西方(兵庫)から、R65の点検&整備&修理。(その2)

これまでに遠方から何度も作業をご依頼くださったものの、「やっぱり、ちゃんと見てもらいたいッ!」とわざわざ兵庫から自走してご来店になったお客様のR65、納期は暖かくなる頃までなんですが、コツコツ進めております。

つか、なんか暖かくなり始めてる気がするッ!マズイ、早く仕上げなければッ!ニャー。

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ということで、まずはエアクリーナーハウジングの交換からスタートです。

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というのも、こちらの車輌、年式からいえば本来はこのタイプのハウジングではないんです。前の所有者が古いタイプに交換されたみたいなんですが、チグハグだったキャブレター同様、何かがオカシイそうで、オリヂナルに戻したいとのこと。

それと、ココもやっぱり気になりますね。お客様もおっしゃっていましたが、確かにオイル滲みがちょっと激しいです。

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取り外してみると、こんな感じでオイルが溜まってました。

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ブリーザーヴァルヴも疑ってましたが、こちらは問題ありあせんでした。

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で、お客様がネットオークションで手配された後期のモノに交換します。オイル滲みの原因は、この黒いケースの中にあるホースやパイプ、ダクトに相当するモノが一切なかったことでした。

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このホースやパイプはブローバイガスをキャブレターに導いて燃焼させる役割を担っていますので、ココを省略しちゃうとブローバイガスに含まれるオイルの一部がエアクリーナーハウジング内に溜まってしまいます。古いタイプのハウジングでも同じようにキャブレターへと導くホースがあるんですが、この車輌にはソレがなかったのであのようなオイル滲み、オイル溜まりができちゃったんですね。

てことで、できました。エンヂンのトップカヴァーもお客様が用意したモノに交換しています。キレイに塗装もしてあって、良いんじゃないでしょうかッ!

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バッテリーホルダーも外していますので、そのままドライヴシャフトのブーツの交換とまいります。

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取り外したスウィングアーム、上から見ても分かりませんが

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下側はかなりオイルが滲んだ跡が・・・。

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ピヴォットベアリングもご覧の通り。アウターレースの状態はイマイチでしたが、ベアリングにゴロゴロした感じもありませんので、交換するほどでもないと判断しました。ご予算の都合もありますし、今回はキレイにしてたっぷりグリスアップして対応します。

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当然、フレーム側もかなり汚れてますので、こちらもキレイにします。

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取り外したブレーキペダルやロッドなんかも

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ピヴォット周りの部品と一緒にキレイにしておきます。

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同時に、トランスミッションのオイルも抜きまして

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オイル滲みの激しいニュートラルスウィッチも交換です。

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今回は英国moto-bins取り扱いの対策品を使用しました。実はこのスウィッチ、以前にお買い上げくださったモノでしたが、結局、モギーが交換することになろうとはッ!なんともッ!有り難いことですッ!

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あ、トランスミッションの奥のほうにはオイルが垂れた跡はありませんでしたので、しばらくは大丈夫かと。ココからのオイル漏れはトランスミッションを降ろさないとどうにもなりませんので、一安心ですね。

一通り整備が終わったので、スウィングアームを戻します。

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ピヴォット周りもビシッと整備して、汚れもしっかり落としました。

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何度やってもちょっと手強いブーツもピタッと取り付けましたので、もうオイルが滲むこともないと思います。イエス!

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そうそう、ブレーキロッドもお客様がお持ち込みになったステインレス製のモノに交換しました。錆知らずのこのロッド、イイですね~。

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せっかくなので、クリップピンも交換しています。¥260/個(税抜)ですから、よろしいかと。

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他にも外した部品をアレコレ戻せば、作業終~了~。

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と思いきや、エアクリーナーハウジングを交換したことでバッテリーのケーブル(左)が上手く接続できませんでした・・・。このタイプのハウジングにはモノサスでも使用されている端子が曲がったケーブルが使われていたハズなんですが、過去に交換されたのでしょうか。

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たまたま在庫していた中古のケーブルに交換し、こうなりました。うーん、スマートやわ~。

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ケーブルを交換するついでに、さりげなくワッシャーとスペーサーも追加しています。ブリーズボルトの穴の通りも確認済みです。フフフ。

なんかノッてきたんで、エンヂン周りの整備も進めることにします。

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オイルフィルターの取り付け方を点検してくださいとのことでしたが、問題ありませんでした。千切れてしまったガスケットとちょっと変形していたO-リング(白)は交換しています。それと、O-リング(白)のハミ出し具合が少し足りない気がしましたので、スペーサーを1枚追加しました。次回、フィルターを交換される際は同じ状態で取り付けていただければOKです。

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また、オイルプレッシャースウィッチのトコロからもオイル滲みがあるとのことでしたが、こちらはスウィッチの取り付け部が荒れていたのが原因のようでした。丁寧に均しておきましたので、もう大丈夫かと。スウィッチ自体は新しいモノですので、ガスケット(代替品)のみ交換しています。

