ズッ客。

ある晴れた金曜日、またしても頼んだ記憶がない荷物が届きました。あなたならどうしますか?

(1)とりあえず開梱し、しれっと懐に入れる
(2)送り状をよく確認し、本当に自分宛ての荷物かどうか電話する
(3)お客様からのモノだと知っていたが、期待ハズレで逆ギレする

DSC_3905

) e -J -⊥・・・?なんだコレ?読めねぇわ!(逆ギレ)

DSC_3906

なーんて、T-fal®(ティファール)の電気ポットですね。あざーす!

DSC_3917

これで、お湯が飲めるッ!ウゥリィィィ!

uuurrrryyy
ジョジョの奇妙な冒険より

 

最近、グッと寒くなってまいりまして、断熱材のない壁でできた当店も、「ココ、外より寒くね?」と言われそうなほど、すっかり冷えてまいりました。
ちょくちょくご来店くださるR65にお乗りのお客様も、「あ~、モギーモータースでも温かいコーヒーとか出したらどうスカ?」とおっしゃっていたんですが、「バカ言うな!まだレモンスカッシュも、オランジーナもキンキンに冷えているんだぞ!」と一喝したところ、ウェルカムドリンクの発注にも電卓を叩くモギーを不憫に思ったのか、クリスマスプレゼントとして注文してくれたそうです。マジか・・・。

実は、先日遊びに来てくれた兄にも同じコトを言われ、そろそろネスカフェのアンバサダーへの申し込みを検討していたところだったので、コーヒーメーカーと電気ポットが一つずつ存在することにならずに済みましたが、こういうのは勘弁してください。涙で前が見えなくて、仕事になりませんから。てことで、今日はもう帰ります。(不可抗力)

オレゎ……ネスカフェのドルチェグストが欲しかった……
でも……けっこう高くって…
でも……あきらめるのょくなぃって……
オレゎ……ぉもって……がんばった……
でも……お客様が…勝手に……
注文しちゃって……ゴメン……ドルチェグストが……
でも……お客様とオレゎ……ズッ客と店主だょ……!!

って、応用利きにくいわ、このテンプレ!

 

ということで、最近のモギーモータース、ちょっとカフェっぽくなってまいりましたので、お気軽にご利用ください。(すごく雑)

DSC_4032

 

熱いお湯とステッィクコーヒーを用意して、お客様のご来店をお待ちしておりますッ!(セルフサーヴィス)

 

R100RS、始動困難ナリ。(その5)

たまたま当店ブログをご覧になり、整備の相談のご連絡をいただいていたお客様の始動困難なR100RS、モギー刑事の活躍によりなんとか修理も終えて納車したんですが、すぐに症状が再発してしまいました。トホホ・・・。

モギー刑事  「え?えっ?減給処分?ちょっ、家族がいるんです!」

先日ご来店くださった際にも簡単に点検&調整&部品交換させていただいたんですが、「納車以来、始動性はすこぶる良くなってるだけど、まだなんか吹け上がりが悪くって、これは気持ち良くないッ!」と、症状はあまり変わらなかったご様子。結局、もう一度お預かりすることになりました。何度も足を運ばせてしまい、本当に申し訳ありません・・・。

モギー刑事  「課長、もう一度、オレに現場へ行かせてくださいッ!」

ということで、またしても点火系の点検からスタートです。先日の点検で点火時期が少しズレていたので、ポイントも再点検します。

DSC_3492

ガーン。やはり少し狭くなってました。新品のポイントに交換したんで、ヒールの初期馴染みなんでしょうか。ビシッと再調整します。

前回は新しいからとそのままにしたコンデンサーも、今回はしっかり点検します。おっし、問題なし!

DSC_3462

てことで、ポイントを元に戻し、点火時期を調整します。おっし、しっかり仕事しているッ!

DSC_3448
(動画でご覧いただけます。)

お客様が使用しているダイナコイルも問題なく、当店在庫の新品と交換しても変化がありませんでしたので、となると・・・やっぱりキャブレターしかありません。

モギー刑事  「ウッ!片側が上がりっぱなしにッ!」

DSC_3499

ピストンヴァルヴとトップカヴァーの摺動部に、なぜかガムっぽい汚れが???

DSC_3507

モギー刑事  「アレだけ聞き込み(洗浄)したハズなのに、一体ドコから?」

などと言い訳もソコソコに、しっかり洗浄し直して、キャブレターを元に戻します。さあ、どうなのよ!

DSC_3532
(動画でご覧いただけます。)

ガーン。まったく良くならないー。

kanben

 

~翌日~

色々と試してみましたが、どうやらキャブレターボディ内部の通路に根本的な問題がありそうだと判断。結局、たまたま在庫していたキャブレターをO/Hし、セッティングを変更して取り付けることにしました。さあ、どうなのよ!

