなるということで、メールでのやり取りからキャブレターのO/Hをされることに!ウホッ!

仕事だワッショイ!仕事だワッショイ!

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と、テンションも上がってまいりましたので、さっそく届いた荷物を開梱します。

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パッと見、そんなに汚れもありませんし

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お客様の「走ってなんぼ」の言葉通り、よく乗られている車輌のキャブレターみたいです。

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バタフライも、右側も

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左側もしっかり閉じてますね。

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てことで、分解して点検します。

フロートチャンバー内にちょっとゴミが溜まってました。大きく見えるゴミも、小さなゴミが固まってできた破片のようです。オーヴァーフローを気にされてはいませんでしたので、おそらく長年の使用で少しずつ溜まったモノが、乗られない時期に固まって大きくなっていったのではないでしょうか。そんなに心配はなさそうですが、ガソリンタンク内を軽~く洗浄してみても良いかもしれません。

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キャブレター側も、中はかなりキレイでしたが

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メインジェットホルダーの奥にけっこうな量の異物が溜まってました。

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この穴の空いたアトマイザーと呼ばれる部品は、メインジェットを通ってニードルジェットとジェットニードルの隙間から吸い出されるガソリンに空気を混ぜて混合気を作り、その名の通り霧吹きのように働きますので、ココが異物で詰まり気味だったとすると、スロットルを大きく開けたときのメイン系の混合気がちょっと濃くなっていたと思います。

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推測ですが、キャブレターに導入されるブローバイガスとエアフィルターを通過してしまう小さなゴミが少しずつ溜まり、こんなふうになってしまうのではないかと。程度の差はあっても、長くO/Hされていないキャブレターでしたらこんな感じになっていますので、気になる方は点検してみてはいかがでしょうか。

ピストンヴァルヴやスターターなんかも汚れてはいますが、不動車のようなガンコな汚れじゃありません。これなら簡単に落ちそうです。やっぱり、よく乗られてる車輌は状態が良いですね。

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というわけで、バラバラに分解しましたので、ビシッと洗浄します。

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できました。

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真鍮部品もピカピカです。ジェット類の穴の通りも確認しています。

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メインジェットホルダーの奥もキレイになりました!

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これならOKですね。

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O-リングとガスケットを交換し、正しく組み立てます。油面調整もバッチリです。

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バタフライもビシッと閉じました。ヤッタネ!

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ピストンヴァルヴもダイアフラムの位置に注意して取り付けます。スコスコ動くことを確認ッ!

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ちなみに、こちらのキャブレター、トップカヴァーなんかを固定するネジがポジドライヴになってました。高年式の車輌によく見る気がしますが、ポジドライヴのネジにはポジドライヴ用のドライヴァーを使用したいですね。トルクの掛かり具合が全然違いますから。お持ちでない方、工具屋さんへゴー!ですよ。

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イイんじゃないでしょうかッ!

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そして、当店オリヂナルのスターターノブもご希望とのことッ!なんとも!ウレシイッ!

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ということで、ご相談のあった「エンヂンを始動してしばらく走行したあとに回転数が少し高めになる」という原因になりそうなスロー系の詰まり等は見受けられませんでしたが、今回、内部をキレイに洗浄したことで改善するかもしれません。あとは実際に取り付けて試乗していただき、症状が再発するかどうか確認していただければと思います。

この度は当店をご利用いただき、また色々とお気遣いまでしていただき、有り難うございましたッ!取り付け後のご報告、楽しみにしておりますッ!

つか、またしてもR65にお乗りのお客様が一枚噛んでいたようで、もう言葉になりません・・・。もし、ネット上で「自分はよく知りませんけど」みたいに装いながら当店のブログへ誘導したり、さりげなく「モギーモータースさんスカ?悪くないんじゃないでスカね。」みたいに話題をネジ込んでくる人がいたら、それは当店のステマ担当のお客様かもしれません。ご注意ください。(良い意味で)

遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、O/Hを承っております。ご連絡くださいッ!

