長期不動のR80、トランスミッションO/H。

ちょっと前に仕入れた長期不動のR80、少しずつ再生に向けて進んでいます。

シリンダーヘッドを内燃機屋さんに預けている間に、できる作業を進めます。
お次は、トランスミッションのO/Hです。

トランスミッションを取り外し、分解します。
分解には特殊工具やちょっとした設備が必要になるので、個人でやるにはハードルの高い作業ですね。

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各ギアを確認します。状態は悪くないですね。

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シフト関係も異常なし。過去にO/Hされてるみたいです。

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と思ったら、アウトプットフランヂのオイルシールとの接触部に錆びて虫食いが・・・。

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ガーン、スピードメーターへの回転を取り出すギアにも!

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幸いにも中古良品があったので、ソレと交換ですね。

カヴァーの汚れや

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ケースの汚れはそれなりです。

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ただ、オイルドレインの穴に付着したオイルを見ても分かりますが、抜いたオイルを見た感じ、なんか開けたほうが良いような気がしたんですよね。

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こういうトコロにスラッヂが溜まってますし。

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ということで、ケースを洗浄し、ベアリングを交換して組み立てます。

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外したベアリングの状態も、ちょっとガタがありましたがまだまだ大丈夫そうでした。

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シフト周りも各部品を確認し、組み立てます。
一般的なバイクで使われているシフトドラムとは異なり、BMWのシフト機構はちょっと複雑ですね。

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よく折れるスプリングは社外品(左)に交換されてました。
対策部品っぽいのでそのままでも良さそうでしたが、当店での使用実績がないので純正部品に交換します。でも、なんか良さそうです。

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シフト周りを組み込んで、ほぼカタチになりました。

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もちろん、オイルシールも交換済みです。

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ココまで来れば、あとはシム調整するだけです。
どうも、工場出荷時は一律でスタンダードなシムで組まれているみたいなんですが、O/Hする際にはしっかりシム調整したほうが良いですね。ビシッと決まれば、スムースにクルクル回ります。

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新品のガスケットを使用して

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カヴァーを乗せたら、オイルシールを打ち込みます。

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虫食いの酷かったアウトプットフランヂとスピードメーター用のギアは、程度の良い中古部品に交換です。またストックを探さねば・・・。

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で、最後の難関。
アウトプットフランヂを220±15N・mで締め付ければ

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完成です!

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組み立て後、しばらく放置した後にインプットシャフト、アウトプットシャフトを手で回してみましたが、クルクルと軽~く回りました。なんか、良いトランスミッションになりそうな予感。ウヒヒ。

こうなると、試乗するのが楽しみになってきますね~。

 

(続く)

 

長期不動車でも、そうでない車輌も、トランスミッションのO/H、承っておりますッ!

長期不動のR80、フューエルコックO/H。

ちょっと前に仕入れた長期不動のR80、少しずつ再生に向けて進んでいます。

シリンダーヘッドを内燃機屋さんに預けている間に、できる作業を進めます。
キャブレターのO/Hに続き、フューエルコックのO/Hです。

分解したフューエルコックも頑張ってキレイに洗浄します。

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あのトロ~リとした残留物も

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完全に除去できました。
パッキンとO-リングの状態は悪くなかったので、再利用です。

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このネジ式のフタの取り付けは、コツを覚えてても大変ですね。
何度やっても指先が痛みます。

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バッチリです!レヴァーの動きもカチッ、カチッと決まります。

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パイプを中古良品と交換し、moto-binsで取り扱っているストレーナーを用意すれば完成です。黒いプラスチック製のインヂケーターも交換すれば、新品みたいに見えるかも?

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しかし、ガソリンタンクをどうしよう・・・。

 

(続く)

 

長期不動車でも、なんとかします。ご相談くださいッ!

長期不動のR80、キャブレターO/H。

ちょっと前に仕入れた長期不動のR80、少しずつ再生に向けて進んでいます。

シリンダーヘッドを内燃機屋さんに預けている間に、できる作業を進めます。
てことで、キャブレターのO/Hです。

やっぱり、まずは洗浄から。

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汚れはキレイに落ちましたが、

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あの白く粉を吹いていたフロートチャンバーには

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まだ白いのが残ってますね・・・。もう一頑張りしますッ!

