R100/7T、クラッチの点検とトランスミッションのO/H。

「昨日まで何ともなかったのに、急に半クラが上手くできないッ!なぜッ!」と、当店ブログを見てお問い合わせくださったR100/7Tにお乗りのお客様、数回のメールのやり取りのあと、「じゃ、お願いします。」とさっそくご来店にッ!なんということッ!有り難いことですッ!

 

で、入庫したこちらのR100/7T、これまた刺激的な車輌です。ホウィールやサイレンサーが変更されていたり、

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ツインプラグ化されたエンヂンに、ミクニ製VMキャブレターが付いているッ!こりゃ、試乗するのが楽しみですなぁ。

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作業の前に各部を見ていると、色々と手を加えられ、ガンガン走られているのが伝わってきます。

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エアクリーナーケースの取り付け部のオイル滲みは

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やっぱり、こうなってますよね。ブローバイガスが多いんでしょうか。

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定番のシフトレヴァーのオイル漏れもありますね。

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走行距離は90,000kmほど。過去にO/Hはされていないそうで、「最近、シフト操作もちょっとイマイチで。」ということもあり

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これを機にトランスミッションのO/Hもすることになりました。積年の汚れが手強そうですが・・・、ビシッと頑張りマス!

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にしても、フライホウィールの奥からのオイル漏れが激しいッ!クラッチの点検と同時に、こちらもなんとかせねば・・・。

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てことで、バラバラに分解して

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ジャブジャブ洗浄し、ピカピカにします。今回、ケース内側の汚れがかなり手強かったです。

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シャフトは各ギアに大きな問題もなく、状態は良好でした。ベアリングも動きが少し渋かったですが、不思議とガタつきはなかったです。

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キレイにしてベアリングを交換します。

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シフトフォークとアウトプットフランヂの状態も良好でした。

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シフトセレクターも汚れがスゴイので

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バラバラに分解し、

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キレイにしてから組み立てます。プレートやアーム、各軸部に異常はありませんでしたので、そのまま再使用しました。定番のリターンスプリングと軸部にガタのあったローラーだけ交換しています。

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ちょっと分かりにくいですが、外したスプリング(右)は磨耗はそれほどないものの、少し曲がっていました。

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あとは、トランスミッションを組み立てるだけです。シム調整もビシッとやってます。

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ココで、いよいよ学生時代の友人から貰ったトルクレンチが初登場ッ!ちょっと長くなっただけなのに、すんごいよ、コレ!サンキュー、ピロト!

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できました。

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インプットシャフトも

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(動画でご覧いただけます。)

アウトプットシャフトも、クルクル回っているッ!

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(動画でご覧いただけます。)

ちなみに、クラッチリリースピストンやベアリングに異常は見られませんでしたので、ピストンのオイルシールとプッシュロッドのフェルトシールだけ交換しました。ピストンとベアリングはあとでも交換できますし、ひとまずこれで様子を見させてください。交換せずに済むのなら、余計な出費も抑えられますから。さて、どうなるかしら?

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ということで、トランスミッションのO/Hも終わりましたので、続いてクラッチ周りの作業です。頑張るぞー!

 

(続く)

 

急に「半クラッチが上手くできないッ!」とお困りの方、クラッチ周りの点検と同時にトランスミッションのO/Hも承っております。ご相談くださいッ!

北方(埼玉)から、トランスミッションのO/H。

ちょっと遠方のお客様からトランスミッションのO/Hのご依頼です。
走行距離57,000kmほどの車輌(R100RS、モノサス)を入手されたばかりだそうですが、外観がかなりヤレた感じだったらしく、当初は外装を再塗装してエンヂンをキレイに磨き、フレームも錆びたトコロを塗り直して乗り出すつもりが、手を付け始めたら車輌がバラバラになっていたッ!とのこと。
そんな折に当店のブログでO/Hのサービスを知り、これを機にトランスミッションもO/Hすることにしたそうです。有り難いことですッ!