もしも私が犬であったなら。

以前、当店オリヂナルのETCアンテナ用ステイを購入してくださったお客様が、今度はオイル交換に来てくださいましたッ!しかも、ついでにこれまた当店オリジナルのスターターノブの取り付けまでご所望とのことッ!ウレシイッ!

もしも私が犬であったならば、うれションしていただろうッ!
If I were a dog, I would uresyon!

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そして、もしもピアノが弾けたなら、思いのすべてを歌にして君に伝えることだろうッ!
And, if I could play the piano, I would tell you how I love you with my song!

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懐かしの仮定法過去、受験生だった頃を思い出しますねー。

 

てゆうか、犬でも西田敏行でもないんで、バイク屋としてビシッと作業させていただきます。

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黒く汚れてはいますが、この時代のキャブレター仕様の空冷エンヂンなら、これが普通ですね。定期的に交換されているだけあって、オイルにオカシナ混入物も見られません。

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写真を撮り忘れましたが、スターターノブの取り付けもビシッとできてます。アハハ!

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こちらの車輌、元はR80RTだそうで、外装を外して軽快な感じにカスタムされています。以前は別の車輌でレース活動も楽しまれていたとのことですが、現在はこのR80でツーリングにガンガン出掛けているそう。走りを楽しみたい方をも満足させてしまう2V-OHV、やっぱり何か魅力があるんでしょうね。そういえば、当店にも試乗できる販売車両があったような?(宣伝)

で、ふと目に付くのがコレ、タンクに貼り付けられたマップホルダー。アラやだ、さりげない!

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こちらはお客様のオリヂナルだそうで、これは試作品とのこと。

ペロッと開くとこんな感じです。アラやだ、ステキ!

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B5サイズくらいでしょうか。ツーリングマップやiPad的なモノがスッと収まる使い勝手の良さそうなこのマップホルダー、もう少し改良を加え、できれば製品化したいとのこと。アラやだ、欲しくなっちゃう!

確かに、市販されているマップホルダーってタンクバッグを兼ねているモノが多いですから、ちょっと大きくなりがちでタンクの上が嵩張りますよね。素材も全天候対応となれば化繊に頼るのがコスト的にも良いのは理解できますが、どうしても安っぽく見えてしまいます。
コレは全体が織りでできたコットン生地、パイピングは革で仕上げてあるので雰囲気もお洒落ですし、何よりマップホルダーに特化しているので薄くてシンプル!アラやだ、ホントだ!

この時代のBMWにも良く似合ってますが、このカラーリングなら、どこぞの赤いイタリアンバイクにもマッチしそうです。マグネット式なので、アルミタンクだと使用できませんが・・・。

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マップホルダー、製品化できたらまたオイル交換のついでにでも(ココ大事)、お知らせくださいッ!

てことで、ステマはこのくらいにして、この度はご来店いただき、有り難うございましたー。

 

エンヂンオイルの交換からスターターノブの取り付け、ちょっとしたステマまで、お任せくださいッ!

当店取り扱いのオイルについて。

当店では、エンヂンオイル、トランスミッションオイルともにKendall®(ケンドル)を在庫、使用しています。選んだ理由は割愛しますが、コスト的にもお客様にあまり負担にならないオイルの中では十分な性状を保有していると考えます。

2V-OHVのような大排気量の空冷エンヂンの場合、エンヂンオイルに掛かる熱的負担はやはり大きく、走行距離によらず年2回の交換をオススメしています。具体的には、熱的に厳しい暑い夏を乗り越えた後と、冷間時と始動時で温度差の激しい冬の終わりが交換時期の目安です。
また、現在のインジェクション仕様の車輌ではそれほど気にする必要はありませんが、キャブレター仕様の場合、どうしてもガソリンによるエンヂンオイルの希釈も問題になってきます。
オイル管理の重要性は今更述べるまでもないことですが、安価なだけのオイルで頻繁に交換するよりも、信頼できるオイルを使うほうが長い目で見るとエンヂンには良いと思います。