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さらに、O/H後の走行距離が1000kmに到達していますので、シリンダーヘッドのスタッドボルトの増し締めと、ヴァルヴクリアランスもビシッと規定値に調整しておきました。すごく静かなアイドリングで、とても良いエンヂンに仕上がっているッ!と思います。

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写真はありませんが、オイルパンのボルトも増し締めしておきましたので、これで気になるオイル漏れ、滲みはなくなったんじゃないかと。試乗して確認するまで油断はできませんが、まず大丈夫そうです。

といったところで、今回の作業は終了です。残すはフロント周りだけとなりました。やってやるッ!暖かくなる前にッ!(焦り)

 

(続く)

 

遠方からでも車輌をお預かりしての整備&修理を承っております。ご相談くださいッ!

R60/7、J&Pカスタム。(その7)

「気軽に乗れるようにしっかりと整備して、ボロボロにヤレた外観でカッコ良く仕上げたいッ!」というR60/7、たっぷりお時間はいただいていますが、少しずつ作業を進めています。

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今回はエンヂン周りの作業です。といっても、入庫して間もなくエンヂンオイルの交換までは終えていましたので、そのご報告から。

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抜いたオイルに特に異常は見られませんでしたが、オイルパンを外して洗浄しています。底に溜まったスラッヂにも金属粉はありませんでした。一安心です。

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で、ジャブジャブ洗浄してキレイにし

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オイルフィルターも交換しました。過去の整備履歴が分からないので、このくらい見ておかないとちょっと心配なんですよね。

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案の定、フィルターカヴァーのO-リング(白)の取り付け方が誤っていて、クッキリと跡が付いてましたし。しかも、古いタイプのオイルフィルターに使われているO-リング(黒)もフィルター挿入部の奥に残っているという・・・。

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バッテリーを充電すればすぐにでもエンヂンが掛かりそうな感じでしたが、やっぱりガマンして正解でした。これで、最初のエンヂン始動をキレイなオイルと正しく組みつけられたフィルターで行えますからね。これがアメリカなら、とっくに「イエーイ!R60/7、コイツはサイコーだぜ!」って走り出してるんでしょうか?心配だわー。

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などというテキトーな想像はこのくらいにして、本日の作業、ヴァルヴ周りの点検とクリアランスの調整を行います。

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ついでに、ココもキレイにします。これじゃ、キャブレターが取り付けられませんので。

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よく見ると

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オイルプレッシャースウィッチのトコロにも乾いた砂が。

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シリンダーの上側がキレイだったので油断していましたが、覗いてみたら下側もエライことになってました。ズコー。

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ちょっと擦っただけで、砂や泥が固まったモノがポロポロと落ちてきます。こりゃ、キレイにするのも大変そうです・・・。

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気を取り直し、ヴァルヴ周りの作業に取り掛かります。ヘッドカヴァーに液体ガスケットが使用されていましたが(アメリカでもメジャーな手法なんですかね?)

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幸い、ロッカーアームとヴァルヴのステムエンドには異常はありませんでした。グッド!

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で、シリンダーヘッドをキレイにし、ロッカーアームを元通りに組み付けます。ほぼゼロだったヴァルヴクリアランスも規定値にビシッと調整しました。決まったッ!

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ついでに、ヘッドカヴァーをお客様ご希望の黒いモノに交換すれば、ヴァルヴ周りの点検&調整はOKです。カヴァーは中古なので表面の状態はイマイチですが、ピタッと閉じていますので漏れや滲みは起きないと思います。車輌の雰囲気にもある意味マッチしていますので、よろしいかと。(もう少し状態の良いモノも探してみます。)

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あ、カヴァーのラインも正しくなりました。この角型のカヴァーは左右を入れ替えると向きがズレちゃうんですよね。丸型は左右共通みたいですが。

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と、もう少し進めたかったんですが、思ったよりもエンヂンの清掃にてこずりそうなので、作業の順序を変更することにしました。ちょっと物足りないですが、本日はココまで。

 

てことで、続きはまた後日になります。やってやるー!

 

(続く)

 

オイルパンの洗浄やオイルフィルターの交換、ヴァルヴ周りの点検&調整も承っております。ご相談くださいッ!

 

オマケ

タイミングホールに堆積した物体を見て、まだまだ先は長そうだと感じるモギーなのであった・・・。

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R60/7、J&Pカスタム。(その6)

「気軽に乗れるようにしっかりと整備して、ボロボロにヤレた外観でカッコ良く仕上げたいッ!」というR60/7、たっぷりお時間はいただいていますが、少しずつ作業を進めています。

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今回はフロント周りの作業です。

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まずはホウィールを外しまして、ベアリングを点検します。アウターレースに嫌な傷もないですし、ゴロつきもありませんでしたが、ちょっとホウィールの回り方が重いので、あとでシム調整してみます。それにしても、いたるトコロに砂が・・・。

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キレイにして、たっぷりグリスアップしておきました。

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ついでに、ブレーキをダブルディスク化するので中古良品のディスクに交換します。

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続きまして、ステムベアリングです。

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ガビーン。ココも漏れたグリスに砂が付いて固まっているッ!