さっそく、届いたトランスミッションを確認します。

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ニュートラルスウィッチとドレインボルト付近にオイル汚れがありますが、

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このぐらいの汚れは普通ですね。

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エンヂンに取り付ける側のオイル汚れがちょっと強い気もしますが、インプットシャフトのシールからの漏れはなさそうなので、おそらくオイルポンプカヴァー辺りのオイル漏れが原因でしょうか。

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分解前にインプットシャフトの回り具合を確認。

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(動画でご覧いただけます。)

アウトプットシャフトの回り具合も確認し、作業後、この状態と同じくらいクルクル回るようにします。やってやるッ!

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(動画でご覧いただけます。)

てことで、作業前の確認も終わったので、トランスミッションを分解していきます。

カヴァー下側のボルト、錆びもそうですが、ちょっと砂が詰まってることがよくあります。そのまま工具を突っ込んで回すとナメてしまうことがありますので、ちゃんとキレイにしてからボルトを回します。

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特殊工具を使ってアウトプットフランヂを取り外します。
シールとの接触部の状態も良好で、当たりが付いて光ってはいますが、爪が引っ掛かるようなこともありません。

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んで、取り外したカヴァー。カウンターシャフトのベアリングが収まるトコロにスラッヂが溜まっていますが、ココは構造上オイルが下に逃げないので、ある程度の距離を走った車輌であれば、どれもこんな感じだと思います。

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ケース内部のギア、シフトセレクターなんかを取り出したら

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オイルシールを取り除いてカヴァーとケースの洗浄です。
ケースの中も非常にキレイな状態でした。

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外したドレインボルトにも鉄粉がまったく付着していなかったので、お客様がお送りいただく前に清掃していないのだとしたら、前オーナーはしっかり乗って、しっかりオイル交換されていたのではないでしょうか。このトランスミッション、当たりだと思いますッ!

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こりゃ、気合が入りますね。(いつも入れてます。)

洗浄の際には、オイルフィラーの穴や

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オイルドレイン、ニュートラルスウィッチ取り付け部の穴もしっかり均してキレイにしておきます。車載の状態でも作業できますが、ケース単体でのほうがやりやすいですからね。

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どうでしょうかッ!

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当たり面もご覧の通りッ!

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もちろん、カヴァーガスケットもキレイに剥がれているッ!

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バァーン!

 

スミマセン、ジョジョ世代なもので、取り乱してしまいました。

気を取り直して、ケース内部の部品の点検と部品交換です。
シフトセレクターを分解します。

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走行距離の多い車輌で折れることのあるリターンスプリング、このスプリングも擦れて光っているトコロが見受けられますね。コレが進行すると、痩せた部分が割れたり折れたりして、スプリングが破損した時のギアから変速できなくなってしまいます。

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出先でそんなことになれば、どうやって帰れというんでしょうか。しかも、それが1速だったりしたら・・・。不安になった方、是非、ご依頼をッ!(悪質な営業)

樹脂製のローラーは接触面に磨耗もなく、軸部のガタもなく良好でした。

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他の軸部や接触部にも異常は見られませんでしたので、シフトセレクターをキレイにし、元通りに組み立てます。このとき、2枚のギアの歯を正しく噛み合わせておかないと、まったく変速できなくなりますので、忘れずに確認しておきます。

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続いて、シフトフォークの確認です。異常な磨耗や焼けた跡もなく、非常に良好ですね。

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各シャフトのギアも点検します。こちらも大変良好で、歯にもドッグにも異常なしです。

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ブッシュのガタつきもありませんでした。
これだけ各部の状態が良いとシフトもスコスコ入りますし、ギア抜け、ギア鳴りも、よほど雑な操作をしなければまず起こらないと思います。

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ベアリングにもガタはあまりありませんでしたが、もちろん交換しておきます。

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(動画でご覧いただけます。)

それにしても、インプットシャフトのこのインナーレース、普通はもう少しシールとの接触部に強い当たりがあるもんなんですが、このレースにはそれがほとんどありません。
ひょっとしたら、以前にしっかりO/Hされているのかもしれません。前オーナーのメインテナンスも良かったんだと思います。俺の出番、要らなかったんじゃ?と思うほどです。アハハ。

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というわけで、各部の点検と交換も終わったので、トランスミッションを組み立てていきます。

ケースをしっかり温めて、シャフトとシフトセレクターを取り付けます。

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ケースが冷めるのを待って、シム調整を。ビシッと決まったッ!

