おかげさまで年明けから忙しくさせていただいていたモギー、「もう、いいって。ちょっとのんびりさせて!つか、のんびりしたいのー!」と本気で思い始めていた矢先に、またしても初めてのお客様からご連絡がッ!いや、ホントにもう・・・あの・・・その・・・休みたぃ・・・からの、有り難いことですッ!ウォー!やってやるッ!やりたくないけど、やってやるー!(一部フィクション)
お仕事を断れないのはモギーの性格のせい・・・だけじゃなくてですね、こちらのお客様、昨年12月に購入されたばかりなんだそうですが
ソッコーでフロントフォークからオイルが漏れてしまったッ!とのこと。アチャチャ・・・。まだ全然楽しまれていないのにコレじゃ、モギーも引き受けざるを得ませんよねー。なんせ、「お客様のために、イッツ・モギーモータース!ヒーハー!」が当店のポリシーですから。ヒィーハァァーッ!
ちなみに、漏れの酷い左側はブレーキキャリパーにまでオイルが付着してました。この状態を見たお客様がすぐにでも修理したくなる気持ち、モギーもよーく分かります。嫌なもんですよね・・・。
と、その前に、「始動性が悪くて、なかなかエンヂンが・・・」ともおっしゃっていましたので、先にキャブレターの点検を・・・って、なぜか調整が上手くできないじゃあないかッ!そもそも、スロッロルケーブルの遊びもデカすぎー!イヤー!
気になって点火時期も点検してみると、ちょっとズレていましたので
ビシッと調整させていただきました。幸い、ココからのオイル漏れはありませんでした。ホッ。
さ、それではもう一度キャブレターの同調を・・・って、やっぱり上手く調整できないッ!なんなのー!
アレコレ点検してみると、どうもこの汚れたエアフィルターがけっこうな抵抗になっているようです。試しに外してみたところ、アイドリングの安定感がちょっと良くなりましたから。それでも、まだイマイチな感じが残っているので、やっぱりヴァルヴクリアランスも点検&調整しないとダメかしら・・・?マズイ、ご予算の上限にグングン近付いてくー!イヤー!
とりあえず、エンヂンが冷めるのを待つ間にフロントフォークのオイル漏れを修理しよっと。
ハデに漏れているように見えても、オイルの量は極端に減ってはいませんでした。が、けっこう汚れていましたので、交換されたのはずいぶん前なのかもしれません。
ダストカヴァー裏側にも細かい砂が溜まっているッ!溜まっているゥゥゥ!
ウゥゥリィィィ!
などとフザけている場合ではありませんので、ジャブジャブ&ゴシゴシ洗浄しまして
ビシッとオイルシールを交換します。インナーチューブの状態は良好でしたので、これでオイル漏れもピタッと止まるんじゃないでしょうかッ!つか、止まってー!お願いー!
オイルまみれだった左側のキャリパーもキレイにして、ついでに左右ともビシッと整備しておきました。パッドの残りも十分でしたので、しばらくは問題ないかなと思います。ま、以前の整備状況が分からないので断言はできませんが。オホホ。
おっと、もうこんな時間!妻が待つおウチに帰らなくっちゃ!
~翌日~
一晩経ってもフロントフォークからのオイル滲み&漏れもありませんでしたので、さっさとエンヂン周りの作業に取り掛かります。まずは、非常に始動性が悪い&バッテリーが弱々しいとのことでしたので、BOSCH製セルモーターを
O/H&マグネット剥離対策済みのValeo製セルモーターに交換させていただきました。こちらのお客様、駐輪場所が充電できる環境にないそうなので、O/Hしても不安の残るBOSCHよりもValeoのほうが断然オススメですから。そもそも、モギーってばBOSCHのセルモーターにはO/Hしてまで使う価値がないと思ってますし。つか、自分の車輌でもチョイチョイ苦労したんですよね・・・。(経験者談)
アレコレ元に戻すついでに、汚れていたエアフィルターも交換です。滅多にダメになるようなモノでもない気がしますが、今回のような汚れやオイルっぽい湿り気が目立つようであれば・・・さっさと交換しちゃいましょう。
それと、外したときに気が付きましたが、こちらのガソリンタンクはモノサス用でした。トンネル右側のエグリが大きいのが分かると思います。容量が2リットルほど少ないこと以外は違いはありませんが、一応、ご報告まで。おそらく元のタンクの状態が酷かったのでしょうが、どうりでタンクの塗装だけキレイだなぁと感じたわけです。
ちなみに、資料によるとガソリンタンクの容量は下記のようになります。
モノサス:22リットル(内、5リットルがリザーヴ)
2本サス :24リットル(内、3リットルがリザーヴ)
などと、タンクの話はこれくらいにしまして、続いてヴァルヴクリアランスの点検&調整とまいります。どうかなー?