DSC_3763
(動画でご覧いただけます。)

直っているッ!試乗した感じも良いッ!

バァーン!

 

ひょっとしたら、前回O/Hしたときの洗浄が中途半端だったせいで、溶けた異物がまた内部の通路を徐々に塞いでしまったのかもしれません。後日、あらめて分解&洗浄し直して確認してみますので、それまでの間はこちらのキャブレターをご使用ください。もし分解&洗浄し直しても不具合が出る場合は・・・

モギー刑事  「課長、ちょっと相談したいことがあります。」

あらためて相談させてください。宜しくお願い致します。

 

ついでに、やはり再発してしまったメーターのインヂケーターがときどき点かなくなるという不具合も、今回、キッチリ修理します。前回の捜査でメーターに繋がるコネクターまでは調べが終わっていますので、残すはメーター側のフィルム基板です。

DSC_3704
(動画でご覧いただけます。)

ココですね、やっぱり。はっきり断線はしていないようなんですが、抵抗値を測ってみるとちょっと大きな値を示します。試しに在庫のメーターに付け替えると、症状がまったく現れません。

この部品はもう新品がメーカーから出ませんので、中古のメーターから取り出すしかないんですよね。マイッタ。

DSC_3709
(動画でご覧いただけます。)

モギー刑事  「よし、ココは俺に任せろ。」
新米刑事   「先輩!(やだ、カコイイ・・・)」

ってことで、交換して動作確認します。バッチリ!ですね。ちょっと長めに試乗もしてみましたが、症状は確認できませんでした。

DSC_3534
(動画でご覧いただけます。)

モギー刑事  「フゥ、あとはまた請求書、じゃなくて報告書を書くだけ、か。」

 

というわけで、長々とお付き合いいただきましたが、これでようやくご依頼の作業はすべてクリアできたと思います。度々足を運ばせてしまい申し訳ありませんでしたが、今度こそ、この冬を存分にR100RSの無敵のフルカウルで楽しんじゃってください。有り難うございましたッ!

 

こうして事件はようやく解決。しかし、まだこの世の中には不届きなヤツ(不調車輌)がいるッ!すぐに次の事件(お仕事)が(を)待っている、モギー刑事なのであった・・・。

新米刑事   「先輩、ドコまで行くんスカ!」
モギー刑事  「コンビニ!」

2643

 

(完)

 

一度は「直ったかな?」と思った症状が再発しても、責任持って対応させていただきます。いただきますッ!

 

オマケ

それにしても、再塗装とお聞きしましたが、赤鼻仕様のカラーリングはカッコイイですね!

DSC_3757

北方(埼玉)から、R100RS便り。

先週のことですが、2ヶ月ほど前にトランスミッション単体でのO/Hをご依頼くださった「当初は外装を再塗装してエンヂンをキレイに磨き、フレームも錆びたトコロを塗り直して乗り出すつもりが、手を付け始めたら車輌がバラバラになっていたッ!」というお客様、R100RSが仕上がったとのことで、ツーリングがてらご友人と突然のご来店ッ!ウレシィッ!

DSC_3694

トランスミッションのO/H後も、ステムベアリングの交換とフロントフォークのO/Hのご依頼をいただきましたが、発送後にフォークオイルが漏れるというモギーの大失態にもかかわらず、こうしてご報告に来てくださるとは・・・、有り難いことですッ!

それにしても、タンクの色だけ違うのが気になりますが、それもそのハズ。こちらの塗装はお客様自身の手によるものでして、「とりあえず年内に走らせたかったから、タンクは来年!アハハ!」とのこと。元はこのシルヴァーのカラーリングだったそうですが、純正部品の見本から純正色のクラシカル・ブラックを調色してもらったそうです。このカラーリングは何台も見たことがありますが、お聞きするまではホンモノの純正色だと疑いませんでした。いやいや、かなりの腕前やん・・・。

DSC_3697

しかも、「エンヂンガードは要らないから」と、サイドカウルの穴まで埋めるこの仕事ッ!

DSC_3702

O/Hさせていただいたトランスミッションも、キレイに塗装されているッ!マジかッ!

DSC_3696

アカン、このお人もザ・バイクバカや・・・。(良い意味で)

0170

ついでに、ちょっと同調を点検させていただいたり、一部増し締めさせていただいたりしましたが、シリンダーヘッドもO/Hされたそうなので、かなり調子良さそうでした。もちろん、トランスミッションもクルクル軽~く回ってました。中は見えませんが。オホホ。
(後日、シフト操作も「スコスコ入ります!」とのご報告がありました。バンザイ!)

