西方(兵庫)から、シリンダーヘッドO/H。

またまた遠方の方から、今回はシリンダーヘッドのO/Hをメインに幾つかの作業のご依頼です。有り難いことですッ!

こちらのお客様、R65(2本サス)の後期型にお乗りだそうで、入手したときから「何かがオカシイッ!」とご自身で整備を進めていたそうですが、当店のブログを見て「ん?なんかちゃんとやってそうだし、いっちょ頼んでみるかッ!」とご連絡くださいました。何度かのメールのやり取りの末、ご自身でできる作業は進められたものの、やはりキッチリ直したいとのことで、部品をお送りいただくことになりました。

大物がキター!フィッシュ・オーン!

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つか、ブログの宣伝効果、侮れませんなぁ。ククク。

てことで、さっそく釣果、じゃなくて届いた荷物を確認します。

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オッ!マンボウかな?

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って、シリンダーヘッド、シリンダー、ピストン、それとプッシュロッドですね。

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燃焼室の状態はそれなりにカーボンの堆積がありますが

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走行距離の多い車輌ならどれもこんなもんですね。

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ヴァルヴも汚れてはいますが、ステムに嫌な傷も磨耗もありませんので、これなら再使用できます。ヴァルヴガイドのガタも気になったのは1箇所だけでした。

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EX側のヴァルヴシートはカーボンを噛みやすいので荒れてても無理はないんですが、

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気になるのは、IN側の吹き抜けたような跡ですね。ちゃんと閉じ切ってなかったんでしょうか。

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反対側も同じような感じですが

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状態は悪くありませんので、ヴァルヴフェイス研磨とシートカットで十分回復できそうです。

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シリンダーもクロスハッチがしっかり残ってますので

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これならピストンリングの交換だけで大丈夫そうですね。

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ただ、プッシュロッドのこの傷は気になりますね・・・。

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ということで、内燃機加工屋さんへ出すため、シリンダーヘッドとヴァルヴを洗浄します。

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ココまでキレイにするだけでも、けっこう大変です。

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おっし、準備OK。

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で、シリンダーヘッドをO/Hに出す前に、プッシュロッドの傷を確認しておきます。

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傷の位置を見ると、どうやらプッシュロッドチューブの下端で擦れたみたいです。

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プッシュロッド中央の傷は、シリンダーヘッドとシリンダーの接合部辺りにあります。

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プッシュロッドが通る穴を覗いてみても

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キレイに通っています。

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おそらく、過去に分解した際にガスケットの表裏を間違えて組んでしまい、そのときに傷が付いたんでしょう。正しく組んだガスケットに比べ

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裏返して組んだガスケットの場合、穴が小さくなるのが分かると思います。

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ガスケットは紙製で柔らかいのでプッシュロッド中央部にはあまり深い傷は付かなかったようですが、ガスケットのせいでストレスが掛かって曲がったロッドがプッシュロッドチューブの下端に接触したため、プッシュロッド下部には幅広な傷ができたんじゃないでしょうか。プッシュロッドは回転しながら上下に動きますから、ヴァルヴのリフト量を考えると納得です。
おそらく嫌な音がしてすぐに組み直したんだと思いますが、どうせならプッシュロッドも交換しておいて欲しかったですね。だって、まさか廃盤になってるとは・・・。

といったところで、シリンダーヘッドが内燃機加工屋さんから戻るまで、しばらく作業は中断になります。戻るまでの間にシリンダーとピストンの洗浄&点検も進めるつもりですが、少しバタバタしておりますので、作業再開までもうしばらくお待ちください。

 

(続く)

 

遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、O/Hを承っております。ご相談くださいッ!

西方(岐阜)から、フロントフォークのO/H。

またしても遠方のお客様から、フロントフォークO/Hのご依頼がッ!有り難いことですッ!

たまたま当店ブログを見てくださり、ご連絡をいただいたんですが、このお客様、あの「何を言っているのか。」のR100RSの前所有者だったんです。アララ!

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( ° o °)ハッ!

ポンコツとか書いてしまい、大変失礼致しました・・・。(でも事実)

 

なんでも、R100Tもお持ちだそうで、R100RSを手放したのはそちらの整備に専念したかったからだそうです。確かに、大掛かりな整備を要す車輌を2台も抱えるのは大変だと思います。

で、過去にBMWのGS系の車輌でフロントフォークは整備されたことがあるものの、古いタイプのフォークは初めてで、どうしても上手く動作させることができないとのこと。資料も不十分で、何が原因なのか分からないそうなので

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送っていただきました。Ate製キャリパーが付くタイプのフロントフォークです。

さっそく点検してみると、お客様の説明通りです。動作が異常に渋く、インナーチューブがまったくボヨンボヨンと動きません。通常、スプリングを抜いたこの状態ならダンパーロッドがスッと中に入って行くんですが、びくともしませんでした。

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分解してみると、すぐに原因が判明。このブッシュの位置を誤って組み立てていたみたいです。

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ちなみに、このブッシュはフロントフォークが伸び切ったときの緩衝材になりますので、ヘタってくると、センタースタンドを掛けてフォークが伸びたときにガコンと音がすると思います。/5や/6、Ate製キャリパーが付くタイプのフロントフォークの車輌にお乗りの方、思い当たる節がありましたら、ご相談ください。(苦い記憶が蘇ります・・・。)

そもそもお客様が入手されたときにこの状態だったそうなので、初めて分解、組み立てを行うときの「元の状態に戻せるように作業する」という意識が、今回はアダになってしまったようです。初めから正しく組まれていれば、このようなことはなかったと思います。

ということで、各部を点検しながら分解します。
片側インナーチューブのオイルシールの直近に、錆びて大きな傷ができています。

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反対側まで・・・。

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再めっき済みの在庫がちょうど用意できたトコロでしたので、こちらのインナーチューブは交換させていただきます。

もう一方のインナーチューブには大きな傷はありませんでしたが、小さな点錆が幾つかありました。お客様のほうでも軽く均されたようですが、当店でももう少し均しておきましたので、ちょっと心配ですがそのまま再使用します。どうか漏れませんように・・・。(祈り)

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ダンパーロッドにも傷がありましたので、こちらも軽く均して修正しておきます。

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ヴァルヴワッシャーも大きく変形していましたので、交換しました。

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てことで、バラバラにして

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洗浄します。

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ダンパーロッドは錆びやすいので、さっさと組み立てます。

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ヴァルヴ周りはこんな感じになります。誤って組まれていたブッシュの取り付け位置は、ココにくるのが正解です。

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ピストンリングの挿入にちょっとてこずりましたが、ダンパーロッドを挿入し、ビシッと組み立てました。動作もスムース、バッチリです!

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ココまで組めば、あと少し。アウターチューブを取り付けて、ボトムキャップナットをしっかり締め付けます。ちなみに、ココの締め付けトルクは80~100N・mです。

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オイルシールをガッツンガッツン打ち込めば

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作業終~了~。

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このタイプのフロントフォークはオイルを入れてお送りできませんので、この状態で発送致します。また、組み立て時に薄くオイルを塗っていますが、早めに車体に取り付けてフォークオイルを入れていただければと思います。動作確認はフォークオイルを入れてから、しかっり行ってください。

残りの整備が終わり、車輌を走らせられるようになりましたら、またご連絡ください。楽しいご報告、お待ちしております。この度はご依頼いただき、有り難うございましたッ!