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ガソリンタンク下のマスターシリンダーはハンドルにマウントするタイプに変更しますので、取り外しちゃいます。お疲れ様でした。

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エンヂンを整備するときに、ココの汚れもキレイにせねば・・・。

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気を取り直し、ベアリングの点検です。ウォッ!ココにも砂がッ!

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上側は気になる打痕はなさそうでしたが

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下側はやっぱりゴリゴリしてました。交換ですね。

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取り外してよく見ると

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下側(左)だけじゃなく、上側のアウターレースにも打痕がありました。ズコー。

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ベアリングを外してキレイにします。ヘッドライトステイとフォークブーツの回り止めのロールピンも1本折れていましたので、打ち換えておきました。

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フレームをキレイにしてから

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新品のベアリングに交換してステム周りを取り付けます。

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フロントフォークもダブルディスク化にともない黒いモノに変更しますので、再めっき済みのインナーチューブを使用してO/Hします。

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ダンパーロッドもビシッと組み立てたので

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ヴァルヴ周りも新品のような動作を実現ッ!しっかり機能するに違いないッ!

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ダンパーロッドの動きもスムースでした。

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フロントフォークを組み立てて、フォークオイルを入れてしっかりエア抜きすれば

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できました。

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で、トップブリッヂを黒いモノに交換、ハンドルもお客様がお持ち込みになった黒い幅広のモノに変更して

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ようやく終わりが見えてきました。気付きにくいですが、下がり気味だった左ウィンカーの向きも修正しています。フフフ。

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シム調整したホウィールも軽~く回っているッ!

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実は、ココからが意外と大変なんです。お客様がお持ち込みになったハンドルの外径は22.2mmの一般的なモノでして、純正ハンドルの外径(22mm)より大きいんです。

なので、レヴァーブラケットやスロットルグリップの穴を拡大しないと入りません。

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裏側に溜まった汚れも落とさないと・・・。

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なかなか手強かったですが、左右のブラケットとスロットルグリップの穴の拡大も上手くできましたので、キレイに洗浄します。

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ハンドル側にマウントするマスターシリンダーは、ちょっと前にキャリパーと一緒にO/Hしておきました。今回、このキャリパーの出番はありませんが。ちなみに、マスターシリンダーはφ14のモノにしました。

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仮組みしたところ、元のクラッチケーブルでは長さが足りませんでしたので、少し長めのモノに交換します。

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クラッチスウィッチは古いモノで、しかもハーネスの端子だけ残ってましたので

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たまたま在庫していた中古スウィッチに交換しておきました。高年式のスウィッチはハーネスも一体になっているのが分かるでしょうか。

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変更することになりそうですが、スウィッチの裏側の汚れもキレイにしておきます。

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できました。

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ハンドル右側もバッチリです。スロットルもクイックイッ動くッ!

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(動画でご覧いただけます。)

黒く、幅広になったハンドル、良いんじゃないでしょうかッ!

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まだメーターを戻していませんが、お客様もおっしゃっていた通り、このままのほうが良さそうですね。

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そして、ブレーキキャリパーもO/H。

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ピストンにわずかに点錆がありましたが、シールには当たらなそうなので再使用しています。ピストンはシール込みで片側¥12,500(税抜)しますので、交換せずに済むのであればそうしたいところです。

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純正部品に設定はありませんが、輸入屋ビーマーさんでシールのみの取り扱いがありますので、こちらは交換しています。ちなみに、片側¥3,795(税抜)です。

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ピストンもスムースに挿入できました。ダストシールを入れるのはちょっと大変でしたが。

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ブレーキパッドも新品です。O-リングも忘れていないッ!

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フロントフォークにキャリパーを取り付ければ

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フロント周りの作業は終~了~。

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フロントフォークとハンドルが黒くなって、またまた雰囲気が出てきたんじゃないでしょうかッ!まだ残している部分もありますが、今回の作業はとりあえずココまで。フゥ~。

近く金属加工屋さんにサブフレームの修正と幾つかの部品のフィッティングをお願いするので、その間にエンヂンとトランスミッションの整備も進めねば。ゴー!俺、ゴー!ゴー!

 

(続く)

 

ホウィールベアリングからステムベアリング、フロントフォークにハンドル、ブレーキキャリパーまで、フロント周りの整備も諸々承っております。ご相談くださいッ!

