西方(兵庫)から、R65の点検&整備&修理。(その2)

これまでに遠方から何度も作業をご依頼くださったものの、「やっぱり、ちゃんと見てもらいたいッ!」とわざわざ兵庫から自走してご来店になったお客様のR65、納期は暖かくなる頃までなんですが、コツコツ進めております。

つか、なんか暖かくなり始めてる気がするッ!マズイ、早く仕上げなければッ!ニャー。

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ということで、まずはエアクリーナーハウジングの交換からスタートです。

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というのも、こちらの車輌、年式からいえば本来はこのタイプのハウジングではないんです。前の所有者が古いタイプに交換されたみたいなんですが、チグハグだったキャブレター同様、何かがオカシイそうで、オリヂナルに戻したいとのこと。

それと、ココもやっぱり気になりますね。お客様もおっしゃっていましたが、確かにオイル滲みがちょっと激しいです。

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取り外してみると、こんな感じでオイルが溜まってました。

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ブリーザーヴァルヴも疑ってましたが、こちらは問題ありあせんでした。

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で、お客様がネットオークションで手配された後期のモノに交換します。オイル滲みの原因は、この黒いケースの中にあるホースやパイプ、ダクトに相当するモノが一切なかったことでした。

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このホースやパイプはブローバイガスをキャブレターに導いて燃焼させる役割を担っていますので、ココを省略しちゃうとブローバイガスに含まれるオイルの一部がエアクリーナーハウジング内に溜まってしまいます。古いタイプのハウジングでも同じようにキャブレターへと導くホースがあるんですが、この車輌にはソレがなかったのであのようなオイル滲み、オイル溜まりができちゃったんですね。

てことで、できました。エンヂンのトップカヴァーもお客様が用意したモノに交換しています。キレイに塗装もしてあって、良いんじゃないでしょうかッ!

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バッテリーホルダーも外していますので、そのままドライヴシャフトのブーツの交換とまいります。

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取り外したスウィングアーム、上から見ても分かりませんが

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下側はかなりオイルが滲んだ跡が・・・。

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ピヴォットベアリングもご覧の通り。アウターレースの状態はイマイチでしたが、ベアリングにゴロゴロした感じもありませんので、交換するほどでもないと判断しました。ご予算の都合もありますし、今回はキレイにしてたっぷりグリスアップして対応します。

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当然、フレーム側もかなり汚れてますので、こちらもキレイにします。

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取り外したブレーキペダルやロッドなんかも

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ピヴォット周りの部品と一緒にキレイにしておきます。

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同時に、トランスミッションのオイルも抜きまして

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オイル滲みの激しいニュートラルスウィッチも交換です。

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今回は英国moto-bins取り扱いの対策品を使用しました。実はこのスウィッチ、以前にお買い上げくださったモノでしたが、結局、モギーが交換することになろうとはッ!なんともッ!有り難いことですッ!

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あ、トランスミッションの奥のほうにはオイルが垂れた跡はありませんでしたので、しばらくは大丈夫かと。ココからのオイル漏れはトランスミッションを降ろさないとどうにもなりませんので、一安心ですね。

一通り整備が終わったので、スウィングアームを戻します。

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ピヴォット周りもビシッと整備して、汚れもしっかり落としました。

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何度やってもちょっと手強いブーツもピタッと取り付けましたので、もうオイルが滲むこともないと思います。イエス!

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そうそう、ブレーキロッドもお客様がお持ち込みになったステインレス製のモノに交換しました。錆知らずのこのロッド、イイですね~。

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せっかくなので、クリップピンも交換しています。¥260/個(税抜)ですから、よろしいかと。

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他にも外した部品をアレコレ戻せば、作業終~了~。

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と思いきや、エアクリーナーハウジングを交換したことでバッテリーのケーブル(左)が上手く接続できませんでした・・・。このタイプのハウジングにはモノサスでも使用されている端子が曲がったケーブルが使われていたハズなんですが、過去に交換されたのでしょうか。

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たまたま在庫していた中古のケーブルに交換し、こうなりました。うーん、スマートやわ~。

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ケーブルを交換するついでに、さりげなくワッシャーとスペーサーも追加しています。ブリーズボルトの穴の通りも確認済みです。フフフ。

なんかノッてきたんで、エンヂン周りの整備も進めることにします。

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オイルフィルターの取り付け方を点検してくださいとのことでしたが、問題ありませんでした。千切れてしまったガスケットとちょっと変形していたO-リング(白)は交換しています。それと、O-リング(白)のハミ出し具合が少し足りない気がしましたので、スペーサーを1枚追加しました。次回、フィルターを交換される際は同じ状態で取り付けていただければOKです。

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また、オイルプレッシャースウィッチのトコロからもオイル滲みがあるとのことでしたが、こちらはスウィッチの取り付け部が荒れていたのが原因のようでした。丁寧に均しておきましたので、もう大丈夫かと。スウィッチ自体は新しいモノですので、ガスケット(代替品)のみ交換しています。

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さらに、O/H後の走行距離が1000kmに到達していますので、シリンダーヘッドのスタッドボルトの増し締めと、ヴァルヴクリアランスもビシッと規定値に調整しておきました。すごく静かなアイドリングで、とても良いエンヂンに仕上がっているッ!と思います。

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写真はありませんが、オイルパンのボルトも増し締めしておきましたので、これで気になるオイル漏れ、滲みはなくなったんじゃないかと。試乗して確認するまで油断はできませんが、まず大丈夫そうです。

といったところで、今回の作業は終了です。残すはフロント周りだけとなりました。やってやるッ!暖かくなる前にッ!(焦り)

 

(続く)

 

遠方からでも車輌をお預かりしての整備&修理を承っております。ご相談くださいッ!