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シム調整が終わったら、カヴァーをしっかり温めて取り付けます。シム調整も大事なんですが、このカヴァーの取り付け次第でシャフトの回り具合が軽くも重くもなりますので、ココが一番のポイントかもしれません。

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カヴァーが冷えるのをちょっと待って、インプットシャフトとアウトプットシャフトがクルクル回ることを確認したら、シールを挿入してアウトプットフランヂを取り付けます。
このフランヂの固定ナット、締め付けトルクが220±15N・mとなってますので、細マッチョ気取りの人(俺)にはちょっとキビシイです。あ~、もっと長いトルクレンチが欲すぃ~。

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お送りいただいた際にシフトレヴァーが外されていたので、手持ちの部品を取り付けて1速から5速までの変速を確認すれば

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できました。

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インプットシャフトもッ!

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(動画でご覧いただけます。)

アウトプットシャフトもッ!

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(動画でご覧いただけます。)

クルクル軽いッ!

バァーン!

 

以上、無事に作業も終わりましたので、こんな感じで

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丁寧に梱包してお送り致しますので、もうしばらくお待ちください。

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あとは、実際に車体に取り付け、試乗していただいて、シフト操作まで確かめていただければOKですね。車輌のセミ・レストアのご報告も兼ねて、ご来店くださるのをお待ちしております。もちろん、ダメ出しのご連絡でも構いませんが・・・。(緊張)

この度は、トランスミッション単体での作業のご依頼、有り難うございましたッ!

 

今回は、元の状態が良かったため比較的楽な作業になりましたが、どのような状態だったとしても目指すゴールは同じですので、「なんか、トランスミッションから異音が聞こえるような・・・」、「最近、ギア鳴りが多くなってきたかも?」、「アララ、またギアが抜けたよッ!」なんて症状が出始めましたら、ちょっと部品代は多く掛かってしまいますが、O/Hを検討されて良い時期かもしれません。

 

遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、O/Hを承っております。ご連絡くださいッ!

R65、フライホウィール周りのオイル漏れ修理とトランスミッションの取り付け。

R65(2本サス)にお乗りのお客様、トランスミッションO/H作業の続きです。

トランスミッションのO/Hは終わりましたが、クラッチの不具合を改善するため、クラッチ周りも点検、整備します。
注意! クラッチやフライホウィール周りの整備には注意すべき点が多々あります。安易な作業はせず、正しい知識を持ったディーラーまたは専門店に任せましょう。

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クラッチ周りを取り外すと

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ダストがこんもり出てきました。

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クラッチ周りをキレイに清掃し、点検します。クラッチ板の状態も良く、厚みもまだ十分残っていました。あと40,000~50,000kmはもちそうです。プレッシャープレートにも異常な磨耗はなく、良好でした。

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ここまでの整備でクラッチの不具合が改善すれば良いのですが。

続いて、ココのオイル漏れを修理します。
この付近にオイルが漏れると、漏れたオイルとクラッチ板のダストが混ざって、こんな感じの頑固な汚れになりますね。インプットシャフトのオイルシール、オイルポンプカヴァーのO-リング、フライホウィールのオイルシール、このいずれかが劣化するとココにオイルが垂れてきます。
放っておいても良くはなりませんので、この辺にオイルが滲んだり漏れてきたら、トランスミッションのO/Hと一緒に作業しちゃいましょう。

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まずはフライホウィールを取り外し、

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クランクシャフトとの接続部を点検します。異常な磨耗も傷もなく、良好な状態でした。フランヂ部のO-リングはシール性が落ちてオイルが少し漏れ始めてるので、交換ですね。

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クランクケース側のオイルシールには滲みも漏れもありませんでした。このシールはちょっと高価なんで、交換せずに済んで良かったです。
今回のオイル漏れは、オイルポンプカヴァーのO-リングの劣化が原因てことですね。

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というわけで、オイルシールを保護して洗浄します。しかし、手強かった・・・。

どうですかッ!このピカピカ具合ッ!