まだKendall®をお使いになったことない方、是非、一度お試しください。

エンヂンオイル

・GT-1® High Performance Engine Oil with Liquid Titanium®
SAE 20W-50 ¥1,000/リットル(税抜)

http://www.kendall.jp/products/engine/gt1-2.html#entry2

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基本的にオールシーズンでのご使用をオススメします。特に指定のない限り、春から夏、秋にかけて気温が高い時期にはこちらの粘度20W-50のオイルにて交換致します。

・GT-1® High Performance Engine Oil with Liquid Titanium®
SAE 10W-40 ¥1,000/リットル(税抜)

http://www.kendall.jp/products/engine/gt1-2.html#entry1

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冬季の気温が低く、エンヂンの始動が少し重いと感じられるお客様には、こちらの粘度10W-40のオイルをオススメしています。冬が終わり、春になる頃に粘度20W-50のオイルへ交換していただければと思います。

トランスミッションオイル

・NS-MP Hypoid Gear Lubricant
SAE 75W-90 ¥1,000/リットル(税抜)

http://www.kendall.jp/products/gear/gear.html#entry1

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トランスミッション、ドライヴシャフト(パラレヴァーを除く)、ファイナルドライヴには、こちらの粘度75W-90のオイルにて交換致します。

オイル交換工賃

各部¥1000(税抜)にて作業させていただきます。当店使用のKndall®だけでなく、お持ち込みのオイルでも交換致しますので、お気軽にご相談ください。また、オイル交換時に必要なガスケットも十分に在庫していますので、ガスケットのみのご注文も承っております。

・ガスケット(18×22) ¥100/個(税抜)
純正品番:0711 9963 300
エンヂンのドレインボルト、トランスミッションのフィラーボルト、ファイナルドライヴのフィラーボルト(パラレヴァーを除く)用の18×22サイズになります。

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・ガスケット(14×18) ¥100/個(税抜)
純正品番:0711 9963 200
トランスミッションのドレインボルト、ファイナルドライヴのドレインボルト、ファイナルドライヴのフィラーボルト(パラレヴァー)用の14×18サイズになります。

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・ガスケット(12×15.5) ¥140/個(税抜)
純正品番:0711 9963 130
ドライヴシャフトのフィラー&ドレインボルト用の12×15.5サイズになります。

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・ガスケット(8×11.5) ¥140/個(税抜)
純正品番:0711 9963 041
モノサスと2本サス後期で使用されているファイナルドライヴ(写真下)のオイルレヴェルホールのボルト用の8×11.5サイズになります。

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・ガスケットセット(2本サス) ¥780/セット(税抜)
2本サス用のセットになります。

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・ガスケットセット(モノサス) ¥920/セット(税抜)
モノサスおよび2本サス後期用のセットになります。

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・ガスケットセット(パラレヴァー) ¥500/セット(税抜)
パラレヴァー用のセットになります。

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オイルフィルター交換工賃

オイルフィルターの交換も承っております。交換工賃は、イグゾウストパイプを外す必要のある2本サスのオイルクーラー付きの場合¥3,000(税抜)、それ以外の場合は¥1,500(税抜)になります。

・オイルフィルター(OX36) ¥1,900/個(税抜)
純正品番:1142 1337 575
オイルクーラー付き(写真下)のエンヂン用です。

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・オイルフィルター(OX37) ¥1,900/個(税抜)
純正品番:1142 1337 570
オイルクーラーなし(写真下)のエンヂン用です。

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・オイルフィルターO-リング ¥500/個(税抜)
純正品番:1142 1264 160
オイルフィルターカヴァーのO-リングです。

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・オイルフィルタースペーサー ¥220/個(税抜)
純正品番:1142 1336 895
オイルフィルターO-リングの密着性を高めるためのスペーサーです。車輌により、1枚または2枚使用します。

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・オイルフィルターガスケット ¥100/個(税抜)
純正品番:1142 1338 600
オイルフィルターカヴァーの紙製ガスケットです。主にモノサス以降の車輌では使用しません。