R60/7、J&Pカスタム。(その6)

「気軽に乗れるようにしっかりと整備して、ボロボロにヤレた外観でカッコ良く仕上げたいッ!」というR60/7、たっぷりお時間はいただいていますが、少しずつ作業を進めています。

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今回はフロント周りの作業です。

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まずはホウィールを外しまして、ベアリングを点検します。アウターレースに嫌な傷もないですし、ゴロつきもありませんでしたが、ちょっとホウィールの回り方が重いので、あとでシム調整してみます。それにしても、いたるトコロに砂が・・・。

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キレイにして、たっぷりグリスアップしておきました。

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ついでに、ブレーキをダブルディスク化するので中古良品のディスクに交換します。

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続きまして、ステムベアリングです。

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ガビーン。ココも漏れたグリスに砂が付いて固まっているッ!

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ガソリンタンク下のマスターシリンダーはハンドルにマウントするタイプに変更しますので、取り外しちゃいます。お疲れ様でした。

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エンヂンを整備するときに、ココの汚れもキレイにせねば・・・。

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気を取り直し、ベアリングの点検です。ウォッ!ココにも砂がッ!

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上側は気になる打痕はなさそうでしたが

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下側はやっぱりゴリゴリしてました。交換ですね。

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取り外してよく見ると

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下側(左)だけじゃなく、上側のアウターレースにも打痕がありました。ズコー。

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ベアリングを外してキレイにします。ヘッドライトステイとフォークブーツの回り止めのロールピンも1本折れていましたので、打ち換えておきました。

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フレームをキレイにしてから

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新品のベアリングに交換してステム周りを取り付けます。

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フロントフォークもダブルディスク化にともない黒いモノに変更しますので、再めっき済みのインナーチューブを使用してO/Hします。

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ダンパーロッドもビシッと組み立てたので

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ヴァルヴ周りも新品のような動作を実現ッ!しっかり機能するに違いないッ!

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ダンパーロッドの動きもスムースでした。

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フロントフォークを組み立てて、フォークオイルを入れてしっかりエア抜きすれば

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できました。

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で、トップブリッヂを黒いモノに交換、ハンドルもお客様がお持ち込みになった黒い幅広のモノに変更して

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ようやく終わりが見えてきました。気付きにくいですが、下がり気味だった左ウィンカーの向きも修正しています。フフフ。

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シム調整したホウィールも軽~く回っているッ!

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実は、ココからが意外と大変なんです。お客様がお持ち込みになったハンドルの外径は22.2mmの一般的なモノでして、純正ハンドルの外径(22mm)より大きいんです。

なので、レヴァーブラケットやスロットルグリップの穴を拡大しないと入りません。

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裏側に溜まった汚れも落とさないと・・・。

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なかなか手強かったですが、左右のブラケットとスロットルグリップの穴の拡大も上手くできましたので、キレイに洗浄します。

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ハンドル側にマウントするマスターシリンダーは、ちょっと前にキャリパーと一緒にO/Hしておきました。今回、このキャリパーの出番はありませんが。ちなみに、マスターシリンダーはφ14のモノにしました。

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仮組みしたところ、元のクラッチケーブルでは長さが足りませんでしたので、少し長めのモノに交換します。

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クラッチスウィッチは古いモノで、しかもハーネスの端子だけ残ってましたので

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たまたま在庫していた中古スウィッチに交換しておきました。高年式のスウィッチはハーネスも一体になっているのが分かるでしょうか。

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変更することになりそうですが、スウィッチの裏側の汚れもキレイにしておきます。

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できました。

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ハンドル右側もバッチリです。スロットルもクイックイッ動くッ!

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(動画でご覧いただけます。)

黒く、幅広になったハンドル、良いんじゃないでしょうかッ!

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まだメーターを戻していませんが、お客様もおっしゃっていた通り、このままのほうが良さそうですね。

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そして、ブレーキキャリパーもO/H。

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ピストンにわずかに点錆がありましたが、シールには当たらなそうなので再使用しています。ピストンはシール込みで片側¥12,500(税抜)しますので、交換せずに済むのであればそうしたいところです。

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純正部品に設定はありませんが、輸入屋ビーマーさんでシールのみの取り扱いがありますので、こちらは交換しています。ちなみに、片側¥3,795(税抜)です。

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ピストンもスムースに挿入できました。ダストシールを入れるのはちょっと大変でしたが。

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ブレーキパッドも新品です。O-リングも忘れていないッ!

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フロントフォークにキャリパーを取り付ければ

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フロント周りの作業は終~了~。

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フロントフォークとハンドルが黒くなって、またまた雰囲気が出てきたんじゃないでしょうかッ!まだ残している部分もありますが、今回の作業はとりあえずココまで。フゥ~。

近く金属加工屋さんにサブフレームの修正と幾つかの部品のフィッティングをお願いするので、その間にエンヂンとトランスミッションの整備も進めねば。ゴー!俺、ゴー!ゴー!

 

(続く)

 

ホウィールベアリングからステムベアリング、フロントフォークにハンドル、ブレーキキャリパーまで、フロント周りの整備も諸々承っております。ご相談くださいッ!

 

オマケ

作業を進めている週末に、「コレを使いたいんですよね。」とお客様がサドルバッグをお持ち込みになったんですが・・・、すでに使い込まれているッ!ホワット・ハプン!(何があったんですか?の意)

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まだ国内未登録なのに、ずいぶん昔から走ってきているかのようです。なにコレ、ヤバイ・・・。(良い意味で)

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西方(岐阜)から、アレやコレのO/H。

またまた遠方から、フロントフォークとブレーキキャリパー、そしてキャブレターのO/Hのご依頼がッ!有り難いことですッ!