 

つか、こんなトコロまで絡んでくるR65にお乗りのお客様、今回の作業でも「モギーモータースさんの仕事っすか?いや、悪くないんじゃないですかねぇ。」と、さりげなく広報まで担当していただいたそうで、これじゃ本当に足を向けて寝れません。やっぱり今度、方角を教えてください。オナシャス!

 

遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、O/Hを承っております。フロントフォークの渋い動き、ガタつきをなんとかしたい方、ご相談くださいッ!

 

オマケ

こちらのお客様、最近、CB93(CR93仕様)も仕上げられたそうです。ウォ~!大好物!これくらいの年代のバイクって、機械っぽさがムンムンしてて、本当に良いですよね~。お乗りのお客様も、アラやだ、カコイイ・・・。(嫉妬)

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キック!キック!キック!

少し前の話になりますが、以前、キックスターターを取り付けさせていただいたR65にお乗りのお客様、今度はキックレヴァーの交換&加工にご来店くださいました。有り難いことですッ!

どうやら、キックレヴァーがステップに干渉しているのも気にせず

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「いやぁ~、嬉しくって何度もキックしちゃいましたよ!(ニヤリ)」とのことで、ステップを曲げてしまったそうです。ノォ~!

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で、ちょっと前に、曲がってしまったステップに干渉しないように旧型のストレートタイプのレヴァーに交換していました。(キックレヴァーの取り付けから日も経っていませんでしたので、車載のままレヴァーの交換ができました。グッジョブ、俺!)

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それでも、まだレヴァーの踏み込み部がステップのゴムに干渉するのが気になるということで、今回、踏み込み部をカットすることになりました。ついでに曲がったステップを交換し、ゴムも角型からより細身の丸型に変更します。

どうなのよッ!

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ドコにも干渉することなく、一気に踏み抜けるようになりました!イエス!

ただ、踏み抜いたときにフレームにガツン!とイキそうなので、ストッパー的なゴムも巻いてます。(もう少し硬質なゴムを探して、あとで交換します。)

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イイですね!ストロークも増えて掛けやすくなりそうですし、これなら遠慮なくガッツンガッツン何度でもキックできると思います。

つか、サッカーで鍛えた脚力に自信があること、まだまだ本気でキックしていないこと、そしてそれが事実であることは十分伝わりましたので、以後、ふんわりキックでお願いします。

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見てくださいッ!きっと、ステップも悲鳴を上げてましたよッ!(ある意味スゴイ)

それにしても、あらためてよく見ると、ガッツリ当たってるのが分かりますね。最初からこうしておけば良かったです、スミマセン・・・。

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てことで、少し前に行った作業の報告でした。

この度もご依頼いただき、有り難うございましたッ!それから、ご友人のR100RSの整備&修理、さらには新しいご友人の紹介までしていただき、重ねて有り難うございましたッ!こんなにお世話になってしまうと、もう足を向けて寝れません。今度、方角を教えてください。オナシャス!

 

キックスターターレヴァーを交換したい方、ステップを曲げるほどキックしちゃった方、ご相談くださいッ!

 

オマケ

こちらも少し前の作業になりますが、お客様が用意したショートタイプのフロントフェンダーの塗装も承りました。塗装はBMWの子持ちラインを描くことに慣れたペインターさんの仕事になりますので、当店はただの窓口になりますが、純正色(に近い色)での再塗装やオリヂナルパターンでの塗装にもお応えできます。塗装をお考えの方、整備や修理のついでにご相談ください。

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R100RS、始動困難ナリ。(その4)

たまたま当店ブログをご覧になり、整備の相談のご連絡をいただいていたお客様の始動困難なR100RS、整備と修理を進めています。

前回の捜査で主犯格の男を逮捕したモギー刑事ですが、事件の背後に潜む犯行グループの全容解明にはまだ至っていません。残る共犯者、協力者を挙げるため、今日も地道な捜査は続きます。

すでにエンヂンの始動不良については根本的な整備&修理が終わりましたが、もう少しご依頼の作業が残っていますので、引き続き作業を行います。

まずは、注文していたスロットルケーブルが入荷したので交換します。この頃の2本サスのR100RSのスロットルケーブル(2本引き)はムダに長く、こんな感じで変なクセがついてしまいます。グリスアップして動きは良くなりましたが、決して状態は良くありませんでした。

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せっかく交換するので、モノサスのR100RSと同じような長さ、取り回しになるケーブルに変更します。

こんな感じです。どうですかッ!

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モギー刑事  「なるほど、そんなコトがあったのか。」

さらに、ご予算の範囲内だったので、始動性向上のためのもう一手、セルモーターも交換させていただくことにしました。
これが、ちょっとくたびれたBosch製セルモーターでの始動の様子です。

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(動画でご覧いただけます。)

モギー刑事  「オイ、ちょっと署まで来てもらおうか。」
セルモーター 「エッ、エッ、チョットマッテクダサーイ!」

これがValeo製セルモーターになると、こうなります。

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(動画でご覧いただけます。)

ハッキリ違いが分かると思います。まだそれほど寒くない時期の作業場内での比較ですが、これから冬本番になって屋外でのエンヂン始動ともなれば、違いはより顕著になります。もちろんBosch製セルモーターもメインテナンスすれば動作は改善すると思いますが、当店がValeo製セルモーターをオススメする理由、感じていただけたでしょうか。(良質な宣伝)

で、交換するについでに

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エンヂン上部をキレイにし、ブローバイホースもしっかり締め付け直しました。

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ちょっとハーネスの長さが足りなかったので延長しています。

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ちなみに、元々付いていたナットはヒドイ状態でした。大きな電流が流れるので、わずかに緩みがあったのか、ワッシャーとくっ付いてしまってました。

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で、エンヂンのトップカヴァーを元に戻し、セルモーターの交換は終了です。

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モギー刑事  「これで、事件の本筋はあらかた片付いたな。」

しかし、捜査はまだまだ続きます。

お客様が過去に回そうとしたところ、「あ、コレはダメだ。」と諦めたフランヂナットを取り外さなければなりません。

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モギー刑事  「なんだか嫌な予感がするな・・・?」

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ひとまずオイルを抜きまして、ちょっと考えます。

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なんせ、この2本サスのR100RSの場合、イグゾウストパイプを外さないとオイルフィルターの交換ができません。(2本サス後期から外さずに交換できるようになってます。)

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モギー刑事  「この隙間じゃ、逃げようがないな。」

とりあえず回せる範囲でフランヂナットを緩め、イグゾウストパイプをコツコツ叩き、なんとか外すことができました。これでフィルターの交換もできます。ホッ。

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フィルターの交換と同時に、オイルクーラーの取り出し口周りをキレイにし、

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オイルプレッシャースウィッチの締め込みがちょっと甘いのか、取り付け部から滲んでましたので

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しっかり締め込んで、キレイにします。

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エンヂンの後側も確認します。ニュートラルスウィッチから漏れているようですが、量はそんなに多くなさそうです。むしろ、オイルパンのガスケットの濡れ具合を見ると、こちらのほうがアヤシイですね。

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オイルパンのボルトを増し締めし、キレイにして様子見です。
ココのボルトはあまり強く締め込みすぎると相手側のネジ穴をダメにしやすいので、増し締めはほどほどのトルクで行い、それでもオイル漏れが止まらない場合はガスケットを交換することをオススメします。

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と、オイル交換とエンヂンの清掃も終えたので、いよいよフランヂナットの取り外しです。

お客様が回すことを諦めた左側ですらこの状態なので、

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実際に回されて嫌な感触を味わった右側はご覧の通りです。ギャー!