で、一緒にご来店されたご友人は筋金入りのカワサキ乗りでして、長く所有されているというこちらの車輌も「見る人が見れば、ウォッ!てなるバイクだよ。」とのこと。2V-OHVのBMW以外のバイクにはまったく疎いモギーですが、各部に奢られている部品がちょっとスペシャルな雰囲気を醸し出していることは分かりました。なんでも、その当時にリリースされた部品を使用して、丁寧にZ1000RのS1仕様にカスタムされているとか。
ちなみに、こちらの塗装もお客様の手によるものだそう。ズコー。

DSC_3699

が、ご友人の面白いお話をお伺いするにつれ、その価値がトンデモないことになっているッ!ことを知りました。価格高騰が噂されるカワサキZシリーズの中でも、ダントツみたいです。ギャー!

DSC_3700

アカン、ココにもザ・バイクバカや・・・。(もちろん良い意味で)

0170

 

ということで、作業のご報告と楽しいお話、有り難うございましたッ!タンクの塗装が終わりましたら、またツーリングのついでにもお立ち寄りください。ご来店、楽しみにしておりますッ!

 

ほとんど仕上げたけどタンクの塗装が後回しの方、BMW以外のバイクにお乗りの方、遠慮なくご来店くださいッ!

R65、オイル噴出の修理。

R65(2本サス)にお乗りの、モギーが足を向けて寝れない&当店のステマ担当のお客様、今度はトラブルでのご来店です。嫌な予感がします・・・。

先日のご相談でお話はお聞きしていましたが、何やら最近、エンヂン始動時に後付けのオイルフィルターからオイルが噴き出してしまうことがあるそうです。噴き出すのは決まって始動時で、そんなときはO-リングもプリッとハミ出てしまい、辺り一面にオイルの海が広がるとのこと。なるほど。つまり、バイクを降りて、「帆を上げろー!船を出せー!」ってことですね?

はてさて、どうなりますか。

こちらのお客様がお使いになっているのは、Motoren-ISRAEL製のオイルパン用スペーサーです。オイル量を1リットル多くすることができ、油温も10~15°低く抑えることができるそう。フィルター交換も容易で、ブン回して走る方にはもってこいの製品なのですが・・・

DSC_3424

すでに3回もオイルを噴いてしまったことで、「ちょっと心が折れかけてます。トホホ。」とのご様子。直らなければ元に戻すことも考えたそうですが、このオイルパン用スペーサーを取り付けるときに「オイルフィルターを挿入するキャニスターを破壊して抜いているッ!後戻りはできないッ!」んだそうです。アチャー。

とりあえず、O-リングがハミ出してしまうとのことなので、「フィルターに付いているモノが弱いのカモ?」と考え、現物から寸法を採り

DSC_3441

耐油、耐熱、耐圧性に優れたO-リング(左)を手配して取り付けてみます。さあ、どうなのよ!

DSC_3432

アレアレ?ココはマレーシア?アレはマーライオンかしら?

0182

って、思いっ切り噴いているッ!

wait

~二日後~

作業場のお掃除も終わり、少し気持ちも落ち着いたので、あらためてオイルが噴いた原因を考えてみます。

お客様が使用しているフィルターのサイズは68mmで、コレはMotoren-ISRAELの指定サイズ通りです。ただ、同時に推奨している適合フィルターの品番は「WL7169」または「MANN W712/52」で、このフィルターを調べるとサイズは74mm相当となっています。

モギー刑事  「ひょっとして、サイズが小さいのか・・・?」

フィルター取り付け部を確認すると、確かに74mmのフィルターでないとO-リングがしっかり接触しないようです。

モギー刑事  「まさか、そんなコトだったのか!」

ということで、ワンサイズ大きなフィルター(左)を手配して取り付けてみます。さあ、どうなのよ!

DSC_3676

アレアレ、ココはイタリア?アレはナヴォーナ広場の噴水かしら?

0181

って、また思いっ切り噴いているッ!

kanben

~二日後~

作業場のお掃除も終わり、少し気持ちも落ち着いたので、あらためてオイルが噴いた原因を考えてみます。(2回目)

オイルが噴出したフィルターをよく見ると、ハウジング自体が歪んでいるッ!のが分かります。この歪みのせいでできた隙間からO-リングがプリッとハミ出てしまい、オイルが噴出するようです。いつもお世話になっているモノタロウ・ブランドを悪く言うつもりはありませんが、完全に油圧に負けて変形してますので

モギー刑事  「ペロッ。このブツは・・・粗悪品だ!」

というモギー刑事の怒りもごもっともです。

DSC_3671
(動画でご覧いただけます。)