こちらのお客様、半年ほど前にR100RS(モノサス)を入手されたそうなんですが、「現在の状態が良いのか悪いのか判断できないッ!」とのことで、当店ブログのコメント欄からお問い合わせくださいました。こうしたブログを見てのお問い合わせがあるということは、少しずつ認知度が上がってきていると考えて良いのでしょうか。

 

確実にッ!お仕事がッ!増えてきているッ!ような気がしないでもないッ!

ドッギャァーン

 

まとめて部品が届き、ちょっとテンションが上がってまいりましたので、さっそく作業に取り掛かります。

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まずはフロントフォークから。摺動部に擦れた跡はありますが、傷や錆はないですね。

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反対側もキレイで、オイルシールからも滲みなしです。

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アクスルシャフトをクランプするボルトの頭が1箇所ナメているとのことなので、中古のボルトを探して交換しておきます。ココのボルト、純正部品は廃盤なんですよね。

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てことで、分解します。

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ちょっと汚れてはいますが、ダンパーロッドの状態は良さそうです。

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インナーチューブに曲がりはありませんし

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フォークスプリングも左右ともにほぼ同じ寸法でした。

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これなら、しっかり洗浄して組み立てれば十分良い状態に戻りそうですね。

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ダンパーロッドのピストンリングも磨り減っていませんでしたので、キレイにして再使用しました。

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ガタつきもなく、スムースに動くッ!

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フロントフォークを組み立て、オイルを規定量入れれば

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できました。良いんじゃないでしょうかッ!

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あ、フォークトップのO-リングが硬くなってたので交換しています。

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それと、フォークボトムにあるダンパーロッドを固定するボルトも交換しました。

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続きまして、ブレーキキャリパーの作業に取り掛かります。

ブレーキの鳴きが気になるとのことでしたが、分解してみるとピストンもすんなり抜けましたし、キャリパーの中もキレイな状態でした。フロントフォークもそうでしたが、ちゃんと整備されている車輌のように思います。

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元の状態が良いと、洗浄するのが少し楽ですね。グッド!

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ピストンに傷もなく、

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キャリパー内部もしっかりキレイになりました。

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パッドピンも交換されたばかりみたいな輝きです。

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ということで、シールを交換してビシッと組み立てれば

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できました。

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パッドの残りも十分でしたので再使用しましたが、まだ鳴きが気になるようでしたら、あらためてご相談ください。

さあ、次はキャブレターのO/Hです。ファイトー!

 

(続く)

 

遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、O/Hを承っております。ご連絡くださいッ!

R100/7T、クラッチの点検とトランスミッションのO/H。(その2)

「昨日まで何ともなかったのに、急に半クラが上手くできないッ!なぜッ!」と、当店ブログを見てお問い合わせくださったお客様のR100/7T、引き続き作業を進めています。

 

昨日、トランスミッションのO/Hは終えましたので、今日はクラッチ周りの作業とオイル漏れの激しいフライホウィールの奥の点検&修理です。

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さっそくクラッチ周りを取り外します。

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プレッシャープレートに溜まったフリクションプレート(クラッチ板)が磨り減って出たダストの量がスゴイですね。走行距離が90,000kmを超えていることを考えればこれくらいはしょうがないと思いますが、このタイプのクラッチはダストの排出がイマイチなのかもしれません。2本サス後期やモノサスで使用されているクラッチはもっと排出しやすい形状のプレートとカヴァーに見えますので、改善されているんでしょうね。

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オイル漏れを確認するため、フライホウィールも取り外します。取り外す際にリングギアに付いた汚れが、このあとの清掃の大変さを物語っているッ!

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やっぱり、オイルポンプカヴァーのトコロからオイルが漏れてました。それにしても、この汚れは・・・。

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泣き言を言ってもキレイになりませんので、ジャブジャブ洗浄します。ウォー!

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元のオイルポンプカヴァーのO-リング(黒)、すっかりツブれて硬くなってました。これじゃ、漏れて当然ですね。

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エンヂン側もキレイにしたら、オイルポンプカヴァーとフライホウィールを戻します。写真では表現できませんが、すんごく苦労しているッ!

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フリクションプレートは厚さが5mmくらいまで減っていて(使用限度4.5mm)、また表面もイマイチな感じでしたので新品に交換します。ちなみに、新品の厚さは6mmです。

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しっかりセンターを出してクラッチを取り付けます。うーん、良いんじゃないでしょうかッ!

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トランスミッションを戻す前に、カヴァーやブレーキペダル、シフトペダルもキレイにしておきます。

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グリスは残っていますが、せっかくなのでしっかり整備したいですね。

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トランスミッションを戻しまして

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定番のスピードメーターの取り出し部のブーツも交換し、

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ピカピカになったブレーキペダルなんかも取り付ければ

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できました。イエス!

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と思ったら、お客様から「ブレーキもやっちゃってください。」とのご連絡がッ!作業が終わってホッと気を抜いてたのにー。でも、有り難いことですッ!

てことで、まずはリアブレーキのシューの交換から。

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ブレーキシューは当店取り扱いのEBC製です。ブレーキカムやアームはキレイにしてグリスアップします。

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ビシッと利くんじゃないでしょうかッ!

