R100RS、始動困難ナリ。(その3)

たまたま当店ブログをご覧になり、整備の相談のご連絡をいただいていたお客様の始動困難なR100RS、整備と修理を進めています。

前回の捜査では犯人逮捕への手がかりすら掴めませんでしたが、捜査対象は確実に絞られてきました。もう少し聞き込みを行い、事件の背後に潜む犯行グループを一網打尽にする日も近そうです。犯人のメボシは付いています。しかし、確実に逮捕するに十分な証拠を揃えるため、地道な捜査は続きます。

これまでの作業で「良い圧縮、良い点火」の点検&整備が終わりましたので、残るは「良い混合気」の確認です。試しに、当店在庫のR100RSからO/H済みのキャブレターを取り外し、交換してみます。

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フツーに掛かって、フツーに吹け上がるじゃん・・・。

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(動画でご覧いただけます。)

モギー刑事 「犯人は、この街にいるッ!」

てことで、キャブレターをO/Hします。ついでに、せっかくご注文いただいた当店オリヂナルのスターターノブが干渉するので、後付けのフューエルフィルターを取り外し

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カチカチに固くなったホースも交換しておきます。

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このラバースリーヴもカチカチになってましたので、交換になります。

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お客様のほうでもO-リングやガスケットは交換されたそうですが、症状は改善しなかったようです。パッと見、確かに問題があるようには思えませんでした。

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モギー刑事 「どうした、顔色が悪いぞ?まさか、クスリか?」
ダイアフラム「見ての通り(フニャフニャ)、ただの疲れっすよ。やだなぁ。」

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ダイアフラムも張りがなくなっていましたので、中古良品に交換しておきます。ダイアフラムの張りはピストンヴァルヴの動き(反応)に直接関係してきますので、あまりにもヘタっている場合は交換することをオススメします。

モギー刑事 「最近、何か変わったことは?」
バタフライ 「シャフトのヤツ、ちょっと様子が変(動きが渋い)なんすよ。」
モギー刑事 「!」

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バタフライシャフトのO-リングが劣化しているのか、かなり動きが渋いです。これだけ渋いとスロットルの戻りにも影響しそうですので、やはりO/Hして正解でした。

モギー刑事 「あの回転のゆっくりした下降具合の原因は、コイツか・・・?」

ということで、バラバラに分解してキレイに洗浄し

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ビシッとO/Hしました。

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過去に内部の部品を交換されていないのだとしたら、ちょっと気になるトコロはありますが、これで症状に改善が見られるハズです。

捜査の途中ですが、スターター(チョーク)ケーブルの取り外しとフューエルホースの交換のついでに、お客様が気になっていたというエアクリーナーケースのこのズレも修正します。

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ガーン。ダブルナットにされてるー。しかも、まるで締まってないー。

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とりあえず、外したカヴァーとケースを

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洗浄してキレイにします。

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ブローバイホースの辺りから、けっこうオイルが漏れてますね。とりあえず、ホースクランプをしっかり締め付け直しておきます。

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漏れたオイルはココから垂れてきますので、気になる方は点検してみてください。

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トランスミッションの上部にややオイル混じりの砂埃が積もってましたので、キレイにしておきました。

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で、エアクリーナーケースをピシッと取り付け、しっかり固定します。

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エアクリーナーもかなりヤレてましたので、交換しておきました。無理に取り付けられたのか、金属のメッシュもめくれてましたので。

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タンクマウントラバーもかなりお疲れのご様子でしたので

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新品に交換します。

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また、ダイナコイルがしっかり固定できていませんでしたので、

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つか、フレーム側の取り付け部が割れているッ!

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ので、当店オリヂナルのステイに交換して、反対側に移設させていただきました。

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と、寄り道が長くなりましたが、O/Hしたキャブレターを取り付けて、いよいよエンヂンを始動します。捜査も大詰めです。

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ココで、モギー刑事が何かに気付きます。

モギー刑事 「オイ、オマエ何か知ってるな?」
ケーブル  「ギクッ!な、なんも知りませんて!」

にわかに現場がザワつき始めるッ!

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(動画でご覧いただけます。)

スロットルケーブルの動きが渋く、レヴァーがゆっくり戻ってました。ワイアインジェクターでグリスアップして汚れを取り除き、レヴァーの動きも軽くなったッ!

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(動画でご覧いただけます。)

モギー刑事 「こんなトコロにも協力者が隠れていたのか・・・。」

しかし、まだ主犯格の男は尻尾を出しません。もう一度現場に戻り、聞き込みに走るモギー刑事。(ガックシ)

モギー刑事 「オマエもヤツらの仲間かッ?」
スプリング 「さぁ、知りませんよ。フフフ。」

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元々付いているピストンヴァルヴのリターンスプリング(左)は線径が細く、ピッチも細かいものでしたが、捜査資料によるとこの年式の車輌ではこれがスタンダードなセッティングのようです。試しに太いモノと交換してみても、症状が良くなる様子はありません。

モギー刑事 「クソッ、一体どうなってるんだ・・・。」
カヴァー  「どうかしたんすか、刑事さん?」

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このキャブレターは、トップカヴァー(右)のピストンヴァルヴ挿入部に穴がないタイプですが、穴付きのモノに交換してみても、やはり大きな変化は見られません。トップカヴァーの組み合わせにも変更は加えられていないようです。

ニードル  「刑事さん、なんか探しモノでもあるんすか?フヒヒ。」
モギー刑事 「うっさい、すっこんでろ!(逆ギレ)」

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ジェットニードル(下)のクリップ位置も、捜査資料ではこれがスタンダードセッティングとなっています。試しに変更してみますが、ココでも大きな変化は見られません。

こうして幾つか気になるトコロを確認してみましたが、アイドリング時の混合気の薄さと回転がゆっくり下降するという症状は消えません。そしてついに・・・

モギー刑事  「犯人は・・・オマエだッ!」
スロージェット「グッ、グゥ~。」

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元々付いていたスロージェット(左)を新品に交換したところ、あっさり解決しました。ジェットの番手もスタンダードセッティングの#45、パッと見、穴もキレイに通っていましたが、わずかに詰まりがあったようです。ネジ山の先の形状に違いはあるものの、新品と同じサイズまで穴を修正したところ、元のスロージェットでも症状は再発しませんでした。バンザイ!

犯人確保ッ!確保ッー!

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(動画でご覧いただけます。)

ということで、ようやくフツーのメーターの針の動きになりました。

実は、スロージェットがアヤシイことは初めから分かっていたんです。パイロットスクリューの戻しが異常に多かった時点で、スロー系に何かしら混合気を薄くさせる原因があるとニラんでました。しかし、そこは敏腕デカ、モギー刑事。丹念に証拠を積み上げてこその犯人逮捕が信条なのです。(おかげで、すんごく時間が掛かりました・・・。)

モギー刑事  「しかし、まだこれで終わりじゃない・・・。」

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左シリンダーヘッドカヴァーから少しオイルが垂れているッ!