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モギー刑事  「コ、コイツは・・・!」

ネジ山をシュッシュッと目立てしながら、フランヂナットを付けては外しを繰り返し、アンチシーズを塗り込んで、どうにかフランヂナットがクルクル回るようになりました。アンチシーズを塗ってないと少し引っ掛かりが残りますが、ココまで締め込めるようになれば次回の取り外しはきっと容易だと思います。

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てことで、イグゾウストパイプを取り付けて、しっかりフランヂナットを締め付けます。せっかくネジ山を修正したのに、ビビッてやんわり締め付けては意味がありません。ドキドキ。

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モギー刑事  「フゥ、てこずらせやがって。」

これで一段落かなと思いましたが、やっぱり甘くないッ!

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モギー刑事  「オイオイ、一体どうなっているんだ!」

さっそくオイルクーラーの取り出し部から、ちょっとオイルが垂れてきています。バンジョーボルトのガスケットからも垂れているので、まとめて増し締めしておきました。キレイにすると漏れや滲みのある場所を特定しやすくなりますので、やはり清掃は大事ですね。トホホ。

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さらに、インヂケーターの幾つかのランプが点いたり点かなかったりするので、その点検&修理も。症状からおおよその見当は付いてますので、配線図とにらめっこして疑わしいスターターリレイの接続を点検します。

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リレイを取り外すと、端子に汚れと錆びがありました。

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モギー刑事  「ウッ、こりゃヒドイ・・・!」

キレイに磨きます。

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が、端子をキレイにしたことで症状が悪化ッ!

こうなりゃ、コネクターから端子(メス)も外し、まとめて相手してやるッ!

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ついでにオイルで汚れていたコネクターとハーネスもキレイにし、リレイをしっかり繋ぎ直しました。ちょっとブラついていたハーネスもまとめましたので、インヂケーターの点灯不良の原因がリレイ側にあったとすれば、これでOKになるハズです。

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メーターとメインハーネスのコネクターの接続も点検しておきましたので、これで症状が再発しなければ大丈夫かと思います。こちらでも試乗して確認してみますが、あまり長時間乗れるわけではありませんので、最終的にはお客様に確認していたくことになりそうです。再発した場合は、あらためてご相談ください。(納車した翌日、再発したとの連絡が入りました。ズコー。)

モギー刑事  「・・・。」

また、後付けのフューエルフィルターを取り外したことで、当店オリヂナルのスターターノブはあまり干渉しなくなりましたが、これでオーヴァーフローを誘発してしまっては台無しです。

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モギー刑事  「ストレートタイプのコックだと少し干渉する、と。」

左フューエルコックの取り付け向きも修正したかったので(このままでは修正できないほどナットが固着してました)

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コックを外してO/Hします。ガソリンタンク内部の状態も悪くないのでそんなに多くはないですが、防錆塗料が剥がれたカスがちょっと溜まってましたので、タンクも軽く洗浄しておきました。

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バラバラに分解し、ジャブジャブ、ゴシゴシ洗浄します。

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ガスケットとO-リングは状態が良くなかったので交換しました。

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ビシッと組み立てて、タンクにコックを取り付けます。おっし、滲みなし!

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このストレートタイプのコックの場合、上下に2箇所、ベイクライトのガスケットを使用しますが、上側は部品の供給がありますが下側はありませんので、再使用するとちょっとドキドキしますね。適当なサイズの代替品があれば良いんですが。

コックの向きも修正できました。やっぱり、このほうが落ち着くッ!

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モギー刑事  「よし、あとは捜査報告書をまとめるだけ、か。」

 

~翌日~

エンヂンの清掃と取り付けボルトの増し締めのおかげで、一晩置いてもオイルが垂れた跡はありませんでした。ヤッタネ!

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が、オイルパンガスケットの辺りからさっそく滲んできています。ポタッとする寸前・・・。

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定番のプッシュロッドチューブの根元からはもちろんですが、オイルパンのガスケットは交換しないとダメみたいですね。今後の整備でご相談ください。

それから、ファイナルドライヴのブリーザーを塞いでいたシリコンガスケットは取り除いておきました。このタイプのケースは確かにオイルを噴きやすいですが、この出口を塞いでしまうと、ケースの内圧が高くなったときに他のオイルシールからオイルを噴いてしまうことになります。

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オイルの量が規定量であれば(このケースは250mlのところ300mlほど入ってました)、当店で使用しているオイルでココからオイルを噴くことはないと思います。冬場ほどオイルを噴きやすくなりますので、これからの季節、また気になるようでしたらあらためてご相談ください。

それと、試乗した際にカウルのガタつきが大きかったので確認したところ

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前側の下2箇所のボルトが脱落していましたので、しっかり取り付けておきました。(この前もこんなことがあったような?)

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モギー刑事  「よし、請求書、じゃなくて報告書も書けたぞ、と。」

ということで、すべての作業終~了~。

 

車体周りの整備は手を付けていませんが、試乗した感じブレーキもよく利きますし、ハンドルのブレもなく、車体の安定感も悪くありませんでした。ただ、お伝えした通り、トランスミッション以降の駆動系に少し違和感がありますので、また時期を見て点検&修理にお越しいただければと思います。
ともあれ、ようやくエンヂンの状態が元に戻りましたので、この冬は存分にR100RSの無敵のフルカウルを楽しんじゃってください。この度はご依頼いただき、有り難うございましたッ!

 

こうして事件は無事?に解決。しかし、まだこの世の中には不届きなヤツ(不調車輌)がいるッ!すぐに次の事件(お仕事)が(を)待っている、モギー刑事なのであった・・・。

新米刑事   「先輩、もうヤめてください!」
モギー刑事  「うっさい!もうちょっとアゴ触らせろっ、このヤロー!」

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(未完)

 

セルモーターの交換や、オイル交換、オイルフィルターの交換だけでなく、カジったフランヂナットの交換も、承っておりますッ!