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オイルポンプ、オイルポンプカヴァーの状態も悪くないので、

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カヴァーをキレイに洗浄してO-リングを交換します。フライホウィールのO-リングも交換です。

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交換したO-リングをよく見ると、潰れて平らになってますね。こりゃ、漏れるハズです。

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オイルポンプカヴァーをしっかり取り付け、

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フライホウィールを元に戻したら、

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クラッチ周りも取り付けます。

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これでトランスミッションを取り付けられるんですが、その前にチョイチョイとやることが。

以前に交換したリアサスペンションのブッシュ、注文をミスった上側のブッシュが入荷したので

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ようやく交換できました。お待たせしてしまい、申し訳ありませんでした。

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ブレーキペダルのピヴォット部もまったくメインテナンスされてなかったので、

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キレイにしてグリスアップします。

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シフトペダル側も酷かったので、こちらもビシッとキレイにしてグリスアップしました。

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こういう部分をしっかりメインテナンスすると、渋かったり、固かったりしたブレーキやシフトのタッチがかなり良くなりますね。

スウィングアームのピヴォットベアリングも古くなってたんで、洗浄してたっぷりグリスアップしました。ベアリングの状態はあまり良くありませんが、これでもうしばらくは使えると思います。

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ドライヴシャフト連結部のブーツも、ひび割れや補修跡があるので交換です。

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お決まりのスピードメーターケーブルの防水ブーツと、傷んだソケットも交換します。

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で、こうなりました!

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作業を始めて三日目、今回はなんだかとっても時間が掛かりましたが、ようやくトランスミッションが車体に戻りました。ウレスィ~。

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エンヂンのトップカヴァーを戻す前に、ブローバイホースの取り出し部からオイルが滲んでたので、ホースのクランプをしっかり締めておきました。
ホースが劣化してくるとココからオイルが滲んできますので、気になる方はクランプを締め直してみると良いかもしれません。ホース自体がダメになっていると交換するしかありませんが、けっこう緩くなっている車輌は多いです。

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てことで、トランスミッションのO/Hとキックスターターの取り付けが終了。
グッジョブ、オレ!

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ただ、この年式のR65のステップは少し位置が高いようで、キックレヴァーを踏み込むとすぐにステップのゴムに当たります。ちょっとストロークが小さいのが気になりますが、上手くキックでエンヂン始動できるかな?

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さて、お次は追加作業のブレーキの整備です!

 

(続く)

 

フライホウィール周りのオイル漏れや、クラッチ周りの点検も、ご相談くださいッ!

R65、トランスミッションのO/Hとキックスターターの取り付け。

R65(2本サス)にお乗りのお客様、今度はトランスミッションのO/Hとキックスターターの取り付けと、フロントブレーキキャリパーO/Hのご依頼です。
またまたまた有り難いことですッ!

さっそく、トランスミッションを取り外します。

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長年の汚れで黒くなってますが、クラッチ板が磨耗して出たダストなので走行距離の多い車輌はどれもこんなもんです。インプットシャフトのオイルシールからのオイル漏れがないので、状態は悪くなさそうですね。

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トランスミッション上側も、

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下側もオイル汚れがたっぷりですが、こういう状態のほうが洗浄後にキレイになりますね。

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問題は・・・

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ココのオイル漏れです。トランスミッションを片付けたら修理ですね。

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抜いたオイルがけっこう汚れてるのが気になりますが、金属粉はありませんでした。

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ということで、いつものように分解です。

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ケースを洗浄し、

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古いガスケットを剥がします。コレ、手強いヤツや・・・。

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ドレインの穴やニュートラルスウィッチの取り付け穴なんかもシュシュッとキレイにしておきます。

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関連部品ももちろん洗浄して、

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ピカピカになりました!