確かに、エンヂンが冷え切った状態からの始動時は油圧が高くなります。これは、まだオイルが固い(熱が入っていない)からで、数分の暖機運転で徐々に油圧は下がります。冬場はさらに冷えてオイルは固くなっていますが、それでも、調べてみるとオイルフィルターの耐圧性は工業規格で「1,500kPaに耐えること」となっていますし、2V-OHVエンヂンのオイルポンプの作動圧力はおよそ600kPaですから、どう考えてもフィルターから漏れたり、ましてやフィルター自体を変形させることはないハズなんですが・・・。
(現在の車で使用されている0W-30のような粘度の低いオイルなら、モノタロウ・ブランドのフィルターでも問題はないみたいです。事実、このお客様も夏場は大丈夫でしたし、モノタロウのユーザーの満足度もけっこう高いですし。)

てことで、またオイルフィルターを注文し、オイルも20W-50から10W-40へ変更することにしました。

DSC_3669

耐圧を謳うBOSCH製、しかもメイド・イン・ジャパン!当然、新品なので歪みもなくクルクル回ります。

DSC_3674
(動画でご覧いただけます。)

指定通り、O-リングが接触してから3/4回転締め込んだ状態で、ほぼクリアランスなしのこの状態ッ!コイツは期待できるッ!

DSC_3689

2回のオイル噴出ですっかりビビってますが、あえてキンキンに冷えた深夜に始動テストを行います。さあ、どうなのよ!(もうどうにでもなれ)

DSC_3686

バッチリです!暖機もソコソコに回転をブォンブォン!上げても、まったく噴き出す気配も、漏れる気配もありません。バンザイ!

3010

後日分かったことですが、お客様からの情報によるとMotoren-ISRAELでもこのトラブルは認識していたようで、現在販売されている新型のオイルパン用スペーサーにはリリーフヴァルヴが追加されているとのこと。そりゃないぜー。

0185

ちなみに、コレがお客様がお使いの旧型のモノです。

0184

単品でリリーフヴァルヴの提供もあるそうですが、価格は€75.00だそうです。現在(2015/12/11)のレートで約¥10,000ですから、ちょっとお高いですね。しかも、そもそもMotoren-ISRAELの設計ミスだと思うんですが、シレっと「元々エンヂンに内蔵されているリリーフヴァルヴが適切な油圧で作動しないからO-リングがハミ出る」みたいな説明をしていますので、旧型のユーザーには優しくない対応になってます。
もし同型のオイルパン用スペーサーをお使いの方がいましたら、オイルフィルターの選択には十分ご注意ください。それと、冬場は始動後の暖機運転を少しのんびり行っていただき、心配ならオイルの粘度も下げておくことをオススメします。

と、ただのフィルター交換のつもりが時間ばかりが掛かる結果になってしまい、また、フィルターが赤くなってちょっとハズカシイ感じになってしまいましたが、これで安心していつものようにブン回せると思います。この度も当店をご利用いただき、有り難うございましたッ!

後付けのオイルフィルターからピューとオイルが噴き出しちゃう方、ご相談くださいッ!

北方(福島)から、キャブレターO/H。

またまた遠方の方から、キャブレターのO/Hのご依頼です。有り難いことですッ!

こちらのお客様、R100のサイドカー仕様にお乗りだそうで、基本的にはそれほど調子は悪くないそうなんですが、エンヂンを始動してしばらく走行したあとに回転数が少し高めになることがあるようで、ご相談のメールをいただきました。で、ちょうどこれから冬になり数ヶ月乗れなくなるということで、メールでのやり取りからキャブレターのO/Hをされることに!ウホッ!

仕事だワッショイ!仕事だワッショイ!

5127

と、テンションも上がってまいりましたので、さっそく届いた荷物を開梱します。

DSC_3542

パッと見、そんなに汚れもありませんし

DSC_3554

お客様の「走ってなんぼ」の言葉通り、よく乗られている車輌のキャブレターみたいです。

DSC_3545

バタフライも、右側も

DSC_3568

左側もしっかり閉じてますね。

DSC_3574

てことで、分解して点検します。

フロートチャンバー内にちょっとゴミが溜まってました。大きく見えるゴミも、小さなゴミが固まってできた破片のようです。オーヴァーフローを気にされてはいませんでしたので、おそらく長年の使用で少しずつ溜まったモノが、乗られない時期に固まって大きくなっていったのではないでしょうか。そんなに心配はなさそうですが、ガソリンタンク内を軽~く洗浄してみても良いかもしれません。