 

オマケ

作業を進めている週末に、「コレを使いたいんですよね。」とお客様がサドルバッグをお持ち込みになったんですが・・・、すでに使い込まれているッ!ホワット・ハプン!(何があったんですか?の意)

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まだ国内未登録なのに、ずいぶん昔から走ってきているかのようです。なにコレ、ヤバイ・・・。(良い意味で)

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西方(兵庫)から、R65の点検&整備&修理。

気が付けば1ヶ月ほど前のことになりますが、これまでに遠方から何度も作業をご依頼くださっているR65にお乗りのお客様、「やっぱり、ちゃんと見てもらいたいッ!」ということで、わざわざ兵庫から自走してご来店くださいました!まだ寒いのにッ!ほんとにキター!

しかも「暖かくなる頃に引き取りに来ますので、ゆっくり作業を進めてください。」だって!いやん、モギー好みのお仕事・・・。

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でも、暖かくなる頃っていつでしょう?夏かしら?(すっとぼけ)

たっぷりお時間をいただいておりますが、それに甘んじるモギーではありません。急ぎの作業の合間にコツコツ進める所存でありますッ!

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てことで、さっそく「始動性が悪く、アイドリングが安定するまでに時間が掛かるんです。」というトコロから確認しました。

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(動画でご覧いただけます。)

アララ、お客様のおっしゃる通り、冷えた状態からの始動性と安定性がとっても悪いです。シリンダーヘッドとキャブレターのO/Hもしているのに、コレは・・・。

なので、ジェットニードルのクリップ位置を変更します。

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どうなのよ!

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(動画でご覧いただけます。)

バッチリですね。ほぼ時間を空けず撮影した動画でコレですから、原因はジェットニードルのクリップ位置で間違いありません。

実はキャブレターをO/Hさせていただいた際に右側がオリヂナルのセッティングのように思ったんですが、左右のキャブレターがチグハグな組み合わせだったため確信が持てず、手元の資料を信じてセッティングしたのがいけなかったようです。といっても、他に参考にできるものがないのでどうしようもなかったのですが、お客様には大変申し訳ないことをしてしまいました。今回のご依頼分の作業をしっかりやらせていただきますので、お許しください・・・。

 

と、一番の問題が片付きましたので、そのまま作業続行です。このプラグコードやフューエルホース、ケーブルの煩雑な感じをどうにかしたいとのことでした。

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フューエルホースについては、コックをストレートタイプからL字タイプに変更することで取り回しをスッキリさせることになりましたので、ついでにタンク内の洗浄も行います。

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コックを外すと、茶色いモノが・・・。

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わずかな量ですが茶色く汚れた水が残っていました。タンクの中は再コーティングされていて、状態も悪くありませんでした。

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で、英国moto-binsから取り寄せたコックに交換。一晩置いても滲みなしでした。イエス!

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お次は、お客様が「ゴリッと重くて疲れるんです。」とおっしゃていたスロットル周りです。確かに、ケーブルの動きがちょっと渋くなってますね。それと、スターター(チョーク)ケーブルもかなり窮屈な取り回しで、スターターの戻りが悪くなってました。

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グリップにはゴリッゴリッという引っ掛かりがあり、スロットル操作が気持ち良くないッ!そして重いッ!

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(動画でご覧いただけます。)

原因の1つはコレ、スロットルギアが2本引き用になっていることでした。

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ケーブルが引き戻された状態で、完全に切り欠きが塞がっているのが分かるでしょうか。

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1本引き用のスロットルギアならこの通り。

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スロットルギアを交換すれば良いだけなんですが、現在入手できるギアはちょっと変更されていて、カヴァーも交換しないと使用できません。ギアとカヴァーの軸部の形状が違うので、新旧を組み合わせられないんです。中古良品の在庫もないため、お客様には負担になってしまいますが、ご了承ください。

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また、ゴリッゴリッという引っ掛かりの原因はグリップ側のギアでした。修正してみても改善しなかったので、中古のグリップに交換しました。

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スロットルケーブルも交換しています。上が外したモノです。

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スロットルギアに繋がるケーブル(右)に変なクセがついていますし、分岐したあとの2本のケーブルもお疲れのようでしたので。

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スターターのケーブルも、こんな具合です。

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さあ、どうなのよ!

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(動画でご覧いただけます。)

良いんじゃないでしょうかッ!まだ少し渋さはあるんですが、これはスロットルギアとカヴァーの一部にちょっと強い接触があるためです。下手に修正するよりも当たりが付くのを待ったほうが良いような気がしますので、しばらくはこの状態で様子を見ていただければと思います。いつまでたっても渋いようなら・・・、あらためてご相談ください。

あ、強引な営業により当店オリヂナルのスターターノブを取り付けさせていただきましたが、このスッキリ感が得られれば納得していただけるんじゃないかと。いかがでしょう?