ガーン。クリアランスがゼロじゃあないかッ!そりゃ、始動性が悪いのも頷けるし、調子も出ないワケや・・・。つか、ゼロといってもピタッと触れているとは限らないので、常にヴァルヴを押し下げている可能性もあるんですよね。ヴァルヴはしっかり開くことも重要ですが、しっかり閉じていることも大切なんです。大切なんですー!
それから、左シリンダーヘッドのEX側のスプリングだけ向きが逆になってました。直ちにどうこうということはないと思いますので、オイル漏れの修理やO/Hといった作業のついでに修正しましょう。今後の課題ですね。
それにしても、ロッカーアームのシャフトも前後の向きが違うとは・・・以前に所有していた人がテキトーに作業したんでしょうか?前後の向きが違ってもギリ、セーフですが、上下を間違うと簡単にロッカーアームのベアリングが焼き付くと思います。試したこともありませんし、試す気もありませんけど、オイルラインを見れば想像できますから。こういうトコロを意識しない人は、いつか必ずやっちゃうと思うんですよね・・・。モギーも気を引き締めねば!
ハイ、ビシッと調整できました。
ウッ、右側も同じ!ガビーン。
ホイ、こっちもビシッと調整できました。ロッカーアームはどれも良好だったのは不幸中の幸い?でしたね。フゥ、ドキドキしたー。
そうそう、気にされていたヘッドカヴァーの削れですが
内側までは影響がなかったので、もうしばらくお使いいただいても大丈夫かと思います。傷はあっても純正部品、悪くはないですよー。上下をひっくり返せばまだまだイケますし。ククク。
ついでに、スパークプラグも突き出し量が異なるモノ(写真左)が取り付けられていましたので、交換させていただきました。お乗りのR100CSなら熱価も「7」が標準ですし、こちらでよろしいかと思います。
ハイ、できました。
あとは、ちょっと動きの渋いスロットルケーブルもグリスアップしまして
スロットル操作が軽~くなったところで
キャブレターを再調整ッ!同調もビシッと決まったッ!バンザイ!
てことで、無事に作業終~了~。始動性も良好になりましたし、アイドリングの安定感もエンヂンの吹け上がりも良い感じになりました。一時はキャブレターも疑いましたが、これならしばらくは大丈夫そうですね!つか、初めからこの状態だったらセルモーターを交換しなくても・・・?って、もう交換しちゃいましたが。オホホー!
そんなことより、試乗してすぐに気が付きましたが、タイアがかなり古くて固い感じなのが気になります。てゆうか、試乗に出てすぐのトコロでちょっとUターンしただけでリアタイアがズルッと滑ったんで、ソッコーで確認したところ、97年の11週目製造?のタイアでした。溝はしっかり残っていても、20年物・・・そりゃ、ズルッと滑るわけや・・・。
当然、フロント側も97年の38週目に製造されたものでした。後日、お客様にお聞きしたところ、「ヘッドカヴァーの傷も、フロントタイアが滑って転倒したのが原因で・・・」だそうです。オ~ゥ、ノ~ゥ・・・。ん?ついこの前も似たコトがあったような?
ちなみに、タイアの製造年の表記は2000年から「○○(週)△△(年)」の4桁に変更されたようですので、「○○(週)△(年)」の3桁しかないタイアはかなりのレアもの・・・じゃなくて、問答無用でお早めに交換することをオススメします。しまーす!
ということで、この度はフロントフォークのオイル漏れ修理と始動不良の点検&整備のご依頼、有り難うございましたッ!エアフィルターの交換やちょっとした追加作業の分、少しご予算をオーヴァーしてしまいましたが、ご来店時よりもグッと良い状態に戻ったと思います。納車時にあまり?ほとんど?整備されていないようなので、これからも少しずつ手を入れていく必要はありそうですが、基本的には状態の良い車輌のように感じました。まずはじゃんじゃんお乗りいただき、R100CSを存分に楽しんじゃってくださいッ!また何かありましたら、お気軽にご相談を!