DSC_3593

キャブレター側も、中はかなりキレイでしたが

DSC_3592

メインジェットホルダーの奥にけっこうな量の異物が溜まってました。

DSC_3580

この穴の空いたアトマイザーと呼ばれる部品は、メインジェットを通ってニードルジェットとジェットニードルの隙間から吸い出されるガソリンに空気を混ぜて混合気を作り、その名の通り霧吹きのように働きますので、ココが異物で詰まり気味だったとすると、スロットルを大きく開けたときのメイン系の混合気がちょっと濃くなっていたと思います。

DSC_3587

推測ですが、キャブレターに導入されるブローバイガスとエアフィルターを通過してしまう小さなゴミが少しずつ溜まり、こんなふうになってしまうのではないかと。程度の差はあっても、長くO/Hされていないキャブレターでしたらこんな感じになっていますので、気になる方は点検してみてはいかがでしょうか。

ピストンヴァルヴやスターターなんかも汚れてはいますが、不動車のようなガンコな汚れじゃありません。これなら簡単に落ちそうです。やっぱり、よく乗られてる車輌は状態が良いですね。

DSC_3591

というわけで、バラバラに分解しましたので、ビシッと洗浄します。

DSC_3590

できました。

DSC_3598

真鍮部品もピカピカです。ジェット類の穴の通りも確認しています。

DSC_3603

メインジェットホルダーの奥もキレイになりました!

DSC_3613

これならOKですね。

DSC_3618

O-リングとガスケットを交換し、正しく組み立てます。油面調整もバッチリです。

DSC_3624

バタフライもビシッと閉じました。ヤッタネ!

DSC_3631

ピストンヴァルヴもダイアフラムの位置に注意して取り付けます。スコスコ動くことを確認ッ!

DSC_3635

ちなみに、こちらのキャブレター、トップカヴァーなんかを固定するネジがポジドライヴになってました。高年式の車輌によく見る気がしますが、ポジドライヴのネジにはポジドライヴ用のドライヴァーを使用したいですね。トルクの掛かり具合が全然違いますから。お持ちでない方、工具屋さんへゴー!ですよ。

DSC_3643

イイんじゃないでしょうかッ!

DSC_3658

DSC_3652

DSC_3651

DSC_3660

そして、当店オリヂナルのスターターノブもご希望とのことッ!なんとも!ウレシイッ!

DSC_3667

ということで、ご相談のあった「エンヂンを始動してしばらく走行したあとに回転数が少し高めになる」という原因になりそうなスロー系の詰まり等は見受けられませんでしたが、今回、内部をキレイに洗浄したことで改善するかもしれません。あとは実際に取り付けて試乗していただき、症状が再発するかどうか確認していただければと思います。

この度は当店をご利用いただき、また色々とお気遣いまでしていただき、有り難うございましたッ!取り付け後のご報告、楽しみにしておりますッ!

つか、またしてもR65にお乗りのお客様が一枚噛んでいたようで、もう言葉になりません・・・。もし、ネット上で「自分はよく知りませんけど」みたいに装いながら当店のブログへ誘導したり、さりげなく「モギーモータースさんスカ?悪くないんじゃないでスカね。」みたいに話題をネジ込んでくる人がいたら、それは当店のステマ担当のお客様かもしれません。ご注意ください。(良い意味で)

遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、O/Hを承っております。ご連絡くださいッ!

西方(兵庫)から、シリンダーヘッドO/H。

またまた遠方の方から、今回はシリンダーヘッドのO/Hをメインに幾つかの作業のご依頼です。有り難いことですッ!

こちらのお客様、R65(2本サス)の後期型にお乗りだそうで、入手したときから「何かがオカシイッ!」とご自身で整備を進めていたそうですが、当店のブログを見て「ん?なんかちゃんとやってそうだし、いっちょ頼んでみるかッ!」とご連絡くださいました。何度かのメールのやり取りの末、ご自身でできる作業は進められたものの、やはりキッチリ直したいとのことで、部品をお送りいただくことになりました。

大物がキター!フィッシュ・オーン!

5226

つか、ブログの宣伝効果、侮れませんなぁ。ククク。

てことで、さっそく釣果、じゃなくて届いた荷物を確認します。

DSC_3303

オッ!マンボウかな?