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さらに、お持ち込みのプラグコードも短縮加工して交換しました。が、このコイルはちょっと気になります。この灰色の樹脂性ボディのコイル、ときどきボディに亀裂が発生して不具合を起こすことがあるようです。もし失火して吹け上がりが悪くなるような症状が現れたら、まずココを疑ってみてください。

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で、上から見ても、スッキリしました!

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どうですかッ!

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やってやったぞッ!

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(動画でご覧いただけます。)

キャブレターのセッティングも正しくなりましたし、スロットル周りを整備して同調も調整し直しましたので、ご来店時に比べると格段にエンヂンの吹け上がりは良くなっていると思います。もう少し作業を進めたら試乗してみるつもりですが、良い感じに仕上がっているようで楽しみです!

ということで、また時間を見て作業を進めます。

 

(続く)

 

遠方からでも車輌をお預かりしての整備&修理を承っております。ご相談くださいッ!

 

オマケ

車輌をお持ち込みいただいた際、お客様からまたしてもお菓子をいただいちゃいました。神戸の名物だそうで、サクサクした食感と甘みのあるクリームに、舌鼓がポンポン鳴りっぱなしでした。星、三ッつです!

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R60/7、J&Pカスタム。(その5)

「気軽に乗れるようにしっかりと整備して、ボロボロにヤレた外観でカッコ良く仕上げたいッ!」というR60/7、たっぷりお時間はいただいていますが、少しずつ作業を進めています。

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今回は燃料系の整備を。まずはフューエルコックからです。

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元のガソリンタンクから外したコック、やっぱり砂がスゴイんですが

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分解して洗浄してみると、意外にも状態は良好でした。

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おそらく交換されて間もないコックだったんじゃないでしょうか。コレならそのまま組み立てて使えそうです。

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先に洗浄しておいたタンクに取り付けておきます。漏れませんように。(祈り)

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続いてキャブレターです。

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1年ちょっと前まで動いていた車輌だけあって、そんなに状態は悪くなさそうです。

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やっぱり砂が入り込んでますが。

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フロートチャンバー内も十分キレイだと思います。

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で、バラバラに分解。

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このスライドタイプのキャブレターは、見慣れたCVタイプのキャブレターとはかなり構成部品が異なりますね。

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取り外したガスケットやO-リングは

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形は保っていても、この通り。

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乾いた砂の汚れはありますが、キャブレターボディの状態は良好でした。

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てことで、ジャブジャブ洗浄してキレイにします。

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各通路もキレイに通りました。バッチリです!

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真鍮部品も洗浄だけで輝きが戻ってきました。ジェット類の詰まりもないッ!良いキャブレターになりそうな予感がするッ!

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あ、ジェットニードルのクリップ位置が左右で異なっていましたので、資料を基にそろえておきました。

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あと、片側のフロートピンがイマイチでしたので交換しておきます。

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しっかり組み立てて、油面調整もビシッと決めれば

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できました。

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ピストンヴァルヴを取り付けてキャブレターをエンヂンに戻したいところですが、作業はココでストップです。このタイプのキャブレターはスロットルケーブルを直接ピストンヴァルヴに取り付けるため、ハンドルを変更するこの車輌の場合、スロットルケーブルの長さが変わるので二度手間になってしまいますので。キャブレターをエンヂンに戻すのはハンドルを交換してスロットルケーブルの長さが確定してからになります。幾つかの部品も入荷待ちですし、先にやっておきたい作業もありますので、準備ができたら再開ということで。

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ということで、次はフロント周りの作業です。ゴー!俺、ゴー!

 

(続く)

 

フューエルコックのO/Hや、ちょっと珍しいスライドタイプのキャブレターのO/Hも承っております。ご相談くださいッ!

西方(岐阜)から、アレやコレのO/H。(その2)

半年ほど前にR100RS(モノサス)を入手された「現在の状態が良いのか悪いのか判断できないッ!」というお客様からのアレやコレのO/H、引き続き作業を進めます。

 

フロントフォークとブレーキキャリパーはO/Hが終わりましたので、残りのキャブレターに取り掛かります。どうかな~?

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ピストンヴァルヴがけっこう汚れていますが、動きは渋くありませんでした。

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スターター周りからガソリンが滲んだ跡もそれほど酷くはないですね。

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バタフライの動きもOKです。

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そんじゃ、バラバラに分解しましょー!

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フロートチャンバーに錆のような汚れがありました。ガソリンタンク内の錆が回ってきていたんでしょうか。

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比較的キレイに見えますが

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ココにも錆のような跡があります。ちょっとガソリンタンクの中の様子が気になりますね。

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スターターの中の汚れは一般的な感じです。

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O-リングはどれも劣化していました。

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てことで、ジャブジャブ洗浄します。

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なんか、すっごくキレイになりました!