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真鍮部品も汚れを落とし、ジェット類は通路の詰まりを確認します。

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レヴァーやネジ類もキレイにします。

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O-リングを交換する前に、真鍮部品は磨いてやりました。ピカピカしてキレイですね。

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で、組み立てです。

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ニードルヴァルヴの状態もマズマズなので、再利用して様子を見てみます。

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フロートも見た目ほど悪くなさそうです。

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ビシッと油面調整してやります。

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錆が回っていたバタフライ周りも

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ココまでキレイになりました。
腐食の跡は残りましたが、使用には問題ないですね。

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ピストンヴァルヴ、ダイアフラム、トップカヴァーを取り付けて、

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スターター(チョーク)も向きに気をつけて取り付けます。

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スターターとスロットルのリターンスプリングは錆が酷かったので、新品を奢りました。

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できました!

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こうなると、エンヂンに火を入れるのが待ち遠しくなりますね。

 

(続く)

 

長期不動車でも、なんとかなります。ご相談くださいッ!

長期不動のR80、現状把握。(その3)

ちょっと前に仕入れた長期不動のR80、少しずつ再生に向けて進んでいます。

エンヂン腰上を分解できたので、さっそく洗浄してみました。
まずは、シリンダーヘッドから。

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あの燃焼室が・・・

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かなりキレイになりました!

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もちろん、反対側もピカピカです。

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錆が回っていたインテイクポートも、ココまでキレイになりました。
あともう一息です。

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イグゾウスト側は問題なし、ピカピカです。

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続いて、シリンダーも。

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38,000kmの走行距離を考えると、この状態はさずがBMWですね!

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ついでなので、プッシュロッドチューブも抜いて

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moto-binsで取り扱っているステインレス製のチューブに交換しときました。
プッシュロッドチューブがキレイになると、印象も違ってきますね。

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で、フランヂナットの取り付け部分もネジ山も修正しておきました。
右側のダメーヂはまだマシなんですが、

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左側は修正してもかなり傷んでます。

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なんとかフランヂナットはスムースに回るようになりましたが。

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よく見ると、締め付ける方向にネジ山が潰されています。
フランヂナットの取り付け部分にダメーヂのある車輌は意外と多いですが、正しい取り扱いをすればココまでヒドくなることはそうそうないです。
無理やり締め付けたり、強引に外そうとしたりせず、壊す前にディーラーや専門店に相談してくださいね。

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さ、シリンダーヘッドを内燃機屋さんに出そっと。

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まだまだこれからッス。

 

(続く)

 

長期不動車やテキトーに整備されていた車輌には、要注意ッ!

長期不動のR80、現状把握。(その2)

ちょっと前に仕入れた長期不動のR80、少しずつ再生に向けて進んでいます。

ガソリンタンクとキャブレターの状態からも、エンヂン腰上は開けないとマズそうなので、重い腰を上げて頑張ります。

いきなりの洗礼です。
イグゾウストパイプのフランヂナットが回りません。こりゃ、割って外すしかないですね。

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マジかよ・・・、まだほとんど回してないんスけど!

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反対側はまだマシな状態でした。

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なんとかシリンダーヘッドの取り外しに成功したものの、

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やっぱりココにも錆が回ってます。

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ヴァルヴを外せばこの通り。

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もちろん、ヴァルヴもこの有様。ヴァルヴガイドにもガタが出てました。

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続いて、シリンダーとピストンを取り外します。

どうやら、左側のシリンダーは一度開けられているようですね。黒いガスケットが塗られています。

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プッシュロッドチューブにオイル汚れが堆積してます。

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ガーン。やっぱり、ココにもガスケット塗ってますよね。

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それでも、シリンダーの状態は良さそうです。クロスハッチがこんなにクッキリ!

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ピストンも汚れはヒドイですが、傷はほとんどなさそうです。

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ロッカーアーム周りも取り外して確認します。

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スリッパー部の状態は良好でした。意外と、このエンヂンは当たりかも?
タペットは全滅でしたが・・・。

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ちゃんと元通りになるかしら?

 

(続く)

 

長期不動車には、本当に要注意ッ!