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続いてフロントブレーキです。Ate製キャリパーはちょっと変わってるんですよねー。

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こんな感じの部品構成になります。

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忘れちゃいけないのが堀北真希さんがしているO-リング。コレがピストン側のパッドに付きます。

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で、コレが外したブレーキパッド。ギリギリまで使い切ってます。イイですね~。ガンガン走られるだけじゃなく、こういうトコロもちゃんと気に掛けていると、トラブルは少なくなりますよね。

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パッドを交換し、お客様も気にしていたちょっと濁りのあるブレーキフルードも交換すれば

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作業終~了~。

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さっそく試乗してみると、クラッチの繋がり、切れ具合も良く、シフト操作もスコスコになりました!ついでに味わったミクニ製VMキャブレターも、スロー系がちょっと薄い感じでしたがセッティングもしっかり出ているようで、BINGとはまるで違う加速感で速かったです!作業しながら感じていましたが、しっかりと整備された良い車輌ですねー。

 

ということで、この度はトランスミッションやクラッチ周りに加え、ブレーキまで作業をご依頼いただき、有り難うございましたッ!これで、またしばらくはガンガン走れると思いますので、ちょっと寒いですがR100/7Tを存分にお楽しみくださいッ!今後とも、宜しくお願い致しますッ!

 

クラッチ周りの点検、修理だけでなく、ブレーキパッドとブレーキシューの交換も承っております。ご相談くださいッ!

R100RS(2本サス)、リアブレーキの修理。

以前に整備させていただいた「何を言っているのか。」のR100RSにお乗りのお客様、昨年末に「リアブレーキがスカスカするんですけどー!」とのことでご来店いただいたんですが、ブレーキラインの点検&増し締めだけして様子見をお願いしたところ、「やっぱりスカスカするんですけどー!」と、年明けすぐに再度ご来店くださいました。ズコー。

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ということで、車輌をお預かりして、もう一度キャリパーを外して分解&整備することになりました。

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ガーン。キャリパーの連結部が濡れとるー。

ピストンシールからは漏れや滲みはありませんでしたが、漏れたブレーキフルードが付着していますので、また分解して洗浄します。

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前回は予算の都合で見送ったシールも、今回は交換します。

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ブレーキフルードが滲んでいた連結部のO-リング、新品(左)と比べるとかなり潰れてるのが分かります。O-リングさん、なんで納車前に教えて(漏れて)くれないの・・・。

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漏れないように祈りを込め、ビシッと組み立てます。

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ついでに、やっぱり気になる伸びちゃったダイアフラムも交換しちゃいます。

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で、またしてもちょっとアクロバチックな体勢でエア抜きすれば

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できました。ブレーキタッチも良いッ!キュッと利いているッ!

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実際に少し長めに試乗して確認してみましたが、漏れや滲みもありませんでしたので、もう大丈夫だと思います。ホッ。

それと、ブレーキランプが点いたり点かなかったりするそうなので、その点検も。原因は電球の接触不良でしたので、接点を修正しておきました。

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また、お預かりしている間に「ちょっと充電してやっか」と思ったら、電源ソケットへのハーネスが誤って接続されていて充電できませんでしたので、直しておきました。

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オマケでキャップ(中古)も付けましたので、是非、電源ソケットをご活用ください。バッテリーの充電はもちろん、

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Hella(ヘラー)ソケット対応のUSBチャーヂャーを挿せばケータイやスマホの充電もできますので。

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この度は、こちらの点検、整備が至らず度々足を運ばせてしまい、申し訳ありませんでした。今回の整備でしっかりと直りましたので、今後は安心してリアブレーキを踏み込んでいただけると思います。フロントブレーキも同様にシールを交換していませんが、現在まで漏れや滲み、引き摺りもありませんし、利きも十分良いですので、交換は次回以降の車検整備のタイミングでも良さそうです。すでに納車してから2,000kmほど走られていますから、走ることで現れる(見えてくる)不具合はしばらくないような気もしますが、また何かオカシイと感じることがありましたら、遠慮なくご相談ください。今回も修理のご依頼、有り難うございましたッ!

 

納車後しばらくして「ブレーキがスカスカするー!」ような場合でも、責任持って対応させていただきます。いただきますッ!

西方(岡山)から、キャリパー加工。

(下書きしたまま更新しそこねていましたので)かなり前の作業になりますが、遠方のお客様からのご依頼で、4ポットキャリパーの取り付けのお手伝いをさせていただきました。有り難いことですッ!

注)
こちらの車輌、R80のお買い上げの前に作業を終えていますので、以下の内容は書き溜めていた作業の予約投稿になります。現在進行中のように書いていますが、すでにモギーモータースは年末年始の休業モードに入っているッ!ご注意くださいッ!

 

所有される車輌はR65(モノサス)のシングルディスク仕様だそうですが、もう少しブレーキを強化(ダブルディスク化)するついでに、4ポットキャリパーも試してみたいとのこと。遠方のため車輌の持ち込みは難しいので、メールでのやり取りとキャリパー単体での加工で対応させていただくことになりました。

現物を見ていないのでお客様の言葉を信じるしかないのですが、取り付けピッチは同じなので、おそらく使えるのではないかとの情報を元に、届いたブレーキキャリパーとパッドを実際に車体に装着して確認してみます。たまたま当店に在庫車としてあったR80、仕入れておいて良かった~。

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ガーン。確かに取り付けピッチは同じなのですが、オフセットが違うのでディスクとキャリパーのセンターがまったく出ていないッ!

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外側にズレていればスペーサーで対応できるのですが、こうなると簡単な方法はありません・・・。

しかも、キャリパーがホウィールにゴツッと干渉していて、そのままではホウィールも回らないッ!