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キレイになっただけじゃなく、洗浄中にちょっと通りが悪いような気がしたスロー系の通路も、洗浄後はしっかり通ったことを確認しています。

フロートチャンバーやスターター、ピストンヴァルヴもご覧の通りです。

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各ジェット類も通路に詰まりはありませんでした。油面もビシッと決まったッ!

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スターターとバタフライシャフトの動作もバッチリです。

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バタフライもピタッと閉じているッ!

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ダイアフラムとスプリングも状態は悪くありませんので、そのまま再使用します。

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できました。

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うーん、良いんじゃないでしょうかッ!

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新品に近い雰囲気を感じますね、見たことは当然ありませんけど。アハハ。

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バタフライの閉じ具合が正にそんな感じなんです。普段、閉じ具合の調整にはけっこう気を遣うんですが、このキャブレターはすんなり決まっちゃいましたので。ココがピタッと閉じると、オォッ!と嬉しくなるんですよね。

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もちろん使用感はありますが、とても良い状態に仕上がったと思います。イエス!

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というわけで、この度はフロントフォーク、ブレーキキャリパー、そしてキャブレターとまとめての作業のご依頼、有り難うございましたッ!ブレーキについては、メールでお伝えした幾つかの点も点検して鳴きが治まるかどうか確認していただければと思います。フロントフォークとキャブレターもO/Hしましたので、エンヂンに問題でもなければかなり調子の良い車輌になると思いますが、また何か気になることがありましたら遠慮なくご相談ください。良いご報告をお待ちしておりますッ!

 

遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、O/Hを承っております。ご連絡くださいッ!

西方(岐阜)から、アレやコレのO/H。

またまた遠方から、フロントフォークとブレーキキャリパー、そしてキャブレターのO/Hのご依頼がッ!有り難いことですッ!

こちらのお客様、半年ほど前にR100RS(モノサス)を入手されたそうなんですが、「現在の状態が良いのか悪いのか判断できないッ!」とのことで、当店ブログのコメント欄からお問い合わせくださいました。こうしたブログを見てのお問い合わせがあるということは、少しずつ認知度が上がってきていると考えて良いのでしょうか。

 

確実にッ!お仕事がッ!増えてきているッ!ような気がしないでもないッ!

ドッギャァーン

 

まとめて部品が届き、ちょっとテンションが上がってまいりましたので、さっそく作業に取り掛かります。

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まずはフロントフォークから。摺動部に擦れた跡はありますが、傷や錆はないですね。

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反対側もキレイで、オイルシールからも滲みなしです。

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アクスルシャフトをクランプするボルトの頭が1箇所ナメているとのことなので、中古のボルトを探して交換しておきます。ココのボルト、純正部品は廃盤なんですよね。

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てことで、分解します。

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ちょっと汚れてはいますが、ダンパーロッドの状態は良さそうです。

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インナーチューブに曲がりはありませんし

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フォークスプリングも左右ともにほぼ同じ寸法でした。

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これなら、しっかり洗浄して組み立てれば十分良い状態に戻りそうですね。

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ダンパーロッドのピストンリングも磨り減っていませんでしたので、キレイにして再使用しました。

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ガタつきもなく、スムースに動くッ!

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フロントフォークを組み立て、オイルを規定量入れれば

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できました。良いんじゃないでしょうかッ!

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あ、フォークトップのO-リングが硬くなってたので交換しています。

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それと、フォークボトムにあるダンパーロッドを固定するボルトも交換しました。

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続きまして、ブレーキキャリパーの作業に取り掛かります。

ブレーキの鳴きが気になるとのことでしたが、分解してみるとピストンもすんなり抜けましたし、キャリパーの中もキレイな状態でした。フロントフォークもそうでしたが、ちゃんと整備されている車輌のように思います。

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元の状態が良いと、洗浄するのが少し楽ですね。グッド!

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ピストンに傷もなく、

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キャリパー内部もしっかりキレイになりました。

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パッドピンも交換されたばかりみたいな輝きです。

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ということで、シールを交換してビシッと組み立てれば

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できました。

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パッドの残りも十分でしたので再使用しましたが、まだ鳴きが気になるようでしたら、あらためてご相談ください。

さあ、次はキャブレターのO/Hです。ファイトー!

 

(続く)

 

遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、O/Hを承っております。ご連絡くださいッ!

西方(高知)から、キャブレターO/H。

またまた遠方のお客様から「始動性がイマイチで、アイドリングも不安定、右キャブレターからはオーヴァーフローが・・・」とのお問い合わせがあり、メールで数回のやり取りをさせていただいたんですが、症状はあまり改善されなかったようで・・・キャブレターのO/Hをご依頼くださいましたッ!有り難いことですッ!ウォー!仕事が少しずつッ!増えているッ!のではないかッ!