R100RS、始動困難ナリ。(その3)

たまたま当店ブログをご覧になり、整備の相談のご連絡をいただいていたお客様の始動困難なR100RS、整備と修理を進めています。

前回の捜査では犯人逮捕への手がかりすら掴めませんでしたが、捜査対象は確実に絞られてきました。もう少し聞き込みを行い、事件の背後に潜む犯行グループを一網打尽にする日も近そうです。犯人のメボシは付いています。しかし、確実に逮捕するに十分な証拠を揃えるため、地道な捜査は続きます。

これまでの作業で「良い圧縮、良い点火」の点検&整備が終わりましたので、残るは「良い混合気」の確認です。試しに、当店在庫のR100RSからO/H済みのキャブレターを取り外し、交換してみます。

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フツーに掛かって、フツーに吹け上がるじゃん・・・。

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(動画でご覧いただけます。)

モギー刑事 「犯人は、この街にいるッ!」

てことで、キャブレターをO/Hします。ついでに、せっかくご注文いただいた当店オリヂナルのスターターノブが干渉するので、後付けのフューエルフィルターを取り外し

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カチカチに固くなったホースも交換しておきます。

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このラバースリーヴもカチカチになってましたので、交換になります。

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お客様のほうでもO-リングやガスケットは交換されたそうですが、症状は改善しなかったようです。パッと見、確かに問題があるようには思えませんでした。

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モギー刑事 「どうした、顔色が悪いぞ?まさか、クスリか?」
ダイアフラム「見ての通り(フニャフニャ)、ただの疲れっすよ。やだなぁ。」

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ダイアフラムも張りがなくなっていましたので、中古良品に交換しておきます。ダイアフラムの張りはピストンヴァルヴの動き(反応)に直接関係してきますので、あまりにもヘタっている場合は交換することをオススメします。

モギー刑事 「最近、何か変わったことは?」
バタフライ 「シャフトのヤツ、ちょっと様子が変(動きが渋い)なんすよ。」
モギー刑事 「!」

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バタフライシャフトのO-リングが劣化しているのか、かなり動きが渋いです。これだけ渋いとスロットルの戻りにも影響しそうですので、やはりO/Hして正解でした。

モギー刑事 「あの回転のゆっくりした下降具合の原因は、コイツか・・・?」

ということで、バラバラに分解してキレイに洗浄し

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ビシッとO/Hしました。

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過去に内部の部品を交換されていないのだとしたら、ちょっと気になるトコロはありますが、これで症状に改善が見られるハズです。

捜査の途中ですが、スターター(チョーク)ケーブルの取り外しとフューエルホースの交換のついでに、お客様が気になっていたというエアクリーナーケースのこのズレも修正します。

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ガーン。ダブルナットにされてるー。しかも、まるで締まってないー。

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とりあえず、外したカヴァーとケースを

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洗浄してキレイにします。

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ブローバイホースの辺りから、けっこうオイルが漏れてますね。とりあえず、ホースクランプをしっかり締め付け直しておきます。

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漏れたオイルはココから垂れてきますので、気になる方は点検してみてください。

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トランスミッションの上部にややオイル混じりの砂埃が積もってましたので、キレイにしておきました。

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で、エアクリーナーケースをピシッと取り付け、しっかり固定します。

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エアクリーナーもかなりヤレてましたので、交換しておきました。無理に取り付けられたのか、金属のメッシュもめくれてましたので。

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タンクマウントラバーもかなりお疲れのご様子でしたので

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新品に交換します。

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また、ダイナコイルがしっかり固定できていませんでしたので、

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つか、フレーム側の取り付け部が割れているッ!

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ので、当店オリヂナルのステイに交換して、反対側に移設させていただきました。

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と、寄り道が長くなりましたが、O/Hしたキャブレターを取り付けて、いよいよエンヂンを始動します。捜査も大詰めです。

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ココで、モギー刑事が何かに気付きます。

モギー刑事 「オイ、オマエ何か知ってるな?」
ケーブル  「ギクッ!な、なんも知りませんて!」

にわかに現場がザワつき始めるッ!

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(動画でご覧いただけます。)

スロットルケーブルの動きが渋く、レヴァーがゆっくり戻ってました。ワイアインジェクターでグリスアップして汚れを取り除き、レヴァーの動きも軽くなったッ!

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(動画でご覧いただけます。)

モギー刑事 「こんなトコロにも協力者が隠れていたのか・・・。」

しかし、まだ主犯格の男は尻尾を出しません。もう一度現場に戻り、聞き込みに走るモギー刑事。(ガックシ)

モギー刑事 「オマエもヤツらの仲間かッ?」
スプリング 「さぁ、知りませんよ。フフフ。」

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元々付いているピストンヴァルヴのリターンスプリング(左)は線径が細く、ピッチも細かいものでしたが、捜査資料によるとこの年式の車輌ではこれがスタンダードなセッティングのようです。試しに太いモノと交換してみても、症状が良くなる様子はありません。

モギー刑事 「クソッ、一体どうなってるんだ・・・。」
カヴァー  「どうかしたんすか、刑事さん?」

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このキャブレターは、トップカヴァー(右)のピストンヴァルヴ挿入部に穴がないタイプですが、穴付きのモノに交換してみても、やはり大きな変化は見られません。トップカヴァーの組み合わせにも変更は加えられていないようです。

ニードル  「刑事さん、なんか探しモノでもあるんすか?フヒヒ。」
モギー刑事 「うっさい、すっこんでろ!(逆ギレ)」

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ジェットニードル(下)のクリップ位置も、捜査資料ではこれがスタンダードセッティングとなっています。試しに変更してみますが、ココでも大きな変化は見られません。

こうして幾つか気になるトコロを確認してみましたが、アイドリング時の混合気の薄さと回転がゆっくり下降するという症状は消えません。そしてついに・・・

モギー刑事  「犯人は・・・オマエだッ!」
スロージェット「グッ、グゥ~。」

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元々付いていたスロージェット(左)を新品に交換したところ、あっさり解決しました。ジェットの番手もスタンダードセッティングの#45、パッと見、穴もキレイに通っていましたが、わずかに詰まりがあったようです。ネジ山の先の形状に違いはあるものの、新品と同じサイズまで穴を修正したところ、元のスロージェットでも症状は再発しませんでした。バンザイ!

犯人確保ッ!確保ッー!

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(動画でご覧いただけます。)

ということで、ようやくフツーのメーターの針の動きになりました。

実は、スロージェットがアヤシイことは初めから分かっていたんです。パイロットスクリューの戻しが異常に多かった時点で、スロー系に何かしら混合気を薄くさせる原因があるとニラんでました。しかし、そこは敏腕デカ、モギー刑事。丹念に証拠を積み上げてこその犯人逮捕が信条なのです。(おかげで、すんごく時間が掛かりました・・・。)

モギー刑事  「しかし、まだこれで終わりじゃない・・・。」

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左シリンダーヘッドカヴァーから少しオイルが垂れているッ!

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ので、増し締めします。トホホ。

エンヂンの後側からも、ちょっと垂れてますね。あとでエンヂンをキレイにしたら、漏れてる箇所を確認します。

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以上、やっとフツーにエンヂンを始動でき、フツーに回転が上昇/下降するところまで整備&修理が終わりました。残す作業もあと少しですが、意外と大変なモノになりそうです。

 

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

 

犯行グループの全容解明まで、捜査の手を緩めるつもりはないッ!決意を新たに現場へと戻って行く、モギー刑事なのであった・・・。

 

(続く)

 

キャブレターに起因する吹け上がりの悪さの点検&修理、動きの渋いスロットル操作の整備から、ダイナコイル用ステイの交換まで、お任せくださいッ!