長期不動のR80、現状把握。

ちょっと前に仕入れた長期不動のR80、少しずつ再生に向けて進んでいます。

最初に全体像を撮り忘れちゃったので、各部の状態を順にご紹介します。
てゆうか、全く魅力的に見えなかったので写真撮る気にならなかったんですよね・・・。

まず、ガソリンタンクのキャップがなかなか外れませんでした。

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錆びて固着してたので、キャップを破壊してどうにか外しましたが・・・

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中からは異臭が漂ってきて、今まで見たことないくらいヒドイ状態でした。

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コックを外せばご覧の通り。
揮発し切れなかったガソリンなのか、変な残留物がトロリと垂れてきます。

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当然、外したコックにも・・・。

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とりあえず分解してみましたが、

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コレ見ると、ヤル気が出しにくいです。

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続いて、キャブレターです。

パッと見はそれなりな感じでしたが、

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やっぱり、甘くありませんでした。

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フロートチャンバーを外してみると

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片側はヒドく白い粉を吹いてます。

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幸い、中までは影響なさそうでした。

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二ドールヴァルヴにも白いカス。

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スターター(チョーク)周りもなかなかの汚れ。

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ボディもかなり汚れてますが、

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ココの錆びはイヤですね。

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ま、なんとかなりそうですが。

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あまり見たことないですが、ココもかなり汚れてました。

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ま、ここまで分解してしまえば、あとは徹底的にキレイにしてやるだけですね。

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先は長いぜ~。

 

(続く)

 

長期不動車には、要注意ッ!

スカスカ、リアブレーキ。

仕入れたばかりのR100RS(2本サス)、順調に不具合を洗い出してます。

今度はリアブレーキです。
急にブレーキペダルのストロークが大きくなり、スカスカになっちゃいました。
エアでも噛んだかな?と思い、さっそくリザーヴタンクを確認してみると・・・

ガーン。

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なんか緑色したのがいます。フルード内にも細かい破片が浮いてるー。

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ダイアフラムの代わりに使ったんだと思いますが、耐フルード性のないモノを使うのはマズイです。幸い、中古のリザーヴタンクがあったので、そこからダイアフラムを取り出して使おうと思い洗浄したところ・・・

ガーン。

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破れちゃいました。
しょうがないので、ブレーキスウィッチ付きの中古のリザーヴタンクからパッキンだけ取り出して使うことに。純正部品を待つ間、なんとかコレでしのぎます。

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とりあえずタンク内をキレイにし、ブレーキフルードを満たして様子を見てみます。

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フロントもリアも、部品が揃ったら早めにO/Hしないとですね。
ただ、ブレーキディスクが手作り品なんだよなぁ・・・。

 

ブレーキのメインテナンスやO/Hも、お任せくださいッ!

R65、パニアケースの取り付け。

R65(2本サス)にお乗りのお客様、今度はパニアケースの取り付けと、ちょっとした作業のご依頼です。有り難いことですッ!

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R65(2本サス)は、パニアステイの取り付け位置も他の2本サスとちょっと違うので、専用のステイを用意する必要があります。が、コレがなかなか中古でも出物がありません。

なので、当店にたまたまあった使用予定のないパニアステイ(リアキャリア付き)を利用することになりました。
お客様の希望で「リアキャリアは不要」とのことなので、ズバッと切断します。ついでに、左右のステイも分割式に変更です。

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ズバッっと切断したら、せっかくなので汚れもキレイに落としてやります。

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で、車体に取り付け。バッチリですね。

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切断して開いた穴には、後日、グロメットを差し込む予定です。そうしないと、雨水が中に浸入しちゃって大変なことになりそうです。

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こちらも、当店にたまたまあった旧タイプのパニアケースです。状態は良くありませんでしたが、

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気合入れてキレイにしたらご覧の通り!しかも、左右セットで鍵付きです!
右パニアケース固定側の鍵穴が回りませんが・・・。

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ついでに、外したシートを見ていたらちょっと後端が変形していたので、

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簡単に修正しておきました。

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で完成です。イエス!

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と喜んでいたのも束の間、

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右側のパニアケースのヒンヂが割れました・・・。

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錆びてヒンヂ部の鉄板が薄くなっていたようです。左側はまだ使えそうですが、同じような錆び具合なので、そう遠くないうちに割れる可能性が高そうです。
幸いにも、SIEBENRROKでヒンヂの取り扱いがあったので、注文しておきます。

続けて、キャブレターのスターター(チョーク)ケーブルの取り外しです。
エアクリーナーケースの取り付け位置がズレていたので、その修正ついでのご依頼です。(作業途中の写真を撮り忘れました・・・。)

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スッキリして、イイですね!