 

などとハシャいでる場合じゃありせんでした。さっそく届いたキャブレターを確認します。

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こちらのお客様の車輌は初期のショーホウィールベースのR75/5、しかもサイドカー仕様になっているそうで、走行距離は60,000km越えとのこと。片側のペイントは剥がれていますが、型番は揃っています。資料からもR75/5用で間違いないようです。

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20年ほど納屋で眠っていた車輌とお聞きしましたが

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1971年製ということを考えれば相応の雰囲気で

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とても良い状態だと思います。

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といっても、トップカヴァーのマイナスネジの頭が傷んでいて、緩めるのにかなり気を遣いました。現在もこのネジは純正部品が出るものの、残念ながらプラスネジに変わっています。この雰囲気のキャブレターにピカピカのネジは似合いそうにないので、無事に緩んでホッとしました。ネジの頭をナメたりしたら・・・。いやー、おっかなかったー。

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鬼門のネジも外れたので、バラバラに分解します。

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中の状態もすごくキレイですね。やはり、保管状態が良かったんでしょうか。

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スターターヴァルヴの中もこんなにキレイですし。

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ただ、O-リングはパイロットスクリューのモノを除き

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どれもカチカチになっていましたので、これだとO-リング本来のシール性はまったく期待できないですね。本格的なO/Hは今回が初めてなのかもしれません。

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バタフライシャフトなんて、こなにクルクル回っちゃいました。

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(動画でご覧いただけます。)

てことで、いつものようにジャブジャブ洗浄してピカピカにします。内部の通路はしっかり通っていましたし、錆はありますが汚れはキレイに落ちましたので、良い状態に戻る予感がするッ!

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真鍮部品もキレイに磨いておきました。もちろん、ジェット類の通りも確認済み。問題ありませんでした。

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O-リングとガスケットを交換し、しっかり組み立てます。フロートの高さもビシッと調整しました。

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んで、スロットルとスターター周りもキッチリ組み付けます。

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そのスターターヴァルヴ、洗浄中に穴の通りを確認していて気付きましたが、やっぱり右側キャブレターのヴァルヴの穴が1箇所開いていませんでした。この4つ穴のタイプはもう部品では出ないと思いますし、スターター機能にもそれほど影響しませんから、そのまま再使用しています。逆に、こういう不良はちょっとレアな気もしますので。

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ダイアフラムは少しヤレた感じですが、伸びも破れもありませんでしたので再使用しました。

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マイナスネジの頭も軽く修正し、しっかり締め付ければ

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できました。

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良いんじゃないでしょうかッ!

と、今回は発送するその前に、オーバーフローの症状をお聞きしていましたのでテストしておきます。

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ガーン、数分で滲みが出てるー。

右だけじゃなく、左もアヤシイ!オ~ゥ、ノー!

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新品(下)と比べると、確かにニードルヴァルヴの先端に少し当たりが付いてはいるものの、この程度なら大丈夫だと思ったんですが・・・、ダメでした。この金属製のヴァルヴはちょっと繊細すぎる気がします。先端がゴムのタイプであれば、多少の段付きがあっても漏れたりしないんですけどね。

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で、ニードルヴァルヴを交換して再度テストしたところ、10分以上放置しても漏れも滲みもありません!これなら発送できるッ!バンザイ!

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これにて、作業終~了~。

 

ということで、この度はキャブレターのO/Hのご依頼、有り難うございましたッ!R75/5は古い車輌ですが、しっかりと整備されていれば以降の2V-OHVにも劣らない走りを見せてくれると思いますので、是非、他の部分も丁寧に点検&整備されて、快調なR75/5を存分にお楽しみください。かなり遠方ではありますが、また何かありましたら遠慮なくご相談いただければと思います。良いご報告をお待ちしておりますッ!

 

遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、O/Hを承っております。ご連絡くださいッ!

R100RS、エンヂン不調の点検&修理。

ちょっとへヴィな作業がようやく片付き、少しのんびりしようかと思っていた午後、突然、初めてのお客様がご来店にッ!「急にエンヂンの吹け上がりが悪くなったんですけど、ちょっと見てください。」とな?エッ?エッ?チョット マッテ クダサーイッ!でも、有り難いことですッ!

 

こちらのR100RSにお乗りのお客様、26歳とまだお若いんですが、学生時代に自動車部に所属していたそうで、ご自分で整備しながら通勤でビシバシ走っているとのこと。ウォー!若いビーエム乗りがキター!ウレスィー!

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で、さっそくキャブレターを点検&調整してみたんですが症状は改善せず、結局、このダイナコイルが故障していました。当店でもダイナコイルを取り扱っていますが、ブラウンのコイルはときどきこういう症状が出るモノがあるようなので、モノサス系にはブルーのコイルをオススメしているんですよね。ついでに、「ヘッドカヴァーのガスケットも千切れてオイルがポタポタと・・・」とのことで、こちらも交換させていただきました。

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コイルを交換してアイドリングもビシッと調整し、吹け上がりもバッチリになりました。しっかり同調も取り直しましたので、コレで本来のR100RSのエンヂンフィールを味わえるんじゃないでしょうか。それにしても、この赤いモトコ製シートとバチバチに貼られたスティッカー、なんかイイですね!