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フロントフォークからは少し離れますが、できればキャリパーサポートを製作してオフセットを調整するのが良いのですが、お客様の希望もあり、キャリパー側を加工することになりました。

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この4ポットキャリパーが使用されているR100R等のディスク径は、モノサス系の車輌のディスクと同径なので、パッドの当たりは問題なさそうです。ホッ。

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キャリパー間をつなぐブレーキパイプも純正部品で対応できそうです。これなら自然な感じで仕上がりそうですね。

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ということで、金属加工屋さんとも相談し、キャリパーの取り付け面を切削する方向で作業を進めることになりました。キャリパーをどれくらい切削するかはこちらで決定しますので、丁寧にオフセットのズレ具合を測定し、しつこく切削量を確認します。ココで間違うと取り返しがつきませんので。ドキドキ。(センターのズレは0.05mm以内に収まっていると思います。)

で、切削量も求められたので、続いてキャリパーを分解、洗浄します。いつも2ポットばかりなので、数が倍になる4ポットがこんなに大変だとは・・・。(見積りを訂正させていただいて、スミマセンでした。)

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ピストンはどれも問題ありませんでした。

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シールは少しヤレていましたが、まだ大丈夫かと思いますので再使用します。すぐに滲むようなら即交換ですが、そうでなくても次の車検整備のタイミングでの交換をオススメしておきます。シールキットの価格は、単純に2ポットの倍くらいです。

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キャリパー自体も良好ですので、この状態で金属加工屋さんへ持ち込むことになります。さて、どうなりますか。

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~数日後~

金属加工屋さんからキャリパーが戻りましたので、作業再開です。仮組みしたところ問題なさそうなので、加工したキャリパーをもう一度洗浄して組み立てます。

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ビシッとできました。

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こちらの指定どおりの寸法に仕上げてもらったので、ダメならオレっちの責任です。またしても、当店在庫のR80に登場してもらいます。

どうなのよッ!

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(動画でご覧いただけます。)

イイですね!ビシッとセンターも出てますし、ホウィールもクルクル回ってます。パッドの当たりも良さそうですし、これならお使いいただけると思います。ホッ。

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(動画でご覧いただけます。)

ということで、ちょっと前に行った作業の報告でした。

モノサス系のフロントフォークのアウターチューブとホウィール、ブレーキディスク(ダブルディスク)がR65やR80、R100RSでも共通だったこと、流用したキャリパーがたまたま取り付けピッチや取り付け位置、ディスク径が近かったことで、今回のような対応ができましたが、キャリパーによってはすんなり付かないことのほうが当たり前ですので、ある意味、BMWの設計のおかげです。それと、たまたま在庫していた当店のR80のおかげもあります。サンキュー、R80!

あとはお客様のほうで車体に取り付けていただき、ホースやフィッティングのための部品を用意していただければ完成になります。異径4ポットになりますので、くれぐれもキャリパーの取り付け向きの変更もお忘れなく。せっかくの4ポット化、ダブルディスク化が台無しになってしまいますので。
また、実際に取り付け、走行後にブレーキに違和感を感じるようでしたら、すぐに使用を中止し、キャリパーの取り付け部を点検していただければと思います。金属加工屋さんとも相談し、おそらく大丈夫との判断で進めておりますが、切削後の強度をテストできるわけでもありませんし、本来、キャリパーの加工はあまりオススメできるものでないことはお伝えした通りですので。

と、長々と書きましたが、無事に4ポット化&ダブルディスク化を完成させていただき、楽しいご報告をお待ちしております。この度はご依頼いただき、有り難うございましたッ!

 

遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、キャリパーの取り付けのお手伝いやO/Hを承っております。ご相談くださいッ!

長期不動のR80、夢から覚めて。(その2)

無事に登録も終え、販売に向け慣らしと試乗を進めている最中に売れてしまったちょっと前に仕入れた長期不動のR80、お客様のワガママ・オーダー(追加の作業)を進めています。

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注)
こちらの車輌、少し前に納車も終えていますので、以下の内容は書き溜めていた作業の予約投稿になります。現在進行中のように書いていますが、すでにモギーモータースは年末年始の休業モードに入っているッ!ご注意くださいッ!

 

手間の掛かりそうな作業はほぼ終わりましたので、ホウィールが塗装から戻る前にもう少しできる作業を進めます。

ということで、「パニアケースも付けたいですね。」と、またまたまたまた落ち着いた口調でお客様がおっしゃっていたので、在庫のパニアステイの取り付けからスタートです。

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が、そのままではリアサスペンションに干渉してしまいます。アレレ?こんなだったかな?

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別のステイを試したところ、コレは十分なクリアランスでしたので、こっちを採用します。

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しっかり固定できました。(反対側はホウィールが届いてからになります。)

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で、パニアケースにもちょっと小細工します。たまたまですが、このパニアケースのキーシリンダーはメインキーでも回ったんですが、わずかに引っ掛かりがありましたので(中央、上下2箇所の突起)

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キーシリンダーを抜いて突起を削ってやります。これで、イグニッションスウィッチからハンドルロック、タンクキャップにシートロック、そしてパニアケースまで1つのキーで操作できるようになります。ヤッタネ!

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ちなみに、コレがオリヂナルのキーを挿し込んだ状態です。シリンダーの抜け止めの突起以外、中のコマが出ていませんね。

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さらに、注文していたブレーキホースも届いたので交換します。ハンドルを交換したことで、取り回しがかなり窮屈&長さ不足でしたので。

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良いんじゃないでしょうかッ!

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と、ちょっとドタバタと作業を進めていると、いつものように冷やかしに来たR100RSにお乗りのお客様がモギーの必死の制止も聞かずに

「うっせぇ!オレが先に乗るんだい!」

と、お買い上げくださったお客様よりも先にR80に手垢を付けるという非常事態にッ!なんということだッ!あんだけツネってやったのに、まだ分からんのかー!

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クッソ、良い笑顔・・・。

あ、R65にお乗りのお客様まで!おやめくださいー!