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ので、増し締めします。トホホ。

エンヂンの後側からも、ちょっと垂れてますね。あとでエンヂンをキレイにしたら、漏れてる箇所を確認します。

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以上、やっとフツーにエンヂンを始動でき、フツーに回転が上昇/下降するところまで整備&修理が終わりました。残す作業もあと少しですが、意外と大変なモノになりそうです。

 

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

 

犯行グループの全容解明まで、捜査の手を緩めるつもりはないッ!決意を新たに現場へと戻って行く、モギー刑事なのであった・・・。

 

(続く)

 

キャブレターに起因する吹け上がりの悪さの点検&修理、動きの渋いスロットル操作の整備から、ダイナコイル用ステイの交換まで、お任せくださいッ!

R100RS、始動困難ナリ。(その2)

たまたま当店ブログをご覧になり、整備の相談のご連絡をいただいていたお客様の始動困難なR100RS、整備と修理を進めています。

前回の捜査で犯人の一人を逮捕することができましたが、今回の事件の主犯格の男はまだのうのうと捜査の手を免れて過ごしているようです。犯人のメボシは付いています。しかし、確実に逮捕するに十分な証拠を揃えるため、地道な捜査は続きます。

てことで、ヴァルヴクリアランスの点検と調整から始めます。圧縮は確認済みですが、適正なクリアランスが確保されていることも、良好なエンヂン始動のためには不可欠です。

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さっそく捜査を撹乱するための仲間の仕業かッ!スタッドボルトがシリンダーヘッドに残ってしまいました。ガスケットにも液体ガスケットが塗られた跡を発見。

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しかし、そこは敏腕デカ。モギー刑事、難なく取り外します。

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モギー刑事  「最近、何か変わったことは?」
ロッカーアーム「俺もバルブも、何も知らないっすよ。キレイなもんすよ。」

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モギー刑事  「コイツ、何か隠してるな・・・?」

ガーン。IN側のニードルベアリングのケーヂが割れているッ!

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EX側もッ!

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たまたま中古良品の在庫があったので、ロッカーアームごと交換しました。ベアリングは¥3,460/個(税抜)、ロッカーアーム片側につき2個使用するので、ベアリングを交換するとなると左側シリンダーヘッドだけで¥13,840+交換工賃が掛かってしまいますから・・・。
ついでに、取り付け方向(オイルライン)を示すポンチマークを入れましたので、シャフトの取り付けで間違うこともないと思います。

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いつ頃からかは分かりませんが、後期の2本サスのシャフト(左)にはモノサスと同じようなマーク(丸い凹み)がありますが、それ以前のシャフトではポンチマークがあったりなかったりするので、今後、気付いたらマークを付けるようにします。

シリンダーヘッドカヴァーを固定するナットがスタッドボルトにスルスル通らなかったので、タップとダイスで修正しておきます。

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カヴァー側のスタッドボルトも修正しました。
が、ヴァルヴクリアランスをビシッと調整し、カヴァーを取り付けようとしたところ

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ガーン。スタッドボルトがヌルッと回るー。

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モギー刑事  「ハハァン、だから液体ガスケットを使ったんだな・・・。」

シリンダーヘッドとカヴァーの合わせ面に多少の隙間はありましたが、漏れるほどではなさそうでしたので

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定番のリコイルで修正します。真っ直ぐに決まったッ!

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過去に自身の車輌でスタッドボルトを斜めにした経験から、現在は間違いのない作業をできるようになりました。アハハ!(カラ元気)

シリンダーヘッドカヴァーもすんなり収まり、ナットにしっかりトルクも掛けられるようになったので、これなら漏れないと思います。

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そして、捜査は次の街へ。

モギー刑事  「あっちも狭かったが、こっちはもっとだな・・・。」

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ガーン。ココでもかッ!

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なんということだッ!

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ちなみに、現在供給されている純正部品のベアリングがコチラ。ケーヂの角が丸く仕上げられてます。ケーヂの破損トラブルへの対策なんだと思います。

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古いベアリングのケーヂが割れやすいといっても、必ず割れるわけではありませんので、点検した際に亀裂や破損が見つかったら交換ということで良いと思います。なんせ、ベアリング1個¥3,460(税抜)で、8個必要としますから。もちろん、予防整備として交換するのもアリだと思いますので、気になる方はご相談ください。(控えめな宣伝)

捜査に非協力的な住人(ロッカーアームのベアリング)の存在にも負けず、同様の聞き込み(スタッドボルトの修正)を続け、なんとか本日の捜査を終えたモギー刑事。

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決め手に欠ける情報の中、突き出しの短いスパークプラグや、シリンダーヘッドカヴァーに代用されていた袋ナット、錆び付いたナットを交換するという小さな手柄も上げているようです。さあ、どうなのよッ!

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あんまり変わってないッ!

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(動画でご覧いただけます。)

しかし、捜査は確実に進展しているッ!
(トランジスター点火のモノサスのようにビタッとはいきませんが、点火時期が安定するようになりました。)

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(動画でご覧いただけます。)

こうして捜査は難航。それでも、徐々に有力な情報に辿り着きそうな手応えを感じる、モギー刑事なのであった・・・。

 

(続く)

 

ロッカーアーム周りの点検、ヴァルヴクリアランスの調整から、ヌルッとなったスタッドボルトの修理まで、ご相談くださいッ!

R100RS、始動困難ナリ。

たまたま当店ブログをご覧になり、整備の相談のご連絡をいただいていたお客様が、本当にご来店くださいました。有り難いことですッ!

症状としては、「とにかく始動が困難で、最近、特にエンヂンの掛かりが悪く、吹け上がり方もオカシイ」ということらしく、「自分の手には負えそうにないので、この際、しっかり診て欲しい」とのこと。実際に確認してみると、エンヂンが温まっているので始動はそれほど難しくはありませんでしたが、確かに回転の上昇、下降の様子がオカシイ。タコメーターの針の動きは、明らかに混合気が薄いときの症状ですが、どうもそれだけではないような感じです。

お客様がこちらのR100RSを所有されて5年ほど、オイルやブレーキ、タイアなどの消耗品はしっかり交換されてきたそうですが、他の整備についてはそれほど手を付けていなかったそうなので、各部の状態の確認も含めての作業になりました。ちょっと手強そうな予感もありますが、「バイク屋に頼むときは、自分でできない作業を頼むとき。請求書を見ても高いとは言いませんよ。ガハハ!」とのお言葉もいただき、俄然、ヤル気が出てまいりました。

 

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

 

いやん、カコイイ・・・。

ということで、お客様がお帰りになった後、さっそく冷えた状態からエンヂンの始動を確認してみます。

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(動画でご覧いただけます。)

まったく掛けられません。バイク屋ですから、エンヂンの始動にはそれなりに慣れているつもりですが、まったくダメです。何度セルモーターを回しても、掛けられる気がしません。一体、お客様はどうやってエンヂンを始動させていたんでしょうか?