R100RS、始動困難ナリ。(その2)

たまたま当店ブログをご覧になり、整備の相談のご連絡をいただいていたお客様の始動困難なR100RS、整備と修理を進めています。

前回の捜査で犯人の一人を逮捕することができましたが、今回の事件の主犯格の男はまだのうのうと捜査の手を免れて過ごしているようです。犯人のメボシは付いています。しかし、確実に逮捕するに十分な証拠を揃えるため、地道な捜査は続きます。

てことで、ヴァルヴクリアランスの点検と調整から始めます。圧縮は確認済みですが、適正なクリアランスが確保されていることも、良好なエンヂン始動のためには不可欠です。

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さっそく捜査を撹乱するための仲間の仕業かッ!スタッドボルトがシリンダーヘッドに残ってしまいました。ガスケットにも液体ガスケットが塗られた跡を発見。

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しかし、そこは敏腕デカ。モギー刑事、難なく取り外します。

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モギー刑事  「最近、何か変わったことは?」
ロッカーアーム「俺もバルブも、何も知らないっすよ。キレイなもんすよ。」

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モギー刑事  「コイツ、何か隠してるな・・・?」

ガーン。IN側のニードルベアリングのケーヂが割れているッ!

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EX側もッ!

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たまたま中古良品の在庫があったので、ロッカーアームごと交換しました。ベアリングは¥3,460/個(税抜)、ロッカーアーム片側につき2個使用するので、ベアリングを交換するとなると左側シリンダーヘッドだけで¥13,840+交換工賃が掛かってしまいますから・・・。
ついでに、取り付け方向(オイルライン)を示すポンチマークを入れましたので、シャフトの取り付けで間違うこともないと思います。

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いつ頃からかは分かりませんが、後期の2本サスのシャフト(左)にはモノサスと同じようなマーク(丸い凹み)がありますが、それ以前のシャフトではポンチマークがあったりなかったりするので、今後、気付いたらマークを付けるようにします。

シリンダーヘッドカヴァーを固定するナットがスタッドボルトにスルスル通らなかったので、タップとダイスで修正しておきます。

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カヴァー側のスタッドボルトも修正しました。
が、ヴァルヴクリアランスをビシッと調整し、カヴァーを取り付けようとしたところ

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ガーン。スタッドボルトがヌルッと回るー。

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モギー刑事  「ハハァン、だから液体ガスケットを使ったんだな・・・。」

シリンダーヘッドとカヴァーの合わせ面に多少の隙間はありましたが、漏れるほどではなさそうでしたので

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定番のリコイルで修正します。真っ直ぐに決まったッ!

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過去に自身の車輌でスタッドボルトを斜めにした経験から、現在は間違いのない作業をできるようになりました。アハハ!(カラ元気)

シリンダーヘッドカヴァーもすんなり収まり、ナットにしっかりトルクも掛けられるようになったので、これなら漏れないと思います。

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そして、捜査は次の街へ。

モギー刑事  「あっちも狭かったが、こっちはもっとだな・・・。」

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ガーン。ココでもかッ!

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なんということだッ!

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ちなみに、現在供給されている純正部品のベアリングがコチラ。ケーヂの角が丸く仕上げられてます。ケーヂの破損トラブルへの対策なんだと思います。

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古いベアリングのケーヂが割れやすいといっても、必ず割れるわけではありませんので、点検した際に亀裂や破損が見つかったら交換ということで良いと思います。なんせ、ベアリング1個¥3,460(税抜)で、8個必要としますから。もちろん、予防整備として交換するのもアリだと思いますので、気になる方はご相談ください。(控えめな宣伝)

捜査に非協力的な住人(ロッカーアームのベアリング)の存在にも負けず、同様の聞き込み(スタッドボルトの修正)を続け、なんとか本日の捜査を終えたモギー刑事。

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決め手に欠ける情報の中、突き出しの短いスパークプラグや、シリンダーヘッドカヴァーに代用されていた袋ナット、錆び付いたナットを交換するという小さな手柄も上げているようです。さあ、どうなのよッ!

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あんまり変わってないッ!

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(動画でご覧いただけます。)

しかし、捜査は確実に進展しているッ!
(トランジスター点火のモノサスのようにビタッとはいきませんが、点火時期が安定するようになりました。)

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(動画でご覧いただけます。)

こうして捜査は難航。それでも、徐々に有力な情報に辿り着きそうな手応えを感じる、モギー刑事なのであった・・・。

 

(続く)

 

ロッカーアーム周りの点検、ヴァルヴクリアランスの調整から、ヌルッとなったスタッドボルトの修理まで、ご相談くださいッ!

R100RS、始動困難ナリ。

たまたま当店ブログをご覧になり、整備の相談のご連絡をいただいていたお客様が、本当にご来店くださいました。有り難いことですッ!

症状としては、「とにかく始動が困難で、最近、特にエンヂンの掛かりが悪く、吹け上がり方もオカシイ」ということらしく、「自分の手には負えそうにないので、この際、しっかり診て欲しい」とのこと。実際に確認してみると、エンヂンが温まっているので始動はそれほど難しくはありませんでしたが、確かに回転の上昇、下降の様子がオカシイ。タコメーターの針の動きは、明らかに混合気が薄いときの症状ですが、どうもそれだけではないような感じです。

お客様がこちらのR100RSを所有されて5年ほど、オイルやブレーキ、タイアなどの消耗品はしっかり交換されてきたそうですが、他の整備についてはそれほど手を付けていなかったそうなので、各部の状態の確認も含めての作業になりました。ちょっと手強そうな予感もありますが、「バイク屋に頼むときは、自分でできない作業を頼むとき。請求書を見ても高いとは言いませんよ。ガハハ!」とのお言葉もいただき、俄然、ヤル気が出てまいりました。

 

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

 

いやん、カコイイ・・・。

ということで、お客様がお帰りになった後、さっそく冷えた状態からエンヂンの始動を確認してみます。

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(動画でご覧いただけます。)

まったく掛けられません。バイク屋ですから、エンヂンの始動にはそれなりに慣れているつもりですが、まったくダメです。何度セルモーターを回しても、掛けられる気がしません。一体、お客様はどうやってエンヂンを始動させていたんでしょうか?

とりあえず、簡単に確認できるところから点検します。

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すると、右キャブレターのスターター(チョーク)のケーブルの動きに、何か違和感が。

ガーン。レヴァーを操作してスターターを使用すると、その後、レヴァーを戻してもアウターケーブルが抜けてしまい

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スターターが利きっぱなしになっているッ!

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なので、スターターを指で直接操作して、ようやくエンヂンを始動させることができました。が、今度は

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(動画でご覧いただけます。)

まったく吹け上がりません。バイク屋ですから、スロットル操作にはそれなりに慣れているつもりですが、まったくダメです。何度スロットルを煽ってみても、吹け上がらせられる気がしません。一体、お客様はどうやってエンヂンを吹け上がらせていたんでしょうか?