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といった感じで、着々と作業は進んでおります。あとは届いたホウィールにタイアを履かせて取り付ければOKです。近く、R65にお乗りのお客様とR100RSにお乗りのお客様と、このR80でツーリングに行くとのことですので、なんとか間に合わせられるようにしますので、もうしばらくお待ちください。ときどき?しばしば?ジャマが入りますが・・・。

それにしても、お三人の仲の良さは、ちょっと嫉妬しそうなほど睦まじいですね!見ているこちらも楽しくなります。イイっすね!

 

(続く)

 

パニアケースの取り付けとキー合わせ、ブレーキホースの交換も、承っております。ご相談くださいッ!

何を言っているのか。(その6)

先日ご紹介した「何を言っているのか。」のR100RS、さっそく整備と修理を進めています。

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これまでの作業で、トランスミッションから前側の整備&修理が終わったので、リア周りの車検整備の作業を進めていきます。

と、またまたその前に、車検整備の項目としてオイル漏れの点検と清掃を入れていますので、エンヂンとトランスミッションの清掃を行います。

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オイルフィラーのガスケットをO-リングに交換しましたので、もうそんなに汚れることはないと思います。

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プッシュロッドチューブとオイルパンはまだ軽いオイル滲みのようなので、清掃して様子見です。

が、オイルプレッシャースウィッチからと思われるオイル汚れや

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ニュートラルスウィッチからのオイル漏れの跡がちょっと気になります。工場に置いている間、床にちょっとオイルが垂れるくらいだったのであまりヒドくはなさそうですが、このままだと漏れ具合がよく分からないので

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キレイにして、また試乗して確認することにします。

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予算の都合もありますし、また、すでにオイル交換も済ませていますので、そんなに漏れがヒドくなければ次のオイル交換に合わせてスウィッチの交換を検討ということでも良いと思いますが、気になるようであれば早めにオイル交換、スウィッチ交換しちゃいましょう。

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幸い、トランスミッションの奥のほうからの漏れはなさそうでした。ホッ。

ということで、ようやくリア周りの作業に取り掛かったんですが・・・、ドライヴシャフトのオイルが少ないッ!しかも、汚れているッ!

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ファイナルドライヴのオイルは色もキレイで、規定量に近い300mlくらい抜けましたので、ドライヴシャフト側だけオイル交換をサボっていたんでしょうか。うーん、ドライヴシャフトだけでも、ちょっと早めに次のオイル交換をしたいですね。

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ホウィールを外しているので、ファイナルドライヴのスプライン周りも点検します。スプラインの状態も悪くないですし、オイルシールからの漏れもないですね。

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オイルを抜いている間に、リアブレーキの作業を進めます。

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2本サスのリアディスクブレーキって、ホント、整備しにくいですよね。今回は、必要ならO/Hもというご依頼なのでココまで外しますが、車体に残したままだと本当にやりにくいです。オレっちの手が大きいせいもありますが。

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BMW特有?の、このクリップで固定するタイプのピン、嫌いじゃないなんですが(むしろ好き)、コレが錆びて固着しているとなかなか外せないんです。片側は折れて針金で固定されてるくらいですから。

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錆と古く固くなったグリスで苦労しましたが、無事に分解できました。

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マスターシリンダーのピストンを押すレヴァーとピヴォットピンも、この有様・・・。

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ただ、マスターシリンダーはシールからの漏れもなく、状態も良さそうでした。ココのシールはちょっと変わっているので、ダメなら交換するつもりでいましたが、コレならそのままでOKだと思います。ピストンのキットって、かなり高いんですよね。ウレシイッ!

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キャリパーも分解し、

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状態を確認します。錆びやカスがヒドかったフロントのキャリパーに比べ、なぜかとってもキレイでした。リア側だけ過去にO/Hされているのかもしれません。

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てことで、ジャブジャブ、ゴシゴシ洗浄します。

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ブレーキフルードが少ない期間が長かったのか、ダイアフラムのベローズが伸びてますが(重石を乗せてしばらく放置してみます)

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リザーヴタンク内はキレイです。

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古くなるとよく破れるこのダストカヴァーは、程度はイマイチですが中古があったので交換しておきます。

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ブレーキパッドは残量も十分で、変な細工もされていませんので、再使用します。

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しっかりグリスアップして組み立てて、車体に戻します。よく利くブレーキに戻りそうな予感。ムフフ。

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スウィングアームのピヴォット部も、グリスアップして締め付けトルクを点検します。

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そのままホウィールベアリングの点検といきたいところですが、あまりにもホウィールが汚れていたので

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手が入る範囲で頑張ってキレイにしました。ご依頼いただいたお客様のご友人が新しいオーナーになるのですが、初めてのBMW、しかも久しぶりのバイク(現在はスクーター)とのことなので、オマケの作業です。まだ汚れは残ってますが、オマケなのでお許しを!

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ホウィールベアリングもフロント同様、点検してグリスアップします。

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オイルを交換してからホウィールを取り付けて、ブレーキのエア抜きをすれば

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できました。イエス!

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しかし、この2本サスのリアブレーキは、ほんとエア抜きしにくいですね。作業中の姿勢はちょっとアクロバチックなので、このときばかりは「来客?ノー・サンキュー!」って言っちゃいそうです。

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あとは、シートロックのリリースボタンに

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樹脂製のキャップを取り付けて、

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ちょっと干渉するシートロックピンの位置を調整し

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リアフェンダーを元に戻せば

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本日の作業、終~了~。

まだ少しやることは残ってますが、車検整備で行っているリア周りの作業はこのような感じになります。通常、キャリパーの分解まではしませんが、キャリパーとピストンの清掃をしていて問題があれば、分解して点検も行うことになります。

さあ、あとは試乗して、外しているカウルを元に戻せば、いよいよ納車になります。もうちょっと!ゴー!俺、ゴー!ゴー!