とりあえず、簡単に確認できるところから点検します。

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すると、右キャブレターのスターター(チョーク)のケーブルの動きに、何か違和感が。

ガーン。レヴァーを操作してスターターを使用すると、その後、レヴァーを戻してもアウターケーブルが抜けてしまい

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スターターが利きっぱなしになっているッ!

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なので、スターターを指で直接操作して、ようやくエンヂンを始動させることができました。が、今度は

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(動画でご覧いただけます。)

まったく吹け上がりません。バイク屋ですから、スロットル操作にはそれなりに慣れているつもりですが、まったくダメです。何度スロットルを煽ってみても、吹け上がらせられる気がしません。一体、お客様はどうやってエンヂンを吹け上がらせていたんでしょうか?

うーん、何かが根本的にオカシイ。本当に俺に直せるのか・・・?

 

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

 

やってやるッ!

やはり、ココは基本の「良い混合気、良い圧縮、良い点火」に立ち返って、一つ一つ確認していくことにします。圧縮は、左右のシリンダーで同じような値がそれなりの数値で出ていましたので、問題なしと判断。となれば、お次は点火系です。

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マイナスネジが片方ないのも気になりますが、ポイントギャップはもっと気になります。何しろ、現状を確認しようにも0.10mmのシックネスゲーヂが入るかどうかといった具合で、しかもゲーヂが何かに当たってしっかり挿し込めないという。ポイントの動きを確認したいだけなのに、老眼の目を凝らしてもポイントが開閉しているのかすら分からない始末。

てことで、ユニットごと取り外し、分解します。

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犯人はコイツでした。

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一見、何食わぬ顔で

 

「今日の午後?何してたかって?ちゃんと開閉してましたよ、ホントっすよ。」

 

と言っているようでしたが、強引に口(クチ)を割らせたところ、大変なブツを隠し持っていることを白状しました。こりゃ、捜査の手(シックネスゲーヂ)が届かないハズです。

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敏腕デカ、モギー刑事の手により犯人も逮捕されましたので、ポイントを交換します。

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元通りに組み立てて、ポイントのユニットもキレイにしました。ポイントギャップはこの状態でも調整できますので、規定値0.40mm~0.50mmの範囲内にビシッと調整しておきます。コンデンサーはまだ新しいようなので、そのままにしておきました。

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オイルは漏れていませんでしたが、O-リングが潰れて変形していましたので、こちらも交換しておきます。

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いつものように、点火時期が確認しやすいようにホワイトペンで「S」マークを塗り、

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ポイントのユニットを元に戻してエンヂン始動!点火時期も調整!

どうなのよッ!

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(動画でご覧いただけます。)

始動性はかなり改善しましたが、今度は回転の下降具合の異常がより鮮明に・・・ということは、複数犯によるもの?事件はまだ続いているッ!

 

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

「請求書を見ても高いとは言いませんよ」

 

解決したかと思われたこの事件、まだ野放しの犯人がいることが判明。捜査範囲を拡げ、捜査費用も新たに計上し、引き続き犯人逮捕に向けて捜査を継続していきます。

 

(続く)

 

エンヂンの始動性の悪さにお困りの方、ご相談くださいッ!

北方(埼玉)から、ステムベアリングの交換と。

一週間ほど前になりますが、以前にトランスミッションのO/Hをご依頼いただいたお客様が、今回はステムベアリングの交換にご来店くださいました。またまた有り難いことですッ!

そもそも、走行距離57,000kmほどの車輌(R100RS、モノサス)を入手され、当初は外装を再塗装してエンヂンをキレイに磨き、フレームも錆びたトコロを塗り直して乗り出すつもりが、手を付け始めたら車輌がバラバラになっていたッ!とのことで、そのお手伝いの第二弾になります。

で、塗装済みのフレームをお持ち込みいただいたのですが、事前にベアリングのアウターレースを外されていなかったそうなので

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オリヂナルの専用工具を使ってグイグイ抜き、ステムベアリングを交換しました。再塗装されたばかりのフレームで緊張しますが、専用工具を使えばご覧の通り。アラ、簡単!

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ついでに、フロントフォークと幾つかの部品をお預かりして、後日、O/Hさせていただきました。

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まずは分解してキレイにし、各部の点検から。インナーチューブの状態は、やや擦れた跡と小さな傷が1箇所ありましたが、オイル漏れを引き起こすほどではなさそうでした。他の部品も状態は良好です。

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今回ご依頼いただいた理由はコレ、ダンパーロッドのガイドリング(ピストンリング)です。この紙製のガイドリング、個人でもフロントフォークのO/Hに挑戦される方はいるかと思いますが、新品への交換はかなり苦労すると思います。元々付いていたモノを再使用する場合でもインナーチューブへの挿入は難しいですが、張りのある新品の場合、挿入する際にガイドリングが広がってしまい、強引に組みつけようとすればリングを傷めてしまいます。どうするッ!

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大丈夫、当店ではオリヂナルの専用工具を用意していますので数分で挿入可能です。バンザイ!

ちなみにこのガイドリング、取り付けには向きがあります。写真のように凹部を下にするのが正解です。

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で、外した部品を順番通りに元に戻せばインナーチューブの組み立てはOKです。

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フロントフォークのアウターチューブも、オイルドレイン用の穴の周りや、アクスルシャフトの挿入部をキレイに均しておきます。

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このアウターチューブはフレーム同様に粉体塗装で塗り直されていますので、マスキングの隙間から入り込んだ塗料を落とすのにちょっと苦労しました。ココに塗料が残っていると、アクスルシャフトの挿入がキツくなったりしますので。

また、フォークトップのO-リングが潰れて変形していましたので、交換しておきました。
(このとき、片側のオイルフィラーボルトが固く締まっていることを確認したのですが、それが後にトラブルを起こすことに・・・。申し訳ありませんでした。)

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フロントフォークを組み立てて、フォークオイルを入れてエア抜きし、一晩置いて漏れがないことを確認します。オイルシール、ドレインボルト、アウターチューブの底からも漏れはありませんでした。

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さらに、お客様ご自身でキャブレターをO/Hされた際に、バタフライシャフトのネジ穴をダメにしてしまったそうなので、その交換と(写真では分かりにくいですが、片側のネジ穴がユルユルになっています)

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当店オリヂナルのスターターノブの取り付けもご依頼いただきました。有り難うございますッ!