しかし、スターターケーブルをただ外しただけでは、夏場は問題ありませんが、冬場のコールドスタートは不可能です。そこで登場するのが、

ジャーン!

コレは当店オリヂナルの新製品になります。キャブレターに直接取り付けるスターターノブです。コレがあれば、冬場も安心してスターターが使えますね。

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実際に取り付けた感じも、悪くないと思います。

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さらに、エアクリーナーケースの取り付け位置を調整している際に見つけたキャブレターの不具合を直したところ、アイドリングの状態がちょっと気になるようになりました。
今までは少し多めにアイドルアジャストスクリューを締め込んで、回転を上げて誤魔化していたようですが、どうも何かがオカシイ。

てことで、点火時期を確認してみます。

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タイミングマークが見にくいですが、やっぱりちょっと遅れてました。
せっかくなので、点火時期を調整する前に、ポイントギャップも先に確認しておきます。

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確認して正解、ちょっと狭いです。
このタイプのポイントギャップは0.40~0.50mmなので、範囲内にビシッ!と調整してやります。

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ついでに、見にくかったタイミングマークも白く塗っておきます。
こうしておけば点火時期の確認が楽になりますからね。

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というわけで、エンヂンを始動して点火時期を調整して、今回の作業は終了です。

イイですね!ますます調子良くなりました!

 

パニアケースの取り付けから、点火時期の調整まで、何でもご相談くださいッ!

西方(愛知)から、キャブレターO/H。

遠方のお客様からキャブレターのO/Hのご依頼です。
始動時に片肺の症状が出るそうで、メールのやり取りで色々とチェックしていただいたところ、どうやらキャブレター自体に原因がありそうだとの結論に。

さっそく、届いたキャブレターを確認。

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ちょっと左右のバタフライの開き方が違いますね。

左側
左側
右側
右側

分解前に全閉時のバタフライとメインボアとの隙間を確認しておきます。組み立て後、この状態よりも隙間が大きくなるようではバイク屋失格ですから。

左側
左側
右側
右側

と、よく見ると左側のバタフライを固定するネジの頭がなーい!
このネジはカシメてあるので、取り外すときは注意が必要なんです。そのままネジを緩めようとすると、ネジ穴をダメにするか、こんなふうにネジの頭を捻じ切ることに。
さて、どうやって外そうかしら・・・。

気を取り直し、さらに各部をチェックしながら分解していきます。

スターター(チョーク)内部はそんなに汚れてないですね。

左側
左側
右側
右側

ピストンヴァルヴのスライド部、メインボア内もキレイです。

左側
左側
右側
右側

フロートチャンバー内部もキレイです。

左側
左側
右側
右側

ちなみに、フロートを固定しているピンには向きがありますので、抜く方向に注意します。
よく見るとピンの先がギザギザに加工されている側と、無加工の側がありますので、無加工側→ギザギザ加工側へ細い棒(ピンポンチなど)で打ち抜きます。取り付けるときは、その逆になります。

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基本的には汚れも少なく、状態の良いキャブレターでした。

てことで、洗浄します。

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スターターヴァルヴの洗浄前、洗浄後です。このくらいの汚れは普通ですね。
このキャブレターはけっこう簡単にキレイになりましたので、そう遠くない時期にO/Hされているのかもしれません。

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洗浄が終わりました。

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パイロットスクリュー、スロージェット、メインジェットホルダー、スターターヴァルヴ、バタフライシャフトのO-リングを交換します。各ジェットの穴の状態も良く、詰まりは見られまれませんでした。
ついでに、これらの真鍮部品を軽く磨いてやります。キレイになると、やはり気持ちが良いですね。

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参考までに、各O-リングとの組み合わせです。

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取り外したガスケットとO-リング。純正部品と社外品が混在しているみたいです。
やっぱり、ガスケットやO-リングは純正部品のほうが良いですね。O-リングのサイズに見慣れないモノがありますし、社外品(右)のガスケットは一部が変形してしまっています。これでは、確実なシール性能は期待できませんから。

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で、今回の片肺の原因です。
よく見ると、スロージェットの取り付け部の穴の奥にゴムっぽいものがあります。