 

(続く)

 

しつこいようですが、疎かにされがちな車検整備、ご相談くださいッ!

何を言っているのか。(その3)

先日ご紹介した「何を言っているのか。」のR100RS、さっそく整備と修理を進めています。

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ステムベアリングの点検と調整をしたことでようやく試乗もでき、車輌の状態が分かりましたので、いよいよ作業に取り掛かります。

まずはフロント周りを分解します。

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クリームチーズ?

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じゃ、なさそうですね。

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定番のアウターレースの打痕ですが、荷重を強く受ける下側のほうがクッキリ出てますね。

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外したステム周りを洗浄してピカピカにし、新しいベアリングにたっぷりグリスを塗りこんでおきます。

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個人でもベアリング交換に挑戦される方はいるかと思いますが、アウターレースの取り外しはかなり苦労すると思います。モノサス以降は少し外しやすくなっていますが、2本サスの場合、ネックの取り付け部にほぼツライチのようにレースが収まっていて、ほとんど工具を引っ掛ける余地がありません。どうするッ!

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大丈夫、当店ではオリヂナルの専用工具を用意していますので数分で取り外し可能です。バンザイ!

ちなみに、これがモノサスの取り付け部です。隙間が少し広いのが分かるでしょうか。これでも一般的なプーラーではかなり苦労しますが・・・。

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てことで、ステム周りを取り付けます。うーん、ピカピカ!

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取り外したステムベアリングです。下側(右)に比べると上側(左)の打痕はそうでもありませんが、一方にコレだけ強い打痕があるとどんなに調整してもハンドルを切る際にコクッという感触が微かに残ってしまいます。構造的に、グルグル回転するのではなく左右に行ったり来たりするだけですから、どうしても一番走行時間の中で長くなる直進状態の位置に強く打痕が現れてしまいます。

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ステムベアリングの締め付け具合を調整してもハンドルが振れる原因は、この打痕によるベアリングのガタつきですので、ハンドルの振れが気になる方はディーラーまたは専門店にご相談ください。また、定期的なグリスアップで多少寿命を延ばすこともできますので、交換されたばかりの方は是非、定期的なメインテナンスもお忘れなく。もちろん、当店でも承っておりますッ!(さりげない宣伝)

ということで、続いてフロントフォークの組み立てです。しっかり洗浄し、在庫している再めっき済みのインナーチューブを使ってビシッと仕上げます。

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オイル漏れや滲みがないように、こういうトコロもキレイに均します。

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ただ、このサークリップは外すと元の位置に戻すのがちょっとムズカシイ・・・。

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できました。このとき、忘れずにダストカヴァーやフォークブーツを取り付けておきます。RSやRTのブーツには左右の区別があるので、ソコも注意です。(経験者談)

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スプリングは左右とも、キレイにして長さを点検しておきます。OKですね。

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フロントフォークを車体に取り付け、フォークオイルを規定量注入したら、エア抜きを丁寧に行います。アウターチューブの下側からのオイル漏れ、滲みも一切なし。イエス!

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再めっきされたインナーチューブに新しいオイルシール、これなら漏れることはないッ!

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なんかノッてきたので、ブレーキ周りもO/Hしちゃいます。

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マスターシリンダーのインレットポート、リターンポートの周りに結晶化したフルードが溜まってます。

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ココも、シリンダーから漏れたフルードが固まって溜まってますね。

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リザーヴタンクの中にも薄っすら結晶化したフルードが。

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こんなトコロにも。

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キャリパーも、ピストンを取り外したらエライことに!なってたので

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バラバラに分解します。こりゃ、洗浄するのも大変そう。逆に燃えちゃうけど!(M気質)

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そんなことより、なんでパッドにこんな細工を?ブレーキダスト対策なのかもしれませんが、細工した溝のせいでパッドが一部破損しちゃってます。これじゃ、パッドの寿命を短くするだけです。しかも、漏れたフォークオイルが染み込んでいて、ちょっとしっとりしてるー。
こりゃ、パッドは交換ですね。

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で、すごく燃えたんで、すごくキレイになりました。

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リターンポートもしっかり穴が通り、

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キャリパーに溜まっていた茶色い物体もなくなりました。

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リザーヴタンクもご覧の通り。

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心配していたピストンには傷もなく、良好な状態でした。ホッ。

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ついでに、スロットルホルダー周りも分解して洗浄します。燃えてますから。

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ブレーキレヴァーのピヴォット部、古いグリスが固まっていることはよくありますが、ココにフルードのカスが溜まってるのは珍しいですね。

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当然、ホルダー側もこの通り。

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ゴシゴシ洗ってキレイにしたら

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バババッとブレーキ周りを組み立てます。何しろ、燃えてますから。ウォー!

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本来なら、マスターシリンダーのピストンカップやキャリパーのピストンシールは交換したいところなんですが、今回はご予算の都合で再利用しています。点検したところ大きな傷も変形もなかったからなんですが、試乗してみて漏れや滲みがあればすぐに交換させていただきます。もちろん、お客様が乗り始めて間もなく漏れるようであれば即交換になります。そうならないように丁寧に作業したつもりですが、こればかりはどうにもなりませんのでお許しを。
おそらく大丈夫だと思いますし、ダメでも次回の交換作業はずっと楽に、確実に作業できますのでご安心ください。それよりも、まだまだコストが掛かりそうな予感がして、そっちのほうが心配です・・・。

などと言い訳もソコソコに、組み立てたブレーキ周りを車体に取り付けます。まだまだ燃えてますから。ファイアー!