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その他、幾つかのご注文部品も用意し、一通りの作業を終えて梱包、発送したのですが、翌日、お客様からフロントフォークのオイル漏れのご連絡をいただいてしまいました。

こちらの思い込みで、片側のオイルフィラーボルトだけ確認して締まっていると判断し、結果、お客様に大変なご迷惑をお掛けしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。二度とこのようなことがないように努めますので、これに懲りず、またお手伝いさせていただければと思います。せっかくのご依頼にしっかりと応えられなかったこと、強く反省しております。本当に、申し訳ありませんでした。

 

遠方の方でも片道の送料をご負担いただければ、フロントフォークのO/Hや、キャブレターの修理も承っております。

何を言っているのか。(その7)

先日ご紹介した「何を言っているのか。」のR100RS、さっそく整備と修理を進めています。

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すでに一通りの整備&修理は終わってますが、まだ外したカウルを元に戻していないので、カウルの取り付けと最終確認の試乗を行います。

まずはこの状態で軽く試乗して、フロントフォークのオイルシールから漏れがないことを確認します。アッパーカウルの下に付くブーツは接着して固定するので、カウルとブーツを取り付けてからオイル漏れが見つかると、フロントフォークを外すのがちょっと面倒なんですよね。

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無事、オイル漏れもありませんでした。イヤッホゥーイ!

で、カウルを取り付ける前に、イグゾウストのフランヂナットの締め付けを確認します。(忘れてたわけじゃありません・・・。)こちらの車両は初めて扱いますので、一度外してから締め直しました。ナットに嫌な傷があったので嫌な予感がしましたが、ネジ山の状態は良好でした。グッド!

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てことで、いよいよカウルを取り付けるんですが、サイドカウルのこの部分が1箇所割れかけていたので補修しておきます。良く割れるんですよね、ココ。ちょっと不細工な補修なのは、お許しを。

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付けたり外したりしながら位置を調整し、ビシッと取り付けできました。イエス!
でも、カウルの脱着って、けっこう時間が掛かります・・・。

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その一因がココ、サイドカウルのステイです。エンヂンマウントのナットで共締めするんで、しっかり規定トルクで締めるとなると、カウルが邪魔してやりにくいんです。ステイがズレても困りますし。なので、カウルを付けたり外したり・・・。

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あ、サイドカウル、不細工な補修ですがしっかり固定できてます。カウルの状態もアレなんで、そんなに気にならないですよね?(失礼)

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ブーツもしっかり接着し、一晩寝かせて確実に固定します。接着して時間を置かずに乗っちゃうと、ゴムがちょっと固いのでムリッと外れちゃうんですよね。

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~翌日~

しっかりブーツも接着できたので、タンクとシートカウルのエムブレムも新品に貼り直し、さっそく試乗して最終確認です!どうなのよッ!

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ガーン。メーターの縦ブレとハンドルの軽さが、ちょっと気になるー。

なので、メーターステイに小細工し、ステムベアリングを再調整します。やってやるッ!
つか、ステアリングダンパーを外させてもらっておいて良かった~。

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そして、お客様は正しかったッ!

お客様「なんか、左のミラーがブレますよね?」
モギー「そうスカ?」

アッパーカウルステイ左下のボルトがありませんでした。アハハ。
てゆうか、なぜ外したし!

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カウルの取り付けボルトもしっかり締め付け直し、あらためて試乗してみました。良い感じに仕上がったんじゃないでしょうかッ!ウレスィ~。

凛々しいッ!

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やっぱり、R100RSはカッコイイですなぁ。(整備するのは大変ですが・・・。)

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ということで、思いのほか時間が掛かってしまい、ご予算も大幅に超えてしまい申し訳ありませんでしたが、入庫時よりは格段に良くなっていると思います。さっそく紀伊半島の端まで走るとのことですが(アホ?)、この状態なら安心して往復の道中もこなせるハズですので、掛かった分だけ存分に楽しんじゃってください。お土産話を楽しみにしております。

この度はご依頼いただき、有り難うございましたッ!(ホクホク)

 

個人売買でちょっとポンコツを掴んじゃった方、そんなポンコツで紀伊半島の端まで走りたい方、整備&修理、諸々承っておりますッ!

 

オマケ

やっぱり、オイルプレッシャースウィッチからのオイル漏れがちょっと気になるので、交換しておきます。

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エンヂンとトランスミッションの間からはオイルが垂れた痕跡がないので、あとはニュートラルスウィッチを交換すれば気になるオイル漏れはなくなりそうです。ヤッタネ!

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何を言っているのか。(その6)

先日ご紹介した「何を言っているのか。」のR100RS、さっそく整備と修理を進めています。

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これまでの作業で、トランスミッションから前側の整備&修理が終わったので、リア周りの車検整備の作業を進めていきます。

と、またまたその前に、車検整備の項目としてオイル漏れの点検と清掃を入れていますので、エンヂンとトランスミッションの清掃を行います。

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オイルフィラーのガスケットをO-リングに交換しましたので、もうそんなに汚れることはないと思います。

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プッシュロッドチューブとオイルパンはまだ軽いオイル滲みのようなので、清掃して様子見です。

が、オイルプレッシャースウィッチからと思われるオイル汚れや

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ニュートラルスウィッチからのオイル漏れの跡がちょっと気になります。工場に置いている間、床にちょっとオイルが垂れるくらいだったのであまりヒドくはなさそうですが、このままだと漏れ具合がよく分からないので

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キレイにして、また試乗して確認することにします。

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予算の都合もありますし、また、すでにオイル交換も済ませていますので、そんなに漏れがヒドくなければ次のオイル交換に合わせてスウィッチの交換を検討ということでも良いと思いますが、気になるようであれば早めにオイル交換、スウィッチ交換しちゃいましょう。

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幸い、トランスミッションの奥のほうからの漏れはなさそうでした。ホッ。

ということで、ようやくリア周りの作業に取り掛かったんですが・・・、ドライヴシャフトのオイルが少ないッ!しかも、汚れているッ!

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ファイナルドライヴのオイルは色もキレイで、規定量に近い300mlくらい抜けましたので、ドライヴシャフト側だけオイル交換をサボっていたんでしょうか。うーん、ドライヴシャフトだけでも、ちょっと早めに次のオイル交換をしたいですね。

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ホウィールを外しているので、ファイナルドライヴのスプライン周りも点検します。スプラインの状態も悪くないですし、オイルシールからの漏れもないですね。

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オイルを抜いている間に、リアブレーキの作業を進めます。

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2本サスのリアディスクブレーキって、ホント、整備しにくいですよね。今回は、必要ならO/Hもというご依頼なのでココまで外しますが、車体に残したままだと本当にやりにくいです。オレっちの手が大きいせいもありますが。

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BMW特有?の、このクリップで固定するタイプのピン、嫌いじゃないなんですが(むしろ好き)、コレが錆びて固着しているとなかなか外せないんです。片側は折れて針金で固定されてるくらいですから。

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錆と古く固くなったグリスで苦労しましたが、無事に分解できました。

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マスターシリンダーのピストンを押すレヴァーとピヴォットピンも、この有様・・・。

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ただ、マスターシリンダーはシールからの漏れもなく、状態も良さそうでした。ココのシールはちょっと変わっているので、ダメなら交換するつもりでいましたが、コレならそのままでOKだと思います。ピストンのキットって、かなり高いんですよね。ウレシイッ!