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ということで、この度はご来店と修理のご依頼、有り難うございましたッ!お若いビーエム乗りの存在は嬉しい限りですので、何かお力になれることがありましたら遠慮なくご相談ください。また、R80RTにお乗りだというご友人にも、是非、宜しくお伝えください。またのご来店をお待ちしておりますッ!

 

エンヂンの吹け上がりが悪い方、突然の点検&修理も承っております。ご連絡くださいッ!

R100/7T、クラッチの点検とトランスミッションのO/H。(その2)

「昨日まで何ともなかったのに、急に半クラが上手くできないッ!なぜッ!」と、当店ブログを見てお問い合わせくださったお客様のR100/7T、引き続き作業を進めています。

 

昨日、トランスミッションのO/Hは終えましたので、今日はクラッチ周りの作業とオイル漏れの激しいフライホウィールの奥の点検&修理です。

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さっそくクラッチ周りを取り外します。

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プレッシャープレートに溜まったフリクションプレート(クラッチ板)が磨り減って出たダストの量がスゴイですね。走行距離が90,000kmを超えていることを考えればこれくらいはしょうがないと思いますが、このタイプのクラッチはダストの排出がイマイチなのかもしれません。2本サス後期やモノサスで使用されているクラッチはもっと排出しやすい形状のプレートとカヴァーに見えますので、改善されているんでしょうね。

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オイル漏れを確認するため、フライホウィールも取り外します。取り外す際にリングギアに付いた汚れが、このあとの清掃の大変さを物語っているッ!

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やっぱり、オイルポンプカヴァーのトコロからオイルが漏れてました。それにしても、この汚れは・・・。

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泣き言を言ってもキレイになりませんので、ジャブジャブ洗浄します。ウォー!

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元のオイルポンプカヴァーのO-リング(黒)、すっかりツブれて硬くなってました。これじゃ、漏れて当然ですね。

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エンヂン側もキレイにしたら、オイルポンプカヴァーとフライホウィールを戻します。写真では表現できませんが、すんごく苦労しているッ!

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フリクションプレートは厚さが5mmくらいまで減っていて(使用限度4.5mm)、また表面もイマイチな感じでしたので新品に交換します。ちなみに、新品の厚さは6mmです。

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しっかりセンターを出してクラッチを取り付けます。うーん、良いんじゃないでしょうかッ!

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トランスミッションを戻す前に、カヴァーやブレーキペダル、シフトペダルもキレイにしておきます。

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グリスは残っていますが、せっかくなのでしっかり整備したいですね。

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トランスミッションを戻しまして

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定番のスピードメーターの取り出し部のブーツも交換し、

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ピカピカになったブレーキペダルなんかも取り付ければ

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できました。イエス!

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と思ったら、お客様から「ブレーキもやっちゃってください。」とのご連絡がッ!作業が終わってホッと気を抜いてたのにー。でも、有り難いことですッ!

てことで、まずはリアブレーキのシューの交換から。

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ブレーキシューは当店取り扱いのEBC製です。ブレーキカムやアームはキレイにしてグリスアップします。

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ビシッと利くんじゃないでしょうかッ!

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続いてフロントブレーキです。Ate製キャリパーはちょっと変わってるんですよねー。

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こんな感じの部品構成になります。

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忘れちゃいけないのが堀北真希さんがしているO-リング。コレがピストン側のパッドに付きます。

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で、コレが外したブレーキパッド。ギリギリまで使い切ってます。イイですね~。ガンガン走られるだけじゃなく、こういうトコロもちゃんと気に掛けていると、トラブルは少なくなりますよね。

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パッドを交換し、お客様も気にしていたちょっと濁りのあるブレーキフルードも交換すれば

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作業終~了~。

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さっそく試乗してみると、クラッチの繋がり、切れ具合も良く、シフト操作もスコスコになりました!ついでに味わったミクニ製VMキャブレターも、スロー系がちょっと薄い感じでしたがセッティングもしっかり出ているようで、BINGとはまるで違う加速感で速かったです!作業しながら感じていましたが、しっかりと整備された良い車輌ですねー。

 

ということで、この度はトランスミッションやクラッチ周りに加え、ブレーキまで作業をご依頼いただき、有り難うございましたッ!これで、またしばらくはガンガン走れると思いますので、ちょっと寒いですがR100/7Tを存分にお楽しみくださいッ!今後とも、宜しくお願い致しますッ!

 

クラッチ周りの点検、修理だけでなく、ブレーキパッドとブレーキシューの交換も承っております。ご相談くださいッ!