うーん、何かが根本的にオカシイ。本当に俺に直せるのか・・・?

 

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

 

やってやるッ!

やはり、ココは基本の「良い混合気、良い圧縮、良い点火」に立ち返って、一つ一つ確認していくことにします。圧縮は、左右のシリンダーで同じような値がそれなりの数値で出ていましたので、問題なしと判断。となれば、お次は点火系です。

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マイナスネジが片方ないのも気になりますが、ポイントギャップはもっと気になります。何しろ、現状を確認しようにも0.10mmのシックネスゲーヂが入るかどうかといった具合で、しかもゲーヂが何かに当たってしっかり挿し込めないという。ポイントの動きを確認したいだけなのに、老眼の目を凝らしてもポイントが開閉しているのかすら分からない始末。

てことで、ユニットごと取り外し、分解します。

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犯人はコイツでした。

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一見、何食わぬ顔で

 

「今日の午後?何してたかって?ちゃんと開閉してましたよ、ホントっすよ。」

 

と言っているようでしたが、強引に口(クチ)を割らせたところ、大変なブツを隠し持っていることを白状しました。こりゃ、捜査の手(シックネスゲーヂ)が届かないハズです。

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敏腕デカ、モギー刑事の手により犯人も逮捕されましたので、ポイントを交換します。

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元通りに組み立てて、ポイントのユニットもキレイにしました。ポイントギャップはこの状態でも調整できますので、規定値0.40mm~0.50mmの範囲内にビシッと調整しておきます。コンデンサーはまだ新しいようなので、そのままにしておきました。

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オイルは漏れていませんでしたが、O-リングが潰れて変形していましたので、こちらも交換しておきます。

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いつものように、点火時期が確認しやすいようにホワイトペンで「S」マークを塗り、

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ポイントのユニットを元に戻してエンヂン始動!点火時期も調整!

どうなのよッ!

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(動画でご覧いただけます。)

始動性はかなり改善しましたが、今度は回転の下降具合の異常がより鮮明に・・・ということは、複数犯によるもの?事件はまだ続いているッ!

 

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

 

解決したかと思われたこの事件、まだ野放しの犯人がいることが判明。捜査範囲を拡げ、捜査費用も新たに計上し、引き続き犯人逮捕に向けて捜査を継続していきます。

 

(続く)

 

エンヂンの始動性の悪さにお困りの方、ご相談くださいッ!

何を言っているのか。(その7)

先日ご紹介した「何を言っているのか。」のR100RS、さっそく整備と修理を進めています。

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すでに一通りの整備&修理は終わってますが、まだ外したカウルを元に戻していないので、カウルの取り付けと最終確認の試乗を行います。

まずはこの状態で軽く試乗して、フロントフォークのオイルシールから漏れがないことを確認します。アッパーカウルの下に付くブーツは接着して固定するので、カウルとブーツを取り付けてからオイル漏れが見つかると、フロントフォークを外すのがちょっと面倒なんですよね。

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無事、オイル漏れもありませんでした。イヤッホゥーイ!

で、カウルを取り付ける前に、イグゾウストのフランヂナットの締め付けを確認します。(忘れてたわけじゃありません・・・。)こちらの車両は初めて扱いますので、一度外してから締め直しました。ナットに嫌な傷があったので嫌な予感がしましたが、ネジ山の状態は良好でした。グッド!

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てことで、いよいよカウルを取り付けるんですが、サイドカウルのこの部分が1箇所割れかけていたので補修しておきます。良く割れるんですよね、ココ。ちょっと不細工な補修なのは、お許しを。

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付けたり外したりしながら位置を調整し、ビシッと取り付けできました。イエス!
でも、カウルの脱着って、けっこう時間が掛かります・・・。

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その一因がココ、サイドカウルのステイです。エンヂンマウントのナットで共締めするんで、しっかり規定トルクで締めるとなると、カウルが邪魔してやりにくいんです。ステイがズレても困りますし。なので、カウルを付けたり外したり・・・。

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あ、サイドカウル、不細工な補修ですがしっかり固定できてます。カウルの状態もアレなんで、そんなに気にならないですよね?(失礼)

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ブーツもしっかり接着し、一晩寝かせて確実に固定します。接着して時間を置かずに乗っちゃうと、ゴムがちょっと固いのでムリッと外れちゃうんですよね。

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~翌日~

しっかりブーツも接着できたので、タンクとシートカウルのエムブレムも新品に貼り直し、さっそく試乗して最終確認です!どうなのよッ!

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ガーン。メーターの縦ブレとハンドルの軽さが、ちょっと気になるー。

なので、メーターステイに小細工し、ステムベアリングを再調整します。やってやるッ!
つか、ステアリングダンパーを外させてもらっておいて良かった~。

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そして、お客様は正しかったッ!

お客様「なんか、左のミラーがブレますよね?」
モギー「そうスカ?」

アッパーカウルステイ左下のボルトがありませんでした。アハハ。
てゆうか、なぜ外したし!

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カウルの取り付けボルトもしっかり締め付け直し、あらためて試乗してみました。良い感じに仕上がったんじゃないでしょうかッ!ウレスィ~。

凛々しいッ!

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やっぱり、R100RSはカッコイイですなぁ。(整備するのは大変ですが・・・。)

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ということで、思いのほか時間が掛かってしまい、ご予算も大幅に超えてしまい申し訳ありませんでしたが、入庫時よりは格段に良くなっていると思います。さっそく紀伊半島の端まで走るとのことですが(アホ?)、この状態なら安心して往復の道中もこなせるハズですので、掛かった分だけ存分に楽しんじゃってください。お土産話を楽しみにしております。

この度はご依頼いただき、有り難うございましたッ!(ホクホク)

 

個人売買でちょっとポンコツを掴んじゃった方、そんなポンコツで紀伊半島の端まで走りたい方、整備&修理、諸々承っておりますッ!

 

オマケ

やっぱり、オイルプレッシャースウィッチからのオイル漏れがちょっと気になるので、交換しておきます。

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エンヂンとトランスミッションの間からはオイルが垂れた痕跡がないので、あとはニュートラルスウィッチを交換すれば気になるオイル漏れはなくなりそうです。ヤッタネ!

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何を言っているのか。(その5)

先日ご紹介した「何を言っているのか。」のR100RS、さっそく整備と修理を進めています。

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前回に続き、今回はエンヂンの車検整備の作業を進めていきます。

と、その前に、行き先のない速度警告灯の配線を外すところからスタートです!

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ついでにメーターグラスもキレイにしておきました。これは、車検整備というよりも納車整備の作業になりますね。

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ずっと取り外したままだったヘッドライトも、レンズやリフレクターなんかをキレイに磨き上げます。踏んづけて壊しちゃう前に元に戻しておかないと、大変なことになりますからね。アハハ。(踏んづけません。)

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これは、車検前の点検で気になったときに車検整備の一環として行ってます。レンズの曇りで光量不足なんて、勘弁して欲しいですからね。

オォッ!透明感が戻っているッ!