DSC_3311

って、シリンダーヘッド、シリンダー、ピストン、それとプッシュロッドですね。

DSC_3313

燃焼室の状態はそれなりにカーボンの堆積がありますが

DSC_3315

走行距離の多い車輌ならどれもこんなもんですね。

DSC_3318

ヴァルヴも汚れてはいますが、ステムに嫌な傷も磨耗もありませんので、これなら再使用できます。ヴァルヴガイドのガタも気になったのは1箇所だけでした。

DSC_3352

EX側のヴァルヴシートはカーボンを噛みやすいので荒れてても無理はないんですが、

DSC_3333

気になるのは、IN側の吹き抜けたような跡ですね。ちゃんと閉じ切ってなかったんでしょうか。

DSC_3338

反対側も同じような感じですが

DSC_3343

状態は悪くありませんので、ヴァルヴフェイス研磨とシートカットで十分回復できそうです。

DSC_3339

シリンダーもクロスハッチがしっかり残ってますので

DSC_3320

これならピストンリングの交換だけで大丈夫そうですね。

DSC_3321

ただ、プッシュロッドのこの傷は気になりますね・・・。

DSC_3324

ということで、内燃機加工屋さんへ出すため、シリンダーヘッドとヴァルヴを洗浄します。

DSC_3356

ココまでキレイにするだけでも、けっこう大変です。

DSC_3363

おっし、準備OK。

DSC_3354

で、シリンダーヘッドをO/Hに出す前に、プッシュロッドの傷を確認しておきます。

DSC_3369

傷の位置を見ると、どうやらプッシュロッドチューブの下端で擦れたみたいです。

DSC_3387

プッシュロッド中央の傷は、シリンダーヘッドとシリンダーの接合部辺りにあります。

DSC_3394

プッシュロッドが通る穴を覗いてみても

DSC_3397

キレイに通っています。

DSC_3401

おそらく、過去に分解した際にガスケットの表裏を間違えて組んでしまい、そのときに傷が付いたんでしょう。正しく組んだガスケットに比べ

DSC_3416

裏返して組んだガスケットの場合、穴が小さくなるのが分かると思います。

DSC_3410

ガスケットは紙製で柔らかいのでプッシュロッド中央部にはあまり深い傷は付かなかったようですが、ガスケットのせいでストレスが掛かって曲がったロッドがプッシュロッドチューブの下端に接触したため、プッシュロッド下部には幅広な傷ができたんじゃないでしょうか。プッシュロッドは回転しながら上下に動きますから、ヴァルヴのリフト量を考えると納得です。
おそらく嫌な音がしてすぐに組み直したんだと思いますが、どうせならプッシュロッドも交換しておいて欲しかったですね。だって、まさか廃盤になってるとは・・・。

といったところで、シリンダーヘッドが内燃機加工屋さんから戻るまで、しばらく作業は中断になります。戻るまでの間にシリンダーとピストンの洗浄&点検も進めるつもりですが、少しバタバタしておりますので、作業再開までもうしばらくお待ちください。

 

(続く)

 

遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、O/Hを承っております。ご相談くださいッ!

ハッピー・サンデー。

少しずつ作業のご相談をしてくださるお客様が増えてきてはおりますが、基本、そんなに来客もなく、「オイオイ、この店、大丈夫か?」と心配&同情で気を引く作戦を続行中のモギーモータース、モギです。

なので、いつもならポツンと一人、作業や雑務を鼻歌まじりでこなしているんですが(ウソ)、そんな日曜日に・・・

以前に勤めていたお店のお客様がご友人と一緒に遊びに来てくださいましたッ!ギャー!

DSC_3283

こちらのR75/6は納車整備を担当した車輌ですので、その後、調子良く走られていることは知っていましたが、こうしてまた会いに来てくださるとはッ!しかもオヤツまでッ!有り難いことですッ!

お二人は25年くらいのお付き合いだそうで、オフロードや林道、ロングツーリングなど、いろんなバイクを乗り継ぎながら何度も一緒に楽しまれてきたとのこと。お話の様子から、とにかくバイクが好きで、よく走るお二人なのが伝わってきます。間違いない、ザ・バイクバカや・・・。

で、ちょっとしたご相談なども受けながら雑談を楽しんでいたところ・・・

「やっぱり、またなんか調子が悪くなってきたんだけど!」と、今度は先日納車したR100RSにお乗りのお客様がッ!ギャー!

DSC_3280

とりあえず、その場で点検&調整&交換をしてもう一度様子を見ていただくことにしましたが、その作業の間、何やらお三人で楽しそうに談笑していらっしゃいました。ウォー!なんかバイク屋っぽくなってきたー!

じゃなくて、何度も足を運んでいただき、申し訳ありません。次の作業でビシッと調子良く走れるようにしますので、もう少しお付き合いください。

などとバタバタが落ち着いた頃、またもやR65とR100RSにお乗りのお客様がッ!ギャー!

DSC_3285

こちらは、作業のご相談(R65)と冷やかし(R100RS)でしたが、途切れることのない来客に思わず「アレレ?なんでか前がよく見えないや。」と、あやうく眼科に行く寸前でした。

おかげさまで、皆さんがお帰りになったあと、いつも以上にポツン感がハンパなかったです。ご来店、有り難うございましたッ!

 

決して寂しがり屋ではありませんが、ご来店、お待ちしておりますッ!