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キャリパーも分解し、

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状態を確認します。錆びやカスがヒドかったフロントのキャリパーに比べ、なぜかとってもキレイでした。リア側だけ過去にO/Hされているのかもしれません。

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てことで、ジャブジャブ、ゴシゴシ洗浄します。

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ブレーキフルードが少ない期間が長かったのか、ダイアフラムのベローズが伸びてますが(重石を乗せてしばらく放置してみます)

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リザーヴタンク内はキレイです。

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古くなるとよく破れるこのダストカヴァーは、程度はイマイチですが中古があったので交換しておきます。

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ブレーキパッドは残量も十分で、変な細工もされていませんので、再使用します。

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しっかりグリスアップして組み立てて、車体に戻します。よく利くブレーキに戻りそうな予感。ムフフ。

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スウィングアームのピヴォット部も、グリスアップして締め付けトルクを点検します。

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そのままホウィールベアリングの点検といきたいところですが、あまりにもホウィールが汚れていたので

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手が入る範囲で頑張ってキレイにしました。ご依頼いただいたお客様のご友人が新しいオーナーになるのですが、初めてのBMW、しかも久しぶりのバイク(現在はスクーター)とのことなので、オマケの作業です。まだ汚れは残ってますが、オマケなのでお許しを!

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ホウィールベアリングもフロント同様、点検してグリスアップします。

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オイルを交換してからホウィールを取り付けて、ブレーキのエア抜きをすれば

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できました。イエス!

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しかし、この2本サスのリアブレーキは、ほんとエア抜きしにくいですね。作業中の姿勢はちょっとアクロバチックなので、このときばかりは「来客?ノー・サンキュー!」って言っちゃいそうです。

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あとは、シートロックのリリースボタンに

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樹脂製のキャップを取り付けて、

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ちょっと干渉するシートロックピンの位置を調整し

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リアフェンダーを元に戻せば

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本日の作業、終~了~。

まだ少しやることは残ってますが、車検整備で行っているリア周りの作業はこのような感じになります。通常、キャリパーの分解まではしませんが、キャリパーとピストンの清掃をしていて問題があれば、分解して点検も行うことになります。

さあ、あとは試乗して、外しているカウルを元に戻せば、いよいよ納車になります。もうちょっと!ゴー!俺、ゴー!ゴー!

 

(続く)

 

しつこいようですが、疎かにされがちな車検整備、ご相談くださいッ!

何を言っているのか。(その5)

先日ご紹介した「何を言っているのか。」のR100RS、さっそく整備と修理を進めています。

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前回に続き、今回はエンヂンの車検整備の作業を進めていきます。

と、その前に、行き先のない速度警告灯の配線を外すところからスタートです!

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ついでにメーターグラスもキレイにしておきました。これは、車検整備というよりも納車整備の作業になりますね。

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ずっと取り外したままだったヘッドライトも、レンズやリフレクターなんかをキレイに磨き上げます。踏んづけて壊しちゃう前に元に戻しておかないと、大変なことになりますからね。アハハ。(踏んづけません。)

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これは、車検前の点検で気になったときに車検整備の一環として行ってます。レンズの曇りで光量不足なんて、勘弁して欲しいですからね。

オォッ!透明感が戻っているッ!

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地味ですが、センタースタンドの先端のゴムが片方なくなっていたので、忘れる前に取り付けておきました。

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てことで、エンヂンのヴァルヴ周りの点検と調整に取り掛かります。

ロッカーアームを外したら、スリッパーとステムエンドの接触面を点検します。この車両は良好ですね。一安心です。
修正できる小さな虫食いならまだマシですが、修正できないほど深い傷がある場合は交換しなければなりません。放っておいても、悪化することはあっても良くなることはないですから。

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ロッカーアームのシャフトとニードルベアリングも点検します。特に、ニードルを保持しているケーヂは傷や亀裂、破損がないことを確認しておきます。こちらも問題なしですね。

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たまに起こるトラブルですが、このケーヂが破損することがあります。ケーヂが割れると、そこからニードルがポロポロ脱落してしまい、ガチャガチャと嫌な音を発するようになりますので、すぐに分かります。もしそうなった場合は、それ以上走行するのは止め、早めに修理してください。こんな感じだと、アウト~!です。

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亀裂
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破損

あとはヴァルヴクリアランスを規定値に調整すればOKです。ビシッと決まったッ!

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汚れたヘッドカヴァーも洗浄し、合わせ面をキレイに均して

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新しいガスケットとともに取り付ければ作業終了です。

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ヘッドカヴァーは、あらかじめシリンダーヘッドに仮組みして合わせ面の隙間を確認し、必要なら修正しておくと、取り付けたあとに「ウッ!オイルが漏れてきているッ!」なんてことがなくなります。あまりにも大きな隙間の場合は内燃機加工屋さんにお願いすることになりますが、ヘッドカヴァー側の軽微な歪みならなんとかなります。

で、エンヂンを始動できるようになったので、またイレギュラーな修理に取り掛かります。そう、1,500rpm以上でも消えないチャーヂランプをなんとかします。やってやるッ!

順番としては、チェックの簡単なレギュレーターから点検します。異常なしです。

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異常がないので、次にチェックの簡単なステーターを疑います。ココも異常なしです。

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今回のような症状の場合、ローターは関係ないと思いますが、ついでなので点検しておきます。

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中古良品と比べてみても、スリップリング間の抵抗値は正常みたいです。

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スリップリングとローターボディの絶縁不良があったので、

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コレが原因とは思えませんが、異常のない中古ローターと交換してみます。

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で、ローターとステーターを元に戻してみても、やはりまだチャーヂランプは消えません。
てことは、ダイオードボードが疑わしいですね。トホホ。

ダイオードボードを取り外し、ダイオードを点検してみると

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ビンゴ!です。6個の内の1個のダイオードが壊れてました。ちなみに、上が正常な中古良品、下が車輌についていたモノです。
てゆうか、取り外したダイオードボード、よく破断するゴム製マウントがもげちゃってるー。(中古のアルミ製ダイオードボードマウントがありましたので、交換しておきました。)

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というわけで、ダイオードボードを交換し、あらためて確認します。さて、どうかしら?

オォッ!チャーヂランプが消えているッ!

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(動画でご覧いただけます。)

充電電圧も14V付近まで上昇ッ!

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(動画でご覧いただけます。)

やってやったぞッ!

バァーン!

 

ということで、これでトランスミッションから前方の作業がすべて終わりました。残すはリア周りの作業のみですね。やっと終わりが見えてきました。もう一頑張りです。ゴー!俺、ゴー!

 

(続く)

 

疎かにされがちな車検整備はもちろん、チャーヂランプの不具合も、ご相談くださいッ!