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地味ですが、センタースタンドの先端のゴムが片方なくなっていたので、忘れる前に取り付けておきました。

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てことで、エンヂンのヴァルヴ周りの点検と調整に取り掛かります。

ロッカーアームを外したら、スリッパーとステムエンドの接触面を点検します。この車両は良好ですね。一安心です。
修正できる小さな虫食いならまだマシですが、修正できないほど深い傷がある場合は交換しなければなりません。放っておいても、悪化することはあっても良くなることはないですから。

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ロッカーアームのシャフトとニードルベアリングも点検します。特に、ニードルを保持しているケーヂは傷や亀裂、破損がないことを確認しておきます。こちらも問題なしですね。

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たまに起こるトラブルですが、このケーヂが破損することがあります。ケーヂが割れると、そこからニードルがポロポロ脱落してしまい、ガチャガチャと嫌な音を発するようになりますので、すぐに分かります。もしそうなった場合は、それ以上走行するのは止め、早めに修理してください。こんな感じだと、アウト~!です。

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亀裂
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破損

あとはヴァルヴクリアランスを規定値に調整すればOKです。ビシッと決まったッ!

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汚れたヘッドカヴァーも洗浄し、合わせ面をキレイに均して

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新しいガスケットとともに取り付ければ作業終了です。

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ヘッドカヴァーは、あらかじめシリンダーヘッドに仮組みして合わせ面の隙間を確認し、必要なら修正しておくと、取り付けたあとに「ウッ!オイルが漏れてきているッ!」なんてことがなくなります。あまりにも大きな隙間の場合は内燃機加工屋さんにお願いすることになりますが、ヘッドカヴァー側の軽微な歪みならなんとかなります。

で、エンヂンを始動できるようになったので、またイレギュラーな修理に取り掛かります。そう、1,500rpm以上でも消えないチャーヂランプをなんとかします。やってやるッ!

順番としては、チェックの簡単なレギュレーターから点検します。異常なしです。

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異常がないので、次にチェックの簡単なステーターを疑います。ココも異常なしです。

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今回のような症状の場合、ローターは関係ないと思いますが、ついでなので点検しておきます。

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中古良品と比べてみても、スリップリング間の抵抗値は正常みたいです。

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スリップリングとローターボディの絶縁不良があったので、

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コレが原因とは思えませんが、異常のない中古ローターと交換してみます。

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で、ローターとステーターを元に戻してみても、やはりまだチャーヂランプは消えません。
てことは、ダイオードボードが疑わしいですね。トホホ。

ダイオードボードを取り外し、ダイオードを点検してみると

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ビンゴ!です。6個の内の1個のダイオードが壊れてました。ちなみに、上が正常な中古良品、下が車輌についていたモノです。
てゆうか、取り外したダイオードボード、よく破断するゴム製マウントがもげちゃってるー。(中古のアルミ製ダイオードボードマウントがありましたので、交換しておきました。)

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というわけで、ダイオードボードを交換し、あらためて確認します。さて、どうかしら?

オォッ!チャーヂランプが消えているッ!

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(動画でご覧いただけます。)

充電電圧も14V付近まで上昇ッ!

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(動画でご覧いただけます。)

やってやったぞッ!

バァーン!

 

ということで、これでトランスミッションから前方の作業がすべて終わりました。残すはリア周りの作業のみですね。やっと終わりが見えてきました。もう一頑張りです。ゴー!俺、ゴー!

 

(続く)

 

疎かにされがちな車検整備はもちろん、チャーヂランプの不具合も、ご相談くださいッ!

何を言っているのか。(その4)

先日ご紹介した「何を言っているのか。」のR100RS、さっそく整備と修理を進めています。

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ステムベアリングの交換、フロントフォークのO/H、そしてフロントブレーキのO/Hも終えましたので、引き続きキャブレターのO/Hとガソリンタンクの洗浄と作業を進めていきます。

まずはキャブレターの取り外しなんですが、なぜかホースバンドがなかったり

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片側だけフューエルホースが交換されていたりするので、あとで忘れずに対応することにします。

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で、キャブレターとスロットルケーブル、スターター(チョーク)ケーブルが外れました。

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スロットルケーブルの状態は良くないですね。切れかかってはいないものの、中のワイアに変なクセがついていて、このフリーな状態でもワイアの動きが非常に渋くなっています。特に、左側はケーブルのアウターエンドが外れてしまっていて、最初に点検したときの遊びの少なさの原因になっていました。これは交換しないとダメですね。

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ん?バタフライシャフトのホルダーがちょっと曲がってます。要修正ですね。

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バラバラに分解してみると、

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なぜか左キャブレターだけヒドく汚れ、腐食した感じです。

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フロートチャンバーも左だけ変な汚れ方をしています。

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内部の状態は比較的良さそうでしたが、メインジェットホルダーのO-リングがこびり付いて残っていました。ひょっとしたら、左側のコックが慢性的にガソリン漏れを起こしていて、車輌が不動だった間もフロートチャンバーにガソリンが少しずつ供給され続け、徐々に変質していくガソリンに侵されていたのかもしれません。

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ということで、徹底的に洗浄します。かなり良くなりそうな手応えを感じるッ!

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キャブレターボディの各通路やジェット類の穴ももちろんですが、フロートチャンバーにあるオーヴァーフローしたときのためのドレインパイプの穴の通りまでしっかり点検、清掃しました。

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あまりドレインパイプが詰まることはないと思いますが、このキャブレターは完全に塞がっていました。そのままにした場合、オーヴァーフローした際にガソリンの行き場がなくなり、一部はキャブレターから漏れ出しますが、多くはシリンダーヘッド側へ流出することになります。走行中であればプラグがカブる程度で済むかもしれませんが、長時間の停車となると予想できない量のガソリンがシリンダーヘッド内に浸入することになります。気付かずにそのままエンヂンを始動すれば、最悪の場合、ウォーターハンマーによりエンヂンに深刻なダメーヂを与えることも十分あり得ます。
不測の事態を避けるためにも、車輌から降りるときは必ずフューエルコックをOFFにする習慣を身に付けていただければと思います。

余談になりますが、ついでにフロートを固定するピンについても。
よく見ると、ピンには片側にギザギザの加工が施されています。なので、ピンを外すときは加工されていないほうから加工されている側へ、細い棒で打ち抜くようにしてください。そうすれば簡単に外れます。逆に打ち抜こうとすると、なかなか外せず、このように傷を付けることになります。
(ちょっと分かりにくいですが、右側が元々のギザギザに加工された側になります。)

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本題に戻り、O-リングやガスケットを交換して組み立てていきます。

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スロットルレヴァー、スターターレヴァーも正しく取り付けます。

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ダイアフラムがちょっとヘタってましたが、破れはありませんでしたので再利用しました。気軽に交換するにはちょっと高いんですよね・・・。

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スロットルバタフライもピタッと位置が合いました。曲がっていたバタフライシャフトホルダーも修正済み。

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どうですかッ!