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オイルの通信販売

ご希望のお客様には、オイルの通信販売にも対応致します。使いきりに便利なボトル(0.946リットル)と、頻繁にオイル交換を行うお客様向けのペール缶(18.9リットル)の2種類になります。個人営業のため十分な在庫を確保することができませんので、ご注文いただいてから取り寄せになる場合もありますが、ご了承ください。ご購入金額に応じて、送料を割り引きしてご提供致します。

・GT-1® High Performance Engine Oil with Liquid Titanium®
SAE 20W-50 ¥1,980/ボトル(税込)

http://www.mydokini.co.jp/kendall/20w50.html

・GT-1® High Performance Engine Oil with Liquid Titanium®
SAE 20W-50 ¥19,000/缶(税込)
http://www.mydokini.co.jp/kendall/20w50p.html

・GT-1® High Performance Engine Oil with Liquid Titanium®
SAE 10W-40 ¥1,980/ボトル(税込)

http://www.mydokini.co.jp/kendall/10w40.html

・GT-1® High Performance Engine Oil with Liquid Titanium®
SAE 10W-40 ¥18,400/缶(税込)
http://www.mydokini.co.jp/kendall/10w40p.html

・NS-MP Hypoid Gear Lubricant
SAE 75W-90 ¥18,900/缶(税込)
http://www.mydokini.co.jp/kendall/75w90.html

※NS-MP Hypoid Gear Lubricant SAE 75W-90にはボトルの設定がありません。

オイル交換後の廃油の処分

お近くでしたら、お客様ご自身でオイル交換された後の廃油の処理も無料で引き受けますので、遠慮なくご相談ください。

 

注意!オイルの価格は代理店の価格改定により、予告なく変更になる場合があります。ご了承ください。

長期不動のR80、ウィンカースウィッチの修理とスターターノブの取り付け。

ちょっと前に仕入れた長期不動のR80、無事に登録も終え、販売に向け慣らしと試乗を進めています。

先日、お世話になっている業者さんのトコロまで塗装の依頼に行く予定があったので、試乗も兼ねてR80で行ってみたんですが、ちょっとウィンカースウィッチの調子がオカシイ。左にスウィッチを入れると、位置によって正常に点滅したり、しなかったりします。おまけに、メーター上のインヂケーターの点滅動作も不安定になることがあり、このままでは納車できません。
やっぱり、実際に乗ってみないと現れない症状ってのがありますね。

てことで、さっそくウィンカースウィッチを修理します。
すでにハンドルに取り付けてしまっているのでちょっと作業しにくいですが、なんとか分解できました。

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接点の接触不良を疑ってたんですが、やっぱりココっぽいですね。

接点を磨いてキレイにし、ついでに各部の動作も確認して

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元通りに組み立てます。
プリントされたマークにヤレた感じはありますが、スウィッチ自体はカチッとした操作感があり、非常に良い状態です。

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インヂケーターの点滅動作も怪しかったので、ウィンカーリレイの端子も見直しておきました。

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バッチリです!安定して動作するようになりました。

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ついでに、せっかくキレイに仕上げたスターター(チョーク)レヴァーですが、やっぱり当店オリヂナルのスターターノブに交換することにします。
ご覧の通り、ETCのパイロットランプにケーブルが重なって、なんか気になるんですよね。

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それに、スターターケーブルを外すだけで

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エンヂンの上側もけっこうスッキリするんです。

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どうですかッ!このハンドル周りの軽快な感じッ!

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我ながら良いモノができたと思いますので、是非!

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それにしても、このR80はイイ!ですね。
これの新車に乗ったことはもちろんありませんが、まるで新車を思わせるカッチリした車体の印象と、滑らかで力強く回るエンヂンのフィーリング。何台も触ってきましたが、この車輌はかなり良い仕上がりだと思います。

早く慣らし&試乗を終わらせて、販売しなければ!

 

(続く)

 

ウィンカースウィッチの修理や、スターターノブのご注文も、承っておりますッ!

パニアケース、ロックの交換。(その2)

先日交換した自分のパニアケースのロックですが、取り付けのための穴の位置決めがちょっと難しかったので、簡単な工具を製作してもらいました。

ジャーン!