もしも私が犬であったなら。

以前、当店オリヂナルのETCアンテナ用ステイを購入してくださったお客様が、今度はオイル交換に来てくださいましたッ!しかも、ついでにこれまた当店オリジナルのスターターノブの取り付けまでご所望とのことッ!ウレシイッ!

もしも私が犬であったならば、うれションしていただろうッ!
If I were a dog, I would uresyon!

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そして、もしもピアノが弾けたなら、思いのすべてを歌にして君に伝えることだろうッ!
And, if I could play the piano, I would tell you how I love you with my song!

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懐かしの仮定法過去、受験生だった頃を思い出しますねー。

 

てゆうか、犬でも西田敏行でもないんで、バイク屋としてビシッと作業させていただきます。

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黒く汚れてはいますが、この時代のキャブレター仕様の空冷エンヂンなら、これが普通ですね。定期的に交換されているだけあって、オイルにオカシナ混入物も見られません。

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写真を撮り忘れましたが、スターターノブの取り付けもビシッとできてます。アハハ!

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こちらの車輌、元はR80RTだそうで、外装を外して軽快な感じにカスタムされています。以前は別の車輌でレース活動も楽しまれていたとのことですが、現在はこのR80でツーリングにガンガン出掛けているそう。走りを楽しみたい方をも満足させてしまう2V-OHV、やっぱり何か魅力があるんでしょうね。そういえば、当店にも試乗できる販売車両があったような?(宣伝)

で、ふと目に付くのがコレ、タンクに貼り付けられたマップホルダー。アラやだ、さりげない!

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こちらはお客様のオリヂナルだそうで、これは試作品とのこと。

ペロッと開くとこんな感じです。アラやだ、ステキ!

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B5サイズくらいでしょうか。ツーリングマップやiPad的なモノがスッと収まる使い勝手の良さそうなこのマップホルダー、もう少し改良を加え、できれば製品化したいとのこと。アラやだ、欲しくなっちゃう!

確かに、市販されているマップホルダーってタンクバッグを兼ねているモノが多いですから、ちょっと大きくなりがちでタンクの上が嵩張りますよね。素材も全天候対応となれば化繊に頼るのがコスト的にも良いのは理解できますが、どうしても安っぽく見えてしまいます。
コレは全体が織りでできたコットン生地、パイピングは革で仕上げてあるので雰囲気もお洒落ですし、何よりマップホルダーに特化しているので薄くてシンプル!アラやだ、ホントだ!

この時代のBMWにも良く似合ってますが、このカラーリングなら、どこぞの赤いイタリアンバイクにもマッチしそうです。マグネット式なので、アルミタンクだと使用できませんが・・・。

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マップホルダー、製品化できたらまたオイル交換のついでにでも(ココ大事)、お知らせくださいッ!

てことで、ステマはこのくらいにして、この度はご来店いただき、有り難うございましたー。

 

エンヂンオイルの交換からスターターノブの取り付け、ちょっとしたステマまで、お任せくださいッ!

何を言っているのか。(その4)

先日ご紹介した「何を言っているのか。」のR100RS、さっそく整備と修理を進めています。

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ステムベアリングの交換、フロントフォークのO/H、そしてフロントブレーキのO/Hも終えましたので、引き続きキャブレターのO/Hとガソリンタンクの洗浄と作業を進めていきます。

まずはキャブレターの取り外しなんですが、なぜかホースバンドがなかったり

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片側だけフューエルホースが交換されていたりするので、あとで忘れずに対応することにします。

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で、キャブレターとスロットルケーブル、スターター(チョーク)ケーブルが外れました。

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スロットルケーブルの状態は良くないですね。切れかかってはいないものの、中のワイアに変なクセがついていて、このフリーな状態でもワイアの動きが非常に渋くなっています。特に、左側はケーブルのアウターエンドが外れてしまっていて、最初に点検したときの遊びの少なさの原因になっていました。これは交換しないとダメですね。

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ん?バタフライシャフトのホルダーがちょっと曲がってます。要修正ですね。

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バラバラに分解してみると、

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なぜか左キャブレターだけヒドく汚れ、腐食した感じです。

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フロートチャンバーも左だけ変な汚れ方をしています。

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内部の状態は比較的良さそうでしたが、メインジェットホルダーのO-リングがこびり付いて残っていました。ひょっとしたら、左側のコックが慢性的にガソリン漏れを起こしていて、車輌が不動だった間もフロートチャンバーにガソリンが少しずつ供給され続け、徐々に変質していくガソリンに侵されていたのかもしれません。

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ということで、徹底的に洗浄します。かなり良くなりそうな手応えを感じるッ!

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キャブレターボディの各通路やジェット類の穴ももちろんですが、フロートチャンバーにあるオーヴァーフローしたときのためのドレインパイプの穴の通りまでしっかり点検、清掃しました。

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あまりドレインパイプが詰まることはないと思いますが、このキャブレターは完全に塞がっていました。そのままにした場合、オーヴァーフローした際にガソリンの行き場がなくなり、一部はキャブレターから漏れ出しますが、多くはシリンダーヘッド側へ流出することになります。走行中であればプラグがカブる程度で済むかもしれませんが、長時間の停車となると予想できない量のガソリンがシリンダーヘッド内に浸入することになります。気付かずにそのままエンヂンを始動すれば、最悪の場合、ウォーターハンマーによりエンヂンに深刻なダメーヂを与えることも十分あり得ます。
不測の事態を避けるためにも、車輌から降りるときは必ずフューエルコックをOFFにする習慣を身に付けていただければと思います。

余談になりますが、ついでにフロートを固定するピンについても。
よく見ると、ピンには片側にギザギザの加工が施されています。なので、ピンを外すときは加工されていないほうから加工されている側へ、細い棒で打ち抜くようにしてください。そうすれば簡単に外れます。逆に打ち抜こうとすると、なかなか外せず、このように傷を付けることになります。
(ちょっと分かりにくいですが、右側が元々のギザギザに加工された側になります。)

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本題に戻り、O-リングやガスケットを交換して組み立てていきます。

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スロットルレヴァー、スターターレヴァーも正しく取り付けます。

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ダイアフラムがちょっとヘタってましたが、破れはありませんでしたので再利用しました。気軽に交換するにはちょっと高いんですよね・・・。

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スロットルバタフライもピタッと位置が合いました。曲がっていたバタフライシャフトホルダーも修正済み。

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どうですかッ!

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かなり良い状態に戻せたと思いますッ!(確信)

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せっかく上手くO/Hできたのに、インテイクマニフォウルドとの接続部のラバースリーヴがカチカチでは台無しです。ひび割れと変形がヒドいときは、迷わず交換しましょう。

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まだまだ認知度は低いですが、当店オリヂナルのスターターノブも取り付けて、キャブレターのO/Hは完了ですッ!
あ、ホースバンドとフューエルホースも忘れていませんよ。

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続いて、スロットルケーブルです。
状態の良い1本はそのままで、キャブレター側の2本を交換します。新品でも最初からワイアインジェクターでグリスアップ(注油)しておけば、持ちがグンと良くなると思います。あとは車検整備の度にグリスアップするだけで、そうそう動きが渋くなることも傷むこともないハズです。

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スロットルのギア部もグリスアップしてケーブルを取り付ければ、

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できました!