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実際、通路が塞がっているようで、スローポートとアイドルポートからの吐出量がまったくありません。

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ちなみに、正常な左側のキャブレター。

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穴の奥のアルミの肌がちゃんと見えてます。

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なんとか取り除き、左右で吐出量が同じくらいになりました。

原因が分かって解決すれば、あとは組み立てるだけです。
各ジェットを取り付け、パイロットスクリューを締め込み、フロート周りとガスケットを組み付けて

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フロート高さを調整し、

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フロートチャンバーでフタをすれば下側は終了です。

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続いて、スロットルとスターター周りの取り付け。
スターターヴァルヴの組み間違えに要注意です。間違えると、スターターが利きっぱなしになります。

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バタフライがメインボアをピッタリ塞ぐように。バッチリ決まったッ!

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ピストンヴァルヴにダイアフラムを取り付け、キャブレターボディに挿入します。
ダイアフラムには位置決めのための突起が表裏にありますので、ズレないように注意します。

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トップカヴァーを載せれば完成です。

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良い感じじゃないでしょうかッ!

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あとは、実際に取り付けていただいて、片肺の症状が直ったことが確認できればOKですね。
手元にΦ32のキャブレターを試せる車輌があれば実際にテストしてからお送りできるのですが、個人営業のバイク屋ですので、そうそう都合良く車輌があるハズもなく・・・。
今後の課題です。ガンバリマース。

 

遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、O/Hを承っております。ご連絡くださいッ!

ヴァルヴクリアランスの調整。

仕入れたばかりのR100RS(2本サス)、順調に不具合を洗い出してます。

キャブレターをO/Hしてアイドリングの不安定さも改善し、なかなか良い感じになりましたが、もう一歩踏み込んでみることにします。

そう、ヴァルヴクリアランスの調整です。

本来ならば先にやっておくべきことでしたが、シリコンガスケットがベットリはみ出たヘッドカヴァーを見て、トボけてました。

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意を決してヘッドカヴァーを外すと

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出ました、内側まではみ出たシリコンガスケット。

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ヘッドカヴァーのガスケットも、どうやら自作のようです。純正のガスケットはそんなに高くないんですが・・・。

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しかも、ロッカーアームを固定するナットが間違った向きで締め付けられてました。

ウーン、こういう作業で満足しちゃう人はバイクいじるの辞めた方が良いですね、大きなトラブルを起こす前に。厳しいことを言うようで、心苦しいですが・・・。

ヴァルヴクリアランスの調整は、エンヂンが冷えた状態なら、ヘッドカヴァーを開けて割りと簡単に終わる作業なんですが、こんなふうにガスケットが残ったりすると余計な手間が掛かっちゃいます。シリコンガスケットはまだ剥がしやすいですが、純正のガスケットでも古いモノなんかだともっと酷くこびり付いてたりして、剥がすだけで大仕事になるモノもあります。現在のガスケットだと、そんなに貼り付いたりしないんですけどね。

泣き言を言っても前に進まないんで、洗浄します・・・。

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キレイになりました。当たり面も確認しましたが、ほとんど歪みもありません。シリコンガスケットなんて使わなくても、漏れなかったんじゃない?と思うほどです。おそらく、自作のガスケットの厚みがなかったので、そのせいで漏れてたんでしょう。

ついでに、ロッカーアーム周りも確認します。

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ロッカーアームのスリッパー、ベアリングに異常はありませんでした。

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ヴァルヴのステムエンドも悪くないですね。

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シリンダーヘッド側の当たり面もキレイになりました。こちらは、左側のヘッドに多少の歪みはありましたが、オイル漏れするほどではなさそうです。

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てことで、ロッカーアームを取り付けて、

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ようやくヴァルヴクリアランスの調整です。

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調整前は左側シリンダー側は少し広く、右側がけっこう狭くなってましたが、調整後は左右とも規定値にビシッと決まりました。このタイプのロッカーアームはスラスト方向のクリアランスがキッチリ調整できないので、どうしても音が出やすいんですよね。モノサス以降ならシムで調整できるので、そんなことはないんですが。

ガスケットも新品にして、

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キレイになったカヴァーを取り付けたら終了です。

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さて、どうなるかな?

 

ヴァルヴクリアランスの調整も、お任せくださいッ!