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ステインレス製の穴開け用ガイド板です。コレがあれば、穴の位置決めが格段に楽になります。

始めに、取り付けるロックにあてがって、ガイド板とロックの穴位置のズレを確認しておきます。モノによって、ちょっと個体差があるみたいなので。

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確認が終わったら、パニアケースにガイド板を当てて穴の位置決めをします。このとき、フタを閉じて、フタのループ部がガイド板のマーク(2本線)の中に収まるようにします。

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位置決めには、罫書き針かホワイトペンが便利ですね。

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あとは穴を開けるだけです。電動ドリルで大まかに穴を開け、棒ヤスリで仕上げればまず失敗することもありません。

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ビシッと決まりました!

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コレが正しい位置みたいですね。アハハ。

 

あらためて、パニアケースのロックに不安のある方は、是非ッ!

プラグコードの短縮加工。

今回は、プラグコードの短縮加工のご紹介です。

当店でも取り扱っている社外品のプラグコードですが、既製品の場合、どうしても希望する寸法通りの長さというわけにはいきません。
長くても困ることはありませんが、車体に合わせてプラグコードを取り回せられれば、それだけで配線の印象をスッキリとしたものにできます。

具体的には、補修部品の交換用端子を利用することで、プラグコードを短縮することが可能です。

交換用端子(防水ブーツ付き)
¥650/セット(税抜き)

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プラグコードを車体に仮組みして仕上がり寸法を確認し、

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切断する箇所をマーキングしてプラグコードを切断します。

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被覆を剥がして芯線を出し、交換用の端子を取り付けて

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専用工具でカシメれば完成です。

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当店取り扱いのEME製シリコンプラグコードはもちろん、それ以外のプラグコードでも、お持ち込みいただければ短縮加工を承ります。

 

プラグコードの取り回しが気になっている方、ご相談くださいッ!

長期不動のR80、セルモーター交換&O/H。

ちょっと前に仕入れた長期不動のR80、少しずつ再生に向けて進んでいます。

シリンダーヘッドを内燃機屋さんに預けている間に、できる作業を進めます。
今回は、セルモーターの交換とO/Hです。

このR80はモノサスですが、BOSCH製のセルモーターが使われています。
BOSCH製セルモーターは故障知らずの優れものですが、モーターを駆動するのに必要な電流が大きいため、バッテリーが弱ってくると途端に始動が困難になるという欠点があります。
なので、VALEO製のセルモーターに交換します。

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BOSCH製セルモーターは固定方法も前後3点留めになっているので、取り外すのもちょっと面倒ですね。

セルモーターを取り外したので、取り付け部もキレイにします。
この車輌はそんなに汚れていませんが、中には漏れたブローバイガスによるオイルが溜まっている車輌もありますので、ついでにブローバイガスの取り出し口のオイル滲み等も確認しておきます。

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で、これがVALEO製セルモーター。
BOSCH製のモノよりも消費電流が小さく、トルクも大きいので、ちょっとバッテリーが弱ったくらいでは始動困難になることもありません。

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ただ、マグネットが剥離しやすいという欠点があり、そのまま使うには不安のあるモーターです。

ちなみに、コレはマグネットが剥がれたモノです。
こうなってしまうと、セルモーターを回す度にギャギャー!という異音が出るようになり、修理が必要になります。

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そこで登場するのが、EMEで取り扱っているマグネット剥離対策が施されたハウジングです。

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クリップによって固定されているのが分かりますね。
マグネット剥離さえなければ、VALEO製のセルモーターはBOSCH製のモノより確実に良いモーターですから、こういう製品があるのは本当に有り難いことです。

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ということで、セルモーターのO/Hと併せてマグネットハウンジングも交換します。

まずは、ドライヴギアを確認。特に異常な磨耗もガタつきもなく、問題なさそうです。

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ブラシ側のカヴァーを取り外します。
磨り減ったブラシの粉がけっこう出ました。

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アーマチュアを取り出すと、こちらもブラシの粉がかなり付着しています。

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マグネットの剥離はありませんでしたが、マグネットハウジングの中もかなりブラシの粉で汚れています。

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結局、磨り減ったブラシの粉を集めると、こんなになりました!