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かなり良い状態に戻せたと思いますッ!(確信)

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せっかく上手くO/Hできたのに、インテイクマニフォウルドとの接続部のラバースリーヴがカチカチでは台無しです。ひび割れと変形がヒドいときは、迷わず交換しましょう。

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まだまだ認知度は低いですが、当店オリヂナルのスターターノブも取り付けて、キャブレターのO/Hは完了ですッ!
あ、ホースバンドとフューエルホースも忘れていませんよ。

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続いて、スロットルケーブルです。
状態の良い1本はそのままで、キャブレター側の2本を交換します。新品でも最初からワイアインジェクターでグリスアップ(注油)しておけば、持ちがグンと良くなると思います。あとは車検整備の度にグリスアップするだけで、そうそう動きが渋くなることも傷むこともないハズです。

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スロットルのギア部もグリスアップしてケーブルを取り付ければ、

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できました!

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やっぱり、スターターケーブルがないとスッキリするわぁ。ほんと、スッキリするわぁ。(宣伝)

にしても、このエアクリーナーの汚れ具合は・・・。もしかして、試乗したときのパワー不足の一因かな?中古のエアクリーナーで恐縮ですが、もう一度試乗できるようになったら交換して確かめてみます。

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キャブレターの作業が終わったので、お次はガソリンタンクです。

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ガソリンで数回共洗いして、こんだけのゴミと水が出てきました。内部の状態にもよりますが、防錆塗料が十分残っているようなら、洗浄だけで再コーティングはしないほうが良いと考えてます。どうも上手く再コーティングできる気がしないんですよね・・・。

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フューエルコックはL字タイプの新品に交換するつもりですが、外したストレートタイプのコックも分解、洗浄して修理用の部品にします。O/Hも可能ですが、部品代と工賃を考えると余りメリットがないことに最近気付きましたので・・・。

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分解ついでに状態も確認しておきます。
レンコンとも呼ばれるこのシール、穴の変形や磨耗がスゴイですね。こりゃ、コックが正しい位置でOFFにならないわけです。こうなると交換するしかありません。

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ストレートタイプのコックはご覧のようにストレーナーが小さいので、タンク内の防錆塗料が剥がれたカスが溜まってしまうと、ガソリンの流量不足につながります。

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コックのボディ内部にもけっこうカスが溜まってますね。

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てなわけで、交換するならストレーナーが大きいL字タイプのコックほうが良いと思います。タンクを外して置いておく際も、コチラのほうが床敷きにも置きやすいですし。

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おっし、漏れも滲みもなく取り付けできました!

と、ココまではイレギュラーな修理&整備がメインでしたが、ようやく一段落しましたので、引き続き通常の車検整備の作業を進めていきます。
元々、今回のご依頼は車検整備による車輌のリフレッシュが目的だったんです。なのに、予想外の不具合があちこちにあって、かなり寄り道した感じになってしまいました。また、当初予定していたご予算よりも作業が大幅に増えてしまい、なんだか申し訳ないことに・・・。その分、ビシッと整備しますので、期待してお待ちを!

 

てことで、いつもとはちょっと順番が違いますが、ハンドル周りの作業がほぼ終わっていることもあり、クラッチレヴァーとケーブルを先に片付けます。

レヴァーを取り外してケーブルエンドも外したら、ケーブルをワイアインジェクターでグリスアップします。ケーブルエンドはグリスが古くなってカチカチに固まっていてなかなか外れず、ワイアの動きもかなり渋かったです。このままの状態で使い続けていると、そのうちクラッチケーブルがブチッと断線しますので、クラッチレヴァーが重い、渋いと感じる方は早めの点検をオススメします。(経験者談)

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レヴァーやピヴォットボルトをキレイに洗浄し、

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レヴァーホルダーもキレイにしてグリスアップして組み付ければOKです。
アラ、軽~い!何、このレヴァー!(誇張表現)

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オイルも未交換の状態で入手されたそうなので、交換します。
抜いたオイルはエンヂン、トランスミッションともに真っ黒で、トランスミッションのドレインボルトにはこんもり鉄粉が付着してました。この程度ならまだ問題になりませんが、フィラーボルトやドレインボルトのガスケットは、サイズの合った純正部品を使って欲しいですね。

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オイルフィルターも履歴が不明なので交換しておきます。

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しっかりキレイにしてやるッ!

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しかし、このO-リングの変形っぷりときたら、断面が四角くなってます。おそらく長期間に渡り交換されてこなかったんだと思います。オイルクーラーの取り出し口がオイルで汚れているのも、O-リングのシール性が落ちていたからですね。

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間違って組まれたフィルターが意外と多いのでいつかまとめようと思っていますが、フィルターを挿入するキャニスターの口(クチ)がこのように切りっぱなしになっている場合、

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まずこのスペーサーを必ず入れてから

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O-リングを取り付け、

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オイルクーラー取り出し口(またはフィルターカヴァー)に紙製ガスケットを付けて

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取り付けます。

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2本サスのほとんどがキャニスターの口が切りっぱなしのモノですので、この組み合わせを基本にしてください。合わせ面をキレイに均して組めば、まず漏れることもありませんので。

また、2本サスのオイルレヴェルゲーヂを兼ねたこのフィラーボルトの金属製ガスケット、特に拘りがなければ当店ではO-リングに交換しています。個人的に長年使用した経験から、適当な材質のモノであれば長く使えますし、純正よりも漏れにくく、また締め込むのも緩めるのも容易になりますのでオススメです。

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もちろん、オイル交換する際にガスケットの当たり面をキレイに均しますので、純正のガスケットでも漏れにくくすることは可能です。

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トランスミッションも同様です。

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オイルを抜いている時間に、シフトペダルも清掃、グリスアップします。ホースで代用されているシフトペダルラバーも、ついでに交換しちゃいます。

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モノサスではO-リングが入れられているのであまりグリスの劣化はヒドくなりませんが、2本サスの場合、こんな感じでグリスが固くなって動きが渋くなっている車両は多いです。

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クラッチリリースアームも清掃、グリスアップします。この車輌ではモノサス以降に見られるピヴォット部にニードルベアリングを使用したタイプが使われていますが、ココのグリスが古くなってカチカチになって、このベアリングとスリーヴの動きが渋くなっている車輌も多いです。

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また、このタイプのリリースアームではゴム製のベローズがダストカヴァーとオイルシールを兼ねていますので、破れている場合は交換になります。この車輌では、ベローズがアームに接着されていて取り外すときに破れそうになりましたが、なんとか大丈夫そうです。フゥ。

外した部品を元通りにしっかりと取り付けて、オイルを忘れずに注入すればトランスミッション周りの作業は終了です。イエス!

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以上、車検整備で行っている作業の一部を紹介して、本日は終~了~。

エンヂンオイルも交換したので、次も車検整備の作業、エンヂンのヴァルヴ周りの点検と調整をメインに進めていきます。ファイト、俺!

 

(続く)

 

キャブレターのO/Hやガソリンタンクの洗浄、オイル交換だけでなく、疎かにされがちな車検整備も、お任せくださいッ!