ハンドルバーの錆がちょっと気になるので、ササッと磨いておきます。

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それと、ハンドルがセットバックされていて、ハンドルの取り付け角度も良くて非常に乗りやすかったんですが、メーターステイがRS用のままでちゃんと固定できていませんでしたので

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たまたま在庫にあった中古良品と交換しました。

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ジャーン!大丈夫、まだ燃えているッ!

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キャリパーを取り付ける前に、ホウィールベアリングの状態も点検します。アウターレースに焼けた感じはありますが、嫌なゴロつきも傷もなく動作は良好なので、古いグリスを洗い落としたっぷりグリスアップしておきます。同じテーパーローラーベアリングでも、グルグル回転しているせいか、ステムとは持ちが違いますね。まだまだ頑張って~。

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そして得られた、この躍動感ッ!どうですかッ!

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と思ったら、何かがオカシイ。タイアがグニャグニャしているような・・・?

ガーン。ビードが上がり切っていないッ!

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(動画でご覧いただけます。)

あのフロントが上下にフワフワした違和感の原因はコレだったのかもしれません。

危うく俺の中の炎が消えそうになりましたが、ビードをちゃんとハメるついでに、ちょっとズレてる軽点も合わせます。大丈夫、も少し燃えていけるッ!

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できました。

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(動画でご覧いただけます。)

うーん、だいぶ良くなったんじゃないでしょうかッ!ここまでやれば、もうあんな怖い思いをすることなく、安心して乗れるようになりますね。早く試乗して確かめたくなってきたー!

まだ燃えているッ!ファイィアァァー!

でもちょっと疲れたんで、今日はこのへんで。
次はガソリンタンクの洗浄とキャブレターのO/Hです。

 

(続く)

 

ステムベアリングの交換やブレーキのO/H、ホウィールベアリングの点検から上がり切きらなかったビードの面倒まで、諸々承っておりますッ!

何を言っているのか。(その2)

先日ご紹介した「何を言っているのか。」のR100RS、さっそく整備と修理を進めています。

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まずは、前オーナーも認識していたというブレーキランプの不具合。前オーナー曰く、「リアのブレーキスウィッチが壊れていて、ブレーキランプが・・・」とのことでしたが、点検してみるとスウィッチに異常はありませんでした。ということは、フロント側のスウィッチかな?

でした。スウィッチが壊れていて、ブレーキレヴァーを握ってもONになりません。

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安くはありませんが、こればかりは交換しないとどうしようもないので、新品のスウィッチに交換です。

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これで直ったかなと思ったら、まだブレーキランプが点きませんッ!

配線に問題はなかったので、まさかの球切れを疑いましたが・・・

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シングル球のはずが、ダブル球にッ!

シングル球に交換したら

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あっさりブレーキランプが点灯するようになりました。んもう!

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続いて、怖いくらいに震えていたハンドルの振れを改善するため、ステムベアリングの締め付け具合を点検、調整してみます。

R100RSの場合、ステアリングダンパーのロッドが邪魔をしてステムナットを締められないのでけっこう大掛かりな作業になってしまいますが、ベアリングを交換する予定なのでココまで取り外してしまいます。

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で、前オーナーも認識していたというもう一つの不具合も点検。曰く、「フォークのオイルシールは交換したが、まだ漏れているのであらためて交換の必要が・・・」とのことでしたが、これはシール交換でどうこうできる状態じゃないような?

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インナーチューブの摺動部にこれだけ錆びと縦スジがあると、何回シールを交換しても漏れは直りません。お客様にはかなりの負担になってしまいますが、再めっき済みのインナーチューブに交換するしかななさそうです・・・。

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てことで、ステムベアリングを調整し、ステムナットをしっかり締め付け直しました。
ステムナット自体はしっかり締め付けてありましたが、アジャストナットがユルユルだったので、これでハンドルの振れはかなり改善するんじゃないでしょうか。

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ちょっと試乗してみます。正直、前回の試乗では良いトコロも、悪いトコロもまったく分かりませんでしたから。アハハ。

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オォッ!怖くなくなったッ!

ということで、簡単にインプレッションを。
ステムベアリングの締め付けを調整したおかげで、ハンドルの振れはほとんど気にならなくなりました。が、まだフロント周りが上下にフワフワする感じです。新品のタイアに騙されて空気圧の点検を怠ったせいもありましたが、適正な空気圧に調整してもやっぱり気になります。
それと、キャブレターのジェットの詰まりを直してエンヂンはだいぶ元気になりましたが、なんだかまだ少しパワーが足りない感じです。ほぼ同年式の当店在庫のR100RSと比べると、加速感がモッタリしていてチョット物足りません。スロットル操作が重いことも一因かもしれませんが、しっかり整備して再度確認する必要がありそうです。ただ、走行距離の割りに異音があまりないのが幸いです。
車体の状態は未整備車輌らしいヤレた印象ですが、とりあえず走る、曲がる、止まることは問題なくできていますので、こちらもしっかり整備すればグッと良くなりそうです。
何より、前オーナーが言っていたクラッチ板の滑りは、やっぱり確認できなかったのが大きいです。クラッチ板の交換となると、ついでにできる作業も色々と見つかって、その分コストが掛かってきますからね。
うーん、現状で把握できたトコロはこんな感じでしょうか。

 

おっし、そんじゃ作業に取り掛かりますか!あ、チャーヂランプを忘れてた・・・。

 

(続く)

 

ブレーキスウィッチの交換からバルブの交換、ステムベアリングの点検&調整やフロントフォークの点検、試乗による点検とダメ出しまで、諸々ご相談くださいッ!