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当然、ブラシは使用限界に近いところまで磨り減ってます。
こんなに磨耗しているモノは初めてみました。38,000km程度の走行距離の車輌でこんなに減るなんて、しかも片側が異常に磨耗してるっていうのは、ちょっと不思議です。ブラシ自体の不良でしょうか。

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分解できたので、各部品をキレイに清掃します。

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アーマチュアのブラシとの接触面もキレイに。

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EME製マグネットハウジングにアーマチュアを取り付け、キャップにグリスを少し詰めて被せます。

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アーマチュアが付いたら、新品のブラシを取り付けます。
このブラシを押さえるスプリングを取り付けるのは、ちょっとコツが要りますね。

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新品のブラシに交換した場合、ブラシを押さえるスプリングの先端の位置が高くなるので、そのままだとカヴァーに干渉することがあります。

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カヴァーを仮組みして干渉しているようであれば、適当なスペーサーを入れてください。M5のワッシャーでも構いません。

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また、遊星ギアの収まっているトコロには

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古くなったグリスや、そのカスが溜まっているのでキレイにしてやります。

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インターナルギアの溝がハッキリ見えるようになりました。

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新しいグリスをたっぷり充填してフタを閉じます。
ココのグリスが古くなったり、量が不十分だったりすると、マグネットが剥がれたときとはまた違った異音が出るようになります。

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で、しっかり組み立ててセルモーターのO/Hは終了です。

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これで、安心してVALEO製セルモーターを使い続けられますね。

 

(続く)

 

セルモーターの交換だけでなく、セルモーターのO/Hやマグネットハウジングの交換も、ご相談くださいッ!

パニアケース、ロックの交換。

パニアケースのロックの修理についてお客様から問い合わせがあったので、ついでなので自分のパニアケースで試してみることにしました。

クラウザー製のクラッシクタイプのパニアケースのロックは、長年の使用でガタついているものが多いですね。自分も、もう何年もタイアチューブを切ったモノを利用して、ケースのフタが走行中に開かないように対策しています。見た目はカッコ悪いですし、チューブを引っ掛ける手間が面倒ですが、コストパフォーマンスだけは相当高いので、それなりに重宝してました。

ただ、たま~にチューブを引っ掛け忘れてしまい、過去に3回ほど中身を路上にブチ撒けて、慌てて数キロ戻ったこともありましたが・・・。

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現状はこんな感じです。少しロック部分が浮き上がって見えますが、一応、ロックはできてます。

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当初はチューブなしでも大丈夫だったんですが、ある時期から突然フタが勝手に開くようになりました。横から見ると、けっこう浮いてるのが分かると思います。

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フタを開けた状態だと一目瞭然ですね。ロック部のフックに隙間ができてしまい、リリースボタンも緩くなっています。走行中の振動により内部部品が磨耗して、ガタが大きくなった結果だと思います。それでも、リリースボタンがしっかりしていれば、この程度の隙間でも勝手に開くことはありません。

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ロック部を指で押さえつけるとココまで下がります。これくらいの状態をしっかり維持できないモノは、ロック部とリリースボタンの接触部分の磨耗と、リリースボタン自体のガタつきに原因がありそうです。

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で、走行中に突然、こうなります・・・。

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というわけで、moto-binsから

交換用のロックを取り寄せました。パニアケース片側分のロック(2個)と鍵(2本)のセットで、ネジで固定して取り付けます。

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ロック部とリリースボタンが一体になり、純正のロックとは形状が異なりますので、ケースに約20mmの穴開け加工も必要です。付属のO-リングでシールするみたいなので、ロックからの雨水の浸入はなさそうです。

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ロック機構は純正のモノよりしっかりしています。一体型になったことで構造が単純化されていますので、たまにグリスアップしてやれば壊れる心配もほとんどなさそうですね。