風林火山。

速きこと風の如く
仕事はテキパキ頑張ります。
徐(しず)かなること林の如く
夜はご近所迷惑になるので、静かにします。
侵略すること火の如く
お客様の胸(ハート)に飛び込むときは、アツアツでまいります。
動かざること山の如く
疲れたときは、死んだように寝ることにしています。

ども、好きな言葉は「風林火山」、武田信玄の生まれ変わりじゃないかと勘違いするほど信玄餅大好き、モギーモータースのモギです。信玄!信玄!

 

「こんなに好きなんだから、オレこそが生まれ変わりに違いないッ!」

 

ということで、整備と修理が終わったR100RSを引き取りにご来店のお客様から、信玄餅を戴いてしまいました。なんということだッ!

DSC_3116

ゥンまああ~いっ!

2004

これ以上、何を言うことができるであろうかッ!(いや、できないッ!)

 

と、これまた懐かしの反語形を用いて表現してみましたが、久しぶりに食べると、ほんと美味しいですね。きな粉と餅の相性もさることながら、トロ~リと垂れる黒蜜が全体を絶妙にまとめ上げていて、「三食が信玄餅でも構わないッ!」という人がいるのも頷けます。しかも、お客様のお心遣いというスパイスが加わったことで、味の深みはそれはもう・・・ペロリでした。有り難うございましたッ!

しかし、あまりお客様からの戴き物の話をしますと、妻が「ズルいー!」と嫉妬してしまいますので、どうかお気になさりませんようお伝え申し上げておきます。

「あー、饅頭こわいわー。マジ、こわいわー。」

 

「信玄餅もらったけど、こんなに食べられないなぁ」とお困りの方、ご相談くださいッ!

西方(岐阜)から、フロントフォークのO/H。

またしても遠方のお客様から、フロントフォークO/Hのご依頼がッ!有り難いことですッ!

たまたま当店ブログを見てくださり、ご連絡をいただいたんですが、このお客様、あの「何を言っているのか。」のR100RSの前所有者だったんです。アララ!

DSC_1103

( ° o °)ハッ!

ポンコツとか書いてしまい、大変失礼致しました・・・。(でも事実)

 

なんでも、R100Tもお持ちだそうで、R100RSを手放したのはそちらの整備に専念したかったからだそうです。確かに、大掛かりな整備を要す車輌を2台も抱えるのは大変だと思います。

で、過去にBMWのGS系の車輌でフロントフォークは整備されたことがあるものの、古いタイプのフォークは初めてで、どうしても上手く動作させることができないとのこと。資料も不十分で、何が原因なのか分からないそうなので

DSC_3146

送っていただきました。Ate製キャリパーが付くタイプのフロントフォークです。

さっそく点検してみると、お客様の説明通りです。動作が異常に渋く、インナーチューブがまったくボヨンボヨンと動きません。通常、スプリングを抜いたこの状態ならダンパーロッドがスッと中に入って行くんですが、びくともしませんでした。

DSC_3156

分解してみると、すぐに原因が判明。このブッシュの位置を誤って組み立てていたみたいです。

DSC_3157

ちなみに、このブッシュはフロントフォークが伸び切ったときの緩衝材になりますので、ヘタってくると、センタースタンドを掛けてフォークが伸びたときにガコンと音がすると思います。/5や/6、Ate製キャリパーが付くタイプのフロントフォークの車輌にお乗りの方、思い当たる節がありましたら、ご相談ください。(苦い記憶が蘇ります・・・。)

そもそもお客様が入手されたときにこの状態だったそうなので、初めて分解、組み立てを行うときの「元の状態に戻せるように作業する」という意識が、今回はアダになってしまったようです。初めから正しく組まれていれば、このようなことはなかったと思います。

ということで、各部を点検しながら分解します。
片側インナーチューブのオイルシールの直近に、錆びて大きな傷ができています。

DSC_3149

反対側まで・・・。

DSC_3153

再めっき済みの在庫がちょうど用意できたトコロでしたので、こちらのインナーチューブは交換させていただきます。

もう一方のインナーチューブには大きな傷はありませんでしたが、小さな点錆が幾つかありました。お客様のほうでも軽く均されたようですが、当店でももう少し均しておきましたので、ちょっと心配ですがそのまま再使用します。どうか漏れませんように・・・。(祈り)

DSC_3154

ダンパーロッドにも傷がありましたので、こちらも軽く均して修正しておきます。

DSC_3160

ヴァルヴワッシャーも大きく変形していましたので、交換しました。

DSC_3163

てことで、バラバラにして

DSC_3174

洗浄します。

DSC_3178

ダンパーロッドは錆びやすいので、さっさと組み立てます。

DSC_3180

ヴァルヴ周りはこんな感じになります。誤って組まれていたブッシュの取り付け位置は、ココにくるのが正解です。

DSC_3182

ピストンリングの挿入にちょっとてこずりましたが、ダンパーロッドを挿入し、ビシッと組み立てました。動作もスムース、バッチリです!