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やっぱり、スターターケーブルがないとスッキリするわぁ。ほんと、スッキリするわぁ。(宣伝)

にしても、このエアクリーナーの汚れ具合は・・・。もしかして、試乗したときのパワー不足の一因かな?中古のエアクリーナーで恐縮ですが、もう一度試乗できるようになったら交換して確かめてみます。

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キャブレターの作業が終わったので、お次はガソリンタンクです。

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ガソリンで数回共洗いして、こんだけのゴミと水が出てきました。内部の状態にもよりますが、防錆塗料が十分残っているようなら、洗浄だけで再コーティングはしないほうが良いと考えてます。どうも上手く再コーティングできる気がしないんですよね・・・。

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フューエルコックはL字タイプの新品に交換するつもりですが、外したストレートタイプのコックも分解、洗浄して修理用の部品にします。O/Hも可能ですが、部品代と工賃を考えると余りメリットがないことに最近気付きましたので・・・。

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分解ついでに状態も確認しておきます。
レンコンとも呼ばれるこのシール、穴の変形や磨耗がスゴイですね。こりゃ、コックが正しい位置でOFFにならないわけです。こうなると交換するしかありません。

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ストレートタイプのコックはご覧のようにストレーナーが小さいので、タンク内の防錆塗料が剥がれたカスが溜まってしまうと、ガソリンの流量不足につながります。

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コックのボディ内部にもけっこうカスが溜まってますね。

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てなわけで、交換するならストレーナーが大きいL字タイプのコックほうが良いと思います。タンクを外して置いておく際も、コチラのほうが床敷きにも置きやすいですし。

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おっし、漏れも滲みもなく取り付けできました!

と、ココまではイレギュラーな修理&整備がメインでしたが、ようやく一段落しましたので、引き続き通常の車検整備の作業を進めていきます。
元々、今回のご依頼は車検整備による車輌のリフレッシュが目的だったんです。なのに、予想外の不具合があちこちにあって、かなり寄り道した感じになってしまいました。また、当初予定していたご予算よりも作業が大幅に増えてしまい、なんだか申し訳ないことに・・・。その分、ビシッと整備しますので、期待してお待ちを!

 

てことで、いつもとはちょっと順番が違いますが、ハンドル周りの作業がほぼ終わっていることもあり、クラッチレヴァーとケーブルを先に片付けます。

レヴァーを取り外してケーブルエンドも外したら、ケーブルをワイアインジェクターでグリスアップします。ケーブルエンドはグリスが古くなってカチカチに固まっていてなかなか外れず、ワイアの動きもかなり渋かったです。このままの状態で使い続けていると、そのうちクラッチケーブルがブチッと断線しますので、クラッチレヴァーが重い、渋いと感じる方は早めの点検をオススメします。(経験者談)

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レヴァーやピヴォットボルトをキレイに洗浄し、

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レヴァーホルダーもキレイにしてグリスアップして組み付ければOKです。
アラ、軽~い!何、このレヴァー!(誇張表現)

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オイルも未交換の状態で入手されたそうなので、交換します。
抜いたオイルはエンヂン、トランスミッションともに真っ黒で、トランスミッションのドレインボルトにはこんもり鉄粉が付着してました。この程度ならまだ問題になりませんが、フィラーボルトやドレインボルトのガスケットは、サイズの合った純正部品を使って欲しいですね。

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オイルフィルターも履歴が不明なので交換しておきます。

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しっかりキレイにしてやるッ!

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しかし、このO-リングの変形っぷりときたら、断面が四角くなってます。おそらく長期間に渡り交換されてこなかったんだと思います。オイルクーラーの取り出し口がオイルで汚れているのも、O-リングのシール性が落ちていたからですね。

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間違って組まれたフィルターが意外と多いのでいつかまとめようと思っていますが、フィルターを挿入するキャニスターの口(クチ)がこのように切りっぱなしになっている場合、

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まずこのスペーサーを必ず入れてから

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O-リングを取り付け、

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オイルクーラー取り出し口(またはフィルターカヴァー)に紙製ガスケットを付けて

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取り付けます。

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2本サスのほとんどがキャニスターの口が切りっぱなしのモノですので、この組み合わせを基本にしてください。合わせ面をキレイに均して組めば、まず漏れることもありませんので。

また、2本サスのオイルレヴェルゲーヂを兼ねたこのフィラーボルトの金属製ガスケット、特に拘りがなければ当店ではO-リングに交換しています。個人的に長年使用した経験から、適当な材質のモノであれば長く使えますし、純正よりも漏れにくく、また締め込むのも緩めるのも容易になりますのでオススメです。

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もちろん、オイル交換する際にガスケットの当たり面をキレイに均しますので、純正のガスケットでも漏れにくくすることは可能です。

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トランスミッションも同様です。

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オイルを抜いている時間に、シフトペダルも清掃、グリスアップします。ホースで代用されているシフトペダルラバーも、ついでに交換しちゃいます。

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モノサスではO-リングが入れられているのであまりグリスの劣化はヒドくなりませんが、2本サスの場合、こんな感じでグリスが固くなって動きが渋くなっている車両は多いです。

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クラッチリリースアームも清掃、グリスアップします。この車輌ではモノサス以降に見られるピヴォット部にニードルベアリングを使用したタイプが使われていますが、ココのグリスが古くなってカチカチになって、このベアリングとスリーヴの動きが渋くなっている車輌も多いです。

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また、このタイプのリリースアームではゴム製のベローズがダストカヴァーとオイルシールを兼ねていますので、破れている場合は交換になります。この車輌では、ベローズがアームに接着されていて取り外すときに破れそうになりましたが、なんとか大丈夫そうです。フゥ。

外した部品を元通りにしっかりと取り付けて、オイルを忘れずに注入すればトランスミッション周りの作業は終了です。イエス!

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以上、車検整備で行っている作業の一部を紹介して、本日は終~了~。

エンヂンオイルも交換したので、次も車検整備の作業、エンヂンのヴァルヴ周りの点検と調整をメインに進めていきます。ファイト、俺!

 

(続く)

 

キャブレターのO/Hやガソリンタンクの洗浄、オイル交換だけでなく、疎かにされがちな車検整備も、お任せくださいッ!

何を言っているのか。(その3)

先日ご紹介した「何を言っているのか。」のR100RS、さっそく整備と修理を進めています。

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ステムベアリングの点検と調整をしたことでようやく試乗もでき、車輌の状態が分かりましたので、いよいよ作業に取り掛かります。

まずはフロント周りを分解します。

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クリームチーズ?