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実際に取り付けてみます。

始めに、純正のロックを取り外します。3.2mmくらいのドリルで裏側のリヴェットを揉んでやれば簡単に取り外せます。

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新品のロックの取り付け穴と突起部の寸法を確認します。取り付けのためのネジ穴の位置(写真下側)も異なりますね。

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採寸した通りに、パニアケースに正確に穴を開けます。個人でこの加工をするのは、けっこう大変かもしれません。
注意!写真の穴の位置は間違いです。正しくは、もう少し外側に穴の位置を移動し、取り付けのための穴も2箇所開ける必要があります。

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ロックを取り付け、ネジで固定します。O-リングを入れるとロックが浮いてしまったので、液体ガスケットを塗布して組んでみました。余分な穴も塞いでいます。

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で、フタを閉めようとしたところ、フタ側にあるループが干渉してしまいした・・・。なんじゃこりゃ!

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どうやら、ロックはもう少し外側に寄せて取り付けないとダメだったみたいですね。そうなると、ケースの持ち手部分とロックの間に隙間が開いて、取り付け穴ももう1箇所開けないといけません。

自分のパニアケースですので、バリバリッとループを削って対処します。

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できました!

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イイですね、コレ。ロック&リリース操作も確実で、カチッと気持ち良く決まります。これで、もうタイアチューブとはおさらばです。アハハ!

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為替レートと仕入のタイミングにもよりますが、¥5,000(税抜き)くらいで販売できます。もちろん、取り付け作業も承ります。

 

パニアケースのロックに不安のある方は、是非ッ!

さっそく、スターターノブの取り付け。

仕入れたばかりのR100RS(2本サス)、順調に不具合を洗い出してます。

今回は不具合ではありませんが、先日外したままにしていたスターター(チョーク)ケーブルの代わりに、完成したばかりのスターターノブを取り付けます。

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キャブレターを外せば、取り付けは簡単です。

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スターターノブを引くと、こんな感じになります。

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機能はそのままに、見た目の印象がかなりスッキリしますね!

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手の大きい人でもストレスなく操作できます。

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ハンドル周りもこんな感じ!

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自分で言うのもなんですが、かなり良い製品になりました。

 

ご注文、お待ちしておりますッ!

スターターノブ。(販売終了)

(2020年をもって販売を終了しておりますが)当店オリヂナルのスターターノブをご紹介しますッ!

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2V-OHVの車輌のスターター(チョーク)ケーブルって、ちょっと煩わしいと感じたことありませんか?
多くの2本サスの場合、あの硬いケーブルがなくなることでキャブレターの脱着が楽になります。モノサスの場合、やはりキャブレターの脱着が少し楽になりますが、それに加えて左ハンドル周りのレヴァーとケーブルを省略できるので、見た目の印象もかなりスッキリさせることができます。タンク下に通るケーブルも少なくなりますので、整備性も多少良くなりますし。

スターターノブとオリジナルアジャスターの材質は、いわゆるエンヂニアリングプラスチックで、耐候性、耐熱性、耐溶剤性に優れた素材になります。
長期の使用でも、劣化することはほぼありません。ただし、酸には弱いため、その点のみご注意ください。
また、スターターノブに挿入されたロッドはΦ1.2のステインレス製で、硬く、錆にも強くなっています。

スターターノブ
¥1,000/個(税抜き)

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オリヂナルアジャスター
¥800/個(税抜き)

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ケーブルエンド(Φ6×7)
¥100/個(税抜き)

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ブラインドキャップ(ハンドル側スターターレヴァー用)
品番:3272 1234 724 ¥900/個(税抜き)

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車輌によって必要なものが異なりますので、ご希望の部品をお選びください。
基本的にバラ売りですが、ケーブルエンドの取り付け(はんだ付け)もご希望であれば対応致します。また、車輌をお持ち込みいただければ、取り付け作業も承ります。

 

エアクリーナーケース左側にスターターレヴァーがあるタイプ

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2本サスの車輌に多い、エアクリーナーケース左側にスターターレヴァーがあるタイプの場合、トップカヴァーにアジャスターを取り付けて、スターターノブのロッドをスターター部のレヴァーに固定するだけです。