DSC_3187

ココまで組めば、あと少し。アウターチューブを取り付けて、ボトムキャップナットをしっかり締め付けます。ちなみに、ココの締め付けトルクは80~100N・mです。

DSC_3206

オイルシールをガッツンガッツン打ち込めば

DSC_3212

作業終~了~。

DSC_3211

このタイプのフロントフォークはオイルを入れてお送りできませんので、この状態で発送致します。また、組み立て時に薄くオイルを塗っていますが、早めに車体に取り付けてフォークオイルを入れていただければと思います。動作確認はフォークオイルを入れてから、しかっり行ってください。

残りの整備が終わり、車輌を走らせられるようになりましたら、またご連絡ください。楽しいご報告、お待ちしております。この度はご依頼いただき、有り難うございましたッ!

 

つか、こんなトコロまで絡んでくるR65にお乗りのお客様、今回の作業でも「モギーモータースさんの仕事っすか?いや、悪くないんじゃないですかねぇ。」と、さりげなく広報まで担当していただいたそうで、これじゃ本当に足を向けて寝れません。やっぱり今度、方角を教えてください。オナシャス!

 

遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、O/Hを承っております。フロントフォークの渋い動き、ガタつきをなんとかしたい方、ご相談くださいッ!

 

オマケ

こちらのお客様、最近、CB93(CR93仕様)も仕上げられたそうです。ウォ~!大好物!これくらいの年代のバイクって、機械っぽさがムンムンしてて、本当に良いですよね~。お乗りのお客様も、アラやだ、カコイイ・・・。(嫉妬)

5018

キック!キック!キック!

少し前の話になりますが、以前、キックスターターを取り付けさせていただいたR65にお乗りのお客様、今度はキックレヴァーの交換&加工にご来店くださいました。有り難いことですッ!

どうやら、キックレヴァーがステップに干渉しているのも気にせず

DSC_0993

「いやぁ~、嬉しくって何度もキックしちゃいましたよ!(ニヤリ)」とのことで、ステップを曲げてしまったそうです。ノォ~!

0170

で、ちょっと前に、曲がってしまったステップに干渉しないように旧型のストレートタイプのレヴァーに交換していました。(キックレヴァーの取り付けから日も経っていませんでしたので、車載のままレヴァーの交換ができました。グッジョブ、俺!)

DSC_2137

それでも、まだレヴァーの踏み込み部がステップのゴムに干渉するのが気になるということで、今回、踏み込み部をカットすることになりました。ついでに曲がったステップを交換し、ゴムも角型からより細身の丸型に変更します。

どうなのよッ!

DSC_2976

ドコにも干渉することなく、一気に踏み抜けるようになりました!イエス!

ただ、踏み抜いたときにフレームにガツン!とイキそうなので、ストッパー的なゴムも巻いてます。(もう少し硬質なゴムを探して、あとで交換します。)

DSC_2985

イイですね!ストロークも増えて掛けやすくなりそうですし、これなら遠慮なくガッツンガッツン何度でもキックできると思います。

つか、サッカーで鍛えた脚力に自信があること、まだまだ本気でキックしていないこと、そしてそれが事実であることは十分伝わりましたので、以後、ふんわりキックでお願いします。

DSC_3135

見てくださいッ!きっと、ステップも悲鳴を上げてましたよッ!(ある意味スゴイ)

それにしても、あらためてよく見ると、ガッツリ当たってるのが分かりますね。最初からこうしておけば良かったです、スミマセン・・・。

DSC_2979

てことで、少し前に行った作業の報告でした。

この度もご依頼いただき、有り難うございましたッ!それから、ご友人のR100RSの整備&修理、さらには新しいご友人の紹介までしていただき、重ねて有り難うございましたッ!こんなにお世話になってしまうと、もう足を向けて寝れません。今度、方角を教えてください。オナシャス!

 

キックスターターレヴァーを交換したい方、ステップを曲げるほどキックしちゃった方、ご相談くださいッ!

 

オマケ

こちらも少し前の作業になりますが、お客様が用意したショートタイプのフロントフェンダーの塗装も承りました。塗装はBMWの子持ちラインを描くことに慣れたペインターさんの仕事になりますので、当店はただの窓口になりますが、純正色(に近い色)での再塗装やオリヂナルパターンでの塗装にもお応えできます。塗装をお考えの方、整備や修理のついでにご相談ください。

DSC_2983