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頑固に張り付いたガスケットも、ご覧の通り。

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続いて、分解した内部部品を確認します。

ギアの状態は良好だったので、ベアリングだけ交換です。
ベアリング自体もあまりガタつきはなかったんですが、当店では国産ベアリングを使用しているので純正部品に比べると価格は1/6程度、しかも信頼の国産、高品質ベアリングを選んでいますので、O/H時には問答無用で交換しちゃいます。

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シフトセレクターの状態も良いですね。定番のリターンスプリングだけ交換しておきます。

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シフトフォークにも問題はありませんでした。

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アウトプットフランヂの状態も良好です。ココが良いと安心します。ホッ。

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で、ココからが本番です。

今回、キックスターターを取り付けるので、インプットシャフトにキック用のギアを追加しなければなりません。
純正部品でギアは出るんですが、バックオーダーでなかなか入荷しないので、自分で使うつもりだった中古良品のインプットシャフトから取り外すことにしました。シャフトのセレーション部の長さが同じだったらそのままインプットシャフトごと入れ替えできたんですけど、同じ2本サス用でも年式によりビミョーに違いがあるんですね。

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ちょっと面倒な作業ですが、無事、移植できました。

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しかし、もう3週間以上待ってますが、バックオーダーのときは本当に部品の入荷予定が読めませんね。部品が出るだけ有り難いんですが。

てことで、トランスミッションのケース側を組み立てて

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ビシッとシム調整しておきます。

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続いて、キックスターター用のカヴァーです。
こちらはオーナーがービックリ価格で入手されたモノ。純正部品で必要な部品を用意することも可能ですが、けっこうな金額になってしまいます。このカヴァー一式で¥○○,○○○とは、かなりラッキーですね。

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そのままでも使えそうな雰囲気ですが、しっかり分解して整備します。

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といっても、キックレヴァーの分解は意外と大変なんです。錆で固着してキックレヴァーの固定ボルトは抜けないし、キックレヴァーもシャフトもすんなり外れてはくれません。ほとんどの車輌がこんな感じだと思います。

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錆を落とし、オイルシールを交換し、グリスアップしてカヴァー組み立てます。
こんだけやっとけば次回の分解はかなり楽になりますね。

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組みあがったカヴァーを取り付けで、トランスミッションの完成です!
何回か組み直すという苦労の甲斐あって、シャフトはクルクル軽く回り、キックレヴァーもスコンスコンになりました。イエスッ!

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さらに、クラッチリリース周りもやっつけちゃいます。

今回のキックスターターの取り付けを部品を待たずに急いだのは、オーナーが訴えるクラッチの不具合を早く直したかったのが一番の理由です。具体的には、走行後20~30分もすると急にクラッチの繋がりが悪くなり、どう丁寧にやっても上手く半クラッチ操作ができないそうで、まるでロケットスタートのようになるとのこと。
実際に試乗してみると、確かに半クラッチで繋ぐのが難しく、非常に乗りにくい感じでした。しかもトランスミッションが温まってくると症状はより顕著になるみたいで、オーナーが訴える症状は自分が感じているよりももっと深刻そうでした。

そんなこともあり、クラッチリリース周りを丁寧に点検、清掃します。プッシュロッド、ピストン、ベアリングに異常は見られませんでしたが、

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フェルトリングはかなり痩せてました。こんなトコロが不具合の一因になるのかもしれませんね。

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新しいフェルトリングを付けたプッシュロッドをインプットシャフトに挿入するのに苦労したものの、クラッチリリースピストンまで組み付けてトランスミッションの作業は終了です。

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思いのほか時間が掛かりましたが、かなり良いトランスミッションが組めたんじゃないでしょうかッ!