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じゃ、なさそうですね。

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定番のアウターレースの打痕ですが、荷重を強く受ける下側のほうがクッキリ出てますね。

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外したステム周りを洗浄してピカピカにし、新しいベアリングにたっぷりグリスを塗りこんでおきます。

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個人でもベアリング交換に挑戦される方はいるかと思いますが、アウターレースの取り外しはかなり苦労すると思います。モノサス以降は少し外しやすくなっていますが、2本サスの場合、ネックの取り付け部にほぼツライチのようにレースが収まっていて、ほとんど工具を引っ掛ける余地がありません。どうするッ!

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大丈夫、当店ではオリヂナルの専用工具を用意していますので数分で取り外し可能です。バンザイ!

ちなみに、これがモノサスの取り付け部です。隙間が少し広いのが分かるでしょうか。これでも一般的なプーラーではかなり苦労しますが・・・。

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てことで、ステム周りを取り付けます。うーん、ピカピカ!

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取り外したステムベアリングです。下側(右)に比べると上側(左)の打痕はそうでもありませんが、一方にコレだけ強い打痕があるとどんなに調整してもハンドルを切る際にコクッという感触が微かに残ってしまいます。構造的に、グルグル回転するのではなく左右に行ったり来たりするだけですから、どうしても一番走行時間の中で長くなる直進状態の位置に強く打痕が現れてしまいます。

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ステムベアリングの締め付け具合を調整してもハンドルが振れる原因は、この打痕によるベアリングのガタつきですので、ハンドルの振れが気になる方はディーラーまたは専門店にご相談ください。また、定期的なグリスアップで多少寿命を延ばすこともできますので、交換されたばかりの方は是非、定期的なメインテナンスもお忘れなく。もちろん、当店でも承っておりますッ!(さりげない宣伝)

ということで、続いてフロントフォークの組み立てです。しっかり洗浄し、在庫している再めっき済みのインナーチューブを使ってビシッと仕上げます。

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オイル漏れや滲みがないように、こういうトコロもキレイに均します。

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ただ、このサークリップは外すと元の位置に戻すのがちょっとムズカシイ・・・。

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できました。このとき、忘れずにダストカヴァーやフォークブーツを取り付けておきます。RSやRTのブーツには左右の区別があるので、ソコも注意です。(経験者談)

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スプリングは左右とも、キレイにして長さを点検しておきます。OKですね。

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フロントフォークを車体に取り付け、フォークオイルを規定量注入したら、エア抜きを丁寧に行います。アウターチューブの下側からのオイル漏れ、滲みも一切なし。イエス!

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再めっきされたインナーチューブに新しいオイルシール、これなら漏れることはないッ!

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なんかノッてきたので、ブレーキ周りもO/Hしちゃいます。

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マスターシリンダーのインレットポート、リターンポートの周りに結晶化したフルードが溜まってます。

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ココも、シリンダーから漏れたフルードが固まって溜まってますね。

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リザーヴタンクの中にも薄っすら結晶化したフルードが。

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こんなトコロにも。

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キャリパーも、ピストンを取り外したらエライことに!なってたので

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バラバラに分解します。こりゃ、洗浄するのも大変そう。逆に燃えちゃうけど!(M気質)

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そんなことより、なんでパッドにこんな細工を?ブレーキダスト対策なのかもしれませんが、細工した溝のせいでパッドが一部破損しちゃってます。これじゃ、パッドの寿命を短くするだけです。しかも、漏れたフォークオイルが染み込んでいて、ちょっとしっとりしてるー。
こりゃ、パッドは交換ですね。

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で、すごく燃えたんで、すごくキレイになりました。

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リターンポートもしっかり穴が通り、

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キャリパーに溜まっていた茶色い物体もなくなりました。

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リザーヴタンクもご覧の通り。

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心配していたピストンには傷もなく、良好な状態でした。ホッ。

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ついでに、スロットルホルダー周りも分解して洗浄します。燃えてますから。

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ブレーキレヴァーのピヴォット部、古いグリスが固まっていることはよくありますが、ココにフルードのカスが溜まってるのは珍しいですね。

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当然、ホルダー側もこの通り。

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ゴシゴシ洗ってキレイにしたら

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バババッとブレーキ周りを組み立てます。何しろ、燃えてますから。ウォー!

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本来なら、マスターシリンダーのピストンカップやキャリパーのピストンシールは交換したいところなんですが、今回はご予算の都合で再利用しています。点検したところ大きな傷も変形もなかったからなんですが、試乗してみて漏れや滲みがあればすぐに交換させていただきます。もちろん、お客様が乗り始めて間もなく漏れるようであれば即交換になります。そうならないように丁寧に作業したつもりですが、こればかりはどうにもなりませんのでお許しを。
おそらく大丈夫だと思いますし、ダメでも次回の交換作業はずっと楽に、確実に作業できますのでご安心ください。それよりも、まだまだコストが掛かりそうな予感がして、そっちのほうが心配です・・・。

などと言い訳もソコソコに、組み立てたブレーキ周りを車体に取り付けます。まだまだ燃えてますから。ファイアー!

ハンドルバーの錆がちょっと気になるので、ササッと磨いておきます。

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それと、ハンドルがセットバックされていて、ハンドルの取り付け角度も良くて非常に乗りやすかったんですが、メーターステイがRS用のままでちゃんと固定できていませんでしたので

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たまたま在庫にあった中古良品と交換しました。

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ジャーン!大丈夫、まだ燃えているッ!

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キャリパーを取り付ける前に、ホウィールベアリングの状態も点検します。アウターレースに焼けた感じはありますが、嫌なゴロつきも傷もなく動作は良好なので、古いグリスを洗い落としたっぷりグリスアップしておきます。同じテーパーローラーベアリングでも、グルグル回転しているせいか、ステムとは持ちが違いますね。まだまだ頑張って~。

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そして得られた、この躍動感ッ!どうですかッ!

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と思ったら、何かがオカシイ。タイアがグニャグニャしているような・・・?

ガーン。ビードが上がり切っていないッ!

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(動画でご覧いただけます。)

あのフロントが上下にフワフワした違和感の原因はコレだったのかもしれません。

危うく俺の中の炎が消えそうになりましたが、ビードをちゃんとハメるついでに、ちょっとズレてる軽点も合わせます。大丈夫、も少し燃えていけるッ!

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できました。

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(動画でご覧いただけます。)

うーん、だいぶ良くなったんじゃないでしょうかッ!ここまでやれば、もうあんな怖い思いをすることなく、安心して乗れるようになりますね。早く試乗して確かめたくなってきたー!

まだ燃えているッ!ファイィアァァー!

でもちょっと疲れたんで、今日はこのへんで。
次はガソリンタンクの洗浄とキャブレターのO/Hです。

 

(続く)

 

ステムベアリングの交換やブレーキのO/H、ホウィールベアリングの点検から上がり切きらなかったビードの面倒まで、諸々承っておりますッ!