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こんな感じで、レヴァーの固定具にロッドを通してナットで締め付けます。
注意! レヴァーが確実に押し下げられている状態で固定してください。

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ロッドを固定したら、スターターノブとアジャスターの間に0.5mm程度の隙間を設けてアジャスターを固定してください。

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ちなみに、このレヴァーもまだ純正部品が供給されていますので、ちょっと高いですが新品に交換することも可能です。
品番:1311 1335 315 ¥1,260/個(税抜き)

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また、使わなくなったスターターケーブルを外すには、エアクリーナーケースを取り外す必要があります。

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エアクリーナーケースを外したら、スターターレヴァーを固定しているケース裏側のナットを緩めます。
注意!表側のマイナスネジを緩めようとしても、上手く外れません。最悪、マイナスネジを捻じ切ることになります。

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ケース裏側のナットを外すと、スターターレヴァーが取り外せます。

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スターターレヴァーのマイナスネジを外し、レヴァーを分解します。

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ケーブルを外したら、レヴァーを元通りに組み立てます。
ケーブルが挿入されていたギア付きの部品は、レヴァーを完全に戻したときに抜けない位置にセットします。

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組み立てたスターターレヴァーをエアクリーナーケースに取り付け、ケースを元に戻します。
(スターターレヴァーも外したい場合は、適当なゴムキャップ等で穴を塞いでください。)

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ハンドルにスターターレヴァーがあるタイプ

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モノサス以降の車輌に多い、ハンドルにスターターレヴァーがあるタイプの場合、ケーブルエンド(通称:タイコ)が必要になります。

ちなみに、Φ40とΦ32ではロッドの長さが異なりますので、スターターノブへのジャスターとケーブルエンドの取り付けもご希望の場合は、キャブレターの口径をお知らせください。

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Φ32の場合
アジャスターの先端からケーブルエンドの端まで、55mmくらいになるようにします。

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Φ40の場合
アジャスターの先端からケーブルエンドの端まで、64mmくらいになるようにします。

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アジャスターにスターターノブを通してから、ケーブルエンドをはんだ付けして取り付けます。
注意!ステインレス製ロッドですので、ステインレス用はんだを使用してください。

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当店では先端を丸めて圧入してからはんだ付けするため、まず抜けることはありません(はんだ付けなしでも抜けないくらいです)が、先端を丸めるのは意外と難しく、長さが1mmほど長くなったり短くなったりすることがあります。なるべく左右の長さの揃ったモノを選んでお送りしますので、多少の寸法差についてはご了承ください。

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ケーブルエンドには、はんだ付け不要な汎用の補修部品もあります。取り付け強度に不安はありますが、取り付けは簡単です。こちらはバイク用品店等で入手可能です。
(スロットルケーブル(Φ1.2)用のモノで、Φ6×7くらいのサイズをお選びください。)

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また、ケーブルエンドを使いたくない場合、2本サス車輌のタイプのレヴァーに交換することで、ケーブルエンドなしで取り付けできるようになります。
品番:1311 1335 315 ¥1,260/個(税抜き)

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スターターケーブルも不要でしたら、ケーブルを切断すればアジャスターを再利用できます。

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スターターノブの準備ができたらスプリングを取り外し、

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スターター部のレヴァーを持ち上げてからケーブルエンドを入れ、

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アジャスターをトップカヴァーに取り付けます。

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スターターノブとアジャスターの間に0.5mm程度の隙間を設けてアジャスターを固定してください。

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注意! レヴァーが確実に押し下げられている状態で固定してください。

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ハンドルのスターターレヴァーはそのままでも構いませんが、取り外すことも可能です。

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取り外した際には、ブラインドキャップを使用するとキレイに取り付け部を隠すことができます。
スッキリした印象になりますね。こちらは純正部品になりますので、当然、寸法もピッタリです。
値段がちょっと高い気もしますが・・・。
品番:3272 1234 724 ¥900/個(税抜き)

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以上、ご希望やご不明な点等ありましたら、遠慮なくご相談ください。

 

ご注文、お待ちしておりますッ!