 

(続く)

 

トランスミッションのO/Hだけでなく、キックスターターの取り付けも、ご相談くださいッ!

長期不動のR80、トランスミッションとキャブレターの取り付け。

ちょっと前に仕入れた長期不動のR80、少しずつ再生に向けて進んでいます。

エンヂンも組みあがったので、先にO/Hしておいたトランスミッションとキャブレターを取り付けます。

フレームを簡単に保護しておいて

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トランスミッションを取り付けます。

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エアクリーナーケースを乗せて、トランスミッションの上側2箇所も固定します。

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クラッチリリース周りもベアリング等の状態を確認し、しっかり組み付けます。

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新品のエアクリーナーを取り付けて、

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キャブレターも取り付ければ、だいぶカタチが見えてきました。

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スピードメーターケーブルの防水ブーツもカチカチに劣化していたので、新品に交換です。

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ココのブーツがダメになると、トランスミッションへの水分の浸入の原因になりますので、ゴムが劣化していたら迷わず交換しちゃいましょう。

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てことで、できました!

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エンヂン始動まであとちょっと。キャー!

 

(続く)

 

エンヂン周りだけでなく、トランスミッション周りの作業も、ご相談くださいッ!

長期不動のR80、トランスミッションO/H。

ちょっと前に仕入れた長期不動のR80、少しずつ再生に向けて進んでいます。

シリンダーヘッドを内燃機屋さんに預けている間に、できる作業を進めます。
お次は、トランスミッションのO/Hです。

トランスミッションを取り外し、分解します。
分解には特殊工具やちょっとした設備が必要になるので、個人でやるにはハードルの高い作業ですね。

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各ギアを確認します。状態は悪くないですね。

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シフト関係も異常なし。過去にO/Hされてるみたいです。

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と思ったら、アウトプットフランヂのオイルシールとの接触部に錆びて虫食いが・・・。

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ガーン、スピードメーターへの回転を取り出すギアにも!

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幸いにも中古良品があったので、ソレと交換ですね。

カヴァーの汚れや

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ケースの汚れはそれなりです。

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ただ、オイルドレインの穴に付着したオイルを見ても分かりますが、抜いたオイルを見た感じ、なんか開けたほうが良いような気がしたんですよね。

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こういうトコロにスラッヂが溜まってますし。

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ということで、ケースを洗浄し、ベアリングを交換して組み立てます。

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外したベアリングの状態も、ちょっとガタがありましたがまだまだ大丈夫そうでした。

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シフト周りも各部品を確認し、組み立てます。
一般的なバイクで使われているシフトドラムとは異なり、BMWのシフト機構はちょっと複雑ですね。

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よく折れるスプリングは社外品(左)に交換されてました。
対策部品っぽいのでそのままでも良さそうでしたが、当店での使用実績がないので純正部品に交換します。でも、なんか良さそうです。

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シフト周りを組み込んで、ほぼカタチになりました。

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もちろん、オイルシールも交換済みです。

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ココまで来れば、あとはシム調整するだけです。
どうも、工場出荷時は一律でスタンダードなシムで組まれているみたいなんですが、O/Hする際にはしっかりシム調整したほうが良いですね。ビシッと決まれば、スムースにクルクル回ります。

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新品のガスケットを使用して

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カヴァーを乗せたら、オイルシールを打ち込みます。

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虫食いの酷かったアウトプットフランヂとスピードメーター用のギアは、程度の良い中古部品に交換です。またストックを探さねば・・・。

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で、最後の難関。
アウトプットフランヂを220±15N・mで締め付ければ

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完成です!

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組み立て後、しばらく放置した後にインプットシャフト、アウトプットシャフトを手で回してみましたが、クルクルと軽~く回りました。なんか、良いトランスミッションになりそうな予感。ウヒヒ。

こうなると、試乗するのが楽しみになってきますね~。

 

(続く)

 

長期不動車でも、そうでない車輌も、トランスミッションのO/H、